お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

ヨシキリザメ

2009年02月23日 | 定置網

 今日も漁獲は少なく水揚げは直ぐに終わる。その後漁協の定置網船が入港したので何が獲れたか見に行く。するとデッキ上に大きなサメが横たわっている。背面の青色が鮮やかで胸鰭が長い。直ぐにヨシキリザメと分かった。ヨシキリザメは外洋性のサメでマグロの延縄でよく混獲される。漁協定置網に水産高校出身の方がいて、マグロの実習船経験があり、その方もこのサメがヨシキリザメと分かっていた。当然沿岸での漁獲は珍しく、前回は2年前に同じ漁協定置網で獲れた。前回はお腹から胎仔が取り出され、魚ボラの標本用に頂いた(ブログ、2007 3.13)。今回もお腹から胎仔が出てきたそうだが全て沖で捨ててきたとの事。実は前回標本用に頂いた個体は漁協の冷凍庫で保存していたが、冷凍庫の調子が悪く腐らせてしまった。という事でヨシキリザメの標本は未だに未登録である。次回獲れた時は確保してもらうように頼む。でも、もしもまた2年後となれば覚えておいてくれるだろうか・・・。
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苦手な魚だが

2009年02月21日 | 定置網

 何度も書くがブログのネタ探しに毎日必死である。そんな中、今日は定置網で小さなカレイ目の魚が目に付く。体長は70ミリ程。このサイズでいつも獲れる種はササウシノシタ科だが、今回の個体は体が細いのでまだ標本として確保していない種と思い確保する。だが、確保してもカレイ目の魚は苦手で、さらにこの個体は小さい為、自分では同定しようとしても恐らく分からないだろうと既に諦めモードに突入。でもブログのネタにする為、一応検索図鑑を引っ張り出す。個体が小さい為、先に写真を撮り、写真を拡大して同定を試みる事にする。カレイ目魚類は鰭立てをいつも注意して行なうが今回も写真を見ると背鰭先端が巻き込まれているのか写ってなく、またしても鰭立てに失敗する。有眼側の口の位置でササウシノシタ科とは違い、ウシノシタ科であることは分かった。ウシノシタ科魚類で小さなサイズが獲れたのは初めてではないだろうか。自分では体側中央の側線しか確認できなく同定はここで断念。あとはいつものように魚ボラ任せとする。


魚ボラでイヌノシタCynoglossus robustus(Günther,1873)と同定されました。
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ドクサバフグ

2009年02月19日 | 市場


 今日は定置網漁を終え帰港すると、水揚げ場に大きなフグが1個体だけ別にされていた。見た目はシロサバフグのようであったが、体背面の小棘域が背鰭起部まで達しているのが遠くからでも見え、直ぐにドクサバフグと分かる。定置網で獲られた個体で漁協の職員が気付いて水揚げされた中からはねたようである。ドクサバフグは魚ボラの標本用にまだ確保していないので欲しかった魚である。漁協の職員に話すと処分するとの事。もちろん標本用に頂く。ドクサバフグはここ鹿児島県でも釣人によるフグの自家調理による食中毒事件が発生したそうで、専門家によれば最近の温暖化の影響等により分布を広げ、今後このような事件が増える恐れがあるとの事。そうは言うものの、このドクサバフグ、昔は年に数個体は見ることができたが、近年見掛けなくなり今回は2年振り(前回、ブログ2007 4.14)の対面であった。だが、この温暖化の影響とはあてにならないが、たくさん捕れれば注意はするものの、滅多に捕れなければ注意力に欠け、結果的には食中毒事件が増える可能性が高くなり言っている事は間違ってはいないような気もする。今度捕れるのはいつになるか分からないが、また水揚げされるのを未然に防ぐように漁師、漁協、仲買人が気を付けなければならない。

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息子と釣り採集 アカササノハベラ

2009年02月08日 | 採集

 以前より息子から釣りに行きたいと催促されていた。今日は天気も良く、ようやく少し暖かくなってきたので釣りに連れて行く。だが、何を釣りに行こうかと考え、結局は防波堤での五目釣りとなる。せっかくだから魚ボラの標本採集を兼ねてと、いつも素潜り採集をしている港へ向かう。現場に着くとまったく風が無く、透明度が抜群。ところが海の中を覗くとクロホシイシモチが群れているのが見えるくらいで他に魚の姿が見えない。いつもなら色とりどりの魚を見ることができるのだが、まだ水温が低いのかちょっと期待はずれな予感。釣り糸を垂れてもやっぱりクロホシイシモチが釣れるだけ。たまにキタマクラが顔を出すが逆に厄介者。あちこち探すと船の係留ロープにゴマモンガラの若魚が着いていた。まだこのサイズの標本を確保していないので目の前に餌を落とし釣ろうとするが動きが鈍い。やっぱりまだ水温が低い模様。餌を付けずに釣り針で引っ掛けようとするが体が硬く刺さらない。結局採集できないで終わる。息子の釣りの方もクロホシイシモチ以外はアカササノハベラが1尾釣れたのみ。もう少し水温が上がるまで標本採集は難しそうである。
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夜間採集 ヒメハゼ

2009年02月07日 | 定置網

 最近は夜でも暖かくなってきた。そこで今日は今年初の夜間採集に行く。場所はいつも夜間採集を行なってきた港。丁度、大潮の干潮時だったので、港の半分ほどが干上がり歩くことができる。普段なら岸壁に着く魚を探すのだが、今回は普段は探すことのできない干上がった海底を散策する。砂地なのでアカエイやネズッポ類の姿が見られる。中でも一番多く見られたのがこのハゼの仲間。たくさん集まっているがタモ網で掬うと素早く逃げ、1~2尾程しか捕れない。その採集した個体を持ち帰る。とりあえず生態図鑑である程度の同定を試みる。だが似たような種が多く分からない。検索図鑑を使っても恐らく分からないだろうと勝手に判断し、同定を諦める。港内にはたくさんいたので普通種と思われるので、同定は魚ボラの学生に任せる事にして写真を撮るだけにする。だがこの写真も臀鰭の鰭立てに失敗してしまい、今回の夜間採集は散々な結果となる。  

後日、ヒメハゼと同定されました。
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鹿児島産コブダイ

2009年02月04日 | 市場

 今日も水揚げ後ブログネタを探しに、既に入札中ではあったが市場内を散策する。するとコブダイを見つける。コブダイは珍しい魚ではないが定置網でも獲れた事がなく、市場に水揚げされているところを見た事もなく、ここでは初めて見る。入札中ではあったが仲買人達もコブダイを見た事が無いらしく気になっていたようで、何人かにこの魚について名前やら美味しい魚なのかなどいろいろと質問を受けた。実はコブダイの事は昨年末だったか今年の初めだったかここ最近、魚ボラの先生と話をしていた。鹿児島にはコブダイはいないのではという内容だったと覚えている。確認する為、先生に電話したいが現在海外出張中の為、魚ボラの学生に電話し確認してもらった。すると先生から見つけたら確保するようにと言われているとの事。直ぐにでも確保したいところであるが、既に入札は終わり仲買人の手に渡ってしまった。この仲買人は先程コブダイについて質問してきた人である。顔も良く知っているので交渉して譲ってもらおうとしたが、コブダイをどうしても自分で食べてみたいと言い張り、譲ってくれず確保する事ができなかった。鹿児島産のとても重要な標本となった筈なのだが何とも悔しい。この仲買人が他所へ行っている間に簡単ではあるがカメラだけにでも収める。コブダイについて質問された時に不味いとか毒があるとか嘘をつけば標本用に確保できたかもしれないが、魚の事について私を頼って聞いてきてくれたので、やはり嘘まではつけない。でも標本を確保できなかった悔しさはいつまでも続きそうである。
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ササウシノシタ

2009年02月02日 | 定置網

 相変わらず面白い魚がいなく、ブログネタを探す毎日となっている。今日も苦し紛れにササウシノシタを見つけ確保する。ササウシノシタはここでは決して珍しい魚ではなく、ササウシノシタ科魚類の中では一番数多く獲れる。だが、有眼側は擦れやすく、鱗が剥がれたりとあまり綺麗な個体を見る事がないが、今回は定置網内の他の魚に揉まれる前に見つけ綺麗な状態で確保する事ができたので、ブログ用に持ち帰り撮影となった。元々ササウシノシタは大きくはならないが、定置網で獲れる個体は特に皆小さく、水揚げされる事はない。漁師などみんなから注目されることもなく、印象が薄い感じがする。魚ボラの標本用に確保はしていると思うが、やはり印象が薄くよく覚えていないので一応標本用に冷凍保存する。
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