お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

頂いた標本を登録に

2020年08月22日 | 魚ボラ
 昨日、深海エビ漁で得られた珍しい標本を3個体頂き、そのうち1個体の標本の体表が弱そうで、冷凍に耐えられない恐れがあるので、今日は仕事終了後、鹿児島大学へ標本登録に行く。大学に着くと早速魚ボラの学生達が標本登録作業をしてくれる。展鰭作業をし、魚種の同定、標本写真の撮影を行う。持ち込んだソコカワムキは水圧で眼が飛び出していたが、学生が元の様に修正してくれる。その作業を見たかったが見損なってしまう。鱗が剥げた白いヤセムツ科の魚は鰭立て時に水に浸けると、体から脂が水面ににじみ出て来て、脂が良くのった魚のようであり、食べると美味しそうである。同定結果はソコカワムキにヤセムツ科は鱗がある個体がヤセムツで鱗の剥げた個体がハゲヤセムツとなる。先月から今年も深海エビ漁は操業を始めているが未だに同行出来ていない。今年もまた一日も早く船に乗せてもらい深海魚三昧を味わいたい。



ソコカワムキ




ヤセムツ




ハゲヤセムツ
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ヤセムツ科

2020年08月21日 | 日記
 今日頂いた深海エビ漁から得られた魚の残り2個体である。深海魚らしく眼が大きく、現場ではよく獲れるアオメエソの仲間かなと思う位で、種名どころか何の仲間なのかもわからず、更にこの2個体が同種なのか別種なのかすらわからない。2個体を並べて観察すると片方は鱗がしっかり残っており体色が暗色である。さらにもう片方は鱗が殆ど剥げており、その為か体色が白っぽい。だが、鰭の位置などを見ると同じであり、サイズが違う事が影響している可能性もある。帰宅して検索図鑑でまずはアオメエソ科を調べる。だが、アオメエソ科は吻が尖っており鰭の位置も違う。そこで同じヒメ目を調べるが該当する魚が見つからない。と言う事で全く何の仲間なのかすらわからなくなり、暗礁に乗り上げる。そこで検索図鑑の端から片っ端に見ていく。するとようやくヤセムツ科に辿り着く。そこで検索すると最初に臀鰭棘が2本と3本と言う事で別れ、この2個体が別種であることがわかる。鱗のしっかりしている個体は眼が円形であることからヤセムツかなと思うが、鱗が剥げている個体がわからない。主鰓蓋骨の縁を触ると尖った感じがあるが、これが棘かどうかわからない。強い棘でなければハゲヤセムツである。鱗が剥げやすいのでハゲヤセムツという種名であると思われるのでこれだろうと思うが確信できない。両種ともネットで検索すると画像は見つかるものの確信が得られない。珍しいかどうかもわからず、更に鱗が剥げた個体は肌の感じから冷凍すると標本が痛む恐れがあるので冷凍せず、ソコカワムキ同様早く大学へ走らなければならなくなった。

後日、魚ボラでヤセムツと同定されました



後日、魚ボラでハゲヤセムツと同定されました


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ソコカワムキ

2020年08月21日 | 日記
 今日の夕方、何度も乗船させてもらい標本を頂いている深海エビ網漁の方から電話が入る。今まで見たことない魚が獲れ、確保しているとの事。急いで港へと向かう。港に着くと深海エビの水揚げ中で、お忙しい中、魚を3個体渡される。先ずは1個体目、魚を見るとベニカワムキの仲間であることが直ぐにわかるが、私が知るベニカワムキにしては体高が低く種名まではわからない。更に残りの2個体は深海魚らしく眼が大きく、その場ではアオメエソの仲間かなと思う位で、種名どころか何の仲間なのかもわからない。全て魚ボラの標本用に有難く頂き帰宅。先ずは1個体目、ベニカワムキの仲間である。特徴的で体高が低く、腹鰭棘が非常に長く刺々しい。検索図鑑で調べるとソコカワムキと直ぐに判明。確かめる為にソコカワムキの画像をネットで検索する。するとイラストのみで画像は見つからない。もしやと思い分布域を見ると国内では高知湾のみである。画像が見つからず分布域も高知湾のみとなると極めて珍しい魚である可能性がある。標本を冷凍せず、早いうちに大学へと標本登録に行かなければならなくなった。

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イッテンアカタチ

2020年08月19日 | 定置網
 今日は定置網漁で網を絞ると赤くて細長い綺麗な魚が目に飛び込んでくる。アカタチの仲間だと思い、急いで目の細かいタモ網で掬い上げる。作業が忙しい時なので取りあえず活かしておく。操業を終え帰港してから採集したアカタチの仲間を確認する事にする。アカタチの仲間は今までにイッテンアカタチは何度か獲れ、標本も登録済みであり、更に水族館へも搬出したことがある。アカタチは昔うちの網でも獲れた事があるのだが、まだデジカメの無い時代でデジカメで写真を撮った事がなく、魚ボラが始まる前なので標本も確保していない。更にインドアカタチは漁協定置網で得られており、標本も登録済みであるのだが、うちの網ではまだ未記録である。自分的にはアカタチかインドアカタチであってほしいのだが、沖で見た感じアカタチの体側にある橙黄色の円斑は確認できてなく、背鰭にも黒斑があったように見えた。更にインドアカタチはもっと体高が高く、体高に対しての体長が短い感じなので、どちらも違う感じと思いながら少しの希望を持ちつつ帰港。帰港し改めて確認するとやはりイッテンアカタチのようである。ちょっと残念であるがイッテンアカタチだとしても調べてみたら、うちの定置網でも10年振りの入網である(ブログ2010 7.6)。久し振りと言う事で喜ばしい事である。だが、やっぱりイッテンアカタチ以外であってほしかった。


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今日も素潜り

2020年08月18日 | 採集
 盆明けの日知曜日に仕事をしたので、今日は振替休日。昨日も仕事が終わってから素潜り採集をしたが、今日は朝から時間があるので、仕事の貝採りをメインに採集道具も持ち、今日も素潜りに行く。最初は貝採りを真剣に行う。その後、ある程度貝を採ったところで視野を広げ、魚の採集も行う。魚を探すが採集したい魚が見つからない。砂地に生息する貝を採りに来たので、サンゴ礁やゴロタ石も少しはあるものの、やはり魚も共生ハゼなど砂地に生息するものが多い。まだ採集していない共生ハゼも見つけるが、採集する方法がない。結局終わってみれば、魚の写真は撮ったものの採集せずに終わる。平日にもかかわらず釣り人で賑わっていたが港であったが、港へ戻ると釣り人は一人も居らず、私の車がポツンと1台あるだけであった。港での釣りはよほど暑かったのだろうか。

ダテハゼ



カスリハゼ



クサハゼ



タコベラ。採集を試みたが逃げられた。



オニカサゴ属の魚



サツマカサゴ



ミナミハタンポ



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遂に採集 カンムリベラ若魚

2020年08月17日 | 採集
 先日のカンモンハタを採集する為に、今日も素潜り採集に行く。カンモンハタを探していると今回も大きな岩の下から顔を覗かせる個体を発見。ダメもとで採集を試みるがやはり採集できず。その後も何度か見つけるが全て採集できず。そのような状況の中散策していると、以前にインドヒメジを採集した場所でまたインドヒメジを発見。インドヒメジは滅多に見ないのだが、同じ場所でまだ発見という事で採集を試み網を設置し採集する。すると網を設置した場所にカンムリベラの若魚が泳いで来る。カンムリベラは今までに何度も出会っているが、動きが速く採集できずようやく2年前に幼魚を採集(ブログ2018 8.1)することが出来た。だが、若魚はその後も採集出来ておらず、体力と時間を使う厄介者なので見掛けても無視していた。ところが採集してくれと言わんばかりに向こうからやって来た感じで網に近付いて来たので、急いで網に追い込み採集。何年も掛かりカンムリベラ若魚を初採集。あまりにも突然の出来事だったので泳いでいるところは撮影できず。これで満足してしまいカンモンハタの採集はまたの機会にして終了。カンムリベラも幼魚から若魚、成魚へと成長過程での変化が激しいので、全てステージを集めたい。


カンムリベラ若魚




カンモンハタを発見



インドヒメジを発見



テンクロスジギンポ



ノコギリハギ





イナズマベラ



インドヒメジ



カンムリベラ若魚


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夜間採集でコショウダイ幼魚

2020年08月12日 | 採集
 今日は昼間に素潜り釣り採集に素潜り採集を行ったが、明日から盆休みと言う事で土曜日ではないが港へと夜間採集にも行く。4日前の土曜日も夜間採集へ行ったのだが連休という事もあるのか、いつもの場所には釣り人がおり、採集をできなかった。今回も盆と言う事で釣り人のいる可能性があるが行ってみる。今夜はペルセウス座流星群が丁度23時くらいからピークを迎え、流れ星が1時間に30程見れるという事で先に展望台へと行き観察。広い範囲見渡せる場所なのだが30分眺めるも全く見ることが出来ず、諦めて港へと向かう。港へ着くと幸い釣り人はおらず、いつものように魚を探す。すると早速黒い小さな魚を発見し採集。見るとコショウダイの幼魚である。コショウダイの幼魚は珍しくはないが、成長に伴う変化の写真を揃えたくて探していた魚である。その後も魚を探すとまた魚を見つけ採集。見るとまたコショウダイの幼魚である。しかも狙っていたかのように先ほど採集した幼魚から少し成長した感じの模様となっている。その後も更に期待するが今日はここまで。世の中そう甘くはない。だが、1日で2個体も採集できた。


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初確認カンモンハタ

2020年08月12日 | 採集
 今日はアカハタ狙いで素潜り釣り採集に来たが、アカハタのいるサンゴ礁まで泳いで行く途中でカンモンハタを発見。カンモンハタはこおの海域ではまだ見た事がなく、初めての魚である。だが、直ぐに大きな岩の下に潜り込んでしまい採集は諦めアカハタ釣りに。ところがアカハタ釣りもその姿があまり確認できず、まだ未採集のカンモンハタが気になり、釣りを諦めカンモンハタの採集へと移行する。カンモンハタを見た場所へ移動し、辺りを探す。すると直ぐに発見するもまた見失う。辺りを探すも見つからないので諦め、他の魚種を探すことに。すると別の場所でまたカンモンハタを発見。とりあえず証拠写真を先に撮る。その後、採集に掛るがやはり岩の下に入ってしまい採集できず。その後も場所を移動すると今日3度目のカンモンハタを発見。私の後ろから着いて来ているのではと思う程、今回初めて確認した魚があちこちで確認できる。カンモンハタやイシガキハタは分布域が北上して来ており、いずれ見つかるだろうとは思っていた魚である。だが、今回こんなにたくさん確認できるとは。今度は手頃な岩の下に潜り込んだので、その岩の周りを網で囲い、これで確保したと確信。その岩の下に網を入れ追い出そうとするがカンモンハタの姿が無い。すると二つ隣の岩の下からカンモンハタが顔を出す。瞬間移動したとしか思えなく、まさにイリュージョン状態。そうこうしているうちにカンモンハタも採集できずに本日も終了。アカハタもカンモンハタもゲットできず、惨敗に終わる。

カンモンハタ





ミヤコテングハギ幼魚。綺麗だったが近付いたら体色を真っ黒に変色。



ハコフグ幼魚



ミヤコテングハギ幼魚



ハコフグ幼魚



ノコギリヨウジ。今回採集した覚えがなく、釣ったヤミハタかカサゴが吐き出したものと思われる。
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リベンジ 今年初の素潜り釣り採集

2020年08月12日 | 採集
 今日は今年初の素潜り釣り採集に行く。昨年アカハタを狙い釣り採集をしたが、ことごとく仕掛けを切られ惨敗であった。今年は仕掛けを更に強化して挑む。まずは手始めに浅い所でヤミハタ、カサゴを狙う。この2種はあっさりと釣れ、採集。その後、アカハタを狙い少し沖へ向かう。いかにもアカハタが潜んでいそうなサンゴの下を狙う。だが、出て来るのはカサゴばかりであり、折角なので釣り、確保する。そしてようやくアカハタが登場。だが、警戒しており、遠くから餌を突く魚達を眺めている。昨年は小魚達が群れて餌を突いていると、何処からともなくアカハタがやって来て、餌に食い付いたのだが、今年は警戒して近くにも寄ってこない。近くに来ないので、アカハタがサンゴに潜ったのを見はかり、直ぐ近くに餌を落としてみる。それでも食い付いて来ないので諦めて場所を移動しようと餌を上げようとすると、いきなり食い付いて来て直ぐにサンゴの下に潜り込み、ハリスが切れてしまう。不意をつかれた感じで対応出来なかった。結局今日はアカハタがこの1個体のみしか見る事がなく終了となる。またリベンジするしかない。


カサゴ




ヤミハタ



いつも邪魔に入り、食付いてくるイトフエフキ



アカハタが出現。今回はこの1個体のみ。



カサゴ



ヤミハタ



今回の釣果
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ホソカマス

2020年08月05日 | 市場
 昨日は潮が速く定置網漁を操業する事が出来なかった。今日も期待半分で出漁するも、やはり急潮で操業できず帰港する。更に標本もよく提供して頂いている定置網が急潮により網が壊滅的な状態と聞き、心が痛む。そのような状況の中、操業できたお隣の定置網の方からこれ珍しいのではと魚を頂く。見るとホソカマスである。ホソカマスは以前には何度かうちの定置網でも獲れた事があり、写真には収めている。だが、魚ボラ用の標本を集めるようになってからは獲れなくなり、探していた魚である。体色が他のカマス類に比べて青っぽい事から、ここの市場ではアオカマスと呼ばれている。ホソカマスは黒バックでの写真をまだ撮っていないのだが、今日は気分的に撮影をしようと思わず、そのまま魚ボラの標本用に冷凍保存する。
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田んぼ用水路から救出

2020年08月01日 | 採集
 今日は港へ恒例の夜間採集へ行く。だが、今日も収穫なし。帰りにうちで飼っているナマズの餌用の小ブナを採りに用水路へ行く。現場に行くと用水路に水が流れていない。稲刈りが近いのか用水路の水門が閉められた模様。となると、用水路の一番端っこに水が溜まる場所があり、そこへ行く。すると用水路の魚が皆ここに集まり、小ブナだけでなく、ナマズもいる。とりあえず餌の小ブナを採集。その後、あちこちの溜まりを覗くと場所によっては魚が集まり過ぎて酸欠になったのか、中の魚が皆死んで白くなって浮かび、異臭を放っている。それならと思い、まだ生きている所でナマズなどを救出。すると塩ビパイプが沈んでいるのを発見。網で掬うと中にはウナギが入っていてゲット。結局ナマズ、ウナギ、コイを救出。救出と言っても標本用である。鳥の餌になるならまだしも、このまま死んで腐ってしまうのでは浮かばれない。標本として第二の魚生を送ってもらいたい。

用水路の溜まり場



フナが苦しそう



ナマズ



コイ



二ホンウナギ



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