澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

『女帝 小池百合子』を読んでみた

2020年06月21日 19時56分33秒 | 読書
 売り切れと伝えられた話題の本 『女帝 小池百合子』(石井妙子著 文芸春秋 2020年)を入手。上念司がブログで「6月中に必読の書!」と言っている(下記映像参照)が、確かにそのとおり、都知事選が終わってから読んだら後悔するだろう。



 「何をしてでも有名になれという父、手に職を持ち、ひとりで生き抜いていかなくてはいけないと語った母。女の子なのにかわいそうにと憐れむように、蔑むように向けられた視線。
 彼女は宿命に抗った。そのためには《物語》が必要だったのだろう。
彼女は生涯において一度だけ、高い崖から飛び降りている。カイロ大学を卒業したと語った、その時である。
 《物語》がなければ、今の社会的地位を手にすることはできず、平凡な女の一生を歩んでいただろうか。だが、彼女に平凡な人生を歩めるような環境が、与えられていなかったこともまた、事実である。」(本書 p.426)


 著者は、このように小池百合子の人生を総括している。「女の子なのにかわいそうにと憐れむように、蔑むように向けられた視線」というのは、小池の顔にある痣(あざ)のことを指している。ホラ吹きで、滅茶苦茶な父親、娘の暗い将来を予感していた母親、その中では嘘と虚飾で固めた「百合子の物語」が必要だったのだろうか。

 「自分がどう見られるかを過度に意識した表情のつくり方、話し方、決めゼリフの用意。彼は自分の魅力の振りまき方を知っていた。ルックスと声質の良さ、ゴロ合わせのような言葉づかい、ダジャレで人の気持ちを掴む。彼もまた、《小池百合子》だった。(本書 p.374)

 この「彼」とは、小泉進次郎。進次郎もまた、「コロンビア大学大学院修士課程卒(政治学)」という学歴を看板にしているが、小池と同じように、その学歴が疑わしいとなれば、すべてのパフォーマンスが芝居じみてくる。
 
 小池や進次郎のような政治家がもてはやされるのは、要は、これが日本的民主主義の典型だからだろう。「一蓮托生」「同調圧力」のこの列島に相応しい二人なのだ。
 マスメディアは、決して本書を採りあげようとしない。都知事の学歴詐称を公にキャンペーンできるほど、腰の据わったマスメディアは皆無ということか。
 この本を読んだからには、小池に投票するのは止めようと思った。あれ、都民ではなかったが…。


【書評】『女帝 小池百合子(文芸春秋社)』内容に引き込まれた!6月中に必読の書! 上念司チャンネル ニュースの虎側