お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

キンダイ

2020年07月31日 | 市場
 今日は定置網漁の水揚げ後、市場内を散策すると、雑魚カゴの中にキンダイの幼魚を発見。キンダイとは以前に私のブログでも紹介したが(2009年12月23日)、近畿大学水産研究所がイシダイの雌とイシガキダイの雄の人工交配に成功した交雑種であり、キンダイと呼ばれている。これは放流もされているが、自然下でも天然交雑が確認されており、そちらも釣り人などからはキンダイと呼ばれている。成魚はたまに定置網などに入網し、市場で見られるが、幼魚は珍しい。幼魚と言う事で恐らく天然交雑種と思われる。これは標本用に確保しようと手に取ると、丁度大事な体側の左側が他の魚と重なっていたらしく、色が変色している。このように変色するともう元には戻らない。標本写真を撮るのは絶好なサイズであったが、今回は見送ることにする。雑魚扱いだったので、標本用にだけでも確保しておけば良かったかと後で後悔する。



写真上:キンダイ幼魚  写真下:イシガキダイ幼魚
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ヤッコエイ

2020年07月20日 | 定置網
 今日は定置網漁で探していたヤッコエイが久し振りに入網。ヤッコエイは決して珍しいエイではないので今までにも獲れ、しかもアカエイ科としてはサイズが小さくお手頃なので、魚ボラの標本用に確保していると思っていた。ところが登録標本をチェックした時に標本がまだ未登録である事がわかり、更に自分では現場で撮った写真がほんの数枚しかない。と言う事で以前からヤッコエイを探していたのだが、ようやく今日確保することが出来た。前回はと言うとブログでもアップしているが13年も前の事である(ブログ2007 4.7)。珍しくもないヤッコエイを確保するのにここまで時間が掛かるとは思ってもいなかった。だが、その時のブログ記事を見ると、その時も何年振りかの入網と書いている。という事は全国的に分布しているので、自分では普通種と思っているが、こちらの海域では少し珍しいのだろうかと思い、ちょっと調べてみる。だが、やはり南方系らしく、どちらかと言うと南へ行くほど普通種みたいなので、うちの海域では普通種と思われる。だが、気になったのが、ネットで検索したらWikipediaにはシュモクザメが天敵となっている。ここの海域にはシュモクザメが非常に多く、定置網にも頻繁に入る。もしかすると天敵のシュモクザメが多くてヤッコエイの生息が非常に少ないのだろうか。ちょっと気になる面白い情報である。
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ホオアカクチビ

2020年07月03日 | 市場
 今日は定置網漁の水揚げ後、市場内を散策していると、雑魚が入れてあるカゴの中の魚に目が留まる。ホオアカクチビである。ホオアカクチビはこの市場では6年前に水揚げされているのを初めて見た。その当時は自分がフエフキダイ科の魚をよく知らず、写真にだけ収めていた。その後、ホオアカクチビとわかり、それからも何度か水揚げされ市場に並ぶ事があったが、サイズが皆大きく魚ボラの標本用には確保していなかった。今回も雑魚カゴの中にはよく似たイトフエフキが何尾も入っていてサイズ的にも似た感じで危うく見逃してしまうところであった。こんなに小さなホオアカクチビを見るのは初めてであり、もちろん標本用に確保する。サイズ的には小さいのだが、うちの撮影用の水槽に入るかどうかが微妙である。持ち帰り撮影用の水槽に入れてみるがやはり魚の方が少し大きい。だが、魚を斜めにすれば展鰭した状態でも水槽内にギリギリ入れることが出来、何とか撮影することが出来、ホッとする。最近は稚魚や幼魚と老眼には厳しい小さな魚ばかり扱っていたので、撮影用の水槽ギリギリではあったが、久し振りに展鰭から撮影まで気持ち良くする事が出来た。



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ダツ科稚魚

2020年07月03日 | 定置網
 今日も定置網漁で網を絞って行くとトビウオ類の幼魚が群れている。すると、そのそばに細くて小さなものがちょろちょろしており一緒に掬い取る。魚のようであるが現場では小さ過ぎて何かよくわからない。死んでしまうとこのサイズでは状態が悪くなりそうなので、写真を撮り拡大して見る為に、小さな容器に数個体活かして持ち帰る。上から見た感じ茶色の個体と白黒のストライプの個体と2種確認できる。家に帰り小さな水槽に泳がせて撮影するが、殆ど泳ぎっぱなしで写真に収めることが難しい。その後、氷水で絞め、小さ過ぎるので鰭立ては諦め、そのまま急いで撮影する。ところが白黒のストライプの個体が何故か無くなり、茶色の個体のみ撮影。撮った写真を見るとダツ類の稚魚らしい。稚魚図鑑で見ると白黒のストライプの個体はハマダツの稚魚のようである。となると、うちの定置網にたくさん入るダツ類はハマダツとオキザヨリであるので、茶色の個体はオキザヨリの稚魚だろうか。でも、ハマダツの稚魚はどこに行ってしまったのだろうか。見比べる為にも静止した写真を撮りたいので、今後にまた期待する。





オキザヨリ?稚魚



ハマダツ稚魚

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ウスバハギ幼魚と寄生虫

2020年07月02日 | 定置網
 今日の定置網漁で採集したトビウオ類幼魚とナンヨウサヨリ幼魚と最後のもう1種、ウスバハギ幼魚である。ウスバハギの幼魚は昨年の11月にも定置網で採集したが(ブログ2019 11.21)、あれから半年ちょっと経ち、さらに成長した個体を見つけ、今回も丁寧にタモ網で掬いとる。折れやすい背鰭棘も無事である。こちらも持ち帰り撮影。撮影する為に鰭を立てようとすると臀鰭、尾鰭に寄生虫が吸着しているではないか。背鰭棘が折れないか心配し、背鰭棘だけ集中して見ていたのか、それとも撮影個体が多くよく見ていなかったのか、寄生虫には展鰭するまで全く気付かなかった。寄生虫を取り除いてから撮影しようと思ったが、これも記録かなと思いそのまま吸着した状態で撮影する。魚ボラの標本用にもそのまま吸着した状態で冷凍保存する。

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ナンヨウサヨリ幼魚

2020年07月02日 | 定置網
 今日の定置網漁で標本用に確保したのはトビウオ類幼魚の他にもう2種あり、そのうちの1種。サヨリの仲間の幼魚が獲れ、見ると体側に横帯が現れている。体側に横帯があるサヨリの仲間と言えばホシザヨリである。だが、昔ホシザヨリの幼魚が獲れた事があり、写真に収めている。その写真を見ると体高や体色など違い別種の様に思う。検索図鑑で調べるとホシザヨリかナンヨウサヨリに落ちる。となるとナンヨウサヨリとなるのだが横帯が気になる。そこで稚魚図鑑で調べると、ナンヨウサヨリは稚魚期に5横帯があるとなっている。更に科博のデータベースを見ると横帯が現れているナンヨウサヨリの写真も見つかる。これでこの個体がナンヨウサヨリの幼魚であることがわかり、小さい時は横帯があることを初めて知る。

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またまたトビウオ幼魚

2020年07月02日 | 定置網
 今日の定置網漁は少し風があり水面はちょっとざわざわしている感じ。だが、漁場に着くと定置網内は風の影響なく穏やか。トビウオ類の幼魚を期待する。網を絞ると思った通りトビウオ類の幼魚が群れている。その中に以前採り逃がし悔しい思いをしたヒゲの長い個体がいる。その個体のみ集中して採集。操業中なのでそのあとは適当に掬う。全部で5種6個体採集。持ち帰りそのうち4種5個体を撮影する事にする。また同じように横からと上から撮影するので、5個体ともなるとこれだけで結構時間が掛かりそうであるが、今日はトビウオ以外に更に撮影する魚がもう2種おり全部で7個体もある。普段は撮影の事を考えて暗くなる夜に行うが、時間を考え、帰ってから直ぐに取り掛かる。結局半日掛かってしまう。今回ヒゲの長い個体を始めて採集。稚魚図鑑で調べると長いヒゲの他、胸鰭が暗色であることからカラストビウオの幼魚ではないだろうか。今後もこの種の成長過程がわかる個体をゲットしたい。


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