平和ボケの日本でようやく危機を感じる。まだまだ要請はないが戦時となれば築地にいる限り対応せざるを得ない。現実とは残酷で想定を超す。
東京都中央卸売市場で商いする以上、都民の食に対する不安を取り除く必要がある。築地に入って『天下の築地』と言う言葉を聞いた。自負心があることを感じる。今戦争の危機が迫っている。ベトナム戦争などは当事者意識は無かったが今はそのような感じはではない。
危機管理の召集はあるのだろうか。茨城、福島の原発事故でさまざまな説明があり、都民の不安解消に努力した。
天下の築地意識がある限り、お上の言うことを素直に聞く組織ではない。豊洲移転をまとめるまで10年以上かかった。知事が築地再建を主張しても、誰も協議がまとまるとは思えない。都の職員との築地の人たちの人間関係が破壊されていて、時が経って死者が出るまで協議が進まない気がする。オリンピック開催前の都知事の選挙でも何も進展がないこともありうる。
世間では知られていないが築地には東京都の報道規制がある。中央卸売市場という性格からテレビ報道は一般客の入れる範囲を市場内食堂しかないようにしている。内部の店舗には買えないように入ることを規制している。そこに異国人が大量に入ってきて築地を徘徊し、マイナス情報を発信している。
規制と言葉の通じない異国人が築地市場の奥深くまで徘徊している。
少しの雨を超えると売り場に溢れる。対策として水を排水する溝を東京都に依頼する。硬い売り場で工事は半分以下で中断中。
決断できない都知事の下では異論が続出し、混乱をさらに増やす。当分決断できないと判断し、対処をする。今は7月までの工程とそれ以後の日程を作る。仕事も減らし漬物史調査に時間を増やす。
今『明治の表象空間』松浦寿輝著を読んでいる。明治初期の治安維持機構の成立時期の思想と明治の近代植物学が同じ本にある。福神漬も幕末の東房総地区の治安維持機構の影があって、さらにナタマメと言う江戸時代初期に中国から渡来した豆に寓意を入れたことも重なる。本草学から植物学に変わる時期でナタマメの薬草としての意味は消えている。
分厚い本だ。-
豊洲行の延長戦で当て逃げされて壊れたシャッタ-工事を行う。本来なら新品にするのだがいつ豊洲へGOとなるかわからないので修理で対処。東京都の補償の対象となるのだろうか。築地移転延期ではどれだけ経費が余分にかかるかわからない。朝鮮で戦争がはじまりそうで投資は見送りとなるだろう。今週で豊洲で購入する予定の品は全部購入した。
お台場の方から豊洲市場へ向かってゆくと昔どこかで見た風景だったことを思い出した。神戸の六甲アイランド線に乗って埋立地の高層マンションに行った。阪神大震災の前だった。計画的な都市できれいだけどなじめなかった。なぜ行ったか記憶にないが六甲アイランド線に乗りたかったかもしれない。
今の評判をネットで検索すると島と言うことで本土と言うべき神戸市内へ交通費がかかるので物件価格は低迷しているようだ。晴海の選手村のマンションでも異常に低価格で不動産業者に土地を売却した。まして事故物件となりつつある豊洲市場の跡地を高価格で購入する人はあるのだろうか。芝浦の倉庫街を再開発したほうが人気が出る気がする。品川,田町から近い。電動自転車での通勤範囲内である。
市場の事情を知らない人が築地再建案を作成して批判されている。日本全国の市場と違って築地は飲食店需要や他の食材を扱う得意先が多く、全国の市場と異なる性質があり、生産者からの要望も多い。
漬物の限っていても,生産者から冷凍の漬物を扱って欲しいと要望がある。これには今の築地では扱えないので、豊洲稼動の後、設備を整えることになっている。このような計画は数年かかるもので築地再建案の設計している人たちのの想定の範囲外だろう。日々変化する食の事情はそれぞれの業者に聞かないと築地の設計は出来ない。どうしてこのような要望が出てきたことだが飲食店の倉庫が狭いので小口配送を要望されている。少し前は郊外の漬物屋が扱っていたが相続税等の絡みで廃業してしまった。冷凍漬物は単価が安く、宅配配送費のほうがコストがかかる。市場に入れて、小口に分けて解凍しつつ、飲食店に配送して欲しいと言う要望が増えてきた。
冷凍の漬物需要がどのくらいあるかはあまり知られていない。生野菜を使っているように思われているので統計に出てこない。豊洲設計案では社内での検討だけで3年はかかった。また築地再建案に社内に冷凍庫スペ-スを空けるかどうかも再検等になる。築地市場内の施設を一部使うかどうかの使いやすさの検討となる。これ等の審議で時間がかかる。豊洲では街区の問題で社内に冷凍庫の余地を残す設計にしたが築地再建案ではどうなるか解らない。全ての情報を仕入れて東京都と対峙するので設計には時間がかかる。多分10年はかかるだろう。
築地の会議は時間がかかる。少ない人数で運営しているので営業優先となる。オリンピック開催で豊洲移転会議が促進されたが、築地再建案での会議を促進する動機がない。
築地市場内で築地市場再建案を提示した会議があったようだ。マスコミ報道だけで東京都からの連絡なし。市場の中の大部分の団体が不参加。このまま豊洲断念でも東京都の職員との信頼関係が壊れているので修復には時間がかかる。多分次の都知事の選挙まで何も築地市場再建案が始動しないこともありうる。もちろん設計図がすぐにできるが建築家の言っている部分部分の休業などの話し合いが出来ない。競争の激しい築地では休めば他の場内外の業者に得意先を取られる。また工程間の時間がかかれば廃業に進むしかない。この間の調整役が市場協会が行うしかないのに肝心の市場協会が不参加では誰が調整役となるのだろう。
勢いのいい所でも生物環境の変化で激変することを築地で知った。これからは相続税課税強化で廃業が増えるだろう。既に4月にも鑑札の譲渡があったという。生き残りをかけて築地市場再建案の会議に参加する余裕がない。
環状2号線は使用できず豊洲の跡地も不便で高価に売れないだろう。もっと安い土地は都内にある。
高齢者が漬物を食べることはデ-タで分析できるがさらに特売のときの反応がすごい。安価な漬物をさらに安くしたときの反応は少し前より強い。年金等の支給額が減少していて先行き不安な高齢者が消費金額を抑えているようだ。
いま2割ほど量目が減って販売継続している商品が増えている。前ほど人手不足のス-パ-の抵抗はないようだ。安くしても人件費の高騰には負けているようだ。
小雨模様の築地で風が吹けば隣りの浜離宮からの散った桜が花じゅうたんとなる。今年も築地で見ることができるとは不思議。
5月の連休案内が来ている。値上げが続いているので日々あわただしさが続き、一日が終わる。
ガンセンタ-の桜も満開だが歩道寄りの桜は花がない。確か数年前には点滴の道具をぶら下げて患者が桜の花見をしていた。今は観光客が多すぎてこのような風景はなくなった。築地の花絨毯の風景は日曜日に見ることができるかもしれない。
毎年東京都の中央卸売市場業務課から配布されている冊子がある。いつもは中味を見ることなく、しまっているが気になって見ると今の仲卸業者の状態が良くわかる。
築地市場水産部仲卸業者は平成元年に1080あったのが平成27年には606となってしまった。また平成28年でも少し減っているので600は下回っているかもしれない。元年比減り方の少ないのは花き部でほとんど仲卸業者が減っていない。何か特殊な理由があるのだろう。青果部は大田、築地を除くと減り方が激しく仲卸業者が三分の一ほどになっている市場がある。東京都の市場再編と言う考えが出るのもやむをえない気がする。
東京都の分析では顧客である専門小売店の減少と生鮮食品等を取り巻く急速な変化の中で起きたことであるという。
もし築地市場再建案が浮上すると東京都の他市場再編案も浮上し、他の市場も巻き込み時間がかかるかもしれない。市場制度の末期かもしれない。
日々変化する築地で外部の人にはわからない空気がある。結局豊洲へどうして移転地になったか都議会が解明できなかった。当時のことを知っている築地の人も少なくなってしまった。安易に築地市場再建を主張しても設計図を作るための市場人への聞き取りだけで少なくとも5年はかかる。ネット時代の市場という仕組みが存続するかどうかの議論から始まり、それに民営化論が混じり、大正時代に作られた時代遅れの規制が残る中央卸売市場法の抜本的名改正も予想される。そのような予想の中新しい築地市場の議論は長引くことは必死である。少なくなった築地市場の得意先を取り合う競争が激しくなり、築地市場再建会議の開催はゆっくりしたものになる。何か強制するイベントが無ければだらだら会議が進み、東京都の職員の2年での担当交代でさらに遅れる。
レトロな建物で時代劇が毎日演じられている。決断できない都知事の下、終幕予定はない。目に見える昭和以前の日本が築地にある。ネットが一番使われていない築地で手書き伝票と現金が今でも現役である。
築地市場の内情が知られていないので適当に外部の人たちが築地市場再建案を提示している。前回の築地市場再建工事の頓挫した原因を解明しないで豊洲移転の是非を論じている。
築地市場協会が納得すればすべては解決するように思っているが一部の人が反対すれば工事が進まない。日々激しい商売を続けている築地では工事の工程の会議は月1回以上は開くことが出来ない。オリンピック開催と言うインパクトのある会議促進イベントはあるのだろうか。さらにネットを行う人も少ない。つまり紙の資料を大量に作ることになる。豊洲汚染問題の専門家会議で出された資料は最終回はA3の用紙で5から6センチの厚さがあった。画像も多く仲卸の人もわかるように成っていた。このような会議を築地市場再建の時には繰り返す。
築地市場再建再整備案は1年も経たないうちに出るだろうが市場の人たちの細かい要望を聞くことに数年かかるだろう。豊洲で問題となった温度管理による使用料の高騰は温度管理の必要のない業者の不満となっている。平地の築地から立体となるとエレベ-タ-費用も発生する。豊洲がもめた原因は水産部の要望を聞く時間が少なかったためである。
このような豊洲移転の混乱原因を避けるには時間がかかる。つまり小池知事の再選時にも築地は何も進展無くそのままであることになる。何も決断できない知事と成ってしまい、オリンピック開催時期に築地の道路が混乱を招く。さらに選手村のあとのマンションも交通僻地となり価格が下落するだろう。オリンピック開催による負債と豊洲放棄による3000億円以上の負債は都民の負担となり2020年から始まる都民の高齢化で厳しい都財政となるだろう。
昨年12月からの甘酒バブルようやく崩壊しそう。このような長い期間の欠品が続くと、設備投資を始めたところもあるだろう。バブル崩壊を予想し、適切な設備を行ったところが生き残る企業となる。まだ麹は欠品が続いているが増設工場が稼動すればいづれ納まるだろう。
やっと今週末には最高気温が20度を超えそう。春になり野菜が豊富となり、漬物が暇となる。
伊藤痴遊という明治期の政治講釈師の話から自由民権運動静岡事件の関連の本を読んでいる。森有礼とその妻の関係の本を読んでいたら自由民権運動静岡事件の影響があって、森有礼の妻常子は離縁させられ、戸籍等の記録が消えているようだ。写真すら残っていない。静岡事件の発端時期に、明治屋礒野計に嫁いだ常子の妹福子は出産まじかで、産後数日で亡くなった。福子の心労だろうと推測できる。静岡事件の広瀬は広瀬家の養子だった。この関係は当時も秘密にしていたようだった。
明治期はまだ医療が進歩していなかったので出産は大事と推察できるので産後急死もありうるかもしれないが自由民権運動に関連するとは想像できない。箱根に集まる政府高官の暗殺計画が漏れて事件となった。これから審議が始まるテロ等共謀罪ではどのような裁きとなるのだろうか。当時は国事犯とすることなく、資金集めのための強盗を裁判で裁いた。
過激になった自由民権運動は次第に大陸の方に向かっていった。日本のキムチの歴史と福神漬の歴史はここで繋がる。