今回は、「㉗普悲観音(ふひかんのん)」を描きました。
両手を衣で覆い前に垂れ、山上に立っている観音さまです。
.普悲とは普く(あまねく)悲(大いなるいつくしみの心)を与えるという意味で観音讃美の形とされます。
.高峰より下界を見おろし、その威徳と平等普遍の慈悲を普く及ぼし衆生(しゅじょう=生きているものすべて)を済度(さいど=迷い苦しんでいる人々を救って、悟りの境地に導くこと)されます。
ぼけ封じのご利益があり、ボケ封じ観音とも呼ばれます。
㉗普悲観音(ふひかんのん) 中国創出の観音菩薩です。観世音菩薩の慈悲心が普遍であることを象徴し、両手で法衣の前垂れを持ち、山の上に立つ立像で表現されます。
『法華経』普門品「では応以大自在天身。得度者。即現大自在天身。而為説法(まさに大自在天身を以って得度する者は、すなわち大自在天の身となって現れ説法を為すべし)。」に対応しているとされています。大自在天とはヒンドゥー教の三大神の一柱、シヴァ神が仏教に取り込まれた際の呼び名です。
出典は民間伝承から。「宋代に仏教に熱心な男が銀行業で財を成した。老齢となり息子に家業を継がせたが、手代(従業員)との仲が険悪で徐々に家業が衰退していった。男を哀れんだ観音が手代に化身して入行し、双方一致団結できるよう仲を改善し、商売が再び繁盛した」とあります。
そのため中国では事態打開のご利益があるとされています。 |
したっけ。