お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

当たり年 ヒイラギ科

2022年12月26日 | 定置網
 今日は定置網漁でまたホソウケグチヒイラギを発見。ホソウケグチヒイラギはここでは非常に珍しく、先月もうちの定置網で1個体獲れ(ブログ2022 11.19)、それが今まで確認している4個体目となり魚ボラの標本用に確保している。今回は全部で2個体見つけ、1日で1個体以上見つかるのは初めてである。更に今月ここでは珍しいヒイラギを頂いたお隣の定置網の方からもまた同じくヒイラギを2個体頂く。先月は全国的にも珍しいイトヒキヒイラギも初確認初確保しており(ブログ2022 11.24)、今年はヒイラギ科の当たり年となる。だが、もう年末。来年もこの流れが続いてくれるように期待したい。
ホソウケグチヒイラギ

ヒイラギ
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クリスマスプレゼントを求めて

2022年12月24日 | 採集
 今日は土曜日でクリスマスイブ。夜間採集の日なのでプレゼントを見つけにいつもの港へと向かう。一昨日から海上は時化模様で3日間定置網漁に出漁出来ず仕事は休みであった。港に着くとまだ少し風は吹いているものの、何とか海中は見える感じ。早速魚を探す。水面に光を当てると足元から魚が飛び出し、タモ網で掬い採る。見るとサイウオの仲間である。寒くなって来てまたサイウオの時期になった模様で今期初採集となる。その後はエソ科の稚魚やヒメジ科の稚魚などを採集するも結局クリスマスプレゼントは見つからず終了となる。まぁ、クリスマスプレゼントには早めにホホジロザメ(ブログ2022 12.12)を受け取ったので良しとし、サイウオの仲間を今期も確認出来ただけでも満足して帰路に就く。

サイウオの仲間
*後日魚ボラでクロハラサイウオと同定されました。

エソ科の稚魚

ヒメジ科の稚魚

一応ボラ科の幼魚も1個体だけ確保


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久し振りのツマグロイシモチ

2022年12月21日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え市場で水揚げ作業をしていると選別台で久し振りにツマグロイシモチを発見。魚ボラの標本用に確保する。ツマグロイシモチは数年振りの入網である。以前獲れたのはいつだったか覚えていない位。だが、私がこの仕事を始めた30年程前は毎日数個体入網していた。それが急に姿を見なくなり15年前には年間で10個体程度となりブログでも紹介している(ブログ2008 6.26)。そして今では数年に1個体と劇的に減ってしまった魚である。全国的に個体数が減ってしまっているのか、それとも海水温の上昇で生息域が北の方へと移ってしまったのか定かではない。新たな魚に出会えることは嬉しい事だが、その反面姿を消してしまう魚がいるのも事実でとても悲しい。
ツマグロイシモチ
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初入網 クロオビエビス

2022年12月19日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え、船に積み込んだ魚を見ると小さなイットウダイ科の魚が浮いており掬い取る。見ると黒っぽくクロオビエビスである。定置網で獲れるイットウダイ科と言えばアカマツカサ属を除くと、一度他の定置網からスミツキカノコを見つけた事がある(ブログ2008 12.17)位で、ほぼアヤメエビスだけである。という事でクロオビエビスは初入網である。最近は定置網での初入網がめっきり減り嬉しいのだが、クロオビエビスは夜間採集で何度か採集しており、既に魚ボラの標本に登録済みである。その為、見つけた当初は初入網とは気付かず普通に扱い、家に帰ってから過去の写真を見て気付いた次第である。イットウダイ科の魚はこの周辺でもまだ数種は生息しているみたいであるが、定置網には入り難い魚種と思われる。台風は嫌だが時化など何らかの変化でまだ見ぬ別種が入らないか期待したい。
クロオビエビス
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悩ましいクロホシマンジュウダイを標本登録

2022年12月17日 | 魚ボラ
 昨日標本用に頂いた体側の斑紋が違う悩ましいクロホシマンジュウダイ。昨日は仕事が遅くなり大学へ行けなかったので、今日標本を持ち込む予定。今日の定置網漁はいつもの出漁時間では風が吹いて来て、海上は時化の予報。その為、夜中に出漁し操業。水揚げを終えるといつもの出漁時間である。そこで仕事も終了となる。今から大学へ走ってもまだ誰もいないと思うので、もう一度寝たりゆっくりして午後から大学へと向かう。研究室に入ると魚ボラの元学生が来ており、久し振りのご対面。近況や色々と情報を伺う。標本の方は1日経ってしまったがまだ眼の色は綺麗でホッとする。この個体について学生に聞くとやはり中国やベトナム方面に生息しているタイプらしい。今後の研究によりこの個体と日本に生息しているタイプとが別種となった場合、この個体が学名通りで普通のクロホシマンジュウダイとなり、日本に生息する体側に小斑点が散在する普通のタイプの方が学名は無くなり未記載種となるのではとの事。そうなるといつも見るクロホシマンジュウダイの標準和名はどうなるのだろうか。色々と気になるが、とにかく先ずはDNA解析の結果次第となりそうである。

クロホシマンジュウダイ




魚ボラOBが来鹿。錦江湾で自分用の採集

エリアカコショウダイ

エリアカコショウダイ
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悩ましいクロホシマンジュウダイ

2022年12月16日 | 定置網
 今日は市場での水揚げ作業を終えお隣の定置網の水揚げを見に行くと、その魚何と聞かれる。見るとクロホシマンジュウダイである。だが、いつも見るのとは様子が違い、体側に散在する小斑点がこの個体は大きな斑紋であり、幼魚期の模様でそのまま成長した感じである。遺伝子に変異が起こり、幼魚期のままの模様で成長してしまったのだろうかと思う。今回も魚ボラの標本用に頂く。早く家に帰って調べたいのだが、今日は定置網本船の修理があり家に帰るのが遅くなりそう。ようやく仕事を終え家に帰りこのような個体が存在するのか調べると、海外産で中国やタイ、ベトナムなどに生息するクロホシマンジュウダイが同じような容姿である事がわかる。これはいつもの黒潮に乗って流れてきたパターンだろうかと思う。生息地の違いでこれだけ様子が違うのであれば別種も疑ってしまう。魚ボラの先生に画像を送り電話すると、先生もいつか調べてみたいと思っていたとの事。これは綺麗なうちに標本写真を撮ってもらいたいのだが、既に時間が遅く今日は諦め、明日大学へ持ち込むことを伝え段取りをしてもらう。今はDNA解析があるので日本に生息している個体と違いが出ればと期待してしまう。
クロホシマンジュウダイ?



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遂に念願の標本確保 ホホジロザメ

2022年12月12日 | 定置網・魚ボラ
 今日は定置網漁で網を絞って行くと体の太いサメが泳いでいる。尾柄を見ると平べったく、背が黒っぽいのでホホジロザメだと確信。ホホジロザメにしてはサイズが小さく標本用に確保したいのだが、他のサメ類とは全くパワーが強く狂暴で、網を噛めば破いてしまう。だからいつもは暴れる前になるべく早くデッキ上に揚げ、頭部に包丁を入れ動きを止めなければならない。ところが今回はウルメイワシが大漁。ウルメイワシは弱く、網を絞ると直ぐに転んで沈んでしまう。その沢山のウルメイワシが沈んだ中にホホジロザメも入り込み、出てこない。ウルメイワシを船に積み込んでいるとその中に混ざってホホジロザメも上がって来る。既に瀕死状態でそのままにしておいても暴れずジッとしている。結局ウルメイワシのお陰で体に傷を入れることなく綺麗な状態でホホジロザメを確保することが出来た。ホホジロザメは今までに何度かうちの網に入網したり市場に揚がっているが(ブログ2012 2.1)(ブログ2019 1.23)、今回の個体は今まで見た中では一番小さく、標本用に確保するならこれを逃せば次はないだろうという位である。魚ボラの先生に連絡し仕事終了後、車に積み込み大学へ持ち込む。写真を撮り、体をブツ切りすることなく大きな容器でホルマリン固定し標本登録終了。ホホジロザメの全身標本を登録でき、魚ボラの先生にも喜んでもらえた。少し早めのクリスマスプレゼントとなる。
ホホジロザメ入網


車に積み込み大学へ

鹿児島大学



ホホジロザメ


尾柄部のキール

尾鰭




腹部からの撮影(バランスが微妙)


TL160㎝ちょっと

ホホジロザメ
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今度はヒイラギ

2022年12月09日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え、市場で水揚げ作業をしているとまたお隣の定置網の方が来て魚を差し出して来る。見るとヒイラギである。先日ホソウケグチヒイラギ(ブログ2022 11.19)やイトヒキヒイラギ(ブログ2022 11.24)を頂いたばかりで、今度はヒイラギと珍しいヒイラギ科が続けて獲れている模様。と言ってもヒイラギは全国的には普通なのだが、ここでは非常に稀種であり、確認しているのはこの個体でまだ数個体目である。だが、鹿児島では稀種という訳ではなく県北部では普通種であり、魚ボラで魚類調査を行った時には沢山確保している(ブログ2020 5.31)。ヒイラギの南限がその辺にあるみたいで、ヒイラギだけではなく、カレイ類やメバル類(ブログ2021 1.30)などいくつもの種が南限となっている。これだけ定置網でヒイラギ科が続くとまだ見た事がないヤンバルウケグチヒイラギやヒシコバン・オオメコバンヒイラギ、更にお隣宮崎で得られたカドガワウケグチヒイラギなど全てを期待してしまい、ヒイラギ科をコンプリート出来ればと願っている。
ヒイラギ

ヒイラギ

コバンヒイラギ


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