お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

黒いイサキ

2008年03月29日 | 日記

 最近は不漁続きなうえ息子の学校のPTAが忙しく、魚から遠ざかってしまっていた。今日は家族で地元のスーパーへ行く。スーパーへ行くと必ず鮮魚コーナーを覗いている。いつものように覗きに行くとイサキという札が先に目に付いた。だが、魚を見て「これイサキ?」というのが第一印象。体色は一様に黒く、腹部までもが黒い。顔もどこか違うように感じた。背鰭を広げて見ようとしたが、厨房からこちらを覗いているのでできない。産地も鹿児島港となっている。イサキという札を見なかったら分かっただろうか?何に似ていると聞かれればイサキと即答できるのだが。このイサキ、既に店頭に並べられ時間が経っているようで全体的に表面が乾いている。また、活物と札が立っているものの鮮度的にもどうなのだろうか?また、この時は同じようなイサキが2尾並んでいた。やはり、いろいろな要因が重なってイサキがこのように見えるのだろうか?とりあえず携帯で写真を撮る。以前に店頭で見た分からない魚を写真に撮り、後で新種ではという事があった(ブログ、2007 4.16)。その時のようなパターンにならなければ良いのだが。家に帰り写真で調べてみる。検索図鑑では眼の下縁は吻端より下方となっている。この個体は吻端よりも上方のようにも見える。だが写真とイサキを並べて比べればやっぱりイサキかなぁ。
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スミツキザメ

2008年03月17日 | 市場

 今日はこの近辺の定置網ではスミツキザメが大漁で市場はサメだらけとなる。うちの定置網でもサメばかりでほかの魚が殆どいなく、オキヒイラギが群れで一塊獲れただけである。定置網の中は想像では、狭い生簀でたくさんのサメを飼っているような状況で、単独の魚は全て食べられてしまい、オキヒイラギのみ塊となって餌となるのを凌いだのではないだろうか。メジロザメ属の仲間は種の同定が難しく、中にはレントゲンで脊椎骨を見ないと分からない種もいるらしいのだが、このスミツキザメは第二背鰭の先端のみが黒く、吻が短いので少しかわいい顔つきをしているので比較的分かりやすい。水族館からメジロザメの仲間の注文を受ける時にスミツキザメを除いてとよく言われる。大型のサメが泳ぐ姿は迫力があり水族館では人気がある。だがこのスミツキザメは小型種で成長しても1メートル程にしかならなく、水族館側からは遠慮されてしまう。かわいい顔つきではあるが小型種でもたくさん泳がせれば迫力あると思うのだけど、どうだろうか?
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今回は見つけた!

2008年03月15日 | 定置網

今日は定置網の網替作業をする。運動場という箇所を替えたのだが、探している魚の採集チャンスと始める前から企んでいた。昨年も私のブログ内で記載(ブログ 2007.2.7)したのだが、この網を替える時にだけしか採集できない魚がいる。ミジンベニハゼとミジンベニハゼの体色をオレンジ色にして頬に筋模様があるハゼである。ミジンベニハゼはこの網替え時に必ず確認できるのだが、オレンジ色のハゼはなかなか見つからずここ数年確認していなかった。ハゼの仲間はまだ未記載種が多く、この個体もまだ標本を手にとって同定していないので魚ボラの標本用に確保し種を確定したかった。そして今回久しぶりに見つけることができた。しかも網に潰されることなく綺麗な状態で確保でき、さらに生かした状態で持ち帰ることができた。ブログ用に写真を撮り調べるがうちにはハゼ類の図鑑がない。写真からネットで調べてみるとイレズミミジンベニハゼという種が似ているかなと思うのだがどうだろう?ミジンベニハゼは皮膚が弱く冷凍に耐えられないような感じであり、このハゼも恐らく同じと思われるので、このまま魚ボラの日まで生かしておいて持ち込むのが理想である。だが今月は予定が詰っていて魚ボラに参加できそうにない。このまま長い間家の水槽で生かしておくのも自信がない。死なないうちに冷凍保存するか生かしておくか悩むところである。
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ヒメタカサゴ

2008年03月14日 | 定置網

 今日は定置網でタカサゴの幼魚と思われる個体を見つけ取り上げる。見ると尾鰭の両葉の先端が黒くない。そういえば体も細い。ひょっとしてと思い持ち帰る。同定するとヒメタカサゴであった。ヒメタカサゴは初入網ではないのだが今まで気付いていなかった。魚ボラの登録標本の中にヒメタカサゴがあるのだが採集者が自分となっていた。恐らく自分ではタカサゴかニセタカサゴの幼魚と思って持ち込んだものと思われる。当然自分では写真に収めていなく自分用の写真を撮る為探していた。この手の魚はたくさん捕れるので魚を知ればすぐに見つかると思っていたのだが、それからは確認できないでいた。鰭立てして写真を撮る。その後撮影機材を片付け、撮った写真をパソコンで確認する。するとヒメタカサゴの背鰭は1基なのだが2基に見える。展鰭した時にこれまた気付かなく背鰭棘の後方の数棘を立てていなかった。すでにホルマリンで固定してしまっているので無理かなと思うが、再度展鰭しまた撮影の準備をする。2棘くらいは立ったが最後の棘が立たなく、再び撮影するものの結局は背鰭が2基に見えてしまう写真となってしまった。再度挑戦ということで諦める。展鰭に失敗した個体ではあるが一応魚ボラ用の標本用に冷凍保存する。だが魚ボラのメンバーに文句を言われそうである。
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捕れてしまった

2008年03月12日 | 市場

 最近は水温が非常に低く、定置網でも魚種が少なく面白くない。だが普段と違う水温であれば、普段と違う魚種が捕れないものかと期待もする。今日は水揚げ後市場内を覗くとサバヒーが1個体水揚げされていた。サバヒーは市場で見るのは初めてである。だが5年程前、鹿児島県でサバヒーをカツオの一本釣りの時に使うカタクチイワシの代替や釣り用の活餌として使用できないかと水産試験場が試験を行なった。うちの漁協にもサバヒーの幼魚が持ち込まれ、生簀で蓄養し試験的に活餌として使われた。ところがサバヒーはジャンプ力があり、生簀から飛び跳ね逃げ出した。そして近くの定置網で捕獲されたことがある。うちの定置網でも捕れて、一応写真には収めていた。また、台湾やフィリピンでは養殖が盛んに行なわれていて、大衆魚となっている。かごしま水族館にもその頃搬入しているのだが、今では大きく成長し、鹿児島の海を紹介している大水槽に何だか違和感を与えている感じがする。今回捕れた個体は天然ものなのか養殖されたものなのかは分からない。標本として確保すべきかどうかもそんな事で迷い、この後忙しいのとこの個体が大きいすぎる事で標本用に確保することを諦める。なんだか今後増えてきそうで恐ろしい感じがする。
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今年初の夜間採集

2008年03月08日 | 採集

 今年はまだ夜間採集をしていない。夜間採集は港の外灯に集まる魚や岸壁で寝ている?魚などを探して行なっている。少しの風でも海面が波立ち海中を覗くことができなく、北寄りの風が吹く今の時期は寒さも加わり見送ってきた。今日は久しぶりに寒さも揺るぎ、無風となったので今年初の夜間採集を実行する。昨年は3月に1日だけ(ブログ、2007.3.17)いろいろな種が採集できた日があった。その日を逃さない為にも夜間採集に行かなければと思っていた。現場に着くと干潮時で浅い港内は干上がり、半分以上を歩くことができる。普段は港の岸壁を探すのだが、今日は普段探せない干上がった港内を散策する。砂地の為ハゼ類が多く確認でき数種採集(未同定)する。そのほか、シロギスや苦手なネズッポ科魚類などを採集。そんな中、クジメの幼魚を採集する。クジメは日本各地に生息し個体数も多く普通種である。だがクジメをはじめ、アイナメ科魚類はここでは稀種となり、有名なアイナメなど見たこともない。クジメは今までに定置網で2~3個体くらいしか捕れてなく、幼魚は今回が初採集である。普通種ではあるがここでは稀種のクジメを採集でき今回は収穫あり。
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苦手なネズッポ科魚類

2008年03月06日 | 定置網

 今日は定置網での水揚げ作業中にネズッポ科の魚を見つける。ネズッポ科の仲間はたまに見かけるのだが、ここの定置網で捕れる個体はどれもサイズが小さい。ネズッポ科魚類を同定するには前鰓蓋骨棘を調べるの事が重要となる。個体が小さいので顕微鏡を持たない我が家での同定は当然困難となる。という事で昔からネズッポ科魚類の同定は苦手であり、魚を見ただけで同定を諦めてきた。今回捕れたこの個体はいつも捕れる種とは見た目で違った。雌雄の違いかもしれないと思ったが前鰓蓋骨が長く大きい。これだったら同定できるかなと思い持ち帰る。検索図鑑で調べると前鰓蓋骨が槍状で長いのはヤリヌメリとヨメゴチのみであった。そして同定結果はヨメゴチとなった。だが自信はない。展鰭し写真撮影するが体形が縦扁なので側面からの撮影は困難で、益々苦手意識が強くなる。ネズッポ科魚類で初記録種や未記載種を手にしたとしても恐らく自分では気付かないだろうと思う。
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