お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

マダラエイ

2009年08月31日 | 定置網

今日はうちの定置網に大きなマダラエイが獲れる。あまりにも大き過ぎて船に揚げるのに苦労する。見ると雌個体なのでお腹に標本用の胎仔が入っていないかと期待する。膨らんでいる腹部を背面からつついてみると胎仔が出てくる。全部で4個体出てきたので、とりあえず船の活け間に生かしておく。帰港し水揚げ後標本用に冷凍保存しようかと思うがこの個体、体盤長が既に30センチ程もある。元気がよく、産み落とされる間近だったようである。親魚が大きかっただけにそれだけ胎仔も大きいのだろうか。今、漁協の冷凍庫が使えなく、うちの冷蔵庫での保存となると個体が大き過ぎる。そのまま大学へ持ち込めば良いのだが、予定が詰まっていて行くことができない。このまま船に生かしておいても海水温が高いので死んでしまうと思われる。結局どうにもならないので引き取り手がないかあちこちの水族館に連絡し、引き取ってもらう事にする。それにしてもなかなか標本用に適した小さなマダラエイは獲れないので勿体ない気もするが仕方ない。
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マルソウダ?

2009年08月29日 | 定置網

最近の漁模様はシイラにマルソウダばかりであまり面白くない。特にシイラが多い時は口に入る魚は全て食べられてしまいシイラのみとなる。今日もいつものようにシイラにマルソウダのみ。何も収穫が無く帰港する。水揚げ作業をしているとスマのようなマルソウダがいると声が掛かる。そのマルソウダを見るとスマの特徴である胸鰭下方に数個の小黒斑が確認できる。確かに今までにそのような個体は見たことが無い。これがマルソウダではなく、ヒラソウダであればスマと間違われていたかもしれない。しかし、マルソウダだったので体格で間違われずに済んだような感じである。一応持ち帰り調べるがやはりマルソウダであった。確かにこれとは逆にスマに小黒斑の無い個体はよく見かける。でもそのスマをヒラソウダと間違える事はない。魚類の分類学を知らない漁師や漁協職員であっても小黒斑だけで種の判断はしていないという事である。
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キハッソク幼魚

2009年08月28日 | 定置網

今日は定置網を起こしていると「面白い魚がいる」と声を掛けられる。見に行くと黄色い幼魚で背鰭棘が2本非常に長く伸びている。キハッソクの幼魚と直ぐに分かり、急いでタモ網で掬う。ところがこの長い背鰭が切れてしまわないかと不安になる。掬ったタモ網をもう一度海水を張ったバケツに入れ、切れないように丁寧に取り上げる。キハッソクの幼魚は以前にも獲れた事があるが(ブログ 2007 9.19)、今回の個体はその時よりも更に小さい幼魚である。その為か背鰭第2・3棘が非常に伸びている。だが、以前にネットで見た写真の個体は更に長いものであった。とにかく丁寧に持ち帰り、写真撮影する。展鰭時も特に背鰭に集中して行なった為、あとから撮った写真を見て、腹鰭の鰭立てを忘れているのに気付く。既にこの個体は魚ボラの標本用に冷凍保存中で撮り直しができない。いつの日か、またキハッソクの幼魚を探し、再度写真撮影したいところである。

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また水族館用 サザナミヤッコ

2009年08月21日 | 市場

今日は水揚げ後、活魚水槽でサザナミヤッコの若魚が泳いでいるのを見つける。昨年もサザナミヤッコの成魚が泳いでいたが、水族館用に活かしていたものであった(ブログ 2008 10.29)。今回も恐らくそうだろうと思うが、一応漁協職員に尋ねてみた。すると「あの水族館の魚?」という返答。やはりそうであった。特に今、水族館用のマグロ類の種苗収集に各地の水族館職員が漁協に常駐している。生きた観賞用の魚であれば何でも水族館用になってしまう状況である。サザナミヤッコなどキンチャクダイ類は幼魚から成魚へと斑紋が変化するのが有名であり、魚ボラの標本としてその全ステージを確保し写真に収めたいところである。幼魚は素潜り採集で確保したものの(ブログ 2007 11.10)、若魚・成魚は潜れば見かけるものの未だに採集していない。せめて水族館の職員が忙しい時期に獲れないものだろうか?
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幼魚

2009年08月21日 | 定置網

今日は水揚げ後、定置網の網替え作業を行なう。垣網という網で定置網の中では網目が一番大きな為、年に何度かしか交換しない。その為、長い期間海に浸かっているので網にはフジツボや二枚貝・シロボヤなど様々な生物が付着し、小さな魚の棲みかとなっている。その網を本船に揚げると一緒に小魚も揚がって来る。すると鮮やかなオレンジ色の全長で2センチ程の小さな魚を見つける。体色や網替え時に獲れる魚としてイレズミミジンベニハゼかと思い取り上げるとまったく違う種であった。今回は同じ種を2個体確保する。持ち帰りよく観察すると以前に夜間採集で採集した魚(ブログ 2007 3.18)によく似ている。その時の個体はハナスズキ属の幼魚と同定されている。今回の個体も写真を撮り、写真から形態を調べると一致しているように思う。ところが、この近辺でハナスズキ属の魚が獲れた事がなく、見た事もない。だが、成魚の生息域はやや深い岩礁域となっている。成魚は生息していても獲れない・見かけないだけかもしれない。また、幼魚のみがここで獲れる種もたくさんいる。幼魚が獲れないからといって成魚がいないとも限らない。とにかく今回も同定は魚ボラに任せる事にする。

魚ボラでヤマブキハタSaloptia powelli(Smith,1964) と同定されました。

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ワカヨウジ

2009年08月19日 | 定置網

ヨウジウオ続きになってしまうが、今日は定置網でヨウジウオ類が獲れる。ヨウジウオ類は同定が面倒であるがパッと見で直ぐにワカヨウジと分かる。というのもこの大きさというかこの長さである。全長で40センチ近くもある。ヨウジウオ亜科で30センチ以上になる種は数種しかいない。ワカヨウジは珍しい種ではないらしいが、うちの定置網ではこの個体が2個体目でありちょっとは珍しい。前回獲れたのは3年以上前で魚ボラが始まった頃なので標本登録しているかどうかが微妙なので、この個体も標本用に冷凍保存する。それにしてもヨウジウオ類などの細長い魚は写真を撮り辛い。この個体も写真撮影用の水槽に入らないうえ、撮れた写真を見ても、引いて撮っている訳でもないのに部分的にアップにしないと種も分からない。おまけに同じ細長いアナゴ類ならまだ体を曲げて撮る事もできるがヨウジウオ類ではそうもいかない。自分としてはあまり写真を撮りたくない魚種である。
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夜間採集 カワヨウジ

2009年08月13日 | 採集

仕事復帰後シマヒイラギ確保と幸先良い再スタートを切ったものの、それからは面白い魚と出会うことも無く、明日から盆休みに入ってしまう。明日から仕事は休みなので夜間採集に行く。いつもの港へ行くと波が少しあり、魚の姿を探し辛い。とにかくブログネタに何か採集しなければと少々焦り気味で行なう。結局採集できたのはカワヨウジ1個体だけである。お盆という事で生き物をなるべく殺さないように、ブログネタ用に1個体だけの採集と最小限に抑えたと思えばいいかな。カワヨウジは普通種であり、腹部の縞々の横帯が特徴的で見て直ぐに種がわかる。ヨウジウオ類はプランクトン食である。夜間の港は外灯下にプランクトンがたくさん集まるので、動きの鈍いヨウジウオ類であってもたくさんの餌に在りつける場所である。さらに港には船の係留ロープなどが張り巡されているので、それに着くヨウジウオ類にとってはまさにもってこいの場所ではないだろうか。

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復帰

2009年08月06日 | 定置網

先月の半ばに足を痛めてしまい、仕事を休んでいた。そんな訳で先月はブログの更新が2日だけとなってしまった。やっと足も完治し今日は半月振りに仕事復帰となる。とにかくブログの更新用にと魚を探す。するとうちの定置網の漁獲物で選別を終えた水揚げ用の魚の中にシマヒイラギを見つける。シマヒイラギはうちの定置網で獲れたのはこの個体が2個体目でここでは珍しい種。以前に他の定置網で獲れたシマヒイラギ(ブログ 2007 7.2) を魚ボラの標本用に確保していたのだが、冷凍保存していた漁協の冷凍庫が壊れてしまい、溶けて腐ってしまったので標本登録ができなかった。その後、姿を見ることが無く探していた魚であった。今日は丁度鹿児島に所用があり大学へも寄ろうと考えていたので、この個体を持ち込み標本登録する。ところが、よく見るとシマヒイラギの特徴でもある著しく伸長する背鰭第2棘が折れていてガッカリ。この標本では納得がいかないので、完全な標本を求めてこれからもシマヒイラギを探さなければならなくなった。でも今回は仕事復帰祝いという事でシマヒイラギを標本登録できて良かったかな。
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