お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

キンギョハナダイ幼魚

2021年07月27日 | 定置網
 今日は定置網の網替え作業を行う。汚れた網を船上へ揚げていく。すると揚がって来た網に小さなオレンジ色の魚が付いているのが目に付く。手に取るとキンギョハナダイの幼魚の様に見える。一応、確保しておく。仕事終了後、確保した魚をよく見てみるとキンギョハナダイかと思っていたが、それにしては頭部が丸い感じがする。同じナガハナダイ属の別種も考えられるので持ち帰る。今日は仕事で疲れたのでキンギョハナダイだったらそのまま魚ボラの標本用に冷凍しようと考えていた。だが、展鰭し全体を見てみるとやはりキンギョハナダイとしては頭部の丸みが気になる。結局、標本写真を撮り、拡大して詳しく見る事にする。写真を撮り、画像をパソコンで拡大して調べると、形態的にはキンギョハナダイと一致し、若干違和感はあるもののキンギョハナダイの幼魚と思われる。今月の初めにはオキゴンべの幼魚も同じく定置網の網替え作業で確保している(ブログ2021 7.2)。今までにもイレズミミジンベニハゼなど珍しい魚もこの方法で標本を得られている。でも、網替え作業は今では体力的に厳しく大変に疲れるので、帰宅後に撮影などはしなくても済むような魚にしてもらいたい。





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従来のシッポウフグ入網

2021年07月05日 | 定置網
 今日は定置網漁でシッポウフグを発見。急いで掬い取り、生きた状態で確保する。体色がいつもの個体と比べると少し黒っぽく、体側の黄褐色縦帯を見ると不連続であり驚く。以前は今回の個体の様に体側の縦帯が不連続な個体がシッポウフグとされており、この海域で今まで得られていたシッポウフグは黄褐色縦帯が連続しており、ナミダフグと同定されていた。それが4年前に「日本産フグ類図鑑」が出版され、体側の縦帯が連続しているものの、ここで採集されるナミダフグもシッポウフグとなったのである。この縦帯が不連続のシッポウフグは以前に1度だけ幼魚のみが定置網で得られている(ブログ2010 4.15)が、成魚は今回が初入網である。一応水族館用に活かしたのだが、この縦帯が不連続な個体は初なので魚ボラの標本用として確保したいところである。と言う事で今回は1個体しかないので魚ボラ用に確保する。近年シッポウフグの入網が減ってしまっているが、体側の縦帯が連続でも不連続でもどちらでもいいので、生息数が増えてくれる事を願っている。



体側黄褐色縦帯が不連続なシッポウフグ(今回の個体)



体側の黄褐色縦帯が連続しているシッポウフグ(今までこの海域で得られていた個体)

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オキゴンべ幼魚

2021年07月02日 | 定置網
 今日は定置網の網替え作業を行う。網替え作業の時に汚れた網と一緒にイソギンポなどが沢山揚がって来るが、時にはミジンベニハゼやイレズミミジンベニハゼなど、この時でなければ採集できない魚もいる(ブログ2008 11.5)。だが、ここ5年くらいは網替え作業をしても両種を見なくなってしまっているので最近は期待していない。ところが今日は新たな魚を発見。サイズは小さいが体色がオレンジ色で目立ち、直ぐに目に付く。パッと見ではベラの仲間かなと思う位で魚種まではわからない。魚種がわからないのでワクワクしながら確保する。気温が高いが氷が無く、魚を冷やす事が出来ず心配したが、腐ることなく無事に家まで持ち帰る事が出来た。早速撮影する為展鰭しようとすると、ベラではなくどこかオキゴンべに似ている。背鰭を立ててみると、やはりオキゴンべの特徴でもある背鰭第一軟条が長く確定。だが撮影後、その写真を見てみるとその長い背鰭軟条は第二軟条と重なり、更に下の方に寝てしまい写っておらずショック。オキゴンべは以前に釣りで得られた個体を確保しているが(ブログ2007 8.6)、普通種にも関わらず定置網や素潜り採集では手に入らない種である。実に14年振りのご対面であり、更に幼魚は初採集となる。オキゴンべの様にここの海域に普通に生息していても手に入れる事の出来ない魚種はまだまだ沢山いると思われる。少しずつでもいいので今後の楽しみとしておこう。


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