お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

トビウオ類幼魚

2008年05月30日 | 定置網

 最近定置網にトビウオ類の幼魚が入っている。広げている胸鰭を見ると数種いるのが確認できる。今日はそのトビウオ類を掬ってくる。写真撮影するために鰭を立てる。普段魚を撮影する時は側面を撮影するが、今回は定置網内で見たように背面側からの撮影を行なう。まずは鰭立て。背面側からなので普段は広げない胸鰭と臀鰭を立てる。全ての個体の鰭を虫ピンで固定し終わりふと見ると、何だか蝶の標本のように見え、思わずそのままの状態で写真を撮ってしまう。今回は5種確認できた。だが、トビウオ類の幼魚はまだ何種も定置網では捕れる。ところが同定できる種がいない。というか同定作業をしていない。いったい何種捕れるのかは不明。見た目で違う種と思っても成長過程での違いの場合も考えられる。その成長過程が分かるように幼魚から成魚になるまで捕れ続けばいいのだが、幼魚時期を過ぎると捕れなくなる。とりあえず今は幼魚を標本用に確保していき、同定はデータを収集してからかな?
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採集はするものの・・・

2008年05月24日 | 定置網

 今日は定置網を起こすと小さなカレイが水面に浮いてきたので掬い上げる。見ると尾鰭に1対の黒点が確認できるのでダルマガレイの仲間と思われる。ダルマガレイに限らずカレイ目魚類は何種類も定置網で捕れている。定置網で捕れるカレイの仲間は小さい個体ばかりであり、今回のこの個体も体長は80ミリ程である。幼魚ばかり捕れると思いきや、ダルマガレイの仲間はこのサイズで成魚という種もいる。成魚・幼魚の判別もできないうえ、同定が非常に困難というか厄介である。背鰭・臀鰭は体側を覆っていてその計数値は多いうえ、その鰭は内側に折リ畳まれている場合が多く、数えやすく広がってはいない。更には側線鱗数・・・など。魚ボラの標本用に一応採集はするものの、同定は学生任せとなる。
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ハワイマトイシモチ

2008年05月23日 | 定置網

 今日は定置網でハワイマトイシモチと思われる個体が捕れた。毎年獲れていて自分ではクロイシモチの幼魚と思っていた。ところが大きく成長しても色彩が変わらなかった為、疑問に思い昨年ブログに載せたところ(ブログ2007 8.12)、写真より魚ボラの先生とランドール.J.E氏によってハワイマトイシモチと同定された魚である。図鑑によると分布域は和歌山県以南の南日本となっている。分布域としては該当し捕れても不思議ではないが、図鑑やネットで調べても写真を見つけることができない。という事で稀種の可能性もあるので標本を集めようと思ったのだが、昨年はそれ以来採集できなかった。昨年捕れた最終日が8月半ばなので、今から集められれば今年は個体数が期待できそうである。万が一を考え、今回のこの個体はいじり回さず簡単に写真に収め、魚ボラの標本用に冷凍保存する。一年で何個体採集できるだろうか?
*後日、マダラテンジクダイと同定されました。
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リュウグウノツカイ

2008年05月23日 | 定置網

 今日はもう一種。水揚げが終わると他の定置網の人に「これいらない」と魚を渡される。見るとリュウグウノツカイであった。フリソデウオ科魚類ではないが同じアカマンボウ目の魚である。定置網で捕れ、生かして持ち帰ってきたのだが、入れていたタンクから飛び出して死んでしまったとの事であった。体表は擦れているがまだ模様は分かる。ところが尾部が欠落していた。無くなっている尾部を探そうと頂いた人に聞くも、いつ無くなったのかは分からないとの事。リュウグウノツカイはとても丁寧に扱わないと体が簡単に折れてしまう。この個体も掬った時に折れたのか、飛び出した時に折れてしまったのか、それとも見つけた時には既に無かった事も考えられる。尾部が無いにしろ貴重な標本となるので魚ボラ用に冷凍保存する。いつの日か綺麗な完全な個体を採集してみたいと思う。
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ハシナガウバウオ

2008年05月17日 | 採集

 今日は仕事が終わってから訳あって貝の素潜り採集に行く。素潜りは今年2度目。前回も水族館の依頼で貝を採った。その時はまだ水温が低いためか魚も少なかった。今回も時間が少ないうえ、魚もまだ少ないだろうと思い魚の採集道具を持たずに貝の採集に専念する。ところが今回は魚もそこそこいて、どうしても目がそちらへ行ってしまう。貝も想像以上に採れ、時間が余る。だが採貝用に使っている小さなタモ網がひとつしかなく、できる範囲内で魚の採集を行なうことにする。こんな網で捕れそうな魚はと考えながら探しているとガンガゼの近くを泳ぐハシナガウバウオが目に付く。この魚は追いかけるとガンガゼの棘の中に逃げるのでこの魚なら採集できると思い行なう。魚を追い、逃げた先のガンガゼごと網で掬い採集する。ハシナガウバウオは雌雄で吻が違う。吻が幅広く短い方が雌で細長い方が雄である。魚ボラにはそのどちらかしか標本登録していなかったので雌雄共に採集する。今回はそのほかの魚は採集を諦める。帰り際にオニカサゴ属の魚を見つけるが、網で掬ったものの、この網ではやはり逃げられてしまった。残念。
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ダルマオコゼ

2008年05月14日 | 定置網

 今日は定置網でダルマオコゼが捕れる。以前から魚ボラの学生に頼まれていた魚なので確保する。今日は魚ボラの日なので生かしたまま持ち帰り、魚ボラに持ち込む。ダルマオコゼはいかにも危険な魚だと主張しているような風貌である。見た目だけでなく各鰭の棘に毒腺があり危険な魚とされている。ところがここでは生きていてもみんな普通の魚のように手で掴んで捨てる(売れないので)。刺された人は今までにいない。実際に棘の部分を指で触ってみても尖っているようでもなく、逆に柔らかい布で包まれているようである。顔の周りもゴツゴツしているが指で触れてもどこか滑らかである。本当に棘が刺さるのか、刺されると痛いのかを確かめてみたいところであるがその勇気はない。
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ムスジコショウダイ

2008年05月13日 | 市場

 今日は水揚げが終わり市場内を覗いていると漁協の職員から、これ売れないからと魚を頂く。このタイプの魚は数種いるのでその場では「何とかコショウダイ」とまでしか分からない。持ち帰り図鑑で調べるとムスジコショウダイであった。うちの定置網で捕れた事はなく、他の網や市場でも見た事がなく、初めて見る魚である。ネットで検索すると国内の画像はダイバーが撮影した幼魚の写真ばかりで成魚の写真は非常に少ない。だが図鑑によると沖縄では普通種のようである。沖縄では普通種で本土では幼魚の写真ばかりということはこの幼魚は死滅回遊魚であろう。それを証明するかのように幼魚と成魚の体の模様が違うこの種の模様の移り替わりを証明する中間(若魚)の写真が見つからない。今回頂いた個体は体長が30センチ程あるので黒潮に乗って流されてきたものであろうか。本土でこのサイズは珍しいと思われるのであまりいじらずホルマリンを使わずに写真を撮り、魚ボラの標本用に確保する。明日が魚ボラの日なので冷凍せずにそのまま持ち込み標本登録する予定。
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宮崎産ミミズハゼ

2008年05月11日 | 採集

 今年のゴールデンウィークは所用があり、出掛ける事ができなかった。また、今後の休みの日も既に予定が入っている。という事で今日を逃してはと思い、家族で隣県の宮崎へ遊びに行く。いくつか観光地を巡りながら日南海岸を走る。途中、海岸に日南名物の「鬼の洗濯板」が現れているので写真を撮るため車を止める。鬼の洗濯板とはこの地の硬さの違う地層が波によって侵食され、洗濯板のような形状になった岩場がそのように呼ばれている。写真を撮る為岩場に下りると洗濯板のような形状なので凹んだ部分に潮溜まりができていた。覗くと石の下に何かが隠れるのが見えた。石を持ち上げるとその下にはミミズハゼがいた。子供が欲しがるので採集する。そのほか短時間でハゼを3種ほど採集。落ちていたペットボトルに入れて持ち帰る。ところがlこのミミズハゼ、宮崎で採集した魚である。自分が求めている県内産の魚ではない。ということで今回採集した魚の未来は子供に任せる。
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インドオキアジ

2008年05月06日 | 定置網

 今日はゴールデンウィークの連休明けで4日振りの水揚げとなる。期待して定置網を起こすとまたカタクチイワシが多い。そんな中、インドオキアジを見つける。インドオキアジは既に魚ボラの標本として数個体登録済みである。ところが自分用の撮ってある写真がどこか不明確な為、今度捕れたら確保しようと思っていたところであった。うちに持ち帰り写真撮影を行なう。インドオキアジはオキアジに似ており、同定するには胸部と胸鰭基底の無鱗域を確認しなければならない。だが、沖や市場でパッと見て区別が付く。だが、どこが違うかといえばよく分からない。ただ雰囲気が違うとしか言いようがない。明確な違いを探す為にも写真に収めて見比べてみようと考えていた。いざ写真を見比べてもやはり良く分からない。やっぱり雰囲気が違う。強いて言えば腹鰭がオキアジでは黒っぽく長い。インドオキアジでは純白で小さく丸みを帯びている。また、尾鰭がインドオキアジでは両葉が長くて尖る感じ。それに対してオキアジは何と表現したらよいか分からないのだが三角形?。でもわざわざ鰭を広げなくても区別が付くのは顔つきが違うのか全体の雰囲気なのか、やっぱり見た目が一番違うのである。
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願い叶う?

2008年05月01日 | 定置網

 今日は水揚げ作業中に漁協の定置網の人にここでは見たことの無い魚を貰う。全身真っ黒で姿からテンジクダイ科の魚かなと思う。テンジクダイ科魚類でこの姿形。ヒカリイシモチしか思いつかない。というより知らない。ヒカリイシモチについても良くは知らないのだが。持ち帰り図鑑やネットで調べるがヒカリイシモチには似ているものの何だか違う感じもする。類似種も見つからない。やっぱりヒカリイシモチなのだろうか?ヒカリイシモチは今までは写真でしか見たことが無く、しかもガンガゼの棘に隠れているところばかりで全身をマジマジと見たことが無かった。ところが今年の正月、東京へ帰省した時に行ったしながわ水族館で初めて見ることができた。ぜひとも採集したく思った魚でブログにもそう書いた(ブログ 2008 1.2)。だがこの場所で特に定置網での採集は無理だろうと思っていた。もしこの魚がヒカリイシモチであれば願いが叶ったことになる。いつの日か、さかなクンとツーショット写真を撮りたいなと願っていたら、先日叶ってしまった。ブリ時期も終わり、ブリ大漁は叶わなかったものの今年は何か期待できそうである。シーラカ○○採集・・・無理だ。
*後日、ヒカリイシモチと同定されました。
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今年は多いぞフリソデウオ科魚類

2008年05月01日 | 定置網

 今日はさらにさらにもう1種、漁協定置網の別の人よりテンガイハタと思われる魚を頂く。この個体は直前まで水族館用に生かしていたようであるが連絡する前に死んでしまった為、標本用にと持ってきてくれた。直前まで生きていたという事でとても状態が良い。毎年5月にフリソデウオ科魚類の幼魚が定置網で捕れるのだが、今年は特に良く捕れ、この個体でもう何個体目かも既に分からない程である。大きな地震の前にこの仲間がたくさん捕れると言われているが・・・。さらに鹿児島には活火山の桜島もある。天変地異に結びつかない事を願う。本来なら直ぐにでも大学に持ち込み標本登録するところであるが、稀種とはいうものの今年はもういいかなと思ってしまう。でも魚ボラの標本用に確保する。だが直ぐには持ち込まず冷凍保存する。
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シマガツオ属幼魚2種 その1

2008年05月01日 | 定置網

最近の漁は面白く、一日に入手する標本の種類が多く全てを紹介するには時間が掛かってしまう。今日はこのシマガツオ属の幼魚2種?も漁協定置網の人に頂く。その1種。この個体は見ての通り、尾鰭上葉が長い。検索図鑑によるとこの長さが体長の55%以上という事で  オナガシマガツオの幼魚と同定できる。図鑑によるとこの種は幼稚魚しか知られていないそうである。ところが今は分類学的に混乱しているようでシマガツオ属の1種とされているようである。シマガツオ属の魚種全てが幼魚から成魚までの記録が確認されていれば別であるが、確かに幼稚魚時期には尾鰭が長く、成長に伴い徐々に短くなっていくという魚種は多い。だからこの種も成魚では尾鰭上葉が長いとは限らない。それを考えると尾鰭上葉長では同定できないと思われる。魚ボラの標本用に確保し、冷凍保存する。
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シマガツオ属幼魚2種 その2

2008年05月01日 | 定置網

 今日、漁協の定置網の人に頂いたシマガツオ属幼魚のもう1種。この個体は尾鰭は上下葉共に長さは一緒である。ただ、もう1種の個体よりも小さい為、今後伸長しないとも限らない。最初から同定は諦め写真撮影のみ行なう。シマガツオ属の幼魚は稀に定置網で捕れる事があり、生きた状態で綺麗に捕れた時に何度か水族館に搬出している。特にこのような魚は成魚を生きた状態で採集して水族館に運ぶ事が困難な為、幼魚を採集し、水族館で大きく育ててから飼育展示するしか方法が無い。今回は2種?共既に死んでいたので魚ボラの標本用に冷凍保存する。
*後日、魚ボラでオオバンシマガツオと同定されました。
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