昨日、親戚の結婚式に出席して、珍しい人達に会い、急に「祖父」のことを思い出した。
もう50年も前になってしまうが、小さな頃、父親に連れられて「日露戦争と乃木将軍」という映画を見た。モノクロの画面で映画が始まり、「制作・企画 桑田宗太郎」という名前が見えた。それが私の父の育ての親だった。映画のプロデューサーのようなことをしていて、一時はすこぶる羽振りがよく、豪勢に遊んだ人だったらしい。
ところが、昭和35年(1964)前後を境にして、映画産業は急速に衰退していく。借金に借金を重ねた「祖父」は、周囲に大いに迷惑をかけたらしい。私の記憶する限りでは、映画業界人らしく大言壮語を吐き、最後までダンディーで、商売人タイプの人だった。
記録映画「日露戦争と乃木将軍」(宝映作品 1958年)
ネットを検索して見つけた「日露戦争と乃木将軍」のビデオ(上記写真)。実は劇映画ではなく、ドキュメンタリー映画なのだ。嵐寛寿郎が主演していた新東宝映画ではない。当時、大人の間では、まだ戦争体験が生々しかった。映画がすすむにつれて、観客の中から「そうだ。うちの親父はこうやって戦ったんだ」という合いの手を打つ声が聞こえたことを子ども心にも覚えている。
いま、Yahooオークションを見たら、何とこのビデオが見つかった。800円で落札! 現品が届いたら、HDD、DVDに保存しておくつもり。
この祖父は、「愛は鉄窓を越えて」(1957)という映画※も作ったようだ。見たこともないけれど…。
※ http://www.japanese-cinema-db.jp/details/6843
ちなみに、桑田宗太郎の四人の子どものうち、二人は父親の生業とは対極に位置する歴史教師となった。その一人、私の叔父は年老いたとはいえ、まだ健在だ。ぜひ、このビデオを見せたいと思う。
このようにして身近な記憶さえ、時は忘却の彼方に押しやっていく。
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