春一番はなかった

震災一周年とかで忙しく、いつの間に今日１７日は春の彼岸入りとなる。春一番の強風は彼岸までに吹く南風のことでどうやら今年の東京地方は観測なしとなりそうである。町のガソリンスタンドの看板でレギューラーガソリンがリッター１５３円程となってきた。この原因はイラン問題による原油高と急速な円安である。１ドルが７６円ほどだったのがホンの１ヶ月ほど前で今は一時１ドル８４円程の円安となった。今年の桜の開花も東京では３月末頃の予想で今の寒さから入学式の時にも桜は満開となっていない気がする。
　野菜は２年ほど前と比較して異常に高い気がする。二年前のことは記憶喪失であいまいなのだ。この時期としては輸入野菜が目立たないのは市場に輸入野菜を市場に出荷しても品質の問題で損をした経験から、大量に出てこないのだろう。さらに輸入業者の円高によるデリバティブ契約による損失でかなり輸入業者が破綻している。個人的な予想だが急速な海外野菜輸入の動きがなければ５月連休明けまで野菜高は続くだろう。この予想が気温の上昇で外れることを期待する。

塩こうじ味

ブームとはいえ、これだけ塩こうじで味付けた新商品が出てくるのは「食べるラー油」以来の事となる。福島県では三八五漬けとして有名だったがようやく全国的にこうじを漬け床として知られてきたようだ。

急に出回った塩こうじはどうなるのだろうか。暖かくなるとコウジの季節から糠床の季節となる。

電気代の請求書

東京都から電気代の請求書が届いた。これで昨年３月からの一年のデータが揃った。検針日が決まっているとは限らないので正確さは問えないがおおよその目安となるだろう。築地市場の中の業者で国の基準となる大口電力使用者は市場内の冷蔵庫業者しか該当しないと思っていた。ところが築地市場全体で東京都が電力を購入しているようで突然震災後間もなく夏季の節電計画書を作る事を指示された。と言っても、業務用の冷蔵庫の節電は食品衛生法から指示されている温度を守る事となるから難しい。結局エアコン・待機電力の節電で対処する事となった。
結果的に秋から春までは15％以上の節電は出来た気がする。しかし昨年の夏はとても無理で多分5％も節電できなかっただろう。

ラオス産

ある漬物メーカーより新製品が届いた。味見をする前に製品表示を点検すると材料のキュウリの産地が中国/ラオスとなっていた。初めて漬物表示でラオス産を見た気がする。すでに中国の人件費が高騰していて過去漬物メーカーは安価な原料産地を探し日本国内から東南アジア各地を転々とし中国で安定した。今からはベトナム/ラオス/カンボジアだろう。ある生姜メーカーはブラジルを開拓している。意外と思うが海外の寿司ブームは安定してきて、ブラジルからヨーロッパに直接輸出することによって、安定供給となる。ブラジルにどうしてと思うかもしれないが日系人が多数住んでいて、漬物産地に近い群馬栃木には自動車工場があって、出稼ぎに来たブラジル人が住んでいた縁だろう。漬物は意外なグローバルでフロンティア産業である。地場産業と見られているが海外農地で英語も日本語も通用しない世界で現地の産地指導で活躍している。
　矛盾という言葉がある。築地の漬物屋は矛と盾を売っている。

前年比

ビールの２月の出荷量がかなり減っていたという報道があった。昨年２月は震災前で比較対象とするには無理がある。問題は３月の数字でようやく震災碁と比較することができる。この前食品業界の新聞記者が来て、この話題となった時、５月以降にならないと前年比で状況を語ることはできないのではないのかと話した。昨年の３月から５月にかけて放射能とか電力不足による計画停電とかで電車の本数が減って、外食産業が打撃を受けた。
　関東において今年は昨年の経験から夏が暑くても、なんとかいける気がする。しかし、気温の高い関西は節電経験が少なく、今年はかなり厳しいのではないのだろうか。
　この様な時、昨年は東日本だけが電力不足だったが今年は原発再稼働がないので全国的に電力不足で家庭の冷蔵庫とかに保存する食品が減るのではないのだろうか。昨年関東では夏に油を使う揚げ物が家庭で作ることがヘリ、スーパーから買うことでエアコン使用を減らしたようである。
　今年の夏も節電でウメボシが売れそうである。塩分を摂取することが必要な夏となりそうである。風が吹くと桶屋が儲かるという話があったが原発再稼働阻止で梅屋が儲かるという話になるのだろうか？

明日に向かって

東京では日の出の時刻が午前５時台となった。寒さは続いているが季節は確実に春に向かっている。辛いことは時間が癒すこととなるが生々しい映像が一年前の記憶を取り戻す。今後何年経ったら思い出となるのだろうか。多分それはセシウムの話題が消えるまで無理な気がする。亡くなった方には申し訳ないが今度の震災は生きている人達にも放射能という問題で決断を迫られている。
　それぞれ電力を使用して生活していて、価格とかを気にする人は原発再稼働を容認するかもしれないが、電力料金が上がっても再生可能な発電にシフトすべしという意見もあるだろう。今は節電でみんなの意見の集約にかかる時間をつくるしかない。原発再稼働反対だけでは日本が維持できない。時間稼ぎをどの様にしていくかが知恵の出しどころと思う。

一年前のこと

一年前
あの日は都議会の２３年度予算が一人の党派離脱で石原予算が通過するかと、本当に新聞報道のように再度都知事に立候補するかどうか気になっていた。ネットで立候補することを知った時、地面と建物が長く揺れた。あとは緊急指示をして、身体障害者を自宅に輸送する決断し、交通渋滞の中、幹線道路を外して自宅に帰る。夕方６時のニュースて津波の映像を見る。余震のなかでも翌日の手配のために早く寝る。
　今でも当時の判断は正しいかどうかは不明だ。このあと２週間ほど連続出勤となり、計画停電のために勤務時間変更とか、節電計画や東北地方に物資の輸送手配とか慣れない仕事が次々とやってきた。そこに原発からの放射能ということで連日の講習会で知識を得る。食品の買いだめを批判しつつ、手に入らない人のために行動することとなる。今ではゴミ価格となった輸入飲料水も国産水は赤ちゃん用として売れているようである。

福島から挨拶に

築地市場へ青果物等を配送している方が見えた。福島の状況を生で聞く。南相馬地方の営業所が立ち入り禁止となっていたので東電の補償がなければどうなっていたかもしれないという。施設園芸を復活させるために、もう一度南相馬の人達のために営業所を春先に復活させるという。東電の補償で生きて行けるかもしれないがやはり仕事をして生活を維持向上させてゆくことで福島が再生するという事で同意した。地場産品である漬物に重い課題である。

休市日の暇つぶし

休市でも築地市場内の金融機関は動いています。
ただ顧客は少なく暇そうで、日頃混雑しているところも日中から整理や掃除をしています。こんな時に入金にゆくと支店長に捕まり、豊洲市場の進行状況の情報交換となる。お互いにアシストすることを約束する。
みずほ銀行　東京中央市場内特別出張所
（みずほぎんこうとうきょうちゅうおういちばないとくべつしゅしっちょうじょ）
中央築地郵便局
(ちゅうおうつきじゆうびんきょく
城北信用金庫　築地市場支店
じょうほくしんようきんこつきじしじょうしてん
江東信用組合　築地支店
こうとうしんようくみあいつきじしてん
築地市場内の金融機関の名前が異なります。

この金融期間を区別して話せることは築地通でしょう。

佐世保市場の火事

佐世保の市場で火事があって、多数の店舗が燃えた。昨年築地でも水産仲卸で火事があったし、場外市場でも不審火による火事があった。まだ佐世保の火事の詳細はわからないが、放火でなければ設備の老朽化による火事だろう。冷蔵庫などのコンセントは差し込んだままで時々掃除をしないとホコリで漏電発火するという。これは築地市場に於いての消防署の講習会で言っていた。築地では今タバコによる火事防止の運動をしている。大阪市でも同様のことが行われているようである。
　いずれ市場の再建の話が出ると思うが今の景気の状況から佐世保の市場が長い間空き地となるのが必死と思われる。

年度末工事かな

先週急に築地市場の舗装工事が始まった。毎年年度末に急に工事が始まるので整理整頓することとなる。昨年は電動ターレーの配電盤工事があった。一つのコンセントに２台ほどターレーが接続する。７日と１４日は２３年度最後の休市なので老朽化した築地市場では補修工事が多数予定していると思われる。昨年のターレー電源工事も多数の業者に細切れ参加となっていた。
　ボチボチ豊洲市場の建築設計が決まってきたので４月以後は内装業者との社内の打ち合わせが始まる。１０００社を超え、経営規模と営業内容の異なる様々な業者が同時期に引っ越すので大騒ぎとなるだろう。他社の話を聞くと色々な特殊な設備があって、食品業者の工夫は限りがない。太陽光発電が今度の豊洲市場では予定しているが今の築地市場の中では野菜のゴミを利用してバイオマス発電の実験をしている。何だかテストプラントのようになってきた。

子孫は有難いなー

開国と英和辞書　評伝・堀達之助　堀 孝彦著
先週、広尾の図書館でこの本を読んでいた。ペリーが初めて日本に来た時、オランダ語通詞として浦賀与力中島三郎助と共に最初に黒船に乗り込んだ人。後に英学の辞書の編纂などに活躍した。函館では中島三郎助が旧幕府軍となり、堀達之助は青森県で事態を見守りながら西軍（官軍）側となり滞在していた。
　福神漬をめぐる人物のネットワークから当時の浦賀奉行戸田伊豆守氏栄と浦賀与力との間で異国船来航の時の対応策の策定と訓練が行われていたと思われる。ペリーが浦賀に来た時にも、下曽根金三郎の指導の元、砲術訓練を行っていた。長崎よりのアメリカ船が浦賀に来るという情報に接していたが、予定されていた日からかなり経っていたので、普通ならニセ情報とみなして警戒態勢を解いても良いのだが戸田浦賀奉行は当日も久里浜海岸で訓練をしていた。
　教科書で教わった突然ペリーがやってきたことではない。ある程度知っていた浦賀の人達は対処のできない幕閣に対して無念さの気持ちを晴らすことの行動を子孫に託したような気がする。
　戸田伊豆守氏栄は花香恭次郎・鶯亭金升、中島三郎助は臼井家の人と中島与曽八、堀達之助は堀 孝彦氏へ、香山栄左衛門は西叶神社に海軍大尉となった長男、香山永隆が顕彰碑を建ている。
子孫は後世の人達による先祖の評価に対して異議申立てすることができる。

最後の補修

日曜日、築地市場青果部の駐車場が舗装工事を行なっていた。トラックの重みで穴が大きくなっていて、余ったセメントなどで補修していたがすぐに元に戻っていた。雨漏りもひどく、露天商とも言える状態は個別の店舗の人しかわからないだろう。こんな職場だから人材も集まらなかったが今の不景気でようやく補充出来ているようだ。ただ主流は場内リクルートで即戦力補充が多い。いつも同僚に話しているのだが築地市場内で働いている人とは仕事では喧嘩してもよいが人間として喧嘩してはいけないと言っている。いつ得意先になるか同僚となるかわからない。
　もうじき豊洲へ移転するのでこの傾向が加速するだろう。築地で新卒から務めている人は経営者の親族か荷受の社員しかいない気がする。殆んどの人は転職経験が豊富な人達である。

ガソリン対策

ガソリン
去年の今頃は高かったガソリン価格が徐々に値下がりする時期だった記憶だが実際はどうだったか遙か昔のように思える。少ししか給油していなかった記憶があるので価格が高くて様子見で給油していたかもしれない。３月１１日で全ては変わった。
　来週からガソリンが円安とイラン危機で大幅に値上がりするという。震災後関東ではガソリン不足で商品が運べず、品不足となった。コメなども豊富に有るのにガソリン不足でちょっとした買いだめでも補給が続かず、欠品が目立ち更に買いだめを招いた。今では水も大残りで倉庫代を節約するため、ゴミ価格となっている。
　築地のガソリンスタンドの廃業対策も隣のスタンドで給油することに決まりほっとしている。都心のスタンドは地価が高く大変で郊外も都心もガソリンの品質が変わらないので給油は郊外でするようになる。ただ築地市場内を走るターレーはガソリンタンクの容量が少なく、ほぼ毎日のように給油しなければならないので築地市場から遠いスタンドにはいけない。豊洲市場は環境規制でガソリンターレーは走行できないので徐々に築地市場からガソリンターレーが消えている。一時都内で一番空気が汚れていたのは築地市場だった。ガソリンターレーは排気ガス規制の対象外だったのと日本全国で走っている台数が少なく改良する費用が出なかったようだ。今は築地市場で走行している電動ターレーが５割を越しているがまた問題が生じている。築地市場内の電動ターレーの整備不良の問題は豊洲汚染問題を指摘している人達も黙っている。何しろ電気自動車のバッテリー整備は費用がかかる。このままでは豊洲で一番早く汚染問題が騒ぐことになるのは地下の汚染よりも電動ターレーの整備不良による鉛汚染だろう。地下の汚染は地震が来なければ何も起こらない。

戦後発行したお札の人物

板垣退助、岩倉具視、高橋是清、伊藤博文、福沢諭吉、新渡戸稲造、夏目漱石、樋口一葉、野口英世
この人達は野口英世を除くと、福神漬の調査に一回は出てくる人物である。
　中々野口英世が出てこないと思っていたら、福島県会津出身の田崎公司さんの本からたどりついた。田崎さんの名前を知ったのは花香恭次郎の資料を探している時出会った。自由民権運動１００周年でも忘れられていた花香をどうして知っていたのだろうか気になっていた。彼は千葉大学にいたようで千葉の自由民権運動と福島の共通の人物として花香を取り上げたようである。
「野口英世－２１世紀に生きる」小暮葉満子編　田崎公司編
この本は野口英世が世間に注目される人物となった横浜検疫所保存運動から出た本である。田崎さんは会津世直し一揆（ヤーヤー一揆）から猪苗代湖周辺の複雑な歴史を記述している。会津藩が明治政府に降伏すると、たちまち藩政崩壊による権力の空白状態に乗じた民衆蜂起が勃発した。戊辰戦争の複雑な経過と会津藩の重税に対し、会津藩でも一番貧しい人達が住んでいたところから反乱があった。野口英世伝説を歴史学者の目で少し書いてある。