お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

アカオビ?ケラマ?

2009年10月24日 | 日記

 今日は仕事も終わり家に帰ると、今週の初めサクラダイを提供して下さった漁師さんから連絡が入り、また違う魚が釣れたので確保し、倉庫の冷蔵庫に入れて置いてくれているとの事。裸のまま置いてあると言うことなので、鰭が乾く前に急いで取りに行く。魚を見るとまたハナダイ系でこれまた魚種が違う。この手の魚種は定置網では獲れないので標本提供は何ともありがたい。持ち帰り検索図鑑で調べる。するとアカオビハナダイかケラマハナダイの雌個体となる。この両者の違いは尾鰭の赤い個所なのだが、それが上下端なのか後縁なのかという事。個体を見ると上下端だけが赤いのかそれとも後縁全てが赤いのかがはっきりとは分からない。となると側線下方横列鱗数を数えなければならない。でもこの違いは1~2枚である。大幅に違うのであれば自分でも数えるが、この差では自分で数えても合っているか自信が無い。またしても魚ボラ任せとする。クマソの雌ではないだろうな。



魚ボラでアカオビハナダイ Pseudanthias rubrizonatus(Randall,1983 )と同定されました。
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サクラダイ

2009年10月19日 | 日記

 今日は水揚げを終え作業をしていると、知り合いの漁師さんに珍しい魚が釣れ、確保してあるから必要だったら持って行ってくれとの事。保管してある冷蔵庫へ見に行くとオレンジ色の魚が置いてあった。体色や尾鰭の感じからハナダイ系の魚という事は分かるのだが、自分がこの手の魚種をまったく知らないので分からない。とにかく自分ではまだ標本用として確保した事の無い魚種である事には間違いない。漁師さんに感謝。持ち帰り図鑑で検索するとサクラダイの雌個体であった。サクラダイの雄個体は特徴的で知っていたのだが、雌個体は知らなかった。自分用にも撮影。撮影用の水槽に入れると浮いてしまう。浮き袋は潰したので口腔内のエアーを抜く。すると閉じて固定した口が開いてしまう。結局その後口が閉じる事無く、そのまま撮影。ちょっと後悔する。今度はサクラダイの雄個体を綺麗に撮影してみたい。でも定置網では獲れないので一本釣りの漁師さん頼みである。
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ダルマガレイ科魚類

2009年10月17日 | 定置網

 今日は定置網で網を起こしていると両眼間隔が広いカレイが泳いでいるのを見つけ取り上げる。よく獲れるダルマガレイかと思うも、いつものは尾鰭に1対の黒点があるがこの個体は確認できない。とりあえず確保して持ち帰る。カレイの仲間は同定が難しいので、写真だけ撮り、調べるのは魚ボラ任せにしようと諦めていたが、展鰭していると結構目立つ吻棘を見つける。また、胸鰭の先端が糸状に伸びている。これなら同定できる可能性が出てきたので検索図鑑を使い調べる。するとコウベダルマガレイのように思う。ところがこの種は尾鰭に暗色横帯がないとなっているが、この個体は横帯のようなものが確認できる。また、無眼側の濃紫色斑が大きいとなっているが、面積にして半分ちょっとくらいでV字型?をしている。結局は暗礁に乗り上げお手上げ状態となる。


魚ボラでCrossorhombus valderostratusと同定されました(日本初記録)。
大橋祐太・四宮明彦・伊東正英・本村浩之.2010 (23-26 Sept.).鹿児島県から得られた日本初記録のダルマガレイ科魚類Crossorhombus valderostratus.第43回日本魚類学会年会.


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講演会

2009年10月16日 | 魚ボラ

 昨日懇親会でお会いしたタイのカセサート大学のP.M氏の講演があるので、昨日に引き続き今日も大学へ行く。時間ギリギリではあったがなんとか間に合い、講演に参加できないジンクスを2回続けて破る。今回は「東南アジアにおける淡水魚の多様性とその現状」と題し、インドシナを中心とした東南アジアの淡水魚の知られざる多様性とその現状について紹介して頂いた。この方はタイの人ではあるが東京水産大出身の方で日本語はペラペラ。見た目も日本人と変わらないので、昨日も懇親会会場へ行った時にどの人がP.M氏なのか最初は分からなかった程。今回の講演も流暢な日本語で話されたので、非常に分かりやすいものであった。特に関心のあった内容は外来魚について。日本では今や外来魚は社会的問題となり対策が取られているが、東南アジアではあまり問題視はされず、むしろ獲る魚・売る魚が増えて喜ばれている地域もあるようだ。日本の淡水魚の現状は大変に深刻な状況ではあるが、問題視されていない東南アジアの方がもっと深刻な状況であるように思う。今回はとても興味のある内容ばかりで聞き入ってしまい、ブログ用の写真を撮り忘れる。最後の最後で撮ったものの内容の分からない写真となってしまう。
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ヒシカイワリ

2009年10月15日 | 魚ボラ

 最近は忙しくて魚ボラに参加していない。前回大学へ行ったのがいつだったかも覚えていないくらい。今日は所用で鹿児島へ行く。せっかく大学の近くまで行くので帰りに寄ろうと考えていた。するとタイミング良く、タイの大学からP.M氏が来日していて懇親会をすると魚ボラの先生から連絡が入る。所用を済ませ、懇親会に出席。マレーシアへ行っていた学生も帰国し参加している。懇親会終了後、マレーシアで確保してきた標本を見せたいという事で大学へ行く。その魚がヒシカイワリUlua mentalis (Cuvier, 1833)である。成長したヒシカイワリを見てみたかったので学生に感謝。ヒシカイワリは3年前にうちの定置網で獲れ(ブログ 2006 11.9)、日本初記録種として発表した魚である。ここで獲れたヒシカイワリはどの個体もまだ若魚でサイズが小さく体形が丸い。ところが今回の標本はサイズが大きく成魚に近いと思われ、成長に伴い体形もこのように長くなることが分かる。下顎は共にとても太くその特徴を残している。ヒシカイワリは2007年を最後に昨年は1個体も獲れなかった。だが、昨年は黒潮の影響か南方系のヒラアジ類自体があまり獲れていない。いつの日か、黒潮の影響でこちらに南方系のヒラアジ類が流れ込んでくれば、またヒシカイワリに出会えるのではないだろうか。今度はここでも成魚を獲ってみたいが、市場では驚くような高値が付きそうで確保するのに悩みそうである。
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アヤメエビス

2009年10月13日 | 定置網

 今日も水揚げ作業をしていると、昨日ヒゲダイを譲ってくれた他所の定置網の人が来て、今日も変わった魚が獲れたと教えてくれる。見に行くとアヤメエビスが泳いでいる。アヤメエビスはイットウダイ科の中では一番よく獲れる種である。特にイットウダイ属となればアヤメエビス以外の種もこの地に生息しているにも関わらず、何故か定置網で獲れるのはこの種が殆どである。今回は一応水族館用に生かしてきたようであるが、市場の活魚水槽内に同じく水族館用に生かしていたアヤメエビスが、引き取り手もなく先日まで長い期間泳いでいた。と言うことで今回は写真撮影用に頂く。アヤメエビスは昔からよく獲れていたので写真にもたくさんの個体を収めていた。だが、たくさん写真があった為、近年は撮っていない。最近は水槽に入れて黒バックで撮影しているが、そのような写真が無かった為、今回は撮影する。撮った写真を見ると赤い魚は黒バックによく映えてさらに綺麗に見える。写真撮影用に確保したものの、生きていた魚を絞めて写真撮影だけで捨ててしまうのは残酷な気がするので、今回も魚ボラの標本用とする。
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ヒゲダイ

2009年10月12日 | 定置網

 今日は水揚げ作業を他所の定置網の人に珍しい魚が獲れたと教えてくれる。見に行くとヒゲダイである。ヒゲダイはうちの定置網では獲れた事がなく、水揚げされているのも1~2年に1個体見るかどうかというくらい珍しい種である。さらにこの個体、体長が20センチ程でこれまた標本にはピッタリなサイズである。もちろん譲ってもらい魚ボラの標本用に確保する。今までにここの市場で見たヒゲダイはどの個体もかなり大きなサイズばかりであった。先月ヒゲソリダイを確保(ブログ 2009 9.5)した時に、次に確保しないといけないのはヒゲダイだなと考えていたのだが、こんな小さなサイズの個体を確保するのは不可能だろうと思っていた。しかもこんな直ぐに手に入るとは夢にも思っていなかった。感謝感激である。この調子で次はセトダイ?シマセトダイ?かな。
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コシナガ

2009年10月01日 | 市場

 今日は定置網を起こしているとマグロの姿が何尾も見える。網を絞り取り上げるとコシナガであった。コシナガはクロマグロによく似るが胸鰭が長く、尾柄部というかその名の通り腰が長い。クロマグロに似る反面、魚価は非常に安く市場価値が低い。コシナガは10年程前から獲れ出した魚であるが、ここ近年マグロ類の中では一番漁獲量が多いように思う。実際に食べたことは無いが美味しくないらしく、嘘か本当かはわからないがツナ缶にすら使えないと聞いたことがある。魚ボラの標本用に確保したいところではあるが、魚価は安いものの冷凍保存するにはちょっと大きくいつも諦めてしまう。魚ボラに参加する日にタイミング良く獲れれば確保し、そのままの状態で持ち込み標本登録しようと思う。
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