お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

夜間採集までミミズハゼ採集

2021年02月27日 | 採集
 今日は夜間採集の日。いつもの様に港に行くと、大潮の丁度干潮時。潮が下げているので岸壁からの稚魚採集を諦め、干上がった港内に降りて散策する。だが、何も見つからず、最後に以前シラヌイハタの幼魚を見つけた(ブログ2018 12.22)場所で石をひっくり返しながら探すがいつものハゼ類のみで収穫なし。諦めて帰ろうと思ったが、この場所の陸側は小さな転石場となっている。昔、この場所で石をひっくり返して海岸生物を調べていた時にミミズハゼを見つけた事がある。この場所は川が無く、そのミミズハゼが普通のミミズハゼだったのか、河川の影響を受けない磯に生息するミミズハゼの仲間だったのかが気になっていた。見つかるかどうかわからないが、探してみる。潮が掛かる辺りでは見つからず、徐々に陸側へと探して行く。すると1個体発見。海水には全く浸かって無く、湿っている程度である。その後も陸側へ上がって行くにつれ、発見。少し見つけ出すといそうな場所が分かって来て、その後は次から次へと見つかる。場所によっては伏流水が出ており、舐めてみると全くの真水である。ある程度確保したので終了。家に帰り、水槽に入れ撮影。胸鰭上部の遊離軟条は1本しか確認できなく、尾鰭の縁辺に透明域がないので普通のミミズハゼと思われる。数個体の腹部がオレンジ色になっているので抱卵している模様。これで気になっていたことが判明し、収穫のあった夜間採集となったものの、今月はミミズハゼ採集に特化してしまった感じとなってしまう。この夜間採集、深夜の港でおじさんが一人で懐中電灯にタモ網持ってウロウロし、傍から見れば不審者の様に見えるだろうが、今回は深夜の海岸でしゃがみ込み、ゴソゴソと石を剥ぐって行き、更に不審者に見えてしまう。港に釣り人でもいたらする事が出来ない採集であるとつくづく実感する。


石の下を探して行く




石の下にミミズハゼ発見



本日の成果





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夜間採集

2021年02月13日 | 採集
 今日は毎週恒例の夜間採集の日。だが、生憎天気が良くなく、ポツリポツリと雨が降ってくる。ザっとチェックするだけで直ぐに帰ろうと思っていた。ところが現場に着くと光を当てなくてもプランクトンが非常に多く集まっている。これは期待出来そうなので、ひと通りチェックし、プランクトンが集まっている場所に陣取り稚魚を探す。懐中電灯で光を当て探すとプランクトンが異常なくらい集まり、そこから稚魚を探すのが逆に大変な位である。おまけに夜光虫も集団の塊で潮の流れで岸に集まり、これが来ると水中が何も見えなくなるので取り除いたりとプランクトンが多過ぎるのも大変である。目を凝らし探すと直ぐにカレイ目の稚魚が見つかり採集。それから次々とカレイ目の稚魚が集まってくる。カレイ目魚類は普通有眼側を上にして泳ぐのだが、この稚魚はまだ眼が移動してなく両側にあるのか、普通の魚の様に背鰭を上にして泳いでいる。カレイ目稚魚で別種がいないか探していると、今度はホウボウ系の稚魚を発見し採集。真っ黒なのでホウボウの稚魚だろうと現場でもわかる。カレイ目稚魚程ではないが、ホウボウの稚魚も集めようと思えばいくらでも集まりそうな感じで次から次へと見つかる。雨が降るので直ぐに帰る予定であったが結局帰れない状態となる。長い時間探したが、カレイ目稚魚とホウボウ稚魚ばかりなので終了。ようやく帰路に就く。


異常な位集まるプランクトン



まだ眼が移動していないカレイ目稚魚



カレイ目稚魚の別種



ホウボウ稚魚



またわからないフサカサゴ科稚魚

後日、この稚魚もマダラフサカサゴの稚魚と教えて頂きました。ありがとうございます。



体型からマアジ稚魚かな?
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ミミズハゼ採集再び

2021年02月08日 | 採集
 今日は時化で休みとなる。だが、晴天である。一昨日行ったミミズハゼの手掴み採集がまだ気になる。今日の時化でも風や波の影響を受けにくい場所で転石のある場所に心当たりがあるので、今日はそちらへと向かう。海岸に着くと、この場所は波も穏やかである。早速前回の様にイカを手に握り、転石の間に入れてみる。何度も場所を変え行うが前回同様手応えが全くない。この場所も今までにミミズハゼを確認したことは無く、まずは姿を見なくてはと、またまた同じく転石をひっくり返して行く。するとミミズハゼを発見。周辺の砂利ごと網に入れ、そこから探すと早くも1個体ゲット。その後も見つけては確保でき、3個体ゲットする。だが、イカを使っての手掴みでの採集では全く反応すらなく終了。やはり生息密度が少ないのだろうか。今回も生かして持ち帰り見てみると、胸鰭上部に遊離軟条が数本確認できるので、前回と同じくオオミミズハゼではないだろうか。今まではこのような場所に魚が生息しているなんて思ってもいなかったが、最近はスコップで海岸の砂利を掘り、ミミズハゼの仲間が見つかっているようである。まだまだ思いもよらぬ場所にまだ見ぬ魚が生息しているのではないかと、考えるだけで何だか楽しくなって来る。
*魚ボラでオオミミズハゼと同定されました。





イカの切り身を掴み、転石の間へ








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ミミズハゼ採集

2021年02月06日 | 採集
 昔はミミズハゼと言うと海岸で石をひっくり返し、石の下に隠れているものを採集していた。最近は魚ボラの学生から海岸の転石や砂利をスコップで掘り、ミミズハゼの仲間を採集すると聞き、そのような所にまで生息しているのかと興味深い話を伺っていた。そんな中、先月の夜間採集でミミズハゼの仲間の稚魚を採集(ブログ2021 1.16)したので、ネットで調べてみると、YouTubeでイカの下足を手で握り、海岸の転石の間に入れると握った手の中にミミズハゼが入って来て採集するという動画を見つける。これは非常に興味深く面白そうなので、地元の海岸でも出来ないものかとチャレンジしてみたくなる。そして今日、仕事が早く終わり時間があったので実行することに。動画で見たような丸い転石が広がる海岸は地元には非常に少なく、数カ所しか心当たりがない。今日は波があるので波の影響の少ない海岸へ行き実行する。イカの下足を握り転石の間に入れてみるがなかなか反応がない。あちこちと場所を変えながら行うも全く反応がない。更に波の影響は少ない場所ではあるが、時より大きな波が来て、腕だけでなく体にも波が当たり濡れる。そもそもこの場所でミミズハゼを一度も見たことは無く、時間が経つにつれ、ここには生息していないのではと疑うようになる。諦めて転石を片っ端からひっくり返してみるがやはり見つからない。諦めて帰ろうかした時にミミズハゼの姿を見つけてしまう。直ぐに捕まえようとするが砂利の下に潜ってしまい逃がす。姿を見てしまったので、それからはひたすら石をひっくり返して行く。何度か見つけ砂利まで掘るが全て逃げられてしまう。ようやく砂利ごと網に入れ、1個体確保する。だが、その後も採集できず、更に腰も痛くなり一応は1個体採集出来たので終了。家で撮影し拡大して見てみると胸鰭上部に遊離軟条が数本見え、採集した場所が河川の影響のない場所だったので、オオミミズハゼかなと思う。だが、ミミズハゼの仲間は種が多く自分ではわからないので、あとは魚ボラのミミズハゼのプロに任せる事とする。
*後日、魚ボラでオオミミズハゼと同定されました。



砂利ごと網に入れ、その中から探す




胸鰭上部に遊離軟条が何本か確認できる
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クエの交雑種

2021年02月05日 | 市場
 今日は市場で水揚げ作業をしていると、市場職員から水揚げされているハタの魚種名を聞かれる。見に行くと見た目はクエであるが細かい斑紋が多くクエではなさそうである。となると何だろうか。私もわからずそのように伝える。確保して調べてみたいが、高級魚でありいつものように手が出ないので写真だけでも撮る。そうしていると仲買からもこの変わったクエについて聞かれる。いつもお世話になってる変わった魚を取ってくれる鹿児島中央市場の仲買さんである。私が魚種名がわからない事を伝えたので、私は手が出なかったが、この方なら取るだろうと思っていた。今日はたまたま大学へ行く予定である。大学へ行き、写真を学生に見せるがわからない。昨年卒業したハタ科専門の学生OBに写真を送ってもらい、見てもらう。珍しいハタ科の魚であれば、明日には中央市場に来るので、そこで確保すればいいと考えていた。ところが仲買さんに電話すると競り落とす事が出来ず、別の仲買に取られてしまったそうである。これは想定外であった。となると、珍しいハタだとしても標本がもう手に入らない事になる。だが、学生OBから返事が来て、クエとタマカイの交雑種との事である。交雑種であれば珍しいハタという訳ではないので、そこまで標本確保に拘らなくてもいい感じがしてホッとする。それにしてもまた交雑種である。最近は何かと交雑種が多過ぎる。これも近畿大学が種苗生産したみたいで、成長の遅いクエに大型になるタマカイを掛け合わす事により、成長が速くなり養殖での生産コストが抑えられるらしい。遺伝子を弄っている訳ではないのでいいのだが、何だかちょっと切ない気分になる。

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