都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
最初にお断りします。今日の話しは長いです。
「ノアの方舟」とは、『旧約聖書』の「創世記」(6章-9章)に登場する、大洪水にまつわる話です。「ノアの方舟物語」は、今から4500年ほど前に人類の始まりであるアダムから10代目の子孫「ノア」の話のことです。
この「大洪水」があったのは、ノアが600歳の時の「第2の月の17日」だそうです。聖書の年代をそのまま計算すると、紀元前3000年頃の出来事になるそうです。
神は、アダムとイブを創ったが、やがてその子孫は、数を増し大地に溢れるまで増えていった。しかし、人間の数が増えるのに比例して大地には、悪が増加し、悪得が氾濫するようになっていった。(第6章5節)
やがて、神は人間を創ったことを多いに後悔した。(第6章6節)
神は言った。「わたしは人を創造したが、これを地上から消し去ることにした。人だけでなく、家畜も鳥も、肉なるものすべてを。わたしはこれらを造ったことを後悔している」
大洪水を起こしこの地上から悪人どもをすべて消し去ろうと決心したというのである。(第6章7節)
神は善人で信心深かったノアにだけこの事を教え、ゴフェルの木(具体的に何の木か不明)で方舟(はこぶね)を建造するように命じます。そして、方舟には小部屋をいくつも造り、内側も外側もタールを塗りなさいと指示をします。(第6章14節)
次のようにして、それを造りなさい。方舟の長さを300アンマ、幅を50アンマ、高さを30アンマ。(第6章15節)
方舟に明かり取りを造り、上から1アンマにして、それを仕上げなさい。方舟の側面には、戸口を造りなさい。また、1階と2階と3階を造りなさい。(第6章16節)
※「1アンマ」は約45センチ、大人の肘から中指の先までの長さの単位。
高さ13.5m、幅22.5m、長さ135m、約2万tクラス方舟になります。
ノアは、を100年かけて方舟を作ったとされています。方舟にあらゆる動物のつがいを乗せて最後に食糧を乗せたノアは、妻と3人の息子夫婦の合計8人を乗り込ませ、入り口をしっかりと閉ざし、その日を待ちます。
そして訪れた2月17日、深淵なる源が裂け、天の窓が開かれた。(第7章11節)
この日から雨は40日間降り続いた。(第7章12節)
水はどんどん増したので、方舟は大地を離れて浮かんだ。(第7章17節)
水は勢いを得て、地上にあふれ出し、天の下にある高い山はすべておおわれた。(第7章18節)
地上で動いていた肉なるものは鳥も家畜も獣も昆蟲も人もことごとく息絶えた。(第7章21節)
乾いた地のすべてのもののうち、その鼻から息をするものはことごとく死んだ。(第7章22節)
「ノアの方舟」のエピソードの通りに実際に雨が降った場合、1時間の雨量は4500ミリに達するそうです。
150日間水の勢いは止まらなかった。(第7章24節)
方舟は嵐の中、木の葉のように揺れ動き、水は150の終わりに減り始めた。
方舟はやがて第7の月の17日に、アララト山の上にひっかかって停まります。(第8章4節)
水は第十の月まで、ますます減り続け、第十の月の一日に、山々の頂が現われた。(第8章5節)
そこでノアは地上が乾いたかどうか確かめるために、ハトを放しました。最初は止まるところがなくてすぐに戻ってきた。(第8章9節)
7日後に離したハトはオリーブの葉をくわえてきました。(第8章11節)
地上から水がかなり引いたのです。さらに7日後に離したハトはもう戻ってきませんでした。(第8章12節)
第2の月の27日、地はかわききった。(第8章14節)
ノアとその子等とその妻およびその子等の妻ともに方舟より出た。 (第8章16節)
すべての獣、すべての昆蟲、すべての鳥、すべて地の上を動くものは、おのおのその種類にしたがって、方舟から出て来た。(第8章19節)
ノアは、主のために祭壇を築き、すべての潔い家畜と、すべての潔い鳥のうちから幾つかを選び取って、祭壇の上で全焼の生贄を捧げた。(第8章20節)
神は、そのなだめの香りをかがれ、主は心の中でこう仰せられた。
「私は、再び人のゆえに、この地を呪うことはすまい。人の心の思い計ることは、初めから悪であるからだ。私は、再び私がしたように、すべての生き物を打ち滅ぼすことはすまい。(第8章21節)
地の続くかぎり、種蒔きと刈り入れ、寒さと暑さ、夏と冬、昼と夜とは、やむことはない。」(第8章22節)
それで、神はノアと、その息子たちを祝福して、彼らに仰せられた。
「生めよ。増殖(ふえ)よ。地に満ちよ。 (第9章1節)
野の獣、空の鳥、・・地の上を動くすべてのもの・・それに海の魚、これらすべてはあなたがたを恐れておののこう。私はこれらをあなたがたに与える。(第9章2節)
生きて動いているものはみな、あなたがたの食物である。緑の草と同じように、すべてのものをあなたがたに与えた。(第9章3節)
しかし、肉は、その命である血のあるままで食べてはならない。(第9章4節)
私はあなたがたの命のためには、あなたがたの血の価を要求する。私はどんな獣にでも、それを要求する。また人にも、兄弟である者にも、人の命を要求する。(第9章5節)
人の血を流す者は、人によって、血を流される。神は人を神のかたちにお造りになったから。(第9章6節)
あなたがたは生めよ。地に群がり、地に増殖(ふえ)よ。(第9章7節)
神はノアと、彼といっしょにいる息子たちに告げて仰せられた。(第9章8節)
「さあ、私は私の契約を立てよう。あなたがたと、そしてあなたがたの後の子孫と。また、あなたがたといっしょにいるすべての生き物と。鳥、家畜、それにあなたがたと一緒にいるすべての野の獣、方舟から出て来たすべてのもの、地のすべての生き物と。 私はあなたがたと契約を立てる。すべて肉なるものは、もはや大洪水の水では断ち切られない。もはや大洪水が地を滅ぼすようなことはない。」(第9章9~11節)
「私とあなたがた、およびあなたがたと一緒にいるすべての生き物との間に、私が代々永遠にわたって結ぶ契約のしるしは、これである。私は雲の中に、私の虹を立てる。それは私と地との間の契約のしるしとなる。 私が地の上に雲を起こすとき、虹が雲の中に現われる。
私は、私とあなたがたとの間、およびすべて肉なる生き物との間の、わたしの契約を思い出すから、大水は、すべての肉なるものを滅ぼす大洪水とは決してならない。虹が雲の中にあるとき、わたしはそれを見て、神と、すべての生き物、地上のすべて肉なるものとの間の永遠の契約を思い出そう。」
こうして神はノアに仰せられた。「これ(虹)が、私と、地上のすべての肉なるものとの間に立てた契約のしるしである。」(第9章12~17節)
『洪水とノアの方舟』のエピソードは聖書の物語として有名ですが、大昔に神が洪水を起こして生き物を滅ぼしたという物語は、聖書以外にも見られるそうです。
『シュメルの洪水神話』は前2000年紀前半に粘土板に書かれたようで、世界最古の「洪水伝説」だそうです。巨大な船が洪水の上を漂った後で、ウトゥ神が昇って来て、天と地に光を放った。ジウスドゥラは巨大な船の窓を開いた。
古代メソポタミアの叙事詩『ギルガメシュ叙事詩』には、主人公ギルガメシュが出会ったウトナピシュティムという人物は、神から大洪水を起こすという警告を受け、方舟を造って逃れ、神から永遠の命を与えられたというエピソードがあります。
また、ギリシア神話や古代インドの神話など、古い文明がもつ神話や伝承に洪水のエピソードが語られているそうです。
これらの伝説が語るような大規模な洪水は、大昔に実際に起こったのでしょうか。それとも単なる物語に過ぎないのでしょうか。
同じような神話や伝説が世界各地に存在しているのは間違いなさそうです。そうだとしたら、昔々大昔、どこかで大洪水があって、それが人から人へ伝わって各地で「洪水伝説」が生まれたのかもしれません。
それにしても、神という存在はなんと傲慢なものなのでしょう。自分が創造したありとあらゆる生き物を悪だと言い地上から消し去るとは・・・。どこかの国の独裁者でもそこまでは出来ません。しかも、これだけの大量虐殺は類を見ないものです。
その結果、生贄を捧げさせ、人間は元々悪だと言う。そして、再び大量虐殺をしない約束として、虹をかける。それが約束の証だなどと・・・。
古代人が作り出した神話とは、残酷なことが多く、それだけ人間が天変地異を恐れていたということなのかもしれません。
「神(かみ)其像(そのかたち)の如(ごと)くに人(ひと)を創造(つくり)たまへり(第1章27節)」とありますが、「人がそのかたちの如くに神を創造した」のだと私は思います。
したっけ。