お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

イシガキフグ

2007年04月30日 | 定置網

 今日は定置網でイシガキフグが2個体獲れる。この2個体は大きさはあまり変わらないが、雰囲気が随分と違う。写真下の個体は腹部以外に小黒点が散りばめられている。一見ネズミフグのようであるが体の棘が不動性なので区別がつく。これは幼体時期の模様で今後徐々に消えていくと思われる。そして写真上の個体が小黒点が消えた成体の模様である。大きな個体で小黒点がたくさんある個体を見たことが無いのでやはり消えていくものと思うのだが、今回の2個体はサイズがあまり変わらない。別種とは思わないが自分の思い込みというのも怖いので、今度の魚ボラで両者を比較検討しようと考えている。同種にしてもこのように見た目が違う個体が揃えば標本としての価値も上がると思う。ここ笠沙ではイシガキフグは食用として水揚げされる。
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ヒラスズキ?

2007年04月28日 | 採集

 最近の夜間採集では収穫がないので今日はやめようと思っていたが、いざ夜になるとやはり行ってしまった。だが案の定、魚の姿は無い。そんな中、ヒラスズキの幼魚が捕れる。ここではスズキ、ヒラスズキの両方が定置網で獲れるので捕れてもおかしくないが、写真を見るまではスズキと思っていた。念のために同定しなければと思い行なうが、この小さな個体の背鰭軟条数を調べなければならない。家に顕微鏡が無いので写真を拡大して行なうと軟条数は15本確認できる。鰭立て時に背鰭軟条前部を傷付けてしまい分かりにくくなってしまったがスズキの場合、最初の一本は棘だがやはり15本確認できる。となるとやはりヒラスズキである。ただ自信を持ってヒラスズキとできない。この港では何度もスズキの幼魚を採集しているので、もう一度採集してはっきりさせたい。

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市場便り

2007年04月27日 | 市場

 今日は市場の活魚コーナーにキアンコウが水揚げされている。これは刺し網で獲られたものだが、定置網でも獲れる。定置網で獲れたものを何度か水族館に搬出したことがある。見た目にグロテスクで丈夫そうに見えるが、とても丁寧に扱わないと傷つきやすい。手荒に扱うと獲った日は綺麗に見えてもスレ傷が数日置くと徐々に表れてくる。そして酷い時は腹部は真っ赤になり、尾鰭は溶けてなくなってしまう。そのような事があるので水族館に搬出する時は、数日置いて傷が出なかった個体を搬出している。

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カナガシラ属

2007年04月26日 | 定置網

 今日、定置網でカナガシラの仲間が獲れる。家に持ち帰り同定するとオニカナガシラであった。ここ笠沙では水揚げされない魚なので、この仲間が獲れたら持ち帰るようにしている。というのも今の時期、この仲間がよく獲れるが、現場で自分が正確に同定できるのは胸鰭の長いトゲカナガシラだけであるため、選んで持ち帰ることができないからである。カナガシラ属の同定には吻棘や胸鰭、胸鰭遊離軟条、胸鰭内面の模様等、調べなければいけないところがいくつもあり、それがまだ自分の頭の中に入っていない。分布域が南日本となっている種ばかりなので、どの種が獲れてもおかしくなく、個体を家に持ち帰って慎重に調べないと見逃してしまう場合が考えられるからである。個体数を多く調べれば自然と頭に叩き込まれ、そのうち現場で同定出来る日が来るのかな?
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幼魚の時期

2007年04月23日 | 定置網

 今日は定置網でシイラの幼魚が捕れる。そのほかブリ(モジャコ)、カンパチ、イシガキダイ、トビウオ(未同定)などの幼魚がたくさん入った。これらは流れ藻に着く魚達で、成長すると定置網では捕れない魚もいる。これからの時期は魚種が多く、面白い魚が捕れるので毎日定置網を起こすのが楽しみである。また、クラゲが出てくるとクラゲに着く魚も出てくる。更にここ笠沙では5月には深海魚(アカマンボウ目)が定置網で毎年捕れる。その深海魚も毎年捕れる種類がバラバラで、何が捕れるか楽しみでもある。鹿大用の標本収集のため、毎日目を光らせていなければならない。
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ギンイソイワシ

2007年04月21日 | 採集

 最近、恒例となってしまった土曜日の夜間採集を行なう。このところ面白い魚は採集できていない。今回もカサゴ・ボラ・カゴカキダイの幼魚などしか捕れない。そんな中、トウゴロウイワシの仲間が捕れる。実はいつもいるのだが動きが速く捕ることができなかった。定置網ではギンイソイワシが捕れるが、この港に群れているものも同一種であるか気になっていた。今回初めて捕れ、見てみるとやはりギンイソイワシであった。尾鰭の両葉の先端が黒かったので違う種かと思ったが、肛門を見ると第一背鰭直下に開孔するのでやはりそうであった。ちょっと残念であったが、気になっていた事が一つ解決したので良しとするか。
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魚ボラ

2007年04月18日 | 魚ボラ

 今日は悪天候の為、仕事が早く終わったのでいつもより早い時間から魚ボラに参加できた。今日は通常の標本登録作業を行ない笠沙の定置網での魚を主に登録した。この標本はメイタイシガキフグである。もう十数年以上前であるが魚類検索図鑑の第1版を手にした時、メイタイシガキフグという魚を初めて知った。見てみたいなと思っていると数日後に我が定置網で偶然捕れたので驚き、よく覚えている。しかも2日続けて獲れ、共にかごしま水族館に搬出した。しかし、それからはまったく捕れず、昨年十数年振りに漁協の定置網で1個体捕れ、それを頂き鹿大に持ち込むことが出来た。十数年前に捕った時は水族館に搬出してしまったので写真を撮ることが出来なかった為、とても待ち望んでいた魚であった。このフグの他にまだ今までに捕っているが写真を撮れていない魚がいるので、早く会いたいと願っている。
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市場便り

2007年04月17日 | 市場

 今日は市場にシュモクザメが揚がっている。吻の前縁に凹みがなく、背面が黒っぽいのでシロシュモクザメである。ここ笠沙ではアカシュモクザメの方が水揚げが多い。また、アカシュモクザメは小さい個体からかなり大きな個体まで捕れるが、このシロシュモクザメは小さな個体やとても大きな個体を見たことがない。ここ笠沙からは全国の水族館にアカシュモクザメを搬出しているが、定置網で捕れたアカシュモクザメを生簀に蓄養し、餌付けしてから搬出している。だが、シロシュモクザメは搬出していない。生簀に入れても網に当たって転んでしまうため蓄養ができないからである。見た目によく似た両者であるが生態はかなり違うのではないか?

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後悔

2007年04月16日 | 日記

 昨日、家族で近場だがドライブに行き、たまたま立ち寄った道の駅では鮮魚が販売されていた。見るとアラカブ(鹿児島でのカサゴの呼び名)と書いてある魚が1尾、目に付いた。パッと見、カサゴではないようであるが何かわからない。カサゴにしては眼が大きく顔が細く、吻が長く見える。顔つきからメバル系かなと思うが自分がメバルの種類をよく知らない。ここで販売されている魚は定置網の網元直売なので採集地がはっきりしている為、この場で同定できないなら鹿大の標本用に購入しようかと思った。だがカサゴの仲間であるため金額が高い。メバル系の普通種である可能性がある事とこの場で購入しても家に帰るまで保管(保冷)できない事で購入を諦める。一応、携帯で写真を撮りその場を去る。家に帰り図鑑を見るがそれらしき魚が見つからない。気になるので鹿大の先生に画像をメールで送った。鹿大の先生はフサカサゴ科の分類学の研究者である。そして今日、電話で応答があり、なんと新種ではとの事。そしてその道の駅にもすでに連絡を入れてみたがその個体は売れてしまったらしい。だが、今日、魚ボラのメンバーでもある水産学部の学生が近くまで行っていて、連絡して幸いそこで同じような個体を購入できたそうだ。手に入ったとはいえ、今では自分が購入しなかった事をとても後悔している。新種かどうかは明後日の魚ボラでハッキリするだろう。
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ドクサバフグ

2007年04月14日 | 市場


 漁協には水揚げできなかった魚や売れ残った魚などをゴミ回収に来るまでの間、冷蔵庫に保管し、処分している。いつも標本になる魚はいないか覗いているが、今日はドクサバフグを見つける。シロサバフグに似るが体背面の小棘域は背鰭起部付近にまで達するので見分けがつく。シロサバフグが無毒なだけにこれを間違えると大変である。ここ2~3年程見なかった魚だったので標本用に確保し持ち帰った。だがちょっと大きい。最近は捕れなかったがそう珍しい魚でもないので標本用に手頃なサイズが捕れるまで待つか、この個体を確保するか悩むところである。とりあえず冷凍保存して待つか。
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ナミダフグ

2007年04月11日 | 定置網

 今日は定置網でナミダフグが1個体獲れる。実はこのフグ、昔から毎年獲れ、ここでは普通種のフグであり、自分ではシッポウフグと思っていた。しかし、鹿児島大学総合研究博物館での同定結果がナミダフグであった。うちで使っている魚類検索図鑑は第1版であり、それでは明確な同定ができず、分布域でシッポウフグとしていた。だが第2版を見ると体側の縦帯のことが書かれており、シッポウフグではそれが不連続となっている。この個体は縦帯が明瞭で連続する。ここで捕れる個体は昔の写真を見ても全て連続している。さらに魚類学雑誌には胸鰭条数がナミダフグでは13ー15本、シッポウフグでは15-16本となっている。この個体を調べると14本であったので、やはりナミダフグとなる。シッポウフグの分布域が南日本となっているので、こちらもいつか採集して比較してみたい。
*後日、シッポウフグと再同定されました。
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念願の

2007年04月10日 | 日記

 前日にまた定置網でギンカガミが1尾獲れた。水揚げもできなかったので、前から考えていた干物用にと持ち帰り作ってみた。そして今日、ギンカガミを初めて食べてみる。自分で作ったからかそれほど美味しいとまではいかなかった。だが、思っていた以上に食べるところがあり、おかずにはなりそうだ。しかし、平べったいものの大きく、干すにも焼くにもお皿に盛るにも場所をとり、家族でひとり1尾ずつ食べるとなると大変そうである。そこまで食べたいという品ではないかなと思うのでもう食べる事はないかな?それより一緒に作った大きなエソの干物は骨が多く、気になるかなと思っていたが、想像をはるかに超え、骨など気にならないくらいの絶品であった。
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シマヒメヤマノカミ

2007年04月09日 | 定置網

 今日は定置網でシマヒメヤマノカミが獲れる。泳ぎは決して上手くはないが小さくて鰭が綺麗なので、うちの水槽で飼育してみたい魚である。ヤマノカミというカジカの仲間の淡水魚がいるが、こちらは海水魚。なんでウミノカミではないのかと思う。だが、もしもウミノカミという名であったら、海の神もしくは恵比須様と祀りたててこのように標本用として持ち帰ることはできないだろうな。

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厄介魚

2007年04月08日 | 採集

 今日は息子にせがまれ、家族で近くの港に釣りに行く。時期的に港での雑魚釣りにはまだ早いが仕方なく行く事になる。港に着き、海の中を覗くと案の定、ナガサキスズメダイが群れている。この魚、年中いてとても厄介者である。ここの港で釣りをするとこの魚ばかり釣れてしまう。特に標本用の釣り採集をする時などは、目的の魚が見えても餌を落とせばこの魚がすぐに掛かってしまう。この魚さえいなければ何種類もの魚を採集できるのにと、いつも思うところである。さらに場所を変えずに一ヶ所で釣りをしていれば、どんどんと集まってきてしまう。ただ、息子たちはすぐに釣れるうえ、引きがそこそこ強いので喜んでいる。今回だけは良しとするか。

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ヤッコエイ

2007年04月07日 | 定置網

 今日は定置網でヤッコエイが獲れる。珍しいエイではないが、うちの定置網では何年振りかの入網。鹿大の標本用と自分の写真用に欲しかったのだが、なかなか獲れなかった。今回の個体は今までに獲れたヤッコエイの中では一番最小で標本用としては最適であった。自分用に写真撮影後、鹿大の標本用として冷凍保存する。

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