
今日は定置網の水揚げ作業を終え倉庫に帰ると、地元の漁師さんが私を訪ねてくる。いつも標本を提供してくれる漁師さんである。期待するとやはり標本の提供である。魚を見るとハナダイの仲間が2個体。見た目にアカオビハナダイのようであるが、この2個体間で若干違うような感じであり、自分はこの種はよく知らない。持ち帰り調べるが鱗の枚数を数えなければならない。顕微鏡は家になく、肉眼では分かりにくい。いつもそのような時は写真を撮ってから画像を拡大して数えているので、今回もまず撮影から。撮影後、標本タグを付け、冷凍保存する。その後、同定しようと画像を拡大する。側線下方横列鱗数を数えると、途中で胸鰭が被っていて数えることができない。鱗の数がかなり違うのであればいいのだが、今回は1・2枚の違いである。魚を撮影する時、鰭条数はもちろん、鱗の枚数まで数えられるような、種の同定をできる写真を心掛けて撮影している。ブログに張り付けている写真はどなたでも見れるようにパソコン・回線の環境を考えて画質を落としているのでわかりにくいが、元の写真を使えば画像を拡大して数えることができる。ところが胸鰭が邪魔していればお手上げである。だからと言って胸鰭を曲げたりずらして撮影もできない。やはり、標本を手に取り、調べるのが基本である。今回のこの2個体、片方は眼にエア-が入っていてわかり辛いが、尾鰭の先端や体形、吻長、眼径などが違う感じがする。この種の仲間は雌雄間で違いがあるうえ、性転換することでも知られている。尾鰭先端が長い方は雌から雄へ成り掛けているところだろうか。