お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

ミナベヒメジ

2015年05月29日 | 日記
 Nature of Kagoshimaが発行され、項目を見るとその中にミナベヒメジという聞いた事の無い魚種名が載っていた。また初記録のヒメジが記載されたのかと思い読んでみる。すると標本の採集者には私の名が載っている。標本写真を見て、やっとあの種に標準和名が付いたのかと思う。報告書を読むとこの論文で和名提唱されたのではなく、今年発行された図鑑「南日本太平洋沿岸の魚類」に記載され、そこで標準和名が提唱されたそうである。この魚、以前から近似種のホウライヒメジとは違う事が指摘されており、標準和名の無いまま別種扱いされてきた。なかなか論文が出ない為、何かと面倒な種なのかと思っていた。結局は論文が雑誌に投稿されるのではなく図鑑に記載することで和名提唱された形となる。以前にも図鑑「黒潮の魚」でイブリカマスが記載され標準和名提唱された事があり、これと同じ形での和名提唱である。まぁこれでこの魚を標準和名で呼ぶ事が出来るようになったので一件落着である。
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ユウダチスダレダイ

2015年05月29日 | 市場
 もう3年以上前の話である。定置網漁を終え帰港すると活魚のコーナーに見慣れない魚が泳いでいた。漁協の職員に聞くと、うちの定置網の隣の網で獲れた魚で珍しいので水族館用に生かしてあるとの事。魚種名を聞かれるが私も見覚えはあるが種名までは分からない。だが、市場の事務所に張ってある魚図鑑のポスターの中に同じ魚があり、ユウダチスダレダイだと分かる。ユウダチスダレダイを調べると国内に分布はしているものの珍しい事が分かる。魚ボラの標本用に欲しいところではあるが、既に水族館に連絡済みである。急いで魚ボラの先生に連絡し対応してもらう。だが、水族館での飼育記録の無い魚であるらしく、そこは水族館も譲らず、結局は水族館である程度飼育展示してから標本を譲ってもらうように話がつく。その後、国内産の標本を調べると所蔵されている博物館で行方不明となっており、結局この個体が標本に基づくユウダチスダレダイの初記録となる。さらにこの1週間後に市場で水揚げ作業をしていると、お隣の定置網の漁獲物の中にユウダチスダレダイを1個体見つけ、こちらは直ぐに確保する。ブログネタとして直ぐに報告したかったが、魚ボラの先生から論文が公表されるまで載せないでほしいと口止めされていた。今回Nature of Kagoshimaが発行され、そこにユウダチスダレダイの標本に基づく初記録の報告が載り、これでようやく公表となる。
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Nature of Kagoshima

2015年05月29日 | 日記
Nature of Kagoshima(vol.41)が今日家に郵送で届く。今回も46項目のうち30項目が魚関係と魚類雑誌に更に近づいている感じである。また、ページ数も年々増え、今回は昨年よりも更に30ページ増である。これでも年会費が最初から変わらないのが信じられない。というか予算的に大丈夫なのだろうかと私でさえ心配してしまう。今回の発行により、魚ボラの先生に口止めされていたユウダチスダレダイの記録を公表できるようになる。だが採集後、かごしま水族館で飼育展示され、水族館により既に公表済みではある。さらに今回ミナベヒメジという聞きなれない魚種の投稿もある。何だろうかと報告書を読むと採集者が私になっている。標本写真を見てあの魚が解決したのかと気付く次第である。来年号はどのようになるのか更に楽しみである。



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大きなアオザメ

2015年05月28日 | 市場
 今日は定置網漁を終え、帰港すると市場に大きなサメが水揚げされているのが目につく。見に行くと大きなアオザメである。このアオザメはお隣の定置網に入網したそうである。重量はなんと178キロ。しかも内臓を取り除いてあるので、丸のままだと200キロはあったと思われる。アオザメは泳いでいる時が青く輝きとても綺麗である。だが水族館での飼育は難しくその泳ぐ姿は見る事が出来ない。その綺麗な姿を見る事が出来るのは定置網の特権である。だが、このサイズ。綺麗と思うか怖いと思うかどちらだろうか。


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またフグの幼魚

2015年05月28日 | 定置網
 今日も定置網漁の漁獲物の選別作業をしていると、またフグ類の幼魚を見つける。今回は体が固く、フグ類でもハコフグ科かイトマキフグ科であることが分かる。これも生きていれば成長過程を見たいところである。だが、今回はネットなどで調べるとシマウミスズメの幼魚ではないかと思われる。今回も一応標本用に確保し、あとは魚ボラ任せとなる。
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フグ幼魚

2015年05月26日 | 定置網
今日は定置網漁で漁獲物の選別作業をしているとフグ類の幼魚を見つける。この幼魚以前にも獲れた事があり、写真に収めている。だが、同定出来ずに魚種が分からない。体の上半分は黒地に白点、下半分は白地に黒点と反転したような色彩である。このまま成長したとするとその色彩で該当するようなフグがいない。だがそこは幼魚である。成長するにつれ色彩は変化して行くと思われる。この個体も生きていれば成長過程を見たいところではあるが、それも叶わない。
*後日、魚ボラでホシフグの幼魚と同定されました。
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久し振りの入網 ウシサワラ

2015年05月22日 | 定置網
 今日は定置網で本当に久し振りにウシサワラが1個体獲れる。ウシサワラは昨年の11月に10年以上振りに市場に揚がっているのを見つけた。前回うちの定置網で獲れたのはいつだろうかと昔の写真を調べると、デジカメで撮った写真が無い。となるともう15年以上振りとなる。昔は年に1~2個体は獲れ、珍しいとは思っていなかったのだが今では大変に貴重な魚となる。今度出会えるのはいつになるだろうか。
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メバル属幼魚

2015年05月19日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え選別作業をしていると、雑魚の中にメバルの仲間の幼魚を見つける。メバルはここ鹿児島では非常に珍しく、その親個体は5年に1個体獲れるかどうかである。だが、以前は流れ藻の時期にウスメバルの稚魚・幼魚がその流れ藻に付いて流れて来て一緒に定置網に入っていた。でもそのウスメバルの稚魚、幼魚もかなり前から姿を見なくなっている。メバルの幼魚はもう15年以上振りのご対面である。以前に流れ藻と共に獲れていたメバルはウスメバルの幼魚であるが、この個体は体表の模様がウスメバルとは違い小黒点が散在している。となるとこの個体は何メバルだろうか。

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カスザメ親子

2015年05月15日 | 定置網
 今日は定置網で網を絞っていくと小さなカスザメが泳いで来る。見失う前に採集。生きているのでとりあえず生かしておく。その後、網は絞られたくさんの魚がひしめき合っている中、今度は大きなカスザメを見つける。確信は無いがおそらくこの大きな個体が親で、小さな個体は網の中で産み落とされたものだろうと思う。この子供の方は手のひらに乗るような小さな個体ではあるが、体つきは親と同じである。水槽に入れて飼育してみたいがどうするか。

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大きなタチウオ

2015年05月14日 | 定置網
 最近定置網で大きなタチウオの入網が連日続いている。今までにも獲れなかった訳ではないが、年に1個体獲れるかどうかという位稀であった。ところが今は連日獲れ、更に一日で数個体獲れる事もある。今日は3個体獲れ、一番大きな個体は5.7キロもあった。大きなタチウオと言うとオキナワオオタチという種がいる。だが、オキナワオオタチは両眼の眼隔域がくぼむ。これはくぼまず平坦なので普通のタチウオである。タチウオではあるが大きいからか値段もかなり良い。標本に欲しいところでもあるが、このサイズにこの値段では手が出ない。

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素潜り採集

2015年05月06日 | 採集
 今日がゴールデンウイーク最終日。昨日素潜り採集をしようと思い海へ行くが、風とうねりがあり潜れなかった。そこで今日再び海へ行くと、まだうねりが少し残るが素潜りできそうなので行う。予想はしていたが海に入るとまだ海水温が低く南方系の魚が非常に少ない。採集したい魚がいそうにないので、岩にへばり付き小さな魚の採集を行う。以前に採集した魚種狙いで同じ場所を丹念に探る。すると同じ場所で同じ魚種の魚を採集する事が出来た。それにしてもいつも同じ場所に同じ魚種しかいないのだろうか。



オキナワベニハゼ Trimma okinawae (Aoyagi, 1949)



コミナトテンジクダイ Apogon coccineus Rüppell, 1838



ノコギリヨウジ Doryrhamphus japonicus Araga and Yoshino, 1975



アライソコケギンポ Neoclinus okazakii Fukao, 1987



ウバウオの仲間(未同定)
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