10年ほど前、築地市場の移転問題から、漬物のル-ツ捜しを始めた。最初はべったら市で次にタクワン漬となり、福神漬へと向かった。一番簡単と思われた福神漬は明治19年創製と食品事典には記載されていて簡単にルーツ探しは終わると思っていた。もう7から8年福神漬のエピソ-ド捜しをしている。まだ終わりが見えない。
当初の基本的な文献からどうやら日本缶詰協会発行の「缶詰時報2巻.大正12年」に記載されていることを知った。この本を読むために缶詰協会に行った。まだ協会がJR有楽町駅前のビルにあったころである。はっきりとした記憶はないが平成20年より前の話である。今は神田の方に移転したようだ。当時対応してくれた人はまだ残っているのだろうか。
ビン缶詰を扱う食品会社は福神漬の缶詰を知っているだろうが普通の漬物を扱うところでは缶詰の福神漬の存在を知らない人が多い。昔関西の漬物屋にいた時、神戸の漬物業者が福神漬の缶詰を販売していた。カレ-ライス屋が開缶しておいて置き客に勝手に福神漬を摂らせていたという。
明治38年頃缶詰の業界団体が出来たようだが、日暮里の浄光寺の福神漬顕彰碑の設立の時期も同じころである。明治末期、何か缶詰業界にあったのだろうか。
福神漬をまとめて、缶詰協会に出せるのは何時のことになるのだろうか。