お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

キリンミノ

2008年06月28日 | 採集

 今日は仕事が終わってから素潜りで貝類を採る。いつも潜っているとどうしても魚に目が行ってしまうが、今日はそれほど面白い魚に遭遇することなく貝採りに集中できる。目的を果たすが何か物足りなさを感じ、結局は最後に魚の採集を行なう。だが、これといった魚がいない。そんな中、魚ボラの学生に頼まれているキリンミノを見つける。キリンミノは大きな岩の下を探せばよく見つかるうえ、派手な鰭が泳ぎを妨げ簡単に採集できてしまう。素潜り採集をするとこの仲間は必ず採集しているように思う。人には簡単に捕まってしまうが捕食魚から身を守るにはあれだけの長い棘が必要となるのだろうか。キリンミノ自体捕食者であるが、あれだけ派手で泳ぎが苦手となると捕食するのにマイナス面ばかりのような気がする。せめて擬態くらいすればいいのに。
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オキセミホウボウ

2008年06月27日 | 定置網

 最近は定置網でオキセミホウボウがよく捕れる。毎日入網し、1日で10個体程は捕れている。例年はそうでもないのだが今年は異常な数である。ほんの数年前までは年間通してセミホウボウの方が多く捕れていたのだが今年はオキセミホウボウが圧倒的に多い。ということは数ヶ月前に捕れていたセミホウボウの幼魚はオキセミホウボウであった可能性がある。あまり良く観察していなく反省。その数ヶ月前に捕れたセミホウボウの幼魚を当時うちの定置船にテレビ撮影で訪れたさかなクンに生かした状態で3個体送っている。その後、さかなクンからの電話では元気に自宅の水槽で泳いでいるとの事であった。現在まだ生きているだろうか?そして成長した個体はセミホウボウとなっているかオキセミホウボウとなっているのか気になる。そういえば当時漁協定置網でさかなクンが採集したテンガイハタの標本をまだ預かったままであった事を思い出す。漁協の冷凍庫に眠らせたまま忘れていた。k大に送る予定であったが魚ボラで標本登録しちゃおうかな(冗談)。
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ツマグロイシモチ

2008年06月26日 | 定置網

 今日は定置網でツマグロイシモチが1個体捕れる。ツマグロイシモチは年間で10個体程しか捕れない。ところが私がこの仕事を始めた16年前には1日に捕れる個体数は少ないものの毎日捕れて、テンジクダイ科ではネンブツダイ、クロホシイシモチに次いでよく捕れる種であった。それがどうした事か10年程前からはめっきりと個体数が減ってしまった。ツマグロイシモチは水揚げされず捨てられてしまう魚である。水揚げされれば伝票などに記録が残るものの、捨てられてしまうので当然記録が残っていない。個体数が激減してから年月がかなり経っているので漁師さん達の記憶にも残っいない様子で、今ではツマグロイシモチが捕れると珍しい魚が捕れたと持って来てくれる有様。食用重要種ではないものの、昔はたくさんいたのに生息数が減り、記録も記憶も残らず消えていってしまう事は大変に恐ろしい事ではないだろうか。
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ヒメジ属新たな1種?

2008年06月24日 | 定置網

 最近は定置網でヨメヒメジがたくさん獲れている。そんな中、1個体だけ体色の違うヒメジが泳いでいるのを見つける。最近捕れているヒメジ属sp(ブログ 2008 4.26)かなと思って取り上げる。見てみると体色にヒメジ属spでは確認していない黒色を持ち合わしており感じが違う。また、尾鰭下葉のパターンが違う。(残念なことに尾鰭上葉は既に欠落しており、その様子は分からない)。だからといってヨメヒメジとも感じが違う。とりあえず確保し持ち帰る。写真を撮り、調べると当てにならないが背鰭棘は7本しか確認できない。だが写真でヨメヒメジと見比べると似た箇所がいくつか確認できる。やっぱり今たくさん捕れているヨメヒメジなのだろうか?だが、見た目なので当てにならないがヒメジとヨメヒメジでは体形が違う。ヨメヒメジはやや細長い体形でヒメジは逆に吻詰まった体形である。今回の個体は明らかにヒメジの体形である。となるとまた新たなヒメジ属だろうか?もしそうであればここで捕れた標準和名のないヒメジ属が3種になる。でも世の中そう甘くはない。やっぱりヨメヒメジかな。明日は魚ボラの日であるが明日の仕事が長引きそうで参加できるか分からない。とりあえず冷凍せずに保存し、参加できれば持ち込もうと思う。でも魚ボラでは同定できずにお蔵入りとなってしまいそうな・・・。
*2018年に日本初記録種として標準和名ユカタヒメジと提唱されました。
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市場便り

2008年06月19日 | 市場

 今日は水揚げを終え、市場内を覗いていると仲買人からあの魚は何だと聞かれる。見に行くとトビハタが水揚げされていた。トビハタだと教えるとこれがハタ?と返ってくる。最初は信じてもらえないだろうと思っていたので、思った通りの返事がきた。それもそのはず、見た目はメジナの仲間を思わせる姿である。実は私もトビハタを初めて見たときは何だか分からず、漁協の人に聞いたことがある。その時もハタと教えてもらうが最初は冗談でそう言ったのかと思っていた。写真を撮り図鑑でメジナ近辺を調べるが該当する魚が見つからず、ひょっとしてと思いハタ類を調べ、ようやくトビハタと分かった次第であった。1属1種ではあるが、何をもってハタの仲間となっているのか未だにハッキリと答える事ができない。以前に魚ボラの先生にハタ類の標本が集まっていないと教えられ収集依頼されており、また、ここの市場でもトビハタは稀種な為、魚ボラの標本用に確保したかったのだが今回はそこまで時間がなく断念する。稀種ではあるが次回があると信じたい。

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アオザメ

2008年06月18日 | 魚ボラ

 今日は魚ボラの日。久しぶりに顔を出す。教室へ行くと学生がサメが捕れたと見せてくれる。アオザメである。アオザメはうちの定置網では1度だけ捕れた事があるだけ。市場でも年に1個体程しか見ることができなく、ここでは稀種である。その為、自分でも納得できる写真をまだ撮っていない。さらに捕れる個体は大きく、魚ボラの標本用にと考えたこともない。今回魚ボラに持ち込まれていたアオザメは小さく、大きな個体が多いサメ類としてはお手ごろサイズであった。アオザメは体色が綺麗で尾柄部は隆起線があり平たく、何だかかっこいい。水族館で泳いでいるところを見てみたいところである。だが水族館には不向きなサメな為、見ることができない。定置網で捕れても網を絞るとすぐに転んで死んでしまう。狭い所が苦手でとてもじゃないけど生簀まで活かした状態で運ぶことができない。恐らく生簀に運んでも転んでしまうと思われる。歯が剥き出し、体色が綺麗でかっこいい体形なので、水族館で飼育展示できれば人気が出ると思うのだが。
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ベニカエルアンコウ

2008年06月15日 | 採集

 今日は日曜日だというのに天気が悪く雨。時より強く降る。こんな日は海に潜るしかない。という事で素潜りに行く。今回の目的は魚ではなく貝。前から気になっていた場所があるのだが普段は釣り人がいて潜れない。こんな日は釣り人もいないので絶好のチャンスとばかり、その場所へ向かう。現場に着くと案の定釣り人はいない。川からの濁りも入ってきていないのでラッキーであった。潜って貝を採る。いつも釣り人がいる場所だけに、潜ると釣り人がヨダレを垂らしそうな魚が多い。貝を探しているとカエルアンコウが目に付く。最近カエルアンコウに縁がある。普段見るタイプとは体色が違うので一応採集する。写真に収めていないバリエーションなので持ち帰ることにする。写真を撮る為、鰭を立てるとどこかいつもと違う。もしやと思い検索図鑑で同定する。背鰭基底の眼状斑というのが気になるが形質からベニカエルアンコウと思われる。ベニカエルアンコウは定置網で捕れた事はなく、今までに採集した事もない。捨てずに持ち帰って良かった。写真を撮り魚ボラの標本用に冷凍保存する。
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鹿児島産?

2008年06月14日 | 日記

 今日は家族でスーパーへ行く。いつものように真っ先に鮮魚売り場を覗きに行く。見るとハタハタがたくさん陳列しているのが目に付いた。鹿児島ではハタハタは珍しく、恐らく知名度はかなり低いと思われる。せっかくハタハタを仕入れても鹿児島ではそのまま並べても売れないだろうなと思う。どこから来たのか産地を見ると・・・。鹿児島産となっている。鹿児島でハタハタ・・・初記録である。恐らくどこか東北の方から鹿児島中央市場に卸され、それを仕入れたものと思われる。魚を知らない素人が間違えるのならまだしも、ここのスーパーの鮮魚担当者が気付いても良さそうなものだが。ちなみにここのスーパーはほかの魚に関してはちゃんとした産地名で販売されている。でもいろいろと考えると鹿児島では枕崎・山川はカツオが有名。当然産地を枕崎産、山川産として販売されている。でもそのカツオは遠洋で獲られたもので水揚げされた漁港が枕崎・山川というだけである。そう考えればこのハタハタも鹿児島産で間違いではない。いったい産地とは・・・。それにしてもこのハタハタ。いったい鹿児島ではどのようにして食べるのだろうか。少なくとも鹿児島の甘い醤油には合わないだろうな。

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カライワシ

2008年06月13日 | 定置網

 今日は定置網でカライワシが捕れる。カライワシは数こそ少ないが毎年捕れる。図鑑を見ても何だかよく分からない分布域。珍しいのかそうでないのかも分からない。見た目では美味しそうに見えるものの、ここでは水揚げされない魚である。水揚げされない原因は身の中に骨が多く、また身がとても柔らかい。食べられないものかと以前に昼飯時に捌いて食べたことがある。とにかく骨が多いのはあまり気にならなかったものの、身が柔らかく、形にならない。マグロで言う中落ちのような感じでスプーンで掬い取った。そのままツミレになりそうである。それに醤油をつけて食べたがそれほど不味くもない。だがそこまで食べたいと言うこともなく、それ以来食べていない。ここで捕れるカライワシは大きな個体ばかりで魚ボラの標本としてもまだ登録していない。今回の個体も1メートルはある。水揚げできなく、食べたいとも思わない。標本としても大きすぎる為、役に立たないまま捨てられてしまう。何だかよく分からない魚である。
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初入網

2008年06月12日 | 定置網

 今日は定置網で網を起こし、魚を積み込み帰港しようとすると、デッキの上に小さなカサゴが転がっているのに気付く。取り上げると背鰭が長い。ヒレナガカサゴの幼魚ではないだろうか?直ぐに氷水に浸け確保する。ヒレナガカサゴはうちの定置網ではまだ捕れたことがなく、初入網である。また、他の網や市場でも見たことがない。デッキ上に転がっていたので、踏まれずに済んだ事が幸いだった。ヒレナガカサゴの分布域は相模湾~土佐湾となっているが、魚ボラの先生が宮崎県からも報告している。ここ鹿児島はというとやはり魚ボラの先生がその報告の中で種子島から得られた標本を記載している。ヒレナガカサゴはフサカサゴ科魚類であり、魚ボラの先生がその専門分類学者である。今回のこの個体は幼魚の為、標本を直ぐにでも大学に持ち込み、精査してもらいたかったのだが、現在先生は海外出張中。来週末には帰国するのだが標本は今度お会いする日まで冷凍保存となった。
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餌捕りのはずが・・・

2008年06月12日 | 定置網

 今、魚ボラの標本用にボンボリカエルアンコウを船に生かしている。今度魚ボラに参加する時に生かした状態で持ち込み標本登録しようと考えている。ところがかごしま水族館から変わった形をした魚が欲しいとカエルアンコウを頼まれてしまった。実は今、家の水槽でもカエルアンコウを飼っている。ボンボリカエルアンコウはどのくらいの確率で捕れるのか、がまだ分からないので水族館に渡すのは勿体無く、家にいるカエルアンコウを渡そうかと思っている。最近水槽内の餌も食べ尽くし、エスカを一生懸命動かしている。こいつが死んでしまったらボンボリカエルアンコウを渡さないといけなくなるので、今日は餌の採集に行く。いつも夜間採集を行なっている港へ行く。ここはボラの稚魚がたくさん群れていて、一掬いで十分なくらいの量を採集できる。ところがいざ現場に到着するとボラの稚魚が見当たらない。稚魚が集まる所には逆に普段はもっと深場にいる捕食者のカサゴやヒラメの幼魚、タコ・イカの幼体などがいる。そこでカエルアンコウも見つけてしまう。直ぐに採集する。あちこち探してカエルアンコウを4個体も採集できた。今まで夜間採集時にカエルアンコウを採集した事はない。餌となる稚魚も普段はボラのほかにカゴカキダイやメジナなどがいるのだが今日はまったく見つからない。餌となる魚がいないのでこんなに浅いところまで捕食者が集まっているのだろうか?結局餌となるボラの幼魚は1尾しか捕れず、カエルアンコウの餌を捕りに来たのだがカエルアンコウを採集する事となってしまった。更に唯一捕れたボラの幼魚は家に帰り着く前に採集したカエルアンコウに食べられてしまった。これで我が家の水槽には5個体のカエルアンコウ。この先、餌はどうなることやら。
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カラスエイ

2008年06月06日 | 定置網

 今日は定置網でカラスエイが捕れる。カラスエイはアカエイ属のエイである。他のアカエイの仲間は海底に生息しているのに対し、カラスエイは外洋の表層に生息し、遊泳している。そのためマグロの延縄で混穫されるらしい。また、ほとんどのエイ類は腹面が白色なのに対しカラスエイは黒色である。全身が真っ黒で遊泳しているのでカラスエイと呼ばれる。外洋性ということで定置網で捕獲されるのは珍しく、うちの定置網で捕れたのは今回が3個体目。前回捕れた個体はかごしま水族館に搬出したが直ぐに斃死したそうで、その個体が魚ボラへ来て標本となっている。今回もかごしま水族館に連絡し搬出する。今度は水族館の裏で餌付けしてから展示されるようなので、しばらくは見ることができないが、いつの日か水槽内を優雅に羽ばたくカラスエイを見てみたいものだ。
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イブリカマス

2008年06月04日 | 定置網

 今日は定置網で鱗が剥がれていないタイワンカマスが捕れた。体側を走る2本の褐色縦帯が明瞭で側線と尾柄部で交わるなどでイブリカマスと思われる。イブリカマスは3年前に新種記載されたばかりの新顔の魚である。ところが昔から普通に捕れていて新顔の魚ではなく、タイワンカマスとは別種と気付かれていなかっただけである。タイワンカマスは鱗が剥がれやすいのだが、それとは対照的でイブリカマスは鱗が剥がれにくい。魚の写真を撮る時はなるべく傷が少なく鱗が剥がれていない魚を選んで行なう。もちろんタイワンカマスも鱗の剥がれていない綺麗な個体を今まで撮ってきた。そのため、撮り溜めた鱗が剥がれていない綺麗な状態のタイワンカマスの写真を見てみると殆どがイブリカマスであった。ということで鱗の綺麗な状態のタイワンカマスの写真はまだ撮っていない事になる。定置網で捕られる魚は泳いでいるときに掬い揚げればまだ良いが、殆どが他の魚に揉まれてしまい、鱗が剥がれやすい魚を綺麗な状態で確保するのは困難である。網にクラゲが大量に入る時期にはクラゲがクッションになり、魚の体が保護され鱗が剥がれず綺麗な状態で捕れる事があるが、そのような時は魚が死んでしまい、体色が悪かったり口を大きく開いた状態となってしまう。タイワンカマスの状態の良い写真を撮るにはやはり釣るしかないかな?
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