お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

テンジクアカグツ

2019年09月30日 | 魚ボラ
 仕事も終わり、今日標本用に確保した黄色いコバンザメを大学へ持って行くかどうかを悩んでいると、以前に乗船したことのある深海エビ漁の漁師さんから電話が来る。今までに獲れた事のない魚が獲れたそうで、生きた状態で持って来てくれたとの事。急いで港へと受け取りに行く。魚を見せてもらうとアカグツのようだが体背面の色がちょっと黒っぽい感じがする。更にフウリュウウオ属と思われる魚もいる。アカグツの仲間も数種いたと思うので、ここでは種までは判明せず。折角活かして持ち帰ってくれたので、今直ぐにでも大学へ行き、綺麗な状態で標本写真を撮りたい思いである。これで黄色いコバンザメを大学へ持って行くかどうかの迷いも吹き飛び、大学へと走る。家を出る時は既に夕方となり、大学に着いた時には既に辺りは真っ暗である。アカグツの腹面の棘は大きく、ちょっとは珍しいテンジクアカグツと同定される。ひょっとして記録だろうかとデータベースを調べると、県内では既に隣の大隅半島で驚くことに定置網から得られた標本が登録されていた。これでネタ的にも面白さが無くなってしまう。それでも忙しい漁労中にこのような魚を活かして来て頂き、本当に有難く感謝申し上げます。












フウリュウウオ属



テンジクアカグツ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これこそコバンザメ

2019年09月30日 | 市場
 今日は市場で水揚げ作業をしていると、お隣の定置網の人から「これ珍しいんじゃないの」と魚が投げ込まれる。見ると魚としては普通のコバンザメであるが、体色が黄色というか黄金色である。コバンザメの色彩異常・色彩変異個体と思われる。遠慮なく魚ボラの標本用に頂く。よく見ると小判とされる吸盤の部分は黄金色で、これこそ正に小判ザメである。今までに黄色いコバンザメは見た事がないので珍しいのかもしれないが、普通の魚として考えれば、黄色化した個体は様々な魚種で見る事があるのでそこまで珍しいという感じではない。論文になるようなネタであれば直ぐに大学へ持ち込み標本登録するのだが、そこまででもないような気がする。サイズ的にも家で冷凍保存できそうであり、今から大学へ走るか家の冷凍庫で冷凍保存するか悩むところである。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地元紙より ヤクシマダテイシモチ

2019年09月30日 | 日記
 屋久島で15年も前からダイビングで確認されていたテンジクダイ科の未記録種に標準和名が提唱されたそうである。その標本を採集し、論文を書いたのが魚ボラのOBでもある研究者である。魚ボラを離れてからも魚の事で活躍していてとても嬉しい限りである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

遂に発見 テルメアジ

2019年09月24日 | 市場
 今日は定置網漁の水揚げ後、遅れて帰港した漁協定置網の水揚げの様子を見ていると、メアジの中に長年探していた魚を遂に発見。テルメアジである。テルメアジは10年前に宮崎の定置網で得られ、日本初記録種として報告されたメアジに似たアジの仲間である。私が鹿児島大学へ標本を提供しているのと同じように、宮崎の定置網漁師で珍しい魚を宮崎大学へ提供している方がおり、その方とネット上で知り合い、情報交換等行っていた。その方からアジ科の未記録種(のちのテルメアジ)が獲れた事を教えて頂き、それからはメアジが獲れるたびにその中からテルメアジを探していた。それから10年が経ち、ようやく見つけることが出来た。ミヤカミヒラアジも同じように先に宮崎で獲れ、教えて頂いてから翌年にこちらでも見つかり確保している。テルメアジもそのうち見つかるだろうと高を括っていたが、実に10年も経ってしまった。これだけ見つからないのでメアジとの見分けがつかないのだろうかとも思い、メアジを見るたびにいつも違いのある稜鱗を入念にチェックして来た。ところが今回はパッと見ただけでメアジの中にテルメアジを発見。後光が差しているかのように直ぐに目に飛び込んで来た。魚ボラの標本用に確保する。今日は会議があるので会議が終わってから大学へ持ち込もうとするが、学生に連絡するとわざわざ会議の場所まで受け取りに来てくれ、後は学生に任せる。今回テルメアジを確保したことで、何だか肩の荷も下りた感覚である。



上がメアジ、下がテルメアジ




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

素潜り採集でシロブチハタ

2019年09月14日 | 採集
 今日も仕事が終わり、時間があるので最近ハマっている素潜り釣り採集へ行く。ところがいつもの場所は風があり波立っている。この風の場合、潜れる別の場所では釣り採集が出来る場所が無い。もう今年も素潜り採集の出来る日は僅かだと思うので、釣り採集を諦め、別の場所で普通に素潜り採集を行う。この場所は数年振りである。潜ってみると台風の影響か以前とは海の様子が違う感じである。だが、魚はいつも見ることが出来る魚であり、変わりない。普通に欲しい魚を採集していく。するとオオモンハタの若魚がこちらを伺ってジッとしている。だが、よく見るとオオモンハタではなさそう。ひょっとしてまだ採集していないカンモンハタだろうかと思い、採集。だが、体表の模様が違うが魚種がわからない。持ち帰り調べるとシロブチハタの若魚である。シロブチハタは今年の4月に市場で初めて見つけたハタである。こんなに直ぐに2個体目を採集できるとは思ってもいなかった。素潜り採集に来て良かったと思わねば。



未だに採集できないカンムリベラ若魚



アオブダイ



まだ未採集のカマスベラ。写真ではわかり難いがかなり大きい。



見慣れないハタを発見(シロブチハタ)



オキナワベニハゼ



ツユベラ幼魚



ノコギリヨウジ



ベンケイハゼ



オニベラ雌個体




シロブチハタ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヌノサラシ

2019年09月13日 | 市場
 今日は定置網漁後に市場で水揚げ作業をしていると、知り合いの漁師さんが来て、こんな魚が釣れたと生きた状態でバケツに入れて見せてくれる。見るとヌノサラシである。ヌノサラシは定置網や市場に素潜りなどでもまだ見たことのない魚であり、探していた魚でもある。ヌノサラシは皮膚からグラミスチンという粘液毒を出す事で有名であり、更にサイズが小さいので標本用にという事で持って来てくれた。有難く魚ボラの標本用に頂く。体色的には地味であるが、体側に数本のラインがあり、ちょっと派手さもあり、標本写真を撮りたかった魚である。家に持ち帰り、早速撮影に取り掛かる。標本を展鰭する為、最初に標本のヌメリを洗い流す。素手で体や鰭を水でよく洗うが、ヌメリがなかなか取れない。取れないどころかベタベタして来て、手にもこびり付いてくる。何とか標本のヌメリは取れたものの、自分の手にこびり付いたヌメリが取れない。石鹸や洗剤を使っても洗い流すことが出来ず、ベタ付くだけである。最初にも書いたが、このヌノサラシは皮膚から粘液毒を出す魚である。この手に付いて取れないヌメリには毒があるのだろうかと少々焦る。今後、手が荒れないか心配しながらの撮影となってしまう。魚を触ってこのような体験は初めてである。本当に今後、手が荒れないか心配である。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

素潜り釣り採集

2019年09月10日 | 採集
 ハマってしまった素潜り釣り採集。今日も仕事終わりからなので時間が無く、採集道具は準備せず、素潜り釣り採集に専念する。釣り具の強化でハリスも家にあるもので一番太いものを使う。いつものようにサンゴ礁の脇に餌を落とし、他の魚を寄せてからアカハタを誘い出す。サンゴの下からアカハタが出て来たが、警戒しているのか一気に食いつかないのサンゴ礁の下に潜られてしまわないように少しずつ離し様子を伺う。餌の周りの魚達が盛んに餌を突き出すとアカハタが一気に食いつき針に掛る。サンゴの下に一気に泳いだ為、竿であわせることなく針掛かりし、しかもサンゴの下にも潜ることが出来ず、こちらの思い通り釣ることが出来た。その後も場所を変え、大物を狙い深場に移動するが、アカハタがいるものの、えさに興味を示すが警戒するのかなかなか食い付かない。今までの行動を見ていると周りの小魚達が沢山で餌を突いていると一気に食いつく感じであり、深場には小魚が少なく警戒されてしまう。そうこうしているうちに結局時間切れとなり、おかず用に浅場でカサゴを釣り終了。今後が楽しみである。



サンゴの下からアカハタが登場



アカハタをゲット



カサゴ



いつもイトフエフキが突然釣れてしまう


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初入網 ワニゴチ

2019年09月10日 | 定置網
 今日は定置網漁でワニゴチが獲れる。ワニゴチは市場ではたまに見かけるものの、サイズが大きかったり、頭部を包丁で締め、切れ込みが入っていたりと未だに標本用に確保していない魚であり、探していた魚である。しかも今回の個体は手に乗る標本用としてはお手頃サイズである。このサイズのワニゴチを見るのは恐らく初めてである。という事は市場では見掛けていたので最初は気付かなかったが、ワニゴチはうちの定置網では今回が初入網である。これでまたうちの定置網で得た魚種が新たに増えた事になり、嬉しい限りである。

ワニゴチ


間鰓蓋部の皮弁は単一形
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

素潜り釣り採集リベンジ

2019年09月02日 | 採集
 前回、アカハタ狙いで素潜り釣り採集をしたがヤミハタは釣れたものの、アカハタは全て仕掛けを切られて逃がしてしまった。そこで今日は時間が少ないがハリスを少し太いものに強化してリベンジ。始めて直ぐにアカハタが食ったものの、やはり同じようにサンゴ礁に逃げ込まれ切られてしまう。仕掛けを付け替え再びチャレンジ。すると今度はうまくサンゴ礁へは入られずにアカハタを釣ることが出来る。ところが釣れたアカハタを見ると何かに襲われたのか尾鰭が無いではないか。だが、体には傷が無く食べるには問題なさそうであり確保する。その後はまた何度もアカハタが釣れては仕掛けを切られてしまう状況で時間切れ。結局、確保できたのは尾鰭の無いアカハタのみである。後々考えてみると確保できたアカハタは尾鰭が無かった為、サンゴ礁へ逃げることが出来ず釣れたように思える。リベンジに来たものの、納得のいくアカハタは釣れずに終わり、またリベンジを誓うのである。




尾鰭の無いアカハタ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする