お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

運悪かったムツゴロウ公園

2024年08月14日 | 日記
 このお盆休みを利用して福岡の息子の所へ来ていた。帰りはまっすぐ帰らず唐津・有田方面を刊行しながら帰る。全く予定していなかったのだがたまたま有明海近くを通過する事になったので、それならば以前に行って感動したムツゴロウ公園(ブログ2019 8.13)へ寄ってみる。5年前に行った時は沢山のムツゴロウが居り、その行動などを間近で見ることが出来て面白かったのでまた機会があれば来たいと思っていた。前回も下準備も無く偶然立ち寄ったのだが今回も状況としては同じである。前回同様現地に行くまでに心配していたのが潮である。前回は運良く干潮時で沢山見ることが出来たのだがこればかりは運である。いざ現場に着くと運悪く満潮時である。前回見た場所は完全に潮に浸かり水没している。満潮時でも潮に浸かっていない場所を探すがその場所にはムツゴロウどころかトビハゼすら姿は無く、シオマネキなどカニ類が確認出来るだけである。だが、水際ギリギリにようやく1個体ムツゴロウを発見。その後も何個体か確認出来たがその場からは動かずジッとしているだけで面白い行動などを見ることは出来なかった。見ていると潮に浸からない場所には上がらないみたいである。結局惨敗に終わり終了となる。通り掛かったので寄ってみただけなので姿を見れただけでも良しとする。今度は何年後に来ることになるだろうか。
ムツゴロウ公園

まさかの満潮時


前回見た場所も完全に水没


水際ギリギリでムツゴロウ発見



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今年も波乱万丈な地元イベント

2024年05月03日 | 日記
 今日からゴールデンウィーク突入。市場も休みとなるが今年も今日は地元の大きなイベントがあり、鮮魚販売等の為定置網漁に出漁。今年も地魚鑑賞プールに泳がす魚を今日の定置網漁で獲らなければならない。昨年はアカシュモクザメをプールに泳がして子供達からも好評であった(ブログ2023 5.3)。今年もプール用とサメタッチ用に確保したいところであったがその姿が無い。だが、その代わりと言ったら何だけど小型のイタチザメが入網。流石にイタチザメはプールに泳がすと危険なのでサメタッチ用に確保する。その他ありとあらゆる魚を活かしたものの目玉となるような魚は無し。でも、前日までにお隣の定置網の方がサカタザメや様々な魚を確保していてくれていたのでそれと合わせて何とかなる。また、水槽にも先日定置網で確保したチゴダラ(ブログ2024 4.27)や夜間採集で確保したタカクラタツ(ブログ2024 4.27)などを展示。更に昨年水槽展示で人気だったハナガサクラゲも今日の入網は無く、どうしようかと思っていたが、たまたま大きなカミナリイカが獲れ、活かしてきたのでそれを展示し難を逃れる。そしてイベントがスタート。スタートと同時に思った通り鑑賞プールは多くの子供達で取り囲まれる。サメタッチのイタチザメも子供達は恐る恐る触り楽しんでいる感じ。でも、サメ好きの高校生などが来ないかなと思っていたのだが来ているのは小さなお子さんばかりでイタチザメ自体を知る人はほんの数人で少なくあまり驚いてはもらえなかった。今年も欲しい魚がおらず波乱はあったものの、何とか対処でき無事に大盛況でイベントを終えることが出来た。来年もまたハラハラのイベントとなるのだろうか。
今朝の定置網漁でお手頃サイズのイタチザメが入網

地魚鑑賞プール



サメタッチ


チゴダラとタカクラタツも展示

人気だったカミナリイカ
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タカノハダイ成長過程の写真のテレビ放映

2024年03月01日 | 日記
 最近急にブログネタが無く苦しんでいる。昨年末は更新がかなり遅れる位ネタに溢れていたのだが、年が明け定置網でも市場でも、更に港での夜間採集でも成果が得られないでおり、遂に先月は1つのネタで終了となる。早くこの闇から抜け出したい思いである。さて、昨年NHKの番組「ギョギョッとサカナ★スター」の方から私のブログを見て連絡を頂いた。タカノハダイを取り上げるみたいで、その幼魚と成魚では姿が違うということを紹介したいそうで以前に投稿したタカノハダイの成長過程(ブログ2023 3.29)の写真を貸してほしいという内容である。私が撮影した写真を使って頂けるとは大変に光栄で承諾しテレビ用に加工も出来るように単体での写真も提供した。そして今日がその放送日。写真がどのように使われるのか楽しみにしていた。すると成長段階を魚体の位置を重ねて変化する様を映し出しており、変化の様子が非常にわかり易くとても良かったと思う。まさに写真では表せない映像ならではの特権であろう。成長過程の最初の個体は腹部に大きな傷があったがテレビ画面で見ると結構目立っていた。番組側で画像処理してくれるかなとも思っていたがそのまま使われており、こちらでしておけば良かったかなとちょっと反省。そしてもう1点、モヨウフグの写真も頼まれ提供したのだが、これとは別にモヨウフグの回があるのかと思っていたら、このタカノハダイの回の最初の方で定置網乗船の中でモヨウフグが獲れ、その解説に使われていた。うちの定置網漁で撮影(ブログ2022 8.24)され放映(ブログ2022 10.16)されてからもう1年半が経つ。また撮影に来ないだろうかと思うもそれにはまだ放映されていない何か良いネタを見つけなければならない。












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今年も地元イベント

2023年05月03日 | 日記
 今日から市場は休みに入りゴールデンウィーク突入。でも、今年も今日は大きな地元イベントがあり、鮮魚販売等の為定置網漁に出漁。水揚げ後は今年も私の担当は地魚鑑賞プール。昨年は数日前からプールに泳がす魚を集め準備していたが、今年はピンチ。この為に活魚水槽に活かしておいたシロザメやテングダイなどが数日前に死んでしまう。更に触る為のサメ類も数日前から突然網に入らなくなり確保出来てなく、子供達が喜ぶ魚がいない。プールに泳がす魚も触るサメも今朝の定置網漁次第となってしまい焦る。だが、神様は見放さず、触る用のアカシュモクザメが沢山入り、展示用のシロザメや他の魚もトビウオを中心に数種生かして確保する。アカシュモクザメも生かしたのだが、水族館用に確保した時でも港に帰るまでに泳がなくなったりと生かして持ち帰ること自体難しい。ところが今回はプールに入れるまで何とか泳いでおり、プールに放すと元気よく泳いでくれてひと安心。アカシュモクザメはプールに泳がすのは危ない気もしたが、捕まえさえしなければ噛まれることも無いだろうと思い泳がす。案の定、子供の力では背鰭に触れるのが精一杯であった。シロザメは底でジッと動かないのに対してアカシュモクザメは常に泳いでいるので、見てくれているお客さんの前に登場するので写真を撮ったりして喜んでくれた。また触る用のアカシュモクザメも子供達が持ち上げ、お父さん・お母さん達が撮影して喜んでもらった。また、今年も地元の自治体も協賛している
「かごしま深海魚研究会」による深海魚の展示紹介やO先生による深海魚講座などが行われ、こちらも多くのお客さんで賑わっており、今回のイベントは大盛況となる。
地魚鑑賞プール


アカシュモクザメ



サメタッチ

鹿児島のうんまか深海魚コーナー


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ギョギョッとサカナ★スター放映

2022年10月16日 | 日記
 8月にモノノケトンガリサカタザメの事でうちの定置網漁に乗船撮影したNHK「ダーウィンが来た!」の放映があった(ブログ2022 8.18)。その撮影と同じ時期にもう一つ、同じくNHKの番組「ギョギョッとサカナ★スター」の乗船撮影の話を頂き、並行して打ち合わせなどをしていた。そしてその出演者はさかなクンである。さかなクンと再び会えるという事で非常に楽しみにしていた。以前にさかなクンにお会いしたのが7年前(ブログ2015 9.5)で更にうちの船に乗船したのは14年も前(ブログ2008 4.22)である。今回は8月に撮影があり、このブログでも予告的に紹介している(ブログ2022 8.24)。そして今日、その放映があった。今回は魚ではなくクラゲの回という事でしたが、今年はクラゲが非常に少なく、撮影当日もクラゲの姿は無かった。当日のみの撮影となると毎日何が入るかわからない定置網では特定の生き物を狙うのはやはり難しい。更に海が時化で出漁出来なければどうなっていたのだろうかと。今回はクラゲはいなかったものの、網に入網した魚をさかなクンが色々と紹介してくれている。この日の漁模様はシイラが主体であったが、コンゴウフグや小さなバショウカジキが数個体入っており、その場で紹介。更に運良くセミホウボウとオキセミホウボウが一緒に入り、さかなクンも興奮しながらその違いを紹介していた。魚の違いやバショウカジキが鹿児島で秋太郎と呼ばれている事まで図鑑やネット検索もせずにその場で直ぐに紹介できるところがさかなクンの魚の幅広い知識の凄さである。漁を終え帰港すると市場も覗かず直ぐに別の撮影へ行ってしまい、話をする機会はあまり無かった。さかなクンも仕事で来ているので仕方ないが、一度ゆっくりと魚談義をしてみたいものである。今回テレビスタッフの方とも繋がりが出来たので、また別の回でさかなクンと一緒に撮影に来てくれないかと願う次第である。





セミホウボウとオキセミホウボウの吻の違いを解説




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スーパーでタキゲンロクダイ発見!

2022年09月04日 | 日記
 台風11号接近中。今日は日曜日であるが台風の影響で中央市場の休みが変更となり、うちの市場が開市となったので仕事となる。定置網漁を操業後、本船を築港に避難させ仕事終了。仕事が早く終わったのでカミさんと鹿児島へ買い物に出掛ける。目的地ではなかったが、昔から気になっていたがまだ一度も行った事のないスーパーを覗いてみる。品揃えが他のスーパーとはちょっと違い面白そうではあるが、わざわざ行くまではないなと思いながら店内を見て回る。すると鮮魚コーナーもあり、そこで驚く。普通の鮮魚が並ぶ中、タキゲンロクダイがパック詰めされ売られているではないか。種名がツバメウオとなっておりツッコミどころではあるが、それよりもタキゲンロクダイであることが衝撃過ぎる。チョウチョウウオの仲間なので食べれば美味しいかもしれないが、この魚が流通していることも驚きである。先日も水中カメラでタキゲンロクダイを確認したり、標本も確保したばかりである(ブログ2022 8.30)。普段は滅多に目にしないタキゲンロクダイであるが、ここに来て立て続けに出会うとは。今回は家に帰るまでにはまだ時間があり、保冷出来ないので確保するのは諦める。でも、これで今後鹿児島に来る時はこのスーパーを覗かない訳にはいかなくなってしまう。

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ダーウィンが来た!放映

2022年08月18日 | 日記
 モノノケトンガリサカタザメが新種記載(ブログ2020 9.20)され、私もその著者に入れてもらっている。もう2年も前の事であるが、今回モノノケトンガリサカタザメをテレビで取り上げてくれるという事で第一著者の方からメールを頂く。そのテレビはNHKのあの「ダーウィンが来た!」で、その後テレビディレクターの方から電話で軽く取材され、何度もメールのやり取りを行い、現地まで来られてインタビューや定置網漁の乗船取材を受けた。そして今日、「夏スペシャル 新種発見!身近に潜む大スクープ」と題して放映された。実はどのような内容になっているのか少し不安があった。取材を受けた段階で、私は新種とは気付けなかった人として取材を受けている感じがしており、テレビで公開処刑されるのではと思っていた。ところがテレビを観ると決してその様な感じは全く無く、凄腕漁師として紹介され、逆に照れてしまう内容であった。私へのインタビューはオープニングでほんの少し使われただけでほぼカットされていたが、その代わりサクヤヒメジを全国放送で紹介してもらう。当時のインタビュー時にサクヤヒメジの話をしたらディレクターの方に興味を持ってもらえ、後日番組内で紹介したいとの事で写真を提供した。だが、こちらもスタジオ内での話の中に出て来るという事であったので、話の流れで少し出るのかと思っていたら、「新種の名前のつけ方」という場面で想像を遥かに上回る程扱われ、私としてはモノノケトンガリサカタザメよりもサクヤヒメジの方が大収穫であった。これでサクヤヒメジのメジャー計画(ブログ2012 1.16)(ブログ2017 2.1)(ブログ2017 11.19)が大きく動き、様々な人にサクヤヒメジを知ってもらえたのではないだろうか。今回は鹿児島と紹介されただけで地元でのロケハンをしたものの全く紹介されなかったのがちょっと残念であった。だが、番組内で乱獲されない様にSNSなどでは保護の観点から発見場所を詳しく書かないと言われていたので、その為大まかに鹿児島とだけなったのかもしれない。今回の番組は一般の人にも非常にわかり易い内容だったので、生物に興味の無い方でも十分に楽しめたのではないだろうか。今回は本当に貴重な体験をさせてもらえたうえ、サクヤヒメジのメジャー計画も大きく飛躍した。






地元でロケハン
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残念だけどホッとしたアカグツ幼魚

2022年07月06日 | 日記
 今日は定置網の仕事で沖作業。暑さもあり結構疲れた感がある。仕事が終わり帰宅すると別件で電話があり、車で向かう。終えて帰宅するとまた呼び出しと疲れているがゆっくり出来ない状況。夕方になってしまうがまた電話が鳴る。すると今度はお世話になっている深海エビ漁の方からである。今年の深海エビ漁の初漁だったそうで見たことのない白いアカグツの様な魚が獲れ、持ち帰って来てくれたとの事。これは気になるし確保して頂いているので受け取りに伺う。向かう途中、もしも珍しい魚であれば今から大学へ走らなければならなくなると思い、珍しい魚であって欲しい反面、家での冷凍保存で済む魚であってもらいたいという思いと錯綜する。魚を受け取ると体型はアカグツ属であるが体色は白く、各鰭の先端が黒い。鰭先が黒いのはヘリグロアカグツである。ヘリグロアカグツはこのサイズでは体色がまだ白いのかなと思いながら帰宅。急いで調べるとネット情報で同じサイズで体色が赤いヘリグロアカグツの画像を見つける。となると何だろうかと調べるも体色が白いアカグツ属の魚が見つからない。これは珍しい種かもしれないので魚ボラの先生に写真を送り電話する。すると、直ぐに調べてくれてアカグツの幼魚ではないかとの事。大学にも同じサイズ、体色、模様の標本があるとの事である。という事でこの標本は冷凍で構わないとなる。普通のアカグツの幼魚とわかり残念であるが、今から大学へ走らなくて済むので安心する。疲れていて今から大学へ走る気力もあまりなく、明日の仕事の事も考えればこれで良かったとホッとする方が強い感じである。この個体を見ると鰭を立てる必要もなさそうなので、折角だから家で標本写真を撮る事にする。標本を弄ることなく写真を撮るも、これだけで疲れがドッと来る。改めて大学へ走らずに済んで良かったと思う次第である。








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地元イベント

2022年05月03日 | 日記
 ゴールデンウィーク突入で通常は休みである。だが、今日は地元の大きなイベントがあり、そこで鮮魚販売がある為、定置網漁に出漁。時化の中、操業し水揚げ後、イベントスタッフとしての仕事をする。私の担当は地魚鑑賞プールでの魚の説明を任される。また、この前確保したシロシュモクザメも展示する。ここ数日での定置網漁で得た活魚をプールに泳がせたのだが、その魚がイサキやイスズミ、メジナなど地味な体色の魚ばかりで来てくれたお客さん達に喜んでもらえるだろうかと不安であった。救いなのがエイラクブカと棘を取り除いたアカエイがいたことである。見に来た子供達はやはりサメやエイで興奮した感じでちょっとホッとする。だが、そこは子供である。見るだけでは済まないらしく触りたいという事でタモ網で掬い触らせてサメ肌を体感してもらう。更にそれでも物足りないのか、仕舞いには私が持っているタモ網も子供達に取られ、魚捕りが始まる始末である。鑑賞プールという事であったが最後には子供達もプールに入り魚捕りプールとなる。最近の子供達は自然に興味や関心がないかと思っていたが、泳いでいる魚を見ればやはり捕りたくなる願望があるのだと安心し、こちらも嬉しくなる。イベントが終わる最後まで大いに賑わった地魚鑑賞プールとなった。またお隣のブースでは日頃からお世話になっている鹿大水産学部のO先生や学生による深海魚コーナーのブースがあり、私も楽しみにしていた。地元の自治体も協賛している鹿児島のうんまか深海魚「かごしま深海魚研究会」による深海魚の展示紹介やO先生による深海魚講座などが行われ、こちらも多くのお客さんで賑わっていた。こちらのコーナーに先日定置網で獲れ、生かしていた深海後のカガミダイ幼魚も展示する。私も展示や講義をよく見たかったのだが持ち場のプールも忙しく、隣のブースにも拘らずチラ見くらいしか出来なかった。ゴールデンウィークという事で多くのお客さんが来るだろうと思っていたが、楽しんでもらえるだろうかと不安であったが大盛況で終えることが出来、本当にほっとする。鹿大水産学部の皆さん、ご協力ありがとうございました。終了後、カガミダイ幼魚は無事に魚ボラの標本として確保したものの、シロシュモクザメは多くのお客さんが触り、写真も撮ってもらっていた為、身も弱り、廃棄処分となりました。

地魚鑑賞プール



お客さんに触ってもらったシロシュモクザメ



最後は子供達もプールの中に入り採集



深海魚コーナーも大盛況













深海魚講座

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ダルマオコゼ

2022年03月16日 | 日記
 今日は仕事を終え車に戻ると電話の着信が入っており、電話するとオコゼを確保しているとの事。頂けるとの事で貰いに別の港へ行く。行くとバケツの中に生きた状態でダルマオコゼが入っていた。聞くと潮が引いた港内の階段で動けなくなっている所を発見したらしい。夜間採集でも潮が引いて逃げ遅れた魚を何度か確保しており、最近は苦労せずに標本を確保する事が続いている感じである。今日は水曜日で魚ボラの日であるが、別件でカミさんと鹿児島へ行く為、大学へは行かない予定であった。だが、このダルマオコゼは生きており、今月研究室を旅立つ学生が生きているのを見てみたいと言っていたので、ちょっと大学に寄ることにする。大学へ行くといつも出入りしていた門は無くなり、別の場所に変わっていた。いつもの場所から入れば正面に南国らしい背の高いワシントンヤシが並んでおり、鹿大へ来た感満載でブログでもよく写真を使わせてもらっていた。今度の門は裏口から入った感じで特徴も無く、残念に思う。ダルマオコゼを学生に渡し、見てもらう。ダルマオコゼは見た目に威圧感があるが、体表は触ってみると柔らかい布で覆われている感じで、この触り心地は気持ちよく、他の魚には無いダルマオコゼ特有の体表である。時間がないのが残念だが、お世話になった旅立つ学生に会うことが出来て良かった。

ダルマオコゼ





鹿児島大学の新しい入口



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砂まみれにホコリまみれなセレベスヒレアナゴ

2021年12月09日 | 日記
 先日の夜間採集で確保したセレベスヒレアナゴ(ブログ2021 12.4)。初採集なので魚ボラへ生きた状態で持ち込み、綺麗な標本写真を撮ってもらい標本登録してもらおうと家の水槽で蓄養している。だが、逆に死んでしまえば眼や体色は白濁してしまう恐れがあり、死んでしまう位なら直ぐに冷凍した方がいいのかと悩んでいた。だが、今は水槽内の海水温が上がる事はなく、干上がった砂の上で生きていた位なので酸欠の恐れも少ないと思い、大学へ行くまで生かしておこうと決断。水槽で蓄養してから数日間は大人しくしており、安心していた。ところが今日、仕事から帰り水槽内を覗くとセレベスヒレアナゴの姿がないではないか。水槽内に隠れる場所はない。排水のストレーナーに入ってしまったのだろうかと思うが入れる程の隙間はない。これはもう水槽外へ逃げたものと思われ、水槽周辺を探す。すると部屋の隅にホコリまみれのヒモを発見。手に取るとこれらしい。この個体を採集した時も砂まみれで水には浸かっていなかったので、ひょっとしてまだ生きているかもしれないので水槽内に入れてみる。だが、体のホコリは取り除かれたものの動き出すことは無かった。今回は水槽の上部はガラス蓋がしてあり、何処から逃げ出したのか不思議である。学生の頃、ウナギを飼育していて水槽から逃げられた事があったので、脱出防止の為、水槽内の水も半分にして水面を低くして逃げ防止の対策はしていたのだが。水槽内では隠れる場所を探している感じもあったので、塩ビパイプでも入れて隠れる場所を作っていれば良かったかなと反省。水槽横の本棚の裏に逃げ込んだら取り出すことが出来なかったので、そこへ逃げなかったのが不幸中の幸いである。体が傷付いていない事を願い、仕方なく冷凍保存する。

潮が引き、干上がった地面で砂まみれ状態で発見したセレベスヒレアナゴ



セレベスヒレアナゴ



水槽からの逃げ出し防止で水位を下げていたのだが



水槽から逃げ出し、ホコリまみれ状態で発見
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凄い!今度はミツクリエナガチョウチンアンコウ

2021年11月20日 | 日記
 今日は仕事を終え家に居るとお世話になっている深海エビ船の方から電話が来る。電波状態が良くないと思ったら、珍しく沖から電話をしてくれた模様。その内容は今まで見た事がない黒くてアンコウみたいな魚が獲れたとの事である。14時頃帰港するので取りに来ればという事だが、今日は息子が帰省するので空港へ迎えに行かなければならない。なのでお断りして電話を切る。だが、よくよく考えたら標本を受け取ってからでも何とか間に合いそうである。更に空港へ行くので大学に寄り、標本を渡す事も出来るかもしれない。という事で再び電話し受け取りに行く意向を伝える。深海で黒くてアンコウみたいと聞けばチョウチンアンコウが思い浮かぶ。だが、深海エビ漁は水深400mでの底曳きだが、チョウチンアンコウの仲間はそれよりも更に深い水深に生息し、更に海底というよりは真っ暗な海中を泳いでいるイメージが強く、底曳き網に入るだろうかとも思う。とにかく早めに港へ行き、船の帰港を待つ。船が帰港し標本を受け取る。手のひらに乗せると小さな黒い塊で何だかよくわからない。だが、口が大きく体型からやはりチョウチンアンコウの仲間の様に見える。水の中に入れてみると全貌が明らかになり、チョウチンアンコウの仲間である事が確定する。だが、シンボルのイリシウムやエスカが見つからない。簡単に写真を撮り家に帰る。その写真から同定を試みると背鰭前方に肉質突起が確認出来、背鰭の形状からミツクリエナガチョウチンアンコウと思われる。ミツクリエナガチョウチンアンコウはチョウチンアンコウの仲間の中でも知名度が一番高く、日本に生息する魚類の中では標準和名が一番長い事でも有名である。ミツクリエナガチョウチンアンコウなんて標本すら見る機会が少なく、水族館などで見る事が出来たとしても模型だったりする。そのような魚を手に取り見る事が出来るなんて全く考えたことも無く、まるで夢の様である。家で丁寧に写真を撮る時間は無く、魚ボラの学生に連絡を取り、息子を迎えに空港へと走る。時間ギリギリなので心配したが、大学に着くと既に門の前で学生が標本を受け取る為に待っている。まさか門の前で待っているとは思っても無く、長い時間待たせてしまい申し訳なく思う。おかげで空港にはジャストで到着し間に合い、息子と再会する事が出来た。家に帰ると学生からメールが来ており、ミツクリエナガチョウチンアンコウと同定されたとの事。残念だが、チョウチンアンコウのシンボルであるイリシウムやエスカは欠落していたそうである。深海エビ船の方達にはこんな珍しい魚を丁寧に確保して来て頂き、本当に感謝感激である。明日は日曜日で本来なら休みであるが、来週は時化続きの予報の為、定置網漁に出漁する事になっている。今日はテンションが上がり夜寝る事が出来るだろうか。



ミツクリエナガチョウチンアンコウ



水の中に入れると全貌が明らかに



アカグツの仲間も頂く(魚ボラでオキアカグツと同定



ミツクリエナガチョウチンアンコウ



オキアカグツ



鹿児島空港
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凄い! オロシザメ確保

2021年11月16日 | 日記
 昨日の夕方、いつもお世話になっている深海エビ船の方から電話があり、真っ黒でザラザラの初めて見たサメが獲れたと連絡を貰う。真っ黒でザラザラと言う事でヨロイザメなどの深海ザメだろうと思い、急いで受け取りに伺う。港に着き、見せて頂くと魚種名はわからない深海ザメである。元々、深海ザメは馴染みがないのであまり種を知らない。その場で写真を撮るが時間が遅く、辺りはもう暗くなってしまう。深海魚らしく眼が緑色に光っている。当然初確保のサメなので直ぐに大学へ運び写真を撮ってもらいたいが、今日はもう時間が遅く大学へ走るのは諦める。家に帰り自分で同定出来るだろうかと不安になりながら検索図鑑で調べると体高や背鰭の高さなどの特徴で他に似た種がおらず、あっさりとオロシザメであることがわかる。分布を調べると駿河湾がメインで遠州灘でも確認されている。更にネット情報では沖縄でも記録があるみたい。だが、鹿児島海域での記録はなく、遠州灘と沖縄との分布域の空白を埋めるかたちとなるのだろうか。と言う事で今日はオロシザメの標本登録に鹿大へと走る。綺麗な状態が保てるかと心配していた眼も大丈夫そうで安心。大学に着くと早速学生がオロシザメに飛びついてくれ、標本登録作業をしてくれる。オロシザメはネット上では結構画像があるのだが、学生曰く駿河湾産でも標本は少ないみたいである。ザラザラの体表には多くのゴミが付着しているみたいで、撮影前にそのゴミを除去するのに苦労されていた。更に水槽内で魚体を固定させるのも難しそうであった。そして撮影が始まると妻から電話が来て、家のトイレが詰まったとの事。最後まで居たかったが途中で帰る羽目となる。オロシザメも気になるが夜なのでトイレを直す業者も呼ぶことが出来ず、明日までトイレが使えないのだろうかと不安と心配しながら帰路に着く事になる。



オロシザメ







鹿児島大学へ










 
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カクレンボウ

2021年09月24日 | 日記
 以前から鹿児島大学でも魚ボラではなく、別の学部の先生から魚の収集依頼を受け、定置網で混獲された捨てられてしまう魚などを提供していた。今回、捨てられる魚ではないが、ゴマサバから新種の寄生虫が見つかり報告された。ゴマサバは重要な水産資源であり、各国で漁獲・利用され、寄生虫について研究がなされ、有名なアニサキスをはじめ多くの寄生虫が明らかとなっている。そのような状況の中、ゴマサバが記載された1831年から190年を経ての新種の寄生虫発見となりました。極めて隠蔽的な場所に隠れ住むこと、多くの寄生虫学者の目に触れることなく現在に至った隠れ上手な性質にちなみ、標準和名カクレンボウが提唱されました。その学名がColobomatus itoui と私の名を付けてくれました。以前にゴマサバから新種の寄生虫が見つかり私の名を使わせてくれと言われていたのですが、みんなに嫌われそうなサバの寄生虫に私の名とは躊躇い、一度は断りましたが、人に害のない寄生虫と言う事で最終的に承諾しました。でも、寄生虫だからなぁとその後も思っていましたが、カクレンボウと何とも可愛く人に愛されそうなセンスの良い和名を付けてくれたのでとても有難く、報われた感じである。だが、学名に私の名を使って頂いたものの、これだけインパクトのある標準和名であれば、学名は和名の様にその陰に隠れてしまうだろう。
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イトマンクロユリハゼ再び

2021年09月24日 | 日記
 今月も残り1週間。採貝漁業のギンタカハマの漁期は今月いっぱいなので、今日は貝採りへと素潜りに行く。今回の場所は魚に関しては目新しい種を見た事がない所なので、普段から採集もしない場所である。ギンタカハマの漁は今回が今年最後となりそうなので、この場所で貝採りに専念する。海に入り貝を探そうとすると、この前見つけたイトマンクロユリハゼ(ブログ2021 9.21)の群れがいきなり現れる。しかもサイズがこの前よりも大きくなっている。イトマンクロユリハゼはこの海域ではこの前が初確認だったので、当然この場所でも初確認となる。まさかこの場所にいるとは思いもしなかった。ここは水深も浅く、砂地で転石のある場所なので、採集道具があれば簡単に採集出来ると思われる。だが、採集したい思いもあるが今日は貝採りに専念と言う事で諦め、写真のみ撮る。その後も貝を探して行くと、今回は採集してくれと言わんばかりにあちこちでイトマンクロユリハゼの群れを発見。更に大きな個体はペアとなって泳いでいる。この前は小さな個体だったのでわからなかったが、今回は大きな個体もいて、肉眼で見てイトマンクロユリハゼだと認識できる程である。本当に採集道具を取りに家へ一旦帰りたい思いである。だが、これだけいれば次回来た時もいるだろうと諦め、今回は今年最後の貝採りを満喫する。



イトマンクロユリハゼの群れ







ペアのイトマンクロユリハゼ



テッポウエビの巣穴を守るダテハゼ



珍しく巣穴にいない単独のダテハゼ



キンギョハナダイ



マルクチヒメジ
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