ウクライナ戦争の悲劇については、大いに同情する私だが、マスメディアの報道には同調できないことが多い。
それは、戦争の原因、背景について、詳細な分析がなされず、「戦争は悪い」「平和は尊い」という視点からの情緒的な報道が続けられているからだ。同時に、ロシア人、ウクライナ人の国民性、民族性が問われることも少ない。
ここに、ウクライナ、ロシアの原型ともいえる映像がある。ボロディンの有名な「韃靼(だったん)人の踊りと合唱」だが、この日本語の歌詞は、日本人の感覚を超える世界を描いている。モンゴル帝国の流れをくむ「ハン」への賛歌、敵には無慈悲を、配下には美女をといった、遊牧民のしきたり、大草原の故郷への思いなど、「一所懸命」「忖度」の日本人とはまさに対極の世界だ。
興味がある方は、ぜひ歌詞を見ていただきたいと思う。
Половецкие пляски韃靼人の踊りと合唱(日本語訳)