毎年乗船させてもらっている地元の深海エビ漁。昨年はタイミングが合わず乗船出来なかったが、そこで混獲される魚は数種を除き殆どが捨てられてしまうので乗船させてもらい魚ボラの標本用に確保して来た。深海魚は脂がある魚種が多く、食べると美味しい。鹿大水産学部の先生が海上投棄されてしまう未利用魚の魅力を広め、魚を食べる文化を次世代につなげる目的で今では賛同している鹿児島県内の飲食店に深海魚を提供している。そのプロジェクトにうちの自治体も協賛しており、市場職員が漁業者から混獲魚を受け取り選別して出荷している。その選別時にサイズが小さく出荷出来ない魚が出て、今日の定置網漁の水揚げ中に市場職員からその処分を頼まれる。見るとソコダラ科やキホウボウ科など私が乗船した時によく見る魚達である。その中に今まで見た事のない魚種が1個体混ざっていた。ヒメキチジ科の魚と思われる。数年前に魚ボラOBの方が日本産のヒメキチジ属を整理した論文を見たので見覚えがあった。家に持ち帰り調べるとヒメキチジである。魚ボラの標本用として確保したいところではあるが、この個体は採集場所が鹿児島県内の海域ではあるが大まかでしかわからず、標本としての価値が損なわれている感じで確保するかどうか悩むところである。取り敢えず確保してあとは魚ボラに任せることとする。そのほかツボダイも初確保し、あと数種確保する。私が乗船させてもらっている深海エビ船は7月からなので、このような魚達を見ると待ち遠しい。
ヒメキチジ
ツボダイ
ワヌケフウリュウウオ
ムネエソ科
ヒウチダイ
ヒメキチジ
ツボダイ