今日の定置網漁で3個体のモノノケトンガリサカタザメが入網(ブログ2022 8.29)。そのうち2個体がいつもとは違う感じで胸鰭中央にある黒斑が無く、胸鰭を中心に体全体に小斑点が散在している。3個体中1個体がその様なら変異かと思うが2個体がいつもとは違う感じなので別種を疑う。そのうち1個体を標本用に確保する。確保したものの今までで一番大きなサイズであり、車に積めるだろうかと不安になる。車に積める一番大きなプラケースに入れても全長の3分の1以上が入らず、腹鰭から後は飛び出た状態。車に積もうと後ろの座席を倒して積んでも飛び出た部分が入らず、結局助手席も倒し、そこに尾鰭を入れ込み、尾鰭を横目に大学まで運転する事となる。鹿児島市内に入ると信号によく引っ掛かり、隣に並んだ車や市電から車の中を覗かれないかと余計な心配をしながら大学へ向かう。大学に着くと幸い学生が多くおり、みんなに標本処理室まで運んでもらい、標本登録してもらう。標本撮影も終わり、ホルマリン固定する為に容器に入れるのだが大きいので標本を真っ二つに切る。すると大きな硬い内臓が2つ出て来る。胃袋にしては変で少し切れ込みを入れると小さな眼が見える。胎仔である。切り開くと沢山出て来て全部で11個体も入っていた。その胎仔を見るとしっかりと胸鰭中央に黒斑がありモノノケトンガリサカタザメである。これで別種の疑いも否定された感じでガッカリ。この胎仔11個体も標本登録となる。
車に積める最大のプラケースに入らず
尾鰭は助手席へ
鹿児島大学
胸鰭中央に黒斑はなく、体には小斑点が散在
11個体の胎仔が出て来る
モノノケトンガリサカタザメの胎仔
胎仔も標本登録