昨日の「第23回東京国際音楽祭」でビビアン・スーが大粒の悔し涙を流したという。その理由は、例のごとく中国の横暴。中国は、台湾に対し「中国台北 Chinese Taipei」という名称で参加するよう強要。台湾側はこれを拒否して退場という事態になった。
ビビアン・スーは、台湾原住民・タイヤル族の出身。原住民の中で「台湾は中国の一部」と思っている人は、ほぼ皆無だろう。「台湾は台湾人のもの」と思っているはずだ。
その涙がここに現れている。
昨夜のグリーンカーペット欠席にビビアン・スーが大粒の悔し涙
ぴあ映画生活 10月24日(日)16時12分配信
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特集「台湾電影ルネッサンス2010」のオープニングセレモニーに登壇したビビアン・スー |
オープニングセレモニーの写真
「台湾電影ルネッサンス2010」は、近年変化を遂げつつある台湾映画の“現在”を伝えるべく行われるイベント。台湾で今年度最大のヒットを記録した『モンガに散る』や、世界的な撮影監督リー・ピンビン氏のドキュメンタリー作など6作品を上映する。
セレモニーには『モンガ…』のキャスト・スタッフと、『ジュリエット』に出演したビビアンとプロデューサーのリー・ガン氏、『ズーム・ハンティング』に出演したチャン・チュンニンが登壇。ガン氏が、台湾勢が出席予定だったグリーンカーペットへの出席を直前にキャンセルされたことについて「昨日はとても残念でした。ビビアンも一生懸命にお化粧してキレイにして待ってたんですけど、婚礼に参加できなかったみたいでとても残念です」と語ると、ビビアンの目には大粒の涙が。ガン氏はさらに「映画はみんなが努力をかたむけてつくる作品で、映画祭はそのパーティですが、それが映画と関係ないことで台無しになるのは残念です。政治の問題を解決するのは私たち映画人の仕事ではありません。映画に関していいますと、中国も台湾もとっくにひとつになっています。同じ言葉を喋り、一緒に映画を撮っています。大事なのは“映画・中国”というひとつの国だと思います」と語り、集まった台湾映画ファンから大きな拍手を受けた。
ガン氏がスピーチしている間に流れる涙を何とかおさえてマイクを持ったビビアンは「昨日のことは解決できないですね。私たちがどんなにがんばってもどうにもならない」と悔しさを見せるも「昨日、イーサン(・ルアン)はキライなネクタイをずっとガマンしてしてて、なのに18時にキャンセルと聞いて、彼が『これキツいわー!』とネクタイを外したときの素顔が可愛くて、自分の携帯で写真を撮りました。明日からどんどん自分のブログにアップします! 私も昨日、すごくキレイだったんですよ」と笑顔を見せ、「実は『モンガ…』もチュンニンの映画も観たのに、自分の映画はまだ観てないんです。映画祭での上映を楽しみにしています。私は脳性まひの女性の役をやりました。大きな挑戦でしたが、がんばりましたので映画を好きになってくれるといいな。台湾の映画を応援してください」と作品をPRした。
【嫌らしく狭量な国】東京国際映画祭・中国が台湾代表団に圧力
「台湾の声」(2010.10,24)より転載
10月23日に開幕した第23回東京国際映画祭(10/23~10/31)のオープニングセ
レモニーで中国代表団が台湾代表団に「台湾/Taiwan」を「中国台北/Chinese Taipei」
の名義に変更するよう圧力をかけ、台湾映画『ジュリエット』の主演女優である
ビビアン・スーなどを含む台湾代表団が六本木ヒルズ会場の「グリーンカーペット」
を辞退する事態となった。
日本のインターネット上でも「シネマトゥデイ」は23日夜に「なぜ?ビビアン
・スーが急きょ欠席!!」と速報したが、「当初カーペットへの登場が予定されて
いたビビアン・スーが、急きょ出席を取りやめた」と報じただけでその欠席理由
は把握していなかったようだ。
台湾のTVBSの報道によると、中国側の団長である江平が台湾側に「両岸の中国
映画」として台湾映画を「中国映画」の一部と受け入れるよう求め、「台湾」を
「中国台北/Chinese Taipei」に変更するよう迫り、これに対して台湾側団長の
陳志寛・行政院新聞局映画処長は「文化事業を政治とからめるのか?
彼ら(中国側)は『オリンピックモデル』で『Chinese Taipei』とするよう要求
したが、これは映画祭でありオリンピックと関係ない」として中国側の強引な要求
を拒否したとのこと。
東京国際映画祭では「アジアの風」部門で「台湾電影ルネッサンス2010~美麗
新世代」として、台湾映画6作品(『モンガに散る』『ジュリエット』『台北カ
フェ・ストーリー』『4枚目の似顔絵』『ズーム・ハンティング』『風に吹かれ
て~キャメラマン李屏賓(リー・ピンビン)の肖像』)を上映する。
東京国際映画祭で上映される台湾映画を応援しよう!
ビビアン・スーを泣かせた傍若無人―東京国際映画祭で中国勢が政治騒動
【台湾の声】(2010.10.26)より 永山英樹
ブログでは関連写真も↓
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1327.html
■尖閣問題でチャン・ツィイーが来日中止?
今年も東京国際映画祭が十月二十三日に開幕した。華やかな国際イベントではあるが、これを巡って早くも中国絡みの暗い話題も出始めている。
映画祭での「中国映画週間」に参加予定の中国の大スター、チャン・ツィイーやトニー・レオンなどが突然訪日を中止した、と香港メディアや新華社が報じている。理由は「日中関係の緊張や映画ファンのネットでの抗議」だとか。
つまり尖閣問題を受けてのボイコットだというのだが、そもそもこの二人に来日の予定があったのかどうか、つまり事実の報道なのかどうかはよくわからない。
だがいずれにせよ、中国がこの映画祭を政治工作の舞台にしていることはたしかなようだ。
■グリーンカーペットに現れなかったビビアン・スー
「中国映画週間」のキャスト、スタッフは実際には、来日している。ところが映画祭の初日を飾るグリーンカーペットには姿を見せなかった。「移動の遅れ」のためだという。突然連絡も取れなくなったのだとか。
ではこれも日本に対する抗議行動の一環かといえば、そうでもないらしい。こちらは尖閣よりも大きな台湾への侵略のための行動のようだ。
今年の目玉企画の一つに「台湾電影ルネッサンス2010~美麗新世代」がある。ビビアン・スー主演の「ジュリエット」など、台湾の優れた作品六本を紹介するもので、台湾の行政院新聞局なども後押している。
そこでグリーンカーペットには、日本でもおなじみのビビアン・スーや、女性の間で人気急上昇のイーサン・ルアンなど、台湾のキャスト、スタッフも歩く予定だったのだが、こちらもやはり突然登場を取り止め、待ち構えていたファンを落胆させた。
■「中国台北」を名乗れー中国の要求と台湾の抵抗
日本のメディアは「ビビアンはなぜ姿を見せなかったのか」と首を傾げたが、実は開幕直前に中国代表団から妨害圧力があったのだ。それは台湾代表団の名称に「中国」の二文字を付けろとの要求だった。
つまり「台湾」ではなく、「チャイニーズタイペイ」を名乗れというわけだ。しかも漢字表記では「中国台北」。これは「中華人民共和国の台北」という意味だ。
台湾側のリーダーである陳志!)・新聞局電影事業処長は抵抗した。
映画祭の主催者や中国代表団団長を努める江平・中国電影集団公司副総裁らの前で、「このような要求は受け入れられない」と拒否したのだが、江平氏も「これは主権問題。絶対に譲れない」とし、レセプションばかりか映画祭自体のボイコットまで仄めかした。
そうしている間にオープニングカーペットは終了してしまった。
台湾のキャスト、スタッフは、悔しい表情を見せていたそうだ。これまでになく大人数で乗り込みながらも、晴れの舞台から突然引き摺り下ろされた格好だからだ。
■東京で傍若無人の振る舞いに出た中国側の自信
なお、台湾側の引率リーダーは当初、閣僚である江啓臣・行政院新聞局長が務める予定だった。だが来日は取りやめたようだ。もしや中国の妨害を察知し、それに自ら巻き込まれることで問題を拡大するのを避けようとしたのだろうか。
この日の晩、中国の国務院台湾事務弁公室(国台弁)のスポークスマンは、この騒動に関して「事情は知らない」と述べた。だがその国台弁の王毅主任(元駐日大使)は二十二日、訪問先の米国で「台湾が国際機構に参加するのなら、必ず北京を通して行わなければならない」と発言している。
つまり「台湾は国家ではなく中国の一地方に過ぎない」との主張を、台湾ばかりか世界各国にまで受け入れさせようとしているのだが、それほどこの覇権主義国家には、台湾併呑に自信があるのだろう。
だから東京でも、傍若無人の振る舞いに出た。日本人などにもはや中国を批判する力もないと思っていたのだろう。
■中国代表団のボイコットは「敗退」ではない
「台湾」の名称を取り下げろと、映画祭主催者に対して二時間も交渉した江平氏だが、結局要求が受け入れられないと知るや、次のように映画祭ボイコット宣言を行った。
―――世界には唯一つの中国しかなく、台湾は中国の不可分な部分だ。ところが東京映画祭の主催者は我々を中国と台湾とに分けて紹介した。我々はこれに抗議する。
―――「中国大陸から来た」「中国台湾から来た」と紹介するように要求したが、「台湾」の前に「中国」と着けようとしなかった。この問題を理解していないのか。それとも「一つの中国、一つの台湾」を承認しているのか。
―――この映画祭から退出し、関連の活動には参加せざるを得ない。
しかし、こうした結末を迎えたからといって、中国が「敗退」したなどと思ってはならない。今回中国は各地の国際映画祭関係者を含む世界の文化界に対し、台湾問題に関してはトラブルをも辞さない自分たちの強固な意志を、はっきりと見せ付けることに成功しているではないか。
■台湾へ向けられる矛先は日本にも向いている
翌二十四日、ビビアン・スーは「台湾電影ルネッサンス2010-美麗新世代」の舞台挨拶で「昨日参加できなかったのは残念。映画祭が映画と関係ないことで台無しになるのは残念。たしかに政治の問題は映画より大きいものがある」と語り、涙を流した。
今回の一件を、決して台湾と中国との「喧嘩」などと思わないように。そうなればすべてがあの国の思う壺である。
問題はあくまでも、中国側の一方的な膨張政策にあるのだ。あの国は尖閣や東支那海とともに、台湾をも制圧しようとし、ここまで露骨な攻撃を、台湾に加えているのである。そしてもちろんその矛先が、日本へも向けられつつある予感は、現在の尖閣問題を通じて広く抱かれているところだ。
「政治の問題」には無関心でも、「映画」には関心のある日本国民は、ビビアン・スーらが、なぜここまで不条理な仕打ちを受けなければならないのかを、先ずは考えてみたらどうだろうか