最近の定置網漁ではオキヒイラギ主体の漁模様が続いている。南方系のヒイラギ類が混ざらないかと毎日見ているがオキヒイラギばかりでヒメヒイラギすら混ざらない。そんな中、今日は久しぶりにホソウケグチヒイラギを1個体見つける。うちの定置網では2個体目となる。前回獲れたのは1年半程前(ブログ2012 11.8)になる。私の所は鹿児島でも東シナ海側である。反対側の大隅半島側では普通に獲れているみたいなので、うちの網でも1個体目を手にしてから続々と獲れるのだろうと思っていた。ところが2個体目を手にするまでに1年以上も掛かってしまう。他の南方系のヒイラギ類は年々個体数が増えている感じがするのだが、この種ばかりは違うみたいである。前回の個体の時に標本写真を撮ったものの体側に傷があり綺麗な個体でリベンジしたいと思っていたが、最近は忙し過ぎて標本写真を撮る時間も無く、このまま冷凍保存する。
今朝、地元新聞を見ると魚ボラメンバーのI君が発表した新種キホシスズメダイの記事が載っている。実は今回新種として発表されたのだが、この魚は今まで普通にキホシスズメダイとして認識されていた魚である。このキホシスズメダイを調べて行くに従い、タイプ標本が普通のスズメダイであることが分かり学名が新たにつけられ新種として記載されたのである。今まで身近にいた魚が実は新種であった事になる。なんとも面白い事である。だが、現在でも標準和名がつき認識されているものの学名がまだついていない種がいくつかある。さらには認識されているが学名も標準和名もない新種もいる。まだまだやらなければならない事が山のようにあるのが魚類分類学である。