お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

鹿児島県産のメバルを求めて

2021年01月30日 | 採集
 今日は土曜日で夜間採集の日。今回はいつものではなく、以前から計画していた鹿児島県産のメバル採集計画を実行する。メバルはアカメバル・クロメバル・シロメバルと3種に分かれ、その分布域の南限は鹿児島県の北西部がギリギリ掛かっているだけで、鹿児島ではその一部の地域のみにしか生息していない。メバルだけでなく、アナハゼ・クジメ・マコガレイ他なども北西部にしか生息しておらず、ここに一つの魚類生息域の境界線が存在している。この鹿児島県北西部では昨年、魚類研究室で高尾野川河口の調査(ブログ2020 5.31)を行っており、その時は鹿児島県では稀な普通のヒイラギが沢山採集された。だが、期間が短かったのと河口域限定だった為、魚種も限られたものであった。昨年の夏にこの北西部へ所用で来た時に、物産館に寄るとメバルが調理済みの状態で沢山並べられているのを見た。メバルなら釣りで採集できるだろうと思い調べると、時期は冬から春先であり、この時期を待っていたのである。県内ではあるが家から車で2時間掛かる。今までに観光で何度か訪れた事があるだけで土地勘は全く無い。釣りのポイントもわからず、Googleマップでいそうな場所を特定し向かう。実はメバル釣り自体、子供の頃に父に連れられ何度か船釣りをしたことがある位で、陸からは初めてである。家から遠いうえ、リサーチ不足など非常にリスクの高い採集ではあるが、一度行ってみたい気がそれを上回り決行する。小さな港に到着するも既に22時。もっと早い時間の方が良かったと後悔。暗いので水深や底質、船の係留ロープがどう入っているかなどわからない事ばかり。早速カサゴを釣る感覚でいいだろうと竿を振る。すると一投目から魚がヒット。思った通りカサゴである。やはりここまで来てもカサゴかとちょっと落ち込む。するとまた数投目にヒット。またカサゴかと思うも、何とお目当てのメバルである。これで取り敢えずここまで来た甲斐があったと胸を撫で下ろす。その後ももう1個体釣れ、更に場所を深場に変え、サイズアップを狙う。だが、カサゴはサイズアップしたものの、メバルはその後はヒット無し。帰りの事も考えそこで終了。メバルは2個体釣れ、並べてみると体色が若干違う感じがして2種の可能性大。朝帰りとなるが気になるので眠い目を擦り早速同定する。胸鰭軟条数からどちらもクロメバルとなる。1種だったのでちょっと残念であったが、ボウズを免れただけでも上出来であった。近年環境の変化等で北海道で今までいなかったブリが豊漁だったりと魚の北上化が進んでいる。メバルの南限が北上してしまうとギリギリの鹿児島からはいなくなる可能性も考えられなくはないので、それまでに全種を標本用に確保し、生息していた証を残しておきたい。





クロメバルをゲット




カサゴ



ムツまで釣れる



今回の釣果



体色が若干違う2個体のメバル



2個体ともクロメバルである
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今週もアカイサキ稚魚

2021年01月23日 | 採集
 今日は土曜日なのでいつもの様に夜間採集の日である。だが、雨が降っており行くかどうか迷っていると雨も上がる。レーダーもチェックし大丈夫そうなので夜間採集決行。港に着くと今週も透明度がよく、プランクトンがたくさん集まっている。先週はアカイサキの稚魚を初めて採集したので、今回も新しい稚魚がいないかと期待する。するとまた同じ様に小さな稚魚を発見し採集。やはり小さ過ぎて現場ではわからない。魚種は持ち帰ってからのお楽しみである。最近稚魚採集で気になっている外海の港がある。だが、アオリイカの好ポイントであり、特に土曜日の夜はいつも堤防にはイカ釣りの人がいる。だが、今日は先程まで雨が降っていたので堤防には釣り人はいないのではと思い、行ってみる。港に着くと取り人の車はなく、釣り人もいない。と言う事で採集を始める。ここでも水面に光を当てているとプランクトンが沢山集まり、いい感じである。するとホウボウ系の稚魚が流れて来て確保する。最初の港で見つけた稚魚を写真で撮り魚種を確認。すると先週の夜間採集でも採集した同じアカイサキの稚魚である。アカイサキの稚魚である事は稚魚の専門の方から教えて頂いた。今まで採集した事がないアカイサキの稚魚が2週続けて獲れるとはちょっと驚き。前回は撮影後に死んでしまい成長過程をみることが出来なかったが、今回はまだ生きている。アカイサキ、カナガシラ属稚魚を飼育して成長過程を見てみたい。
*このアカイサキ稚魚は背鰭軟条数が14本と少なく誤同定で、イズハナダイ属の1種と教えて頂きました。
 ありがとうございました。




アカイサキ稚魚(誤同定でイズハナダイ属の1種)




カナガシラ属稚魚
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新たな稚魚

2021年01月16日 | 採集
 今日の港での夜間採集で採集したわからない稚魚。今までに採集したり見たことのない稚魚である。見た感じ鰭や黒色素胞など特徴が現れているが、私の知識では同定するのは不可能な状況。前回のフサカサゴ科稚魚の様にもう少し飼育して成長過程を見ないとわからない感じであるが、水槽で撮影した後、死んでしまう。死んでしまったので体色が変わらないうちに標本写真を撮影。だが、稚魚と言う事で魚体が小さく、展鰭は出来ずにそのまま撮影。この日採集した魚を水槽で撮影後に新たにこの個体の標本撮影となり、その後、稚魚図鑑なども確認していたら時間が掛かってしまい、気付けば平日ならもう起きる時間となってしまう。仕事が休みの日曜日で良かったが、これで休みの半日は寝て過ごす事になってしまう。
*後日FBでアカイサキの稚魚であると教えて頂きました。ありがとうございました。







魚種不明な稚魚(アカイサキ稚魚)


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水面でミミズハゼ

2021年01月16日 | 採集
 今日も土曜日と言う事で夜間採集の日である。いつもの様に港へ向かう。港に着くといい感じにプランクトンが集まっている。この状況ではやはり稚魚を探すのが妥当と考え、一ヵ所に陣取りプランクトンに集まってくる稚魚を探す。懐中電灯の光を水面に当てているとプランクトンが更に増えてくる。そこにくねくねと細長い魚が流れてくる。掬い採るが何だかわからない。確保しバケツに入れる。するとバケツの壁にへばり付く。吸盤があるような動きなのでハゼの仲間だろうと思うが、この細長さからするとミミズハゼの稚魚だろうか。家に持ち帰り水槽に入れて撮影。その写真を拡大するとやはりミミズハゼの稚魚のようである。ミミズハゼと言えば転石下や礫床間隙中に生息しており、この港の端にある浜の転石でミミズハゼを採集したこともあるので居ても不思議ではない。だが、水面を泳ぐイメージは無く、まだ稚魚な為プランクトン食で浮遊して来たのだろうか。だが、動きを見ていると吸盤を使っており浮遊期と言うよりは既に着底している感じである。今の時点で標本写真を撮りたい気もするが、もう少し飼育して様子を見てみる事にする。今日はその他いつもの様にサイウオの仲間やイイジマダルマガレイ属の稚魚、わからない稚魚なども採集。更には数年振りにアユの稚魚の姿も確認できホッとする。



ミミズハゼ稚魚(後日、魚ボラでミミズハゼ属の一種4と同定されました。)





サイウオの仲間



カサゴ稚魚





イイジマダルマガレイ属稚魚



アユ稚魚
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残念ここまでか マダラフサカサゴ稚魚

2021年01月09日 | 日記
 全国的に大寒波が訪れ、昨日はここ南国鹿児島でも珍しく雪が降り、薄っすらと積もる。そして昨晩から本格的な雪が降り、今朝起きると一面銀世界が広がる。外に出て近所の雪景色の写真を撮るが非常に冷え込み、素手ではシャッターを切るのが痛い位である。ここまで寒いと気掛かりな事がある。成長過程を見る為に飼育中のマダラフサカサゴの稚魚である。水槽を構えて本格的に飼育している訳では無く、バケツの中で飼育中。当然ヒーターも使っておらず、部屋の室温で海水温も変化する。これでも数日前に朝の寒さが気になり、これまでは小さな容器で飼育していたが、出来るだけ水量が多い方が海水温の変化が少ないと思い、バケツに移したばかりである。だが、今朝の冷え込みは酷く、写真を撮り終え、家に帰って真っ先にバケツの中を確認する。すると、マダラフサカサゴの稚魚は斃死している。やはりこの冷え込みに耐えられなかったのだろう。残念ではあるが幸い海水温が低い為か、取り上げると稚魚であるがまだ痛んではなく綺麗な状態である。それならばと標本写真を撮る。生態写真は一昨日撮り、2週間の成長過程を見ることが出来た。魚種名は元旦にFacebookにアップすると、稚魚の専門家の方から教えて頂いた。海水温の低下とは残念な結果になってしまったが、成長の変化を見る事が出来て満足である。



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初漁でウミテング

2021年01月04日 | 定置網
 今日は令和3年の定置網漁の初漁。期待して氷をたくさん積み、漁場へと向かう。網を起こしていると網が大きく破断している。年末に鹿児島は大寒波に見舞われ、台風並みの強風が吹いたので網の心配もしていた。結局魚は殆ど残っておらずタチウオとアオリイカが少々だけ。そのような状況の中、デッキ上にウミテングが転がっているのを発見。大きな胸鰭が広がっていたので運良く見つけることが出来た。胸鰭が広がっていなければ見つける事が出来なかったと思う。ウミテングはここでは珍しいうえ、定置網ではいたとしても他の魚と混ざってしまえば見つける事が難しい。網は破断していたがウミテングを見つける事が出来、少しは報われる。幸い網の破断も魚を獲る事は出来なかったものの、沖で修復することが出来、事なきを得る。ウミテングを持ち帰り、こちらも初撮影。撮影後は魚ボラの標本用に冷凍保存する。

令和3年初出港



ウミテング



最近多いマツカサウオ幼魚



令和3年初撮影



ウミテング



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フサカサゴ科稚魚の成長過程

2021年01月01日 | 日記
 明けましておめでとうございます。コロナ禍な状況ですが今年もお付き合いの程、宜しくお願い致します。
昨年末は鹿児島も大寒波に見舞われ、ブログの最後に予定していた夜間採集も行けず、ブログを締め括るネタも無く年越しとなってしまう。そのような状況の中、昨年末に夜間採集で得たフサカサゴ科の稚魚であるが、あれからもバケツに移し飼育し成長過程を見ている。あれから一週間が経ち、少し様子が変わって来た。透明だった体は少し濁り、体色が現れてきた感じである。また、よく水面に浮いて泳いでいたが、寒いからかもしれないが殆ど底でジッとしており、水面まで上がって来る事がなくなり、着底したように思える。採集当時は胸鰭の模様や体型からサツマカサゴを疑っていたが、最近の様子では顔つきや全体の感じから自分としてはネッタイフサカサゴを疑うようになる。ネッタイフサカサゴはサツマカサゴ程見ることは無いが、今までにここの海域で2個体採集している。だが、今後もまだ変化するかもしれないので、今後も成長過程を観察し、面白い報告が出来ればと思う次第である。
*後日、FBでマダラフサカサゴの稚魚と教えて頂きました。ありがとうございます。


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