最近、大きなカツオが市場にポツポツと揚がっている。定置網により漁獲されたものである。ここの定置網ではソウダやスマなどカツオの仲間は入網するものの、カツオ自体は1キロあるかないかという小さな個体が稀に獲れる事があるくらいである。ところが最近定置網で獲れ出し、しかもサイズが2~5キロと大きい。そして、今朝はうちの定置網でも大きなカツオがたくさん入網し385キロも掛かった。今まで定置網では獲れなかったカツオが急に獲れ出したのかは不明である。我々にとっては良いことなので一日も長く続いてほしいものである。
今日は土曜日なのでいつものように港へ夜間採集に行く。最近の夜間採集は普通種ばかりなのであまり期待せずに向かう。港に着くと風も波もなく採集するにはいい感じ。だが、ひと通り探し魚影を見つけてはタモ網で掬うも、いつもの顔ぶれである。結局予想通りの普通種ばかりで終了。標本用には確保せず、手ぶらで帰宅となる。
ニザダイ幼魚
チョウチョウウオ幼魚
カゴカキダイ幼魚
ミナベヒメジ幼魚
今朝、地元紙を見るとこの前発表されたユカタヒメジなど、魚類分類研究室の記事が載っている。国内初記録や新種などの発見が2013年から50種を上る。標本の登録数が凄い勢いで増えているが、それに伴って発見も多いのであろう。この勢いはいつまで続くかわからないが、まだまだ今後も面白そうな予感。
私が魚類ボランティア(魚ボラ)を行っている鹿児島大学総合研究博物館で毎年開催される特別展ですが、今年は地元施設、鹿児島大学総合研究博物館、鹿児島水圏生物博物館が共同で7月19日~8月31日までの期間の開催。場所は地元施設で行われ、今日はその準備を魚ボラの学生と共に行いました。今回は地元の魚500種の液浸標本を展示し、今まで見つかった新種や日本初記録種、更に商業種などをパネルで解説と今までの総決算的な展示となりそうである。地元の豊富な魚を多くの方に知ってもらえる機会を作って頂き、本当に関係者皆様に感謝です。それにしてもこの特別展、開催まではまだ1ヵ月あるのだが、ここはこの施設の常設展示室であり、明日からでも来れば観覧できてしまう。準備は終わったので少しでも早い方が多くの方々に見て頂けるので悪くはないか。
今日は恒例の港へ夜間採集に行く。港に着くと台風の影響か風があり、港内にゴミが沢山押し寄せられている。波で水中を覗く事が出来ないうえ、水面もゴミだらけでこれでは魚を探すことはできずお手上げ状態。岸壁の角々をタモ網で何度か探り早々に終了。普通種ばかりである。
チョウチョウウオ科のトリクチス幼生
シマスズメダイ
キチヌ幼魚
今日、明日と鹿児島大学で日本動物分類学会が行われると連絡を受け、魚類分類での大御所の先生達も訪れると言う事で顔を出しに行く。仕事を終えてからなので夕方前に到着。会場へ行くと既にポスター発表が行われている最中である。会場の教室が狭く、更に今日は一段と暑く、会場の外から見学。その後、みんなが退場してからゆっくりとポスターを見る。今回は魚類だけではなく動物分類学会なので、魚類関係のものだけを見る。終了後、参加者の懇親会があり、その間に魚類研究室では二次会の準備。懇親会終了後、研究室に魚類分類の大御所の先生方が集まり二次会が行われる。懇親会は24時で終了。帰宅は午前様となる。
最後に参加者の記念撮影
2日前に素潜りで貝採りをした。水温もまだ低く、時期的に面白い魚はまだ期待できないので魚の採集道具や水中カメラは持って行かず、貝採りに専念する。ところが途中でここではまだ見た事のないヒメジの仲間の幼魚を見つけてしまう。探しているフタスジヒメジの幼魚である。フタスジヒメジは幼魚も成魚も定置網や市場で見たこともない。一応、貝を採る時に使う小さなタモ網で採集を試みるが、流石にタモ網1本だけでは泳ぐ魚を採集することはできなかった。そして、昨日はどうしても外せない所用があり海には行けず、今日となる。仕事が終わってから採集へと向かうが既に2日経っておりあまり期待はできない。更に海に着くと風も吹いて来て荒れ気味である。だが、明日は時化予報で今日を逃すと更にどこか遠くに逃げてしまう恐れがある。と言う事で期待半分で採集を決行する。海に入ると荒れて来たので濁りがかなり出ており更に期待が薄くなる。見つけた場所を重点にフタスジヒメジの幼魚のみを探す。なかなか見つからず更に範囲を広げるも見つける事が出来ない。結局2時間探したが見つからず、濁りも増し風も強くなって来たので断念する。帰り際、エントリーした場所まで戻ってくると、なんとそこで発見。こんな目の前にいたとは。採集できなかった時の事も考え、証拠としてとりあえず写真に収める。ところが波で体が固定できずピントが合わなく写真を撮る事すら難しい。何枚も撮影する。そして無事に採集することが出来た。体力と時間は掛かったが無理して採集を決行して良かった。