桐朋学園オーケストラ演奏会に行く。桐朋学園大学音楽学部の学生を主体とするアマチュア・オーケストラだが、他のアマチュア・オケとは実力が全く違う。
プログラムは次のとおり、
1 歌劇「オベロン」序曲(ウェーバー)
2 ピアノ協奏曲 イ短調 op.54 (シューマン)
3 交響曲第八番 op.88(ドヴォルザーク)
4 アンコール; スラブ舞曲第一番(ドヴォルザーク)
ピアノ:守永由香
指揮 :中田延亮
オーケストラ : 桐朋学園オーケストラ
どの曲も大熱演だったが、特にピアノ協奏曲には感銘を受けた。実は、この曲はあまり聴いたことがなかったので、エラそうな感想は書けない。だが、学内オーディションで選抜されたという、守永由香のピアノは、晴れの場という高揚も伴ってか、実に素晴らしかった。指揮者とオケの友人たちのサポートも絶妙だったと思う。弱音のオケで始まるこの曲は、結構、オケの実力も試される曲だと思うのだが、さすが桐朋学園オケだなあ、と思った次第。
交響曲第八番は、レコード、CDでは飽きるほど、演奏会でも何度も聴いたことがある曲。第二楽章あたりのドボルザーク特有のけばけばしい(?)音響を、ウンザリさせることもなく、弾きこなし、有名な第三楽章は、抒情たっぷりに歌い上げた。とかなんとか書くと、エラそうだが、私の愛聴盤がジョージ・セル&クリーブランド管弦楽団なので、無意識に比較してしまう。桐朋の皆さん、ご容赦を。
通常の定期演奏会ではありえないアンコール曲として、「スラブ舞曲第一番」(ドボルザーク)が最後に演奏された。これはなかなか生では聴けないので、ラッキーだった。「土俗的な香りを引き出した名演奏だった」なんて書くと叱られそうだが、実に素晴らしい演奏だった。
この定期演奏会、実はチケットが千円均一で自由席。地元のジジババばかりが目立ち、会場は六分程度の入り。これはもったいない。次の演奏会は、2019年1月らしいので、興味がある方はぜひお奨めしたい。
Martha Argerich plays Schumann's Piano Concerto in A minor (cond. Pappano) - Rome, 19 Nov 2012