お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

出会えて良かったイトマンクロユリハゼ

2023年08月26日 | 採集
 今日は仕事が早く終わったので素潜りで貝採りに行く。今年は貝が非常に少ないので貝採りだけでは時間がもったいないので素潜り採集の道具も持って行く。だが、場所は貝採りメインな場所に行くので素潜り採集はあまり期待出来ない。海に入ると意外と濁りがあり貝採り・採集と共にマイナスイメージでちょっとテンションが下がる。一応、最初は貝を探すが今年は本当に少なく、ここにはいるだろうと思う場所にさえその姿が見つからない。その様な状況の中、見覚えのある細長い魚を発見。イトマンクロユリハゼである。イトマンクロユリハゼは一昨年初めて見つけ、初採集した魚(ブログ2021 9.21)(ブログ2021 10.4)である。だが、昨年はその姿は無く、黒潮により流れてきたけど定着しなかったのだろうと思っていた。今回は2年振りの嬉しいご対面であり採集する。その後も探すが所々にいるものの群れは見つからない。まだ採集出来そうであるが定着してもらいたいので記録用に採集は3個体のみに留める。そのほかオオスジヒメジの幼魚を発見。背面に黄色いラインが入る個体と入らない個体を見つける。両個体を一緒に採集したかったが黄色いラインが入った個体は逃げられてしまい、その後も探すが見つからず終了となる。結局貝は水揚げするほども採れずに終わるが昨年見ることが出来なかったイトマンクロユリハゼに出会うことが出来て満足な採集となる。

ダテハゼ

イトマンクロユリハゼ

オオスジヒメジ

ブダイ科幼魚
*魚ボラでオビブダイと同定されました。

今回の成果

イトマンクロユリハゼ
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初採集ダンダラトラギス・ヒレグロコショウダイ幼魚

2023年08月21日 | 採集
 今日は頼まれている貝を採りに素潜りに行く。素潜り採集にもなかなか行けないので一応採集道具も持って行く。今年は貝が少なく探すのに苦労する。するとオレンジ色が目立つコロダイの幼魚によく似た魚を発見。これは探していたコショウダイ属の幼魚である。採集しようとするが直ぐに岩の下に隠れてしまう。何度もチャレンジなんとか採集する。貝を採らないといけないのだが時間を使ってしまう。更に進むといつもの様にコウライトラギスが顔を出す。するとコウライトラギスは赤みを帯びているのだが、この個体は全く赤みがない。別種と思い採集。こちらはコウライトラギスと同様、難なく簡単に採集する。更に進むとまた同じ種と思われるトラギス属の魚を発見。この個体も採集。逆にいつも見るコウライトラギスを一度も見かけることがなかった。結局、貝は頼まれた量採れずに終了となる。だが、貝よりも今回採集した魚が気になる。家に帰り調べるとコショウダイ属の幼魚はネット上で調べ、ヒレグロコショウダイの幼魚が一番近い感じである。ヒレグロコショウダイ自体がここでは珍しく(ブログ2017 12.20)、更にコロダイ、コショウダイ以外のコショウダイ属の幼魚を探しているので嬉しい収穫となる。更にコウライトラギスによく似た赤みのないトラギス属の幼魚はダンダラトラギスとわかる。こちらもここの海域では初確認であり、初採集となる。更に薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2.25)にはヒレグロコショウダイは標本写真が掲載されているがダンダラトラギスは生態写真のみで標本写真がない状態なので嬉しい収穫となる。今回の素潜りは貝採りに集中しようと最初は採集道具を持たずに行おうと考えていたが、採集道具を持って行って正解だった。こうなると今後も貝採りに集中するという事は出来ないのだろうと思う次第である。

ヒレグロコショウダイ幼魚

ダンダラトラギス

ダンダラトラギス2個体目

ヒレグロコショウダイ幼魚

ダンダラトラギス

ツマジロモンガラ幼魚

今回の収穫

ヒレグロコショウダイ幼魚

ダンダラトラギス

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初入網 ホシダルマガレイ

2023年08月17日 | 定置網・魚ボラ
 今日は定置網漁を終え市場で水揚げ。私が市場内で水揚げ作業をしていると船で選別作業をしていた人が私の所に来てこんなのいたよと魚を渡される。見るとダルマガレイ科の魚である。更に無眼側には無数の暗色帯がある。このような無眼側に暗色帯がある種は今までに獲れたことはない。種名はわからないがこの時点で定置網で初入網である。だが、この暗色帯は見覚えがある。以前にカチドキダルマガレイ(当時国内未記録種)(ブログ2012 5.30)が見つかった時にダルマガレイ科の論文を調べていた時に記載されていたのを覚えている。もちろん魚ボラの標本用に確保する。家に帰り当時見た論文を見ようと探すが見つからない。なので検索図鑑で調べるとホシダルマガレイが該当する。だが、検索図鑑の図では無眼側の暗色帯は胸鰭の直ぐ後ろから始まっている。この個体の暗色帯は中央から後方に向けて現れているのでこの図とは違いホシダルマガレイとは別種なのか悩む。ネット上でホシダルマガレイの画像検索をするが暗色帯のある個体の画像は見つからない。これはもう魚ボラに任せるしかない。今日は偶然鹿児島に所用で行く予定なので鹿大へ持ち込む事にする。所用に時間が掛かってしまい大学へ入れるかどうか微妙な時間となってしまうが、ギリギリ入ることが出来た。先生は不在で学生に見てもらうとホシダルマガレイと同定。やっぱり検索図鑑の図は当てにならない。遅くなってしまったが標本登録してもらい帰路に就く。
ホシダルマガレイ

ホシダルマガレイ無眼側


19時前ギリギリに鹿大に滑り込む





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夜間採集でハタンポ属稚魚

2023年08月11日 | 採集
 2日前に台風6号が来てここは暴風域に入る。台風が通過して今朝揚げていた定置網を入れ、明日から盆休みに入る。という事で今日は金曜日であるがいつもの港へと夜間採集へ行く。台風明けという事で港に並ぶ船は陸に揚げられたままで魚が隠れる場所があまりない状況。岸壁を覗くと無数の小さな稚魚が群がっている。今までに見た事がない群れだったので1個体のみ採集し確保。その他はまたコショウダイ幼魚などばかりであり終了。稚魚1個体のみ持ち帰る。家に帰り水槽に入れ撮影。その写真をパソコンで拡大してみる。すると種名まではわからないが体の形状や鰭の位置・形からハタンポ属の稚魚らしい。ハタンポ属の魚はこの港ではまだ見た事がない。また、ここの港は底質が砂なのでハタンポ向きではない場所ではある。だが、稚魚の餌となるプランクトンが外灯下に集まるので稚魚期のみこの場所を選んで生息しているのかもしれない。また、港の先にはテトラポットがあるのである程度成長するとテトラに移動し隠れるようになるのかもしれない。いつまで居るのか見守りたい。

コショウダイ幼魚


フウライチョウチョウウオ幼魚

いつものネコも台風を逃れておりひと安心

ハタンポ属稚魚



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