お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

ササムロ

2008年09月26日 | 定置網

 最近、朝が涼しくなり秋が近づいている感じである。秋になると定置網で南方系の魚が獲れるようになる。先週あたりから定置網でタカサゴが獲れるようになった。数はまだ少ないが今日も定置網でタカサゴが獲れた。沖縄では重要種で食用となっているが、ここではまだ新顔の魚で食べない為水揚げされなく捨てられてしまう。今日は捨てられているタカサゴの中に体高が高く、尾鰭両葉の中央部に暗色帯がある種が混ざっていた。ササムロだと思い魚ボラの標本用に確保する。ササムロは今までにも何度か獲ってはいるが、自分が魚ボラの標本用として確保した事がなかった。また自分用の納得のいく写真も撮っていなかったので撮影し、撮影後は標本用に冷凍保存した。ところがその後、ネットでササムロを調べていると今回の個体によく似たクマザサハナムロの写真を見つけてしまう。今回は自分の思い込みでササムロと判断していた。急いで冷凍中の標本を再び取り出し、検索図鑑で同定する。すると前上顎骨の後方突起が1個であった為、やはりササムロであった。ホッとはしたものの、クマザサハナムロはまだ未採集なので間違いであった方が良かったのだが・・・。改めて魚ボラの標本用に冷凍保存する。
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シロコバン

2008年09月24日 | 定置網

 最近は定置網でカジキ類やイトマキエイなど大型魚が獲れている。そのような時に一緒に獲れるのがコバンザメ類である。普通のコバンザメのほか(ナガ・ヒシ・ヒナ)コバンなどがよく獲れる。今日も漁協定置網の選別作業を覗きに行くと、水揚げされないで捨てられる魚の中にいろいろなコバンザメ類が入っている。その中に吸盤の形がいつも見ているものよりも円い個体が目に付く。普段獲れるコバンザメ類とは別種と判断し確保し持ち帰る。検索図鑑で同定するとシロコバンであった。シロコバンは初採集である。ただ今日は、漁協定置網にはバショウカジキとイトマキエイの両方が入網しているので、どちらに吸着していたのかは分からない。検索図鑑にはイトマキエイ類に吸着すると記載されているのでそちらかな。魚ボラの標本用に確保し、冷凍保存する。
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トウゴロウイワシ

2008年09月20日 | 採集

 今日は土曜日恒例の夜間採集にいつもの港へと行く。今年は夜間採集の事をあまりブログにアップしていないが、天候さえ良ければ行なっていた。だが、今年は収穫が無く、最近は一応港へ行くのだが、あまり期待をしていない状況である。今日もいつものようにボラやフグ、テンジクダイ科の幼魚が確認できる。ところが今回はちょっと様子が違っていた。いつも水面に群れているギンイソイワシの動きがどことなく遅い。網で掬うと簡単に採集でき、一度に10個体程も捕れてしまう。ギンイソイワシは動きが素早く、いつもなら網で掬うのは至難の業で捕れたとしても1個体程である。いつもと違うのでひょっとしてと思い、腹鰭を見るとその間に肛門が確認できる。トウゴロウイワシである。確保し持ち帰り、詳しく同定すると普通のトウゴロウイワシであった。定置網や港でトウゴロウイワシ科の魚が捕れるが殆どがギンイソイワシである。トウゴロウイワシもいない訳ではないが今までに数個体しか捕れた事がない。普通種ではあるが今回は久しぶりの収穫となった。魚ボラの標本用に確保する。
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初入網 タコベラ

2008年09月16日 | 定置網

 未だに台風13号は接近してこない。周りの定置網は既に台風に備えて網を陸へ揚げている。うちの定置網はまだ様子を見ているところで通常の網起こしを行なう。すると網に寄り添って泳いでいる赤い魚を見つける。ベラの仲間と分かったが見たことがない種。急いでタモ網で掬い確保する。パッと見、顔つきがモチノウオに似ていて見た事も、もちろん採集した事もない。ワクワクしながら家に持ち帰り図鑑やネットで調べる。するとタコベラのようである。魚を見た感じでは鹿児島より南方系ではと思っていたが日本各地で確認されていて結構普通種のようでもあり、ちょっとガッカリ。でも久しぶりの初入網である。ベラ科魚類は種類が多く、ここでも多くの種が生息していると思われる。だが、定置網で獲れる種は限られているのであまり目にすることがない。素潜り採集時に多く見るのだが、まだまだ勉強不足で魚を見つけても種名が出てこない。また、生息数の少ない種に限って動きが素早く、採集し難い。今回、まだ未採集のタコベラが定置網で捕れたのはラッキーであった。ベラ科魚類をもっと勉強しなければ!
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メアジ 

2008年09月16日 | 定置網

 今日は定置網でもう一種、メアジが捕れる。メアジは周年よく捕れ、普通種である。今まであまり気にしていなかったのだが、今日は体側上方部の黄色縦線が顕著な個体とそうでない個体が混ざっていた。写真では分かり難いが黄色縦線の現れ方の違いがはっきりと両個体で分かれている。「黒潮の魚」という図鑑がある。そこにメアジの両個体の事が記載されている。この図鑑を見たときは魚の絞め方や氷の打ち方などによる鮮度の違いではないかと思っていた。ところが今回は魚の絞め方としては同じ条件下でこの両個体が混ざる形となった。これによって自分が思っていた鮮度の違いではとの考えが覆された。最近メアジの仲間の日本初記録種も発表されているが、自分ではその違いがまだ分からない。今回捕れた個体がそれなのかも分からないのでとりあえず両者数個体を魚ボラの標本用に確保する。


*両方ともメアジSelar crumenophthalmus (Bloch,1793 ) でした。
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ヒフキヨウジ

2008年09月14日 | 採集

 現在、台風13号がこちらに近づいている。このあと仕事が忙しくなる可能性があるので、今のうちに素潜りに行く。外海のいつも魚を採集する場所に行くと既に大きなうねりがあり、この場所を断念する。結局、湾内のうねりの影響を受けない場所しか潜ることができず、貝採集を行なう。貝を採り終え、まだ時間があるので魚を探す。だが、この場所では採集できる魚は少ないうえ、採集道具も貝を採るタモ網しか持たないので、簡単に採集できるヨウジウオを採集する。ヒフキヨウジである。ヒフキヨウジはヨウジウオ類ではここで一番多く生息しているようでいたる所で目に付く。たくさん居るうえ、泳ぎが下手なので簡単に採集できる。この魚、吻が赤いので火を噴いているように見えるのでこのような名前なのだろうか。ヒフキヨウジは昔からたくさん居ていつでも簡単に採集できるので、魚ボラの標本用に確保していなかったような気がして、とりあえず1個体確保する。まだ必要であればまた捕ればいいやと安易な考え。でも家に帰り、せめて雌雄2個体捕っておけば良かったと後悔する。
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マルコバン

2008年09月08日 | 定置網

今日は定置網でマルコバンが捕れる。マルコバンは以前から捕れており珍しい魚ではないのだが数は少なく、ここ数年はうちの定置網でも捕れる事がなく、また市場でも水揚げされているのを見掛けなかった。ところがここ数週間、市場で水揚げされている個体を何度か見掛け、魚ボラの標本用に確保しなければと考えていた。だが、皆サイズが大きかったので諦めていた。ところが、今回サイズは大きかったもののうちの定置網で捕れたので魚ボラの標本用に確保する。マルコバンの仲間でコガネマルコバンという種がいる。魚ボラの先生が第二著者で日本初記録種として発表され、標準和名を提唱している。この標本はお隣の宮崎県の定置網で捕獲された個体である。宮崎で捕れたのであればここで捕れてもおかしくない。というより捕れて当然。マルコバンと比べると第二背鰭葉状部と臀鰭葉状部の長さが短く、容易に見分けられそうである。だが、今年は漁獲物や素潜り採集時に確認できる魚を見ると南方系の魚類が少なく、どこか面白くない。それを見ると今年は黒潮の影響をあまり受けていないようで、コガネマルコバンを見つけるのも来年以降に持ち越しのような感じである。
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メイタイシガキフグ

2008年09月05日 | 定置網

 最近ブログネタがなく、水揚げ場や市場内を毎日うろうろしている。そんな中、ようやくネタを見つける。漁協定置網が選別作業をしていて、選別台を覗き込むとちいさなフグを見つける。メイタイシガキフグであった。普段なら定置網の人が気付いて珍しいフグと教えてくれるのだが、今回は気付かず捨てられる間際であった。タイミング良く標本をゲットする。だが、もし漁協定置の人が気付いていたら、生かして捕り、水族館行きになっていたかもしれない。今回は本当に運が良かった。メイタイシガキフグはここでは年に1個体見つかるかどうかというほど珍しいフグである。イシガキフグというよりはハリセンボンに似ているような。フグの仲間は腹腔内に空気が入り水に入れても沈まず浮いてしまう。最近は標本を水に沈めて撮影を行なっているので、腹腔内の空気を取り除くのに時間を費やし苦労する。貴重な標本なのでなるべく傷付かないようにあちこちから針を刺し、空気を抜き沈ませることでき、撮影できた。
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