お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

ヒメキチジ

2023年04月28日 | 市場
 毎年乗船させてもらっている地元の深海エビ漁。昨年はタイミングが合わず乗船出来なかったが、そこで混獲される魚は数種を除き殆どが捨てられてしまうので乗船させてもらい魚ボラの標本用に確保して来た。深海魚は脂がある魚種が多く、食べると美味しい。鹿大水産学部の先生が海上投棄されてしまう未利用魚の魅力を広め、魚を食べる文化を次世代につなげる目的で今では賛同している鹿児島県内の飲食店に深海魚を提供している。そのプロジェクトにうちの自治体も協賛しており、市場職員が漁業者から混獲魚を受け取り選別して出荷している。その選別時にサイズが小さく出荷出来ない魚が出て、今日の定置網漁の水揚げ中に市場職員からその処分を頼まれる。見るとソコダラ科やキホウボウ科など私が乗船した時によく見る魚達である。その中に今まで見た事のない魚種が1個体混ざっていた。ヒメキチジ科の魚と思われる。数年前に魚ボラOBの方が日本産のヒメキチジ属を整理した論文を見たので見覚えがあった。家に持ち帰り調べるとヒメキチジである。魚ボラの標本用として確保したいところではあるが、この個体は採集場所が鹿児島県内の海域ではあるが大まかでしかわからず、標本としての価値が損なわれている感じで確保するかどうか悩むところである。取り敢えず確保してあとは魚ボラに任せることとする。そのほかツボダイも初確保し、あと数種確保する。私が乗船させてもらっている深海エビ船は7月からなので、このような魚達を見ると待ち遠しい。
ヒメキチジ

ツボダイ

ワヌケフウリュウウオ

ムネエソ科

ヒウチダイ


ヒメキチジ

ツボダイ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

遂に標本確保 マダラエイ

2023年04月27日 | 魚ボラ
 今日は定置網漁で大きめのマダラエイが入網。大きめと言っても船のクレーンを使う程ではなさそう。標本用に確保するかどうか悩む。標本用に確保する為の条件として尾部も棘も切り落とされていない完全体である事と容器に入れて一人で車に積むことが出来、更に当日大学へ持ち込む事が出来る事である。3ヶ月前にも同じくらいのサイズが獲れたのだが、その時は用事がありスルーしている(ブログ2023 2.15)。今日も夜に会議があり大学へは持ち込めそうにない。だが、どこかで妥協しないと標本確保は出来そうにない。明日なら大学へ走れそうなので、取り敢えず船の中に生かしておき明日大学へ持ち込もうと考え、今日は船の活け間で泳がせておく。ところが今朝は定置網漁の操業時間がいつもよりも早い時間に行った為、仕事の終わる時間も早かった。更に明日は夕方から奉仕作業がある事を思い出す。どちらかというと明日よりも今日の方が時間に余裕があり、今からなら大学へ走っても夜の会議に十分間に合いそうなので急いで船に標本を取りに行き、大学へと走る。幸い大学に到着後もまだ2時間程は時間に余裕がありホッとする。あとは学生達に洗浄や撮影、標本登録をしてもらい、遂にいつもサイズがデカ過ぎてスルーして来たマダラエイを標本登録することが出来た。そして色々とバタバタはしたが夜の会議にも間に合い、今日は事なきを得る。
マダラエイ



鹿児島大学






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

銀化個体? 悩ましいオオウナギ

2023年04月10日 | 定置網
 今日は定置網漁で珍しく大きなオオウナギが入網。もう20年以上前に一度だけうちの定置網で獲れた事がある。更に小さなオオウナギをお隣の定置網で見つけ魚ボラの標本用に確保(ブログ2008 4.1)している。前回うちの定置網で獲れたオオウナギは後に九州大学のウナギの研究者が漁協に訪れた時に産卵の為に海に下った銀化した個体であると教えてもらう。普段は川に生息するオオウナギやニホンウナギなどは成熟すると産卵の為、海に下り何も食べずに産卵場までの長い旅に出る。海での長旅に備え、眼が大きくなったり胸鰭が黒く長くなったり、更に何も食べないので口まで小さくなり銀化変態する。今回の個体も海に下ったので銀化しているのだろうと思うが、前回の個体の写真と比べると口は大きいままの感じで眼や胸鰭の変化などもよくわからない。更に悩ましい事に数日前に大雨が降り近くの川は増水し、その増水によって海まで流された恐れもある。となると結局は銀化しているかどうかの判断は不明となる。雨さえなければと思うが雨が降らなかったらこの個体に出会う事が無かったのかもしれない。
*後日、ウナギ目の研究者の方から銀化個体であると教えて頂きました。ありがとうございます。
オオウナギ



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カガミダイ幼魚再び

2023年04月04日 | 定置網
 昨日、お隣の定置網の方からカガミダイ幼魚の標本を頂きましたが、今朝はうちの定置網でも水面に浮いている所を発見。直ぐにタモ網で掬い、取り敢えず生かして港まで持ち帰る。更に水揚げ作業中、雑魚を選別しているとその中からもう1個体発見。カガミダイの幼魚が1日で2個体も獲れたのは初である。うち1個体は生きているので、また昨年の様に(ブログ2022 5.3)来月のイベントで生きた状態で展示しようかと考えるが、今回は昨年の個体よりもサイズが小さく、更にまだ1ヵ月もあり船の中で生かしておくのは難しそう。という事で勿体ない気もするが2個体共魚ボラの標本用に確保する。来月のイベント前に何か子供達が喜びそうな面白い魚が獲れる事を祈る思いである。
カガミダイ幼魚



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年もカガミダイ幼魚

2023年04月03日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え市場で水揚げしていると、お隣のいつも標本を提供してくれる方が来て魚を渡される。見るとカガミダイの幼魚である。カガミダイは深海魚であり定置網では獲れない魚なのだが、幼魚なら稀に入ることがあり今までに水族館に搬出したこともある。昨年もうちの定置網に入り生きた状態で確保し(ブログ2022 4.29)、地元のイベントで披露している(ブログ2022 5.3)。このカガミダイの幼魚を見て昨年を思い出す。今年も昨年同様にイベントがあるのでお客さんに喜んでもらえる何か面白い魚を今月中に探さなければならないと思う次第である。この個体は魚ボラの標本用に確保する。
カガミダイ幼魚


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする