今日は水揚げ終了後、市場内を散策。すると活魚の水槽に大きなサザナミヤッコが泳いでいる。サザナミヤッコは魚ボラの標本用に欲しい魚である。ところが活魚水槽で傷もなくとても綺麗な状態で泳いでいたので、多分水族館用だろうなと思うが一応漁協職員に尋ねる。するとかごしま水族館に連絡済みとの事。これで標本用という望みがなくなる。サザナミヤッコは今年、素潜り採集で幼魚から成魚までよく見かけた。だが幼魚は浅いところにいたものの、若魚~成魚は深いところで泳いでいる。採集しようと潜ろうとすれば直ぐに岩の下に隠れてしまう。浅いところのスズメダイの仲間でさえ、岩の下に逃げる種は採集できないのに、深ければ尚更採集は困難である。水面に浮かんで糸でも垂らして釣るしか採集方法はないかなと思っていた。だが、今回は活かして水揚げされたので水族館行きになってしまったが、もしも活かしてきても死んでしまえば標本用に廻ってくる可能性もある。潜って捕らなくてもこのような状態で手に入れば何よりである。だが世間はそう甘くはない。やっぱり自分で採集しないと手に入りそうにない。
今日は水揚げ終了後、市場内を散策。すると活魚の水槽に大きなサザナミヤッコが泳いでいる。サザナミヤッコは魚ボラの標本用に欲しい魚である。ところが活魚水槽で傷もなくとても綺麗な状態で泳いでいたので、多分水族館用だろうなと思うが一応漁協職員に尋ねる。するとかごしま水族館に連絡済みとの事。これで標本用という望みがなくなる。サザナミヤッコは今年、素潜り採集で幼魚から成魚までよく見かけた。だが幼魚は浅いところにいたものの、若魚~成魚は深いところで泳いでいる。採集しようと潜ろうとすれば直ぐに岩の下に隠れてしまう。浅いところのスズメダイの仲間でさえ、岩の下に逃げる種は採集できないのに、深ければ尚更採集は困難である。水面に浮かんで糸でも垂らして釣るしか採集方法はないかなと思っていた。だが、今回は活かして水揚げされたので水族館行きになってしまったが、もしも活かしてきても死んでしまえば標本用に廻ってくる可能性もある。潜って捕らなくてもこのような状態で手に入れば何よりである。だが世間はそう甘くはない。やっぱり自分で採集しないと手に入りそうにない。
今日は一ヶ月振りに丸一日まったく予定のない日曜日である。海水温も下がってきていて今年は後何回素潜り採集ができるだろうかという状況になってきたので、暇があったら採集に行きたいところである。ところが今日は運悪く時化予報。採集を諦めていた。久しぶりに朝ゆっくり起きて外を覗くと空はどんよりと雲が掛かり草木が揺れていて、いかにも時化模様といった感じ。借りていたDVDを返しに町へ車を走らせる。途中で海岸に出るのだが、海を見ると風は吹いているものの、波やうねりがまったくない。しまったと思い、急いでDVDを返しに行き、帰宅。もちろんその後は素潜り採集に行く。幸い海の濁りもさほどなく、魚を物色する。ところがこれといった魚がいない。本当に今年の素潜り採集はハズレが多い。まだ採集していない魚が見つからないので標本の数が少ない魚を採集する。すると以前に採集はしているがまだ同定していなかったブダイの仲間の幼魚を見つけ採集する。その後、風が強くなり波が出てきたのであっさりと止める。今回はこのブダイの仲間1個体だけの寂しい採集となってしまった。持ち帰り検索図鑑で同定を試みるが幼魚で難しい。一応オウムブダイとなったがまったく自信がない。ネットで調べてもオウムブダイとはまったく姿も体色も違うような・・・。胸鰭の基部が暗色で見た目ではチビブダイに似ている感じであるが、歯の形状が違うので検索図鑑では最初の方で分かれて行ってしまう。やっぱり魚ボラに持ち込み、顕微鏡を使って調べないと分からないなぁ。
漁協では毎月最終土曜日のお昼から、その日の朝獲れた魚を一般の人達に販売している。今日はその漁協土曜昼市。今朝、定置網で漁獲された魚を選りすぐる。その中にシマアジが15尾程あり、パックして販売の準備する。するとそのシマアジの中に1尾だけ体色が非常に濃く、体形も他のシマアジと比べると感じが違う個体が目に付いた。体色の濃い方が眼から吻までが長い感じがして、体高も若干高い感じがする。だが2個体並べ、比べてみるがはっきりとした違いが見つからない。値段を聞くと1尾400円で売るとの事。それほど高くもないので両個体を購入しようと考えていた。ところが昼市開始前から予想以上のお客さんが入口に並んでいる。準備した魚の量を考えると足りない感じ。販売用の魚が足りていない中、シマアジを2尾も販売側の私が先取りするなんてとてもじゃないけど言えない状況となってしまった。結局、シマアジはお客さんが購入して行き、標本用として確保することができなかった。シマアジは「黒潮の魚」という図鑑ではA・Bと2タイプに分けて写真が掲載されている。これがその2タイプなのだろうか。それとも・・・。とにかく標本が確保できなければ何とも言えない。
今日は水揚げ作業中、他所の定置網の人が「この魚何?」と持ってきた。見てみると ニジョウサバのようであった。ニジョウサバは分布域が沖縄以南となっている魚ではあるが、昨年初めてうちの定置網で獲れ(ブログ、2007 8.27)、それから他所の定置網でも獲れて水揚げされているところを何度か見てきた。だが、みんな全長が50センチ程ある成魚ばかりであった。ところが今回見せて頂いたニジョウサバは全長が30センチに満たない若魚である。個体が小さい為か、腹部の方の側線が肉眼では見え難く、現場では確証が得られないが、小離鰭が確認できるので間違いないと確信する。標本用には適したサイズなのでお願いして頂く。今までは成魚ばかりであったが、今回のように若魚や更には幼魚などが獲れるようになってくれば、漁獲量が増えてきそうである。だが、まだ食べた事はないが身が柔らかく美味しい魚とは言えないようである。
今日の仕事は午前中で終わり。午後から素潜り採集に行く。前回逃したコクテンフグが気になり、同じ場所へ行く。あれから二週間が経過しているが、ひょっとしてまだ同じ場所にいるのではという考えもあるので、後悔しない為にも探してみる。逃した場所を中心にじっくりと広い範囲探すが見つからなかった。コクテンフグは諦めて別の獲物を探す。だがこれといった魚が見つからず、以前から採集できないでいるスズメダイの仲間にチャレンジする。スズメダイの仲間で採集しようとすると直ぐに大きな石の下に逃げてしまう種がいて、これらにチャレンジするが結局はいつものように逃げられてしまう。その後、まだ採集していないベラの仲間を見つけたので目標を切り替える。ベラ類を集める為に近くにいたウニを割っておびき寄せる。するとウニを食べにベラ類に混じって石の下から逃げられていたスズメダイの仲間が出てきてあっさりと採集できてしまう。この方法でスズメダイの仲間を2種採集する。そのほかベラにチョウチョウウオ類を採集して終了。スズメダイの仲間は苦手でその場では種が分からず持ち帰り同定するとハクセンスズメダイとセダカスズメダイとなった。普通種のようではあるが標本を調べることができ、名前が分かっただけでも良かった。
今日は水揚げ終了後、市場内を覗く。すると鮮やかなヒメジの仲間が目に付いた。これだけ鮮やかなヒメジは見たことが無かったが第一背鰭下方に暗赤褐色の斑点が確認できたのでタカサゴヒメジの成魚かなと思う。ちなみに最近定置網ではタカサゴヒメジの幼魚が毎日たくさん獲れている。だから成魚が揚がっていてもおかしくはない。でもどこかおかしい。よく見ると口は閉じているのだが上顎先端に歯が確認できる。今までに歯が見えるヒメジの仲間を見たことがない。日本初記録種?未記載種?とも思ったがタカサゴヒメジの成魚もあまり見たことがなく、口がどのようになっていたかが分からない。タカサゴヒメジの方が有力であったので既に水揚げされていた為、漁協の人に無理してまで頼んで確保はせず、その場で写真に収める。家に帰り図鑑やネットでタカサゴヒメジを調べるが幼魚の写真が多く、結局、歯が出ている写真を見つけることができなかった。そこで魚ボラの先生にメールで尋ねてみた。するとタカサゴヒメジの成熟したオスの個体との事。オスが成熟すると色彩がカラフルになり、歯も発達するそうだ。ひょっとして日本初記録種ではとも思ったのでちょっとガッカリするが、もしも未記載種や初記録種であったら標本を確保しなかったので逆に後悔して、こちらの方が痛手となっていたかも。
今日は定置網の選別作業中、ヤマトカマスの中に少し変わったカマスがいて取り上げる。オオメカマスである。いつも獲れるのはサイズがまだ大きいので今回の個体は若魚と思われる。数年前までは毎年獲れていたのだが、ここ数年姿を見ることがなく、久しぶりの対面となった。昨年だったか久しぶりに水揚げされているオオメカマスを見つけたが、うちの定置網でも獲れるだろうと思っていて確保しなかった。だがその後、見かけることもなく確保しなかった事にちょっと後悔していた。今回若魚ではあるが魚ボラの標本用に確保することができてホッとした。自分用に撮影して冷凍保存する。あとはホソカマスを確保せねば・・・。
今日は定置網でコモンサカタザメの若魚が捕れる。コモンサカタザメはよく捕れて普通種である。サカタザメ科の中では一番小さいのだがそれでも全長で50センチ程はあるため標本用として確保したくても気が乗らない。だが、今回は若魚で小さかったため直ぐに魚ボラの標本用に確保する。自分でも黒バックの写真を撮ってなかったので撮影する。撮影時にふと腹面を見ると吻端に褐色域があるのが確認できる。検索図鑑を見ると褐色域があるのはサカタザメとなっており、コモンサカタザメには褐色域がないとなっている。だが背面の輪状斑紋を見ればやはりコモンサカタザメではないだろうか。若魚なのでそうなっているのだろうか。一応魚ボラで再同定してもらわなければならない。
明日は息子の小学校の運動会という事で、今日は午後からその準備の予定であった。ところが午後は雨の予報という事で急遽午前中に準備が行なわれた。その為、午後は突然予定が空いてしまう。という事で最近時間が無く行なえなかった素潜り採集に行く。あまり期待せずに行くが、久しぶりという事で何に出会えるかワクワクしながら魚を探す。ところが目新しい魚がいない。やはり今年は魚種が極端に少ないように感じる。そんな中見つけたのがモンガラカワハギ科の幼魚達。一番目立っているクラカケモンガラを先ず採集する。その後もキヘリかゴマ?の幼魚を採集。ツマジロは大きすぎるので諦めた。その後も探すが見つからない。するとハコフグかウミスズメのような魚を見つけ、覗きに行くと突然体色が真っ白に変わる。コクテンフグであった。この海域でコクテンフグを見たことが無く、定置網で捕れた事もない。これは採集しないとと思い。一気に潜り網で掬うと網には入ったものの、タモ網の縁が折れてしまい逃げられてしまう。ここは大きな岩がごろごろしてその下に逃げられ見失ってしまった。あんなに動きの鈍い魚を逃してショックである。結局久しぶりの素潜り採集ではあったが簡単に採集できるモンガラカワハギ科の幼魚のみしか捕ることができなかった。家に帰りコクテンフグを調べると分布域が琉球列島以南となっている。改めて逃した事にショックを受けてしまう。
今日は水揚げを終え作業場へ帰ると、そこにアジ釣りをしている漁師さんが尋ねて来て、魚ボラの標本用にとナガハナダイの仲間を2個体持って来てくれた。私はこの仲間が苦手でその場では名前が分からない。ナガハナダイ属の魚は定置網では捕れないので馴染みがないのである。この方には以前も標本用にナガハナダイを頂いている。このように定置網で捕れない魚もいるので、他の漁業をしている方から定置網で捕れない魚を頂くのはとても有難いのである。家に持ち帰り同定するとキンギョハナダイの雄個体であった。キンギョハナダイはダイバーの人からすれば定番の普通種ではあるが、こちらとしては手に入らない魚なので珍しく、また綺麗な魚を撮影することができたので感謝したい。
以前に魚ボラに持ち込んだクマザサハナムロ属の魚の中にイッセンタカサゴと同定された標本がある。タカサゴかニセタカサゴの幼魚と思って持ち込んだものと思われ、自分では覚えがない。イッセンタカサゴは自分用に写真を撮っていないので探していた。だが図鑑やネットを見ても明確にこれがイッセンタカサゴという写真が見つからず、これでは現場でも分からないのではと思っていた。そして今年、地元かごしま水族館から「鹿児島の定置網の魚たち」という図鑑が発行された。そこにイッセンタカサゴの標本写真が載っていてやっと分かった。そして今日、定置網でその個体が捕れたので、確保し持ち帰り撮影する。撮影後、一応検索図鑑で同定すると体側上半部の縦帯の事で疑問が出てしまう。昔撮ったニセタカサゴの幼魚の写真と比べてみると違いが分からない。このニセタカサゴの幼魚の同定が間違っている場合もある。だが、今、タカサゴ・ニセタカサゴがたくさん捕れているがその幼魚と思っていた魚が全てイッセンタカサゴとも考えられない。悩むとますます深みにはまって行き、何が何だか分からなくなってしまった。とにかく魚ボラに持ち込んで同定してもらい、真相を明らかにしたい。
*ニセタカサゴPterocaesio marri Schultz,1953 と同定されました。