お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

ついに初入網 セダカダイミョウサギ

2008年11月27日 | 定置網

 今日は定置網で腹鰭が黄色く目立つクロサギ科の魚を見つける。直ぐに取り上げ、背鰭棘を数えると10本である。ダイミョウサギである。よく似るクロサギは毎日たくさん獲れるのだが、このダイミョウサギはうちの定置網では初入網となる。それどころか他の定置網や市場でも見たことが無かった。ダイミョウサギは日本各地で確認されていて、魚ボラにも鹿児島県産の個体が標本登録されている。それなのに、これだけクロサギがたくさん獲れる場所にも関わらず、何でダイミョウサギが獲れないのかといつも思っていた。だが、検索図鑑を見てふと思った。いつもクロサギが獲れた時に腹鰭の黄色い個体を探していた。ところが検索図鑑を見るとそれが同定の根拠とはなっていないようだ。となれば今までにも獲れていたのに、ただ気付かなかっただけなのかもしれない。ネットで調べると腹鰭が黄色くない個体の写真も見つかった。だがその写真の同定も信用できない。ダイミョウサギの腹鰭が黄色くない個体もいるのか調べてみたい。それにしても今月は初入網ラッシュとなった。このダイミョウサギで4種目となる。ここまで続くと来月もとても楽しみである。

後日、セダカダイミョウサギと同定されました。
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こちらもミエハタンポ

2008年11月27日 | 定置網

 前日に定置網でミエハタンポがたくさん獲れたものの、魚ボラの標本用として1個体しか確保できなかったので、今日は最初からミエハタンポの標本確保を目的として挑んだ。網を起こすと今日もハタンポ類はミエハタンポばかり。前日ほど漁獲作業も忙しく無いので船上で標本用に数個体確保する。すると、ひとまわり程大きな個体が目に付く。体色はミエハタンポというよりいつも獲れるミナミハタンポに似ていたが、体側の鱗が細かく別種とすぐに分かったのでこちらも確保する。まだ未採集のリュウキュウハタンポかなと思い、もしそうなら3日連続の初入網で今月5種目となるので期待してしまう。だがリュウキュウハタンポの事はよく知らないのでどのような特徴があるのかが分からなかった。今日はそのほかツマグロハタンポも獲れたがミナミハタンポは今日もいなかった。家に持ち帰り検索図鑑で同定すると、腹鰭前方に隆起線が確認できなかった。ツマグロハタンポではないのでそうなるとリュウキュウハタンポとなる。ところが胸鰭基部にあるはずの黒斑がない。となると・・・。と思い出したのが図鑑「黒潮の魚」に記載されていたハタンポ属の1種。その図鑑を見るとそのハタンポ属の1種とされている種の体側の鱗は大きく、これとは違う。そのあとネットでも調べるが分からない。となると初記録種、未記載種・・・。時間はまだあるので今から大学へ走ろうかと考える。万が一と思い、もう一度隆起線を確認してみる。腹鰭前方を爪で何度もなぞるとその表面の鱗が剥げ、微かに手応えがある。さらになんどもなぞり、隆起線を見つけてしまう。これでミエハタンポとなった。と同時に初記録・未記載種どころか初入網の記録更新も無くなり、今から大学へ行く理由も無くなる。
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今月3種目の初入網 ミエハタンポ

2008年11月26日 | 定置網

 今日は時化明けという事で定置網はいつもより漁獲量が多く、また魚種もいつもより多い。そんな中、面白い魚がいないか探しているといつも獲れるミナミハタンポとは少し様子の違う個体を見つける。ミエハタンポだと思い取り上げる。ミエハタンポは今までにうちの定置網では獲れた事がなく、またそのほかの定置網や市場に水揚げされているところを見た事がなかった。ところが地元かごしま水族館が出版した図鑑に鹿児島産、しかも同じ町内の隣の漁協で獲られたミエハタンポが載っているではないか。お隣で獲れてこちらで獲れない訳がないと思い必死で探していた魚なので、その姿形は頭にインプットされていたので、魚を見た時すぐにミエハタンポだと分かった。漁獲が多く忙しかったが、ハタンポ類は鱗が剥げ易いのでとりあえずその1個体は丁寧に確保する。それからも次々とミエハタンポが揚がってきたが、どれも小さかったので水揚げはしないと思い、忙しいので残りは水揚げが終わってから確保しようと考えていた。そして水揚げが終わり標本用にあと数個体確保しようかと水揚げされない魚を見に行くと、既に捨てられてしまっており確保する事ができなかった。結局たくさん獲れたものの標本用に確保できたのは船上での1個体のみとなってしまった。今日は魚ボラの日なのでその1個体を持ち込むと同定結果はミエハタンポであった。今回は自分で写真を撮る暇は無かったので魚ボラで撮って貰う。
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どちらにしろ初入網 

2008年11月21日 | 定置網

 今日は定置網で黄色が良く目立つフエダイの仲間の幼魚を見つける。たまに獲れるキュウセンフエダイだろうと思って取り上げるとちょっと違う。よく獲れるヨコスジフエダイに似ているが体側中央部に黒色斑がない。ということはタテフエダイだろうかと考える。だとすればうちの定置網ではまだ獲れた事がないので初入網である。家に持ち帰り写真撮影するために鰭立てをするが、タテフエダイにしては体側の縦帯の色がちよっと気になる。写真を撮り終え、検索図鑑で調べるがよく分からないのでネットでフエダイの仲間を調べる。すると体側の縦帯も同じ色であるキンセンフエダイを見つける。キンセンフエダイを図鑑で調べると形質的には合っている。キンセンフエダイでも初入網である。タテフエダイは市場に水揚げされているのを見たことがあるが、キンセンフエダイは今までに見たこともなかったのでこちらの方が更にうれしいかな。キンセンフエダイはネットで写真を見つけることができたがあまりない。日本では少しは珍しい種なのだろうか。でも同定に自信がないので魚ボラに標本を持ち込み再同定してもらわなければ。

後日、キンセンフエダイと同定されました。
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魚ボラ

2008年11月12日 | 魚ボラ

 今日は魚ボラの日。先週は2回目の屋久島調査後であり、またマレーシア留学していた学生が帰国したので魚の写真や標本を見るのを楽しみにしていたが学習会であったので時間がなく、見ることができなかった。今回はゆっくりとそれらを見たいので、あえて標本を持ち込まず参加する。行くと標本登録作業はなくマレーシアと屋久島の魚の写真を見ることができた。また、今回の魚ボラの作業はそのマレーシアの魚の標本整理を行なったので、標本を手に取りじっくりと観察することができた。標本を科ごとに容器に別けたのだがマレーシアの魚は日本の魚によく似ており、図鑑などを参照することなく別けることができた。標本は既にホルマリンで固定済みであったので体色が抜けていたので、これが生の状態であったらもっとカラフルだったのかなと思う。面白いのがヒラアジ類が日本産と比べるとみんな頭でっかちであった。マレーシアの魚は日本の魚に比べると大きくならないそうである。マグロの仲間コシナガの標本があったが、鹿児島で獲れる幼魚サイズの個体であったが鰭は黄色く既に成熟しているとの事。アジ科魚類は日本で確認されていない種がこちらに流れてくる可能性があるので、今度魚ボラに行ったら特にマレーシアのアジ科魚類を調べておきたい。
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カスミアジ幼魚?

2008年11月10日 | 定置網

 今日は定置網でギンガメアジ属の幼魚が獲れる。見た感じロウニンアジの幼魚かなと思うが分からないので持ち帰る。横帯を見ればロウニンアジとなるのだがロウニンアジの尾鰭は下葉が黄色味を帯びる。この個体は尾鰭が上下葉とも一様に黒色である。また、胸鰭が黄色いのでこのままの状態でもう少し成長すればカスミアジとなりそうである。ギンガメアジ属のこのサイズの写真がギンガメアジ、ロウニンアジはあるのもも、カスミアジ、オニヒラアジがなく、図鑑やネットで調べてもカスミアジのみ見つからない。この個体を魚ボラに持ち込み調べてもらったら、形質ではオニヒラアジ・カスミアジが当てはまるとの事。尾鰭の色からカスミアジと同定された。家でもう一度ネットで調べたらこのサイズのオニヒラアジの幼魚の写真が見つかり、尾鰭は下葉が黄色であったので、やはりこの個体はカスミアジとなりそうである。これでカスミアジのこのサイズの幼魚の写真を収めることができた。ところがこの写真、特徴があまり現れてなく、何だかパッとしない。せめて白バックで撮っておけばよかったかな。
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運が悪い マダラトビエイ

2008年11月06日 | 定置網

 今日、定置網を起こしていると、とても小さなマダラトビエイが泳いでいるのに気付く。水族館用に最適なサイズなので、タモ網を構え、掬い上げ、船の中に泳がせて帰港する。この個体は今まで捕れたマダラトビエイの中では最も小さく、体盤長で30センチ程であろうか。ところがよく考えたらマダラトビエイは魚ボラの標本用にまだ確保していなかった。いつも捕れるのは大きな個体ばかりで、冷凍保存するのにとても大変そうなのでまだ確保していない。とっさに水族館用にと掬ったのだが、今マダラトビエイの注文が水族館から来ている訳ではない。という事でマダラトビエイの標本を確保する絶好のチャンスと思い、港に着いたら標本用に確保しようと考えていた。ところが・・・。今、ここの海域で藻を食する魚の調査?に長崎大が来ている。今日はうちの定置網にただの見学という事でそこの先生と学生が船に乗っていた。そして、その先生というのがエイの研究者だそうで、そのマダラトビエイを欲しいと言ってきた。すると、うちの社長からマダラトビエイをその先生に渡すように指示されてしまう。自分も欲しかったが社長に言われれば仕方がない。今回は標本確保を諦め、長崎大に引き渡す。その先生にエイの使用目的を聞くとやはり標本用との事。こちらもまだ確保していないのに、たまたま船に乗ってきた人に横取りされてしまった感じがする。今回は仕方なく諦めるが、果たして今後このような小さな個体が捕れるのだろうか?
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ちょっと変わった採集 ミジンベニハゼ・イレズミミジンベニハゼ

2008年11月05日 | 定置網

今日は定置網の網替え作業の日。定置網の運動場という個所の網を替えるのだが、この網替え作業で魚の採集ができる。というより、この作業時でないと採集できない魚がいる( ブログ、2008 3.15)。ミジンベニハゼとイレズミミジンベニハゼである。今回も網替え作業前からこっそりと採集準備をして挑む。網替えは大変な作業であるが、この魚達が採集できるのであれば気分的にも大変さが半減される。網が船のデッキ上に揚がってくると、その下に早くもミジンベニハゼ・イレズミミジンベニハゼの両方を見つけ、魚ボラの標本用に生きた状態で確保。幸先いいなと思うのだがどこかいつもと感じが違う。よく見ると揚がってくる網があまり汚れていない。普段は網の中・下層までフジツボが着いているのだが、今回は水面近くにしか着いていない。結局、その2個体採集できたのみでその後はまったく捕れなかった。恐らく水中ではフジツボの死んだ殻の中でこのハゼ達が生活していると思われ、今回は網の汚れが少なかった為、採集できた個体数が少なかったと思われる。網がかなり汚れるまでそのままにしておけば網替え時に採集できる個体数が増えると思われるが、網を汚せば魚の入りも減り、その後の作業も困難になるので、やはりなるべく早い時期に網替えを行ないたい。この運動場という網は年に2~3回しか網替えをしないので、今度採集できるのは来年と思われる。

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ついに

2008年11月04日 | 魚ボラ

 鹿児島大学総合研究博物館では講演会や学習会などを行なっている。だが今までに一度も参加した事がない。忙しくて参加できなかった場合が多いのだが、参加する予定であっても車が故障したり(ブログ、2007 6.28)、急に仕事が入ったり(ブログ、2007 7.28)と参加できない事がジンクスとなっていた。そして数日前に魚ボラの先生から博物館ボランティアを対象とした学習会を行なうとメールが来た。予定が入っていたのだが断り、学習会への参加を決める。だが、ジンクスがあるので先生に返事もせず、誰にも参加する事を伝えずに大学へと向かう。ところが行く途中に先生から電話が来てしまったので参加する事を伝えた。それからは車が故障しないか、事故を起こさないか、ネズミ捕りに引っ掛からないかなど、いろいろな事が頭を過ぎり、心配しながら物凄い安全運転で大学へと向かった。そしてようやく学習会に参加する事ができた。今回の学習会は高知大のKさんの「ベラギンポ科魚類の分類および系統学的研究」と、我が魚ボラの海外留学帰りの学生の「ボルネオ島での魚類採集・滞在記」という内容であった。どちらも興味のある内容で、あっという間に時間が過ぎてしまった。また、今回は一度お会いしたかった高知大のEさんとも初対面。学習会の後、みんなで食事?に行き、話しをする事ができた。こちらもあっという間に時間が過ぎてしまい、今回顕微鏡などを使って同定しようと持ち込んだブダイの仲間も魚ボラの学生に預け、帰宅する。
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初入網 タイワンダイ

2008年11月01日 | 定置網

 ブログを初めて今日で3年目に入る。2年も続けるとブログネタを探すのに苦労しそうで先が思いやられるのだが、そんな事を思わせないように、今日は定置網でタイワンダイが獲れる。タイワンダイは今までに市場で見かけた事はあるが、うちの定置網で獲れたのは初めてである。3年目にタイが初入網とはおめでタイ。タイワンダイは市場でも2~3年に1個体見るかどうかという程ここでは珍しい魚なので、今度水揚げされているのを見つけたら魚ボラの標本用に確保しようと考えていた。それがうちの定置網で獲れるとは思ってもいなかったのでちょっとビックリ。タイワンダイの写真は5年以上も前に市場に水揚げされている個体を簡単に撮ったものしかなく、写真も撮りたかった魚である。という事で迷わず確保する。迷わずとは言うものの、この個体は1キロ程ある。標本用なのでもっと小さな個体で良かったのだが、それを待っていれば何年掛かるか分からない。標本用の魚を冷凍するには海水に浸けて冷凍するので、魚が大きいとちょっと大変なのだが、魚ボラの日まではまだ日があるので冷凍保存する。
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