お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

テンス

2009年09月29日 | 市場

 今日は定置網の水揚げ後、市場内を散策していると見慣れない魚が目に付く。テンスである。市場にテンスが水揚げされているのは初めて見る。また、うちの定置網でも獲れた事がない。ただ、10年以上前になるが、漁師さんが釣りで得たテンスを水族館に搬出したことがあり、生息しているのは確認済みであった。もちろんここで獲れたテンスの標本は無く、安いと思われる魚なので漁協職員に頼んで迷わず購入。ロカリティーを調べる為、水揚げ伝票を調べる。ここの市場では見慣れない魚には雑魚とか○○モドキなどという名が付けられるので、この個体が水揚げ伝票を見て見つかるか心配であった。雑魚、もしくは歯が出ていてイヌノハ(イラのここでの呼び名)に似ているという事でイヌノハモドキという名で水揚げされているだろうと思いながら伝票を調べると、何と標準和名のテンスで伝票に付けられていて驚く。漁協職員が偶々知っていたのか、それとも以前にも水揚げ記録があったのか定かではない。見ると隣の漁協所属の定置網での漁獲物であった。魚ボラの標本用に冷凍保存する。
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シノノメサカタザメ

2009年09月26日 | 定置網

 今日は水揚げ中に漁協の定置網でシノノメサカタザメが獲れたと聞く。見に行くと船の活け間に全長で1.5メートル程のシノノメサカタザメが泳いでいる。今回の個体はもちろん水族館用。うちの定置網でもかなり前から水族館用に注文を受けているが、今までに獲れた事がない。漁協の定置網でも今回が初入網との事。シノノメサカタザメは最大で2.5~3メートル程に成長するそうなので、今回の個体は水族館用としては運ぶにも飼育展示用としても、とても手頃というか最適なサイズである。今日は地元かごしま水族館の職員が偶然にも漁協定置網に乗り合わせていたのだが、以前から注文を受けていた県外の水族館へ搬出されるようである。地元の水族館で泳いでいるのを見たい気もするが、ここで獲れた魚が県外の水族館で泳いでいるというのも悪くはないかな。でも一番いいのは標本として確保できれば・・・。
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初入網 ヒメタマガシラ幼魚

2009年09月25日 | 定置網

 今日は定置網の選別作業中、見たことのない魚を見つける。見たことがないのでもちろん初入網である。種名は分からないが顔つきからキツネウオやヨコシマタマガシラ属の魚だろうと思う。この辺の魚は種が多いので図鑑で調べれば直ぐに種名が判明するものと思っていた。ところが生態図鑑を見ても似たような写真が載っていない。そこで検索図鑑を使うがまったく体形の違う種になってしまう。ネットで調べてようやく似たような画像を見つける。ヒメタマガシラの幼魚である。実は検索図鑑でもヒメタマガシラになった。ところがそこに記載されている魚の図の体形が違っていたのでパスしていた。ヒメタマガシラは幼魚の時にはこのような細い体形で、成魚では体高が高く卵形?となるようである。だがネット上の画像は同定に間違いが多い。さらにネット上ではダイバーが撮影した生態写真が多く、生時と標本写真とでは体色もかなり異なる事がある。今回はまったく自信がないので魚ボラに持ち込み、同定はいつものようにお任せとなるだろう。


魚ボラでヒメタマガシラScolopsis affinis(Peters,1877) と同定されました


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センニンフグ

2009年09月24日 | 定置網

 今日は水揚げ後、他の定置網の水揚げを見に行くと、捨てられる魚の中からセンニンフグを見つける。センニンフグは珍しくはないが成魚は非常に大きく、標本の確保や撮影が大変である。そんな状況の中、今日見つけた個体は体長が20センチ程の小さな個体。それでいて成魚とまったく同じ模様をしている。今までの成魚の撮影は鰭は立てるものの、そのままの状態で自然光やライトを当てて撮っていたが、部分的に光が反射してしまい納得できる写真が撮れないでいた。このサイズなら水槽に入るので光の反射を防ぐ撮影ができそうなので、確保して持ち帰り撮影する。今まで撮影したセンニンフグの写真の中に今回の個体よりほんの数センチだけ小さい個体の写真がある。しかし、以前にブログで紹介したセンニンフグの若魚(ブログ 2009 1.26)と同じ模様をしている。個体差もあるだろうが少しの成長でこの若魚の模様から成魚の模様に一気に移り変わるとも思えない。また、その中間も見たことがない。そのあたりを調べてみなければ。
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アカササノハベラだけど・・・

2009年09月19日 | 日記

 今日の仕事の休憩中、知り合いの漁師さんから綺麗な魚が釣れたとアカササノハベラを頂いた。アカササノハベラは港の中にもたくさんいて普通種である。ところがこの頂いた標本は普段目にするアカササノハベラとはどこか違う。特徴でもある頭部の縦線が暗色ではなく黄色く鮮やかである。さらに体側背部の暗色斑も黄色っぽい。それで見た目が普通のアカササノハベラよりも鮮やかで綺麗である。実は以前にもこの漁師さんから同じ場所で釣ったまったく同じような体色のアカササノハベラを頂いており、既に標本登録済みである。前回は色彩異常も考えたが同じ漁師さんが同じ場所で釣ったとなれば違うと思われる。共に水深40~45mと深い所で釣られたそうなので、深い所に生息している個体はこのような色彩になるのだろうか。確かに他種でも生息している水深によって深い程赤みが増す傾向がある。この個体もその類だろうか。
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セダカ?ダイミョウサギ

2009年09月14日 | 定置網

最近は定置網でクロサギがよく獲れている。今日はたくさん獲れるクロサギの中に黄色い腹鰭が目立つ個体が少し混ざっているのを確認する。取り上げ背鰭棘を数えると10棘である。セダカダイミョウサギであろうか。昨年、初めてうちの定置網で確認(ブログ 2008 11.27)し、魚ボラに持ち込むとセダカダイミョウサギと同定された。自分ではダイミョウサギと思っていたが、鹿児島には分布しないという事でセダカダイミョウサギとなった。昨年の個体は体長が10センチに満たない小さな個体であったが、今回は13センチ程ある。昨年の個体は成長するに従い体高が高くなり、ずんぐりした体形になるのかと思っていたが、今回の個体を見るとそうでもない。普通のクロサギは背鰭が9棘であるが、検索図鑑には稀に10棘となっている。となると普通のクロサギなのだろうか。だがクロサギとこの個体を並べて見比べると検索図鑑のように尾鰭の切れ込みの感じが違うし、体高も何となく違う。まだこの先も獲れそうなので標本を集めて調べてもらわねば。
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採集 クロホシフエダイ幼魚

2009年09月13日 | 採集

以前に息子が捕まえてきて水槽で飼育していたナマズ(ブログ 2009 5.19)が死んでしまった。水槽が空になってしまったので近くの川に息子と遊びがてら採集に行く。オイカワやヨシノボリなどが採集できるいつもの場所へ向かう。最近は雨が降らず川の水量が極端に減っている。いつもの場所に着くと案の定、水量が少なく川は流れておらず水溜りになっている。しかもその水溜りに魚影はない。川は駄目なので別な川の河口へと向かう。ここはトビハゼが生息する場所なので、試しに息子に採集させてみる。だがそう簡単には採集できず、全て逃げられてしまう。結局、川底に沈んでいる空き缶などのゴミの中にいるハゼ類を探すことにする。ゴミを掬い上げるとハゼではなく魚が出てくる。クロホシフエダイの幼魚である。いつもはハゼ類かエビ・カニ類しか捕れないのでちょっと意外であった。だが、河口ということでクロホシフエダイの幼魚は定番ではある。一応生かして持ち帰るが空いている水槽は淡水魚用である。クロホシフエダイとなると幼魚ではあるがやはり海水の水槽での飼育となる。海水魚水槽は空いていないのでこの個体は標本用にする。またいつの日か淡水魚を採集に行かなければならなくなった。
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ヒゲソリダイ

2009年09月05日 | 定置網

今日は水揚げ後、市場内を散策していると体長20センチ程の小さなコショウダイが水揚げされていた。こんな小さな個体を仲買が買うのかなと思いよく見るとコショウダイでないことが分かる。魚ボラの標本用に探していたヒゲソリダイの若魚である。体色がちょっと黒ずんでいて遠くからは見分けられなかった。ヒゲソリダイはうちの定置網でも何度かしか獲れた事がなく、また、市場でもそう滅多に水揚げされることがない。しかも今まで獲れた個体は全て2キロ以上はある大きな個体ばかりであった。それが今回水揚げされていたこの個体は、仲買も手を出さないのではというくらい商品価値がないような小さなサイズ。まさに標本用に見つけてくれと言わんばかりの状況である。もちろん何の迷いもなく漁協職員に話をして購入し確保する。ところが迷いもなく確保はしたものの、小さい個体とは言えこのサイズを現在冷凍保存する場所がない。どうにかして冷蔵庫に押し込まなければ・・・。
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見慣れた種の初入網 アオサハギ

2009年09月02日 | 定置網

今日は定置網を起こしていると網の隅っこに小さくて丸いハギ類が網に寄り添って漂っている。これはと思い掬い上げる。見るとやはりアオサハギの幼魚である。アオサハギは初入網である。また、他の定置網でも獲れた事がなく、素潜り採集時にも見たことがない。だが、アオサハギは自分にとっては馴染みの魚である。東京に住んでいた頃は普通に見られた種であり、どこにでも居そうなイメージを持っている。だが、鹿児島では一度も見る機会がなかった。調べてみると分布域が神奈川県~長崎県までの太平洋側となっている。ここ鹿児島は分布域には入っていないようであり、遭遇しなかったことが納得できる。となれば、この個体は長崎から流れてきたものだろうか。とりあえずは魚ボラの標本用に確保し、冷凍保存する。今度、魚ボラに参加した時にアオサハギの県内産の標本があるかどうか調べてみようと思う。

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予想外のハゼ

2009年09月02日 | 定置網

 今日は水揚げ後、網替作業を行なう。今回替える網はいつもイレズミミジンベニハゼやミジンベニハゼが捕れる運動場という網である(ブログ 2008 11.5)。今回も採集準備万端で網替に挑む。ミジンベニハゼ類はとても小さいが黄色やオレンジ色と目立つ体色なので直ぐに目に付く。直ぐにオレンジ色の魚が揚がって来たかと思うとオオモンハタの幼魚であった。その後もアオハタの幼魚や未同定のハタ類の幼魚ばかり見つかる。オオモンハタの幼魚は毎回見つかるが、その他のハタ類の幼魚は今までに捕れた事がなく、ちょっとした収穫である。そんな中、やっとハゼ類が挙がってきたかと思ったら、普通種のアゴハゼかなっていう感じ。ところが取り上げると胸鰭が大きく様子が違く、見たことのないハゼである。もちろん魚ボラの標本用に確保する。結局、目的のハゼは捕れなかったものの未採集のハゼやハタ類が捕れたので良しとする。持ち帰り調べるが、ハゼ類は検索図鑑での同定は自分には無理なので、仕方なく買った図鑑「日本のハゼ」で似た種を探す。似ているかなと自分で思う種がオキナワハゼである。分布域に鹿児島も入っている。だが、そこはハゼ。やはり魚ボラでしっかりと同定して貰わねばならないだろう。
*後日、魚ボラでオキナワハゼと同定されました。
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