都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
1年が365日だということはみなさんご承知のとおりです。365日を12で割れば30日あまり5日となります。ですから、30日の月を7ヶ月、31日の月を5ヶ月作ればすっきりします。それなのに、何故、2月だけを28日にしたのでしょう。
日本の暦は1年間の調整を閏月(閏月)で行っていたと、「大晦日の語源は太陰暦」について考えるに書きました。
2月が28日になった理由はカレンダーの歴史の中に潜んでいました。
■「ローマ暦」:紀元前753年(紀元前745年説あり)
現在、私たちが使っている暦(カレンダー)は、古代ローマ時代に作られたものを元になっています。
はるか昔の「ローマ暦」は、今の3月で始まり12月で終わっていて、冬の1月と2月の分の暦はありませんでした。暦は種まきや収穫の時期を知らせるために作られたからです。農作業にたずさわらない冬の期間の暦は必要ない、と考えられていたのです。
1年のうち60日あまりに日付がなかったのです。この「ローマ暦」は、地域によって紀元前46年まで使われていたそうです。
ローマを建国したとされる王ロムルスの名をとり、「ロムルス暦」と呼ばれることもあります。
■「ヌマ暦」:紀元前713年、ローマ国王ヌマ・ポンピウスによって改暦
やがて、こよみのない期間があるのが不自然ということになり、紀元前8世紀に古代ローマ皇帝(こうてい)の「ヌマ・ボンピリウス(Numa Pompilius,紀元前750年 - 紀元前673年)」によって、今の1月と2月に当たる月が12月の後ろに加えられました。こうして、1年の全ての日が数えられるようになり、また、月の数も12になりました。
これは、1年が355日の太陰暦(たいいんれき)で、ローマ人は偶数を嫌ったので、31日が4ヶ月、29日が7ヶ月となりひと月だけ28日としたのです。
当時は、今の3月(March)が1年の最初の月で、2月が年末でした。
現在の2月を意味するFebruaryは当時の年末でしたから、ローマ神話の「死と浄めの神フェブルウス(Februarius)」に由来しています。ですから、そんな月は短くてもいいというわけで28日になったそうです。
ちなみに、1月は「軍神の月」、2月は「開花月」、3月は「繁栄に神の月」、4月は「結婚の女神の月」、5月から10月は順番を表すながつけられました。(図参照)
平年の1年の長さは355日になります。そこで、2年に1度、12月(今の2月)の日数を23日に減じ、12月(今の2月)23日の翌日に「Mercedinus (メルケディヌス)※意味不詳」という名の27日間または28日間の閏月を挿入しのです。
これを「ヌマ暦」といいます。
■「ユリウス暦」:前46年、ユリウス=カエサルがエジプト暦
紀元前45年になると、ローマの権力者、軍人で政治家の「ガイウス・ユリウス・カエサル(英語読みシーザーGaius Julius Caesar、紀元前100年 - 紀元前44年3月15日))は、暦を変えることにしました。それまでのこよみは、太陽と月の両方の動きを元にしていたため、ずれが出てしまっていたのです。
「ユリウス・カエサル」は、太陽の動きに合わせて、1年を365日に決め、2で割り切れる偶数月を30日、2で割ると1余る奇数月を31日にしました。そうすると、1年が366日になってしまうので、最後の月であった2月を1日減らして、29日とし、4年に1回閏年として30日までとしました。
ローマ暦の年首の月は「マルチウス(Martius=今の3月:軍神)」であったが、カエサルはローマ暦第11月の「ヤヌアリウス(Januarius:始まりの神)」を年首の月としました。ここで、順番が変わりました。
これは、「ローマの神Janus(ヤヌス)」に由来し、「この神が頭の前と後に顔を持ち、物事の初めと終りをつかさどるところから、旧年と新年の両方にまたがる月の名前になった」そうです。
11番目の月が最初の月、つまり、「January」になったのです。そして、ユリウス暦を制定したJulius Caesar ユリウス・カエサル( ジュリアス・シーザー)の誕生月だった「7月」に自分の名「ユリウスJulius(July)」をつけました。
この名残で、9月というのを英語で「September」といいますが、「Sept」というのは「7」のことです。ギリシャ語の「heptathlon(へプタスロン:陸上七種競技)」の語源です。10月の「October」の「Octo」も「8」という意味です。音楽のOctave(オクターヴ:8度)、Octopus(オクトパス:たこ)も同じ語源だそうです。
11月「November」の「Novem」は「9」、12月「Decmber」の「Decem」は「10」のことです。Decalogue(デカログ:モーゼの十戒)の語源です。
これが「ユリウス暦」です。
■「アウグスタス改暦」:西暦8年改暦
ところが、ユリウスの次に、初代ローマ皇帝となった「アウグスタス(Augustus)紀元前63年 - 紀元14年)」は、自分の生まれた8月が30日であることが不満でした。そこで、8月の日数を1日ふやして31日とし、9月を30日、10月を31日と交互になるように、入れかえてしまいました。すると、1年の日数が1日ふえてしまったので、さらに2月から1日けずり、28日(閏年は29日)としたのです。
それまで「セクステイリス(Sextilis6番目の月という意味)」と呼ばれていた月を「アウグスタスAugustus((Augusut))と改名しました。これが、8月の由来です。これが「アウグスタス改暦」です。
■「グレゴリオ暦」:1852年
そして1852年、第226代ローマ教皇「グレゴリオ13世(Gregorius XIII)」が、現在世界中で使われている「グレゴリオ暦」を作りました。この暦は、ユリウスとアウグストゥスによって作られたものをもとに、それまでたまっていたずれを正確に調整したものです。
日本では、1873年(明治6年)、明治政府が「グレゴリオ暦」を取り入れました。
結局、2月はローマ神話の「死と浄めの神フェブルウス(Februarius)」に由来していることで最後まで調整に使われたのです。
したっけ。