仕事も終わり、今日標本用に確保した黄色いコバンザメを大学へ持って行くかどうかを悩んでいると、以前に乗船したことのある深海エビ漁の漁師さんから電話が来る。今までに獲れた事のない魚が獲れたそうで、生きた状態で持って来てくれたとの事。急いで港へと受け取りに行く。魚を見せてもらうとアカグツのようだが体背面の色がちょっと黒っぽい感じがする。更にフウリュウウオ属と思われる魚もいる。アカグツの仲間も数種いたと思うので、ここでは種までは判明せず。折角活かして持ち帰ってくれたので、今直ぐにでも大学へ行き、綺麗な状態で標本写真を撮りたい思いである。これで黄色いコバンザメを大学へ持って行くかどうかの迷いも吹き飛び、大学へと走る。家を出る時は既に夕方となり、大学に着いた時には既に辺りは真っ暗である。アカグツの腹面の棘は大きく、ちょっとは珍しいテンジクアカグツと同定される。ひょっとして記録だろうかとデータベースを調べると、県内では既に隣の大隅半島で驚くことに定置網から得られた標本が登録されていた。これでネタ的にも面白さが無くなってしまう。それでも忙しい漁労中にこのような魚を活かして来て頂き、本当に有難く感謝申し上げます。
フウリュウウオ属
テンジクアカグツ