お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

カンムリブダイ

2009年12月29日 | 市場



今日は帰港し水揚げを始めようとすると、市場内の遠い所にもかかわらず大きな魚が横たわっているのが見える。見に行くと大きなブダイの仲間である。私の良く知る人の小型定置網で獲れたそうだ。それにしても馬鹿でかい。全長は1メートル以上はある。それに体高もある。特徴として頭部に大きなコブが発達している。このコブの為と思うが仲買人は誰もがナポレオン(メガネモチノウオ)だと言っている。メガネモチノウオでないことは直ぐにわかったが、ブダイの種類をよく知らない。大き過ぎるので写真にだけ収める。ところが入札が終わると値が付かず結局は売れ残ってしまう。この個体を獲った人に水族館かどこかでこの魚は要らないかと聞かれ、それだったら魚ボラの標本用にはどうかと考える。以前に標本はマンボウくらい大きな個体でも大丈夫と言われていたので、魚ボラの先生に一応写メを送る。すると先生から電話があり、カンムリブダイだと種名を聞かされる。さらに日本では珍しい種なので是非標本用に確保してくれと頼まれる。売れ残ったということで格安で譲ってもらう。大き過ぎて漁協には置いておけないので魚ボラの学生が受け取りに来て、大学へ持ち帰り標本登録してもらう。家に帰り調べると分布域は八重山諸島以南となっている。さらにネットで調べるとダイバーが撮った写真がたくさん載っているが全て海外産。国内産の写真を見つける事ができなかった。やはり国内では非常に珍しい種のようである。今年も残すところあと僅か。今年を締めくくるにふさわしいブログネタではないだろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キンダイ?

2009年12月23日 | 市場

今日は水揚げ後、市場内をさっと散策。すると活魚水槽に見慣れない模様の魚が泳いでいる。これはイシダイとイシガキダイの交雑種ではないだろうか。人工交雑種で「キンダイ」と呼ばれる魚がいて、それによく似ている。キンダイとは近畿大学水産研究所がイシダイの雌とイシガキダイの雄の人工交配に成功した交雑種であり、放流もされたようである。養殖もされていてこの交雑種を近畿大学の近大を使って「キンダイ」と名付けられ、流通している。稀に天然交雑種も確認されているが、釣り人は天然交雑種も「キンダイ」と呼んでいるようである。今回水揚げされていたこの個体は小さく、まだ若魚と思われる。鹿児島でも放流されているとは思えないので天然交雑種ではないだろうか?天然交雑種まで「キンダイ」と呼ぶのはどうだろうか。魚ボラの標本用に確保したいところであるがこんな日に限って忙しく、この後直ぐに沖作業へ行かなければならない。船にデジカメを積んでいるのにそれを取りに行く時間もなく、携帯電話での撮影。家に帰りパソコンで画像を見るととても粗く残念。せめて綺麗な写真だけでも撮りたかった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マルイボダイ

2009年12月22日 | 定置網

今日は他の定置網の水揚げされずに捨てられる魚の中を探してみるとイボダイに似た魚が目に付く。形からマルイボダイのように思える。マルイボダイはうちの定置網でも稀だが十年近く前に数個体獲れた事があり、写真にも収めている。だがその個体には体側背面に斑紋があったと記憶している。ところがこの個体に斑紋は確認できない。どちらにしろ魚ボラの標本として確保したい魚であるので持ち帰り調べる。やはり、図鑑などで調べると形態からするとマルイボダイで間違えないように思うが、やはり斑紋が気になる。だがネットで調べると同じように斑紋の確認できない個体の写真がたくさん見つかる。展鰭写真をまだ撮っていないので撮影。先月も同じオオメメダイ科のミナミメダイを撮影したが、真水につけると体側が白くなってしまった。アジ類やカエルウオ類など海水魚の中で真水に入れると体側が白くなってしまう種がいる。ミナミメダイがそうだったので同じ科のマルイボダイもその可能性がある。水槽内に塩をかき混ぜ海水状態にしてから標本を入れる。体側が白くなることなく無事に撮影終了。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

普通種だけど クラカケトラギス

2009年12月21日 | 定置網

 今日はもう一種。定置網でちょっと小さいが、クラカケトラギスを見つける。クラカケトラギスは昔、まだ東京にいる頃シロギス釣りに行き、よく外道で釣れた魚であり、自分のイメージではまったくの普通種である。ところがここ鹿児島では珍しいのか久しぶりのご対面であった。最後に撮影した写真を見ると実に7年前である。それからはまったく獲れなく展鰭写真を撮っていなかったので探していた魚である。もちろん鰭立てし写真撮影。ところが今回は体が曲がってしまい、またしても失敗。最近の写真撮影は失敗ばかりである。前回獲れたのが7年前ということで、当然自分では魚ボラ用の標本に確保したことが無く、初めての確保となる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

チカメキントキ

2009年12月17日 | 定置網

今日は定置網を起こすとキントキダイの仲間が1個体浮き上がる。よく獲れるキントキダイ類では無いと直ぐにわかり、急いでタモ網を手にして掬い上げる。チカメキントキである。チカメキントキは決して珍しい魚ではなく、定置網でもたまに獲れる。だが、いつも獲れるのはサイズが大きいのだが、今回の個体は体長が15センチ程と小さいのである。このサイズは今までに獲れた事がなく、魚ボラの標本用に丁度良い。確保し持ち帰り写真を撮る。チカメキントキは腹鰭が非常に大きく、今までは展鰭してホルマリンで固定しても戻ってしまう場合が多かったが、今回は小さい個体の為か綺麗に広がってくれる。ところが喜ぶのも束の間、腹鰭が広がると魚体の高さが高くなり、今度は撮影用の水槽に入るかが微妙となるが、何とかギリギリセーフであった。何とか撮影も終え、あとはいつものように冷凍保存する。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヒトスジエソ

2009年12月11日 | 定置網

今年も残すところひと月となった。ところが海の中は夏に逆戻り。水温は未だに20度以上あり、ヒラアジ類の姿は無く、シイラが泳ぎ回っている。面白い魚は獲れず、ブログネタを探す毎日となっている。そんな中、今日は水揚げ中に選別をしていた従業員からいつもと違うエソを見つけたと持ってきてくれる。ヒトスジエソである。ヒトスジエソは素潜りで採集したことはあるが定置網では獲った覚えが無く、初入網となるので久しぶりのブログネタにと確保する。一応同定し、写真を撮る。素潜り採集で獲った個体と比較してみようと写真を探すと・・・。素潜り採集での写真もあったが、うちの定置網で獲れたヒトスジエソの写真も見つかる。ということは初入網ではない。となると初入網時にブログに載せなかったのかとブログ内を探すと、タイトルを「初入網」でしっかりと投稿(ブログ、2007 6.13)している。うちの定置網で採集・未採集魚種は自分では間違えなくよくわかっていると思っていた。最近はうちの定置網の漁獲魚種だけでなく、いろいろな漁師さんが標本収集に協力してくれている。頂いた・扱ったことがある魚種などが入り乱れて、ひょっとしたら初入網なのに自分で気付いていない魚種もあるかもしれない。今回は初入網では無い事がわかったが、ネタも無く黒バックの写真も撮っていなかったので投稿することにする。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする