今回は、「㉚一如観音(いちにょかんのん)」を描きました。
雷を制するように雲に乗ります。とどろく雷鳴や降りすさぶ大雨雹(ひょう)をしずめ治める、つまり空にかかわる災難から救ってくださる観音であります。雲の上で雷をしずめ衆生を災害から救います。
一如とは、不二のこと。故に観音と一体になりきりたいと切望する願いを表した名前であります。
『補陀落海会軌』によれば、面門(顔)は白肉色、身相(姿)は貴人の相妙蓮衣を執持し身には福田衣(袈裟)を被るとあります。
真理は唯一(一如) という意の名を冠しています。同音の好天と荒天のように、不運と表裏一体の良運を呼び込みます。
㉚一如観音(いちにょかんのん) 中国創出の観音菩薩です。名前の由来は仏教で真実を意味する「一如」から。一如観音は手に説法印を結び、雲の上の蓮華座に座るか、雲の上に立ち飛行する姿で表現されます。
『法華経』普門品の「雲雷鼓掣電 降雹澍大雨 念彼観音力 応時得消散(雲雷掣電を鼓ち、大雨を降雹澍せば、彼の観音力を念じ、時に応えて消散するを得る。)」に対応し、雷で魔を調伏すると言われています。
また中国の伝承では玄奘三蔵が天竺まで経典を取りに行く途中に遭った八十一難で、信念を曲げないよう手助けしたとされています。 |
したっけ。