お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

ヒレコダイ

2021年10月27日 | 市場
 今日は市場にヒレコダイが揚がっているのを発見。見ると背鰭第3・4棘が長く伸びており標本用に確保する。ヒレコダイはここでは珍しく、今までに数えるほどしか見た事がない。よく水揚げされるチダイに非常に良く似ているので紛らわしいが、この特徴の背鰭を見なくても体高が非常に高く丸みを帯びているので見た目で直ぐにわかる。だが、市場ではチダイと混同され揚がっている。実は今年の4月にもヒレコダイを確保したのだが、特徴の背鰭棘があまり伸びておらず、ひと目でわかり易い個体を探していた。その時の個体が初確保だったのでブログに載せようかと思っていたのだが、特徴が現れていなかったのでアップするのを諦めていた。今回わかり易い個体を見つけ確保する事が出来たので、ようやくブログで紹介する事が出来、前回ブログネタとしてパスして待った甲斐があった。ここでは珍しいのでブログに載せるのは何年後かなと思っていたのだが、1年も経たないうちに確保出来て本当に良かった。



写真上:ヒレコダイ  写真下:チダイ





今年4月に確保したヒレコダイ(背鰭棘があまり伸びていない)

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稀種ヨスジヒメジにマテアジを救出

2021年10月22日 | 市場
 今日は市場内を散策するも面白い魚は揚がっていない。市場の冷蔵庫内を見ると昨日水揚げ出来なかった捨てられる雑魚がカゴに入っている。何か標本になりそうな魚が入っていないか探してみる。すると先月久し振りに定置網に入網したヨスジヒメジ(ブログ2021 9.23)を発見する。ヨスジヒメジはここでは今までまだ3個体しか見つかっておらず、また全国的にも非常に珍しい魚である。このままカゴの中を探さなければ捨てられてしまうところであった。体側が少し傷んでいるが貴重な魚なので捨てられてしまうところを標本用として救出する。以前にも雑魚の中から珍しいコハクヒメジを見つけ確保した(ブログ2018 11.3)事がある。ここの市場ではよく似たミナミヒメジやキスジヒメジが偶に纏まって揚がるので珍しいとは思われないのだろう。ヨスジヒメジに1ヶ月も経たないうちにまた出会うことが出来、興奮しながらまだ水揚げ作業中のお隣の定置網を覗きに行くとこの魚何と聞かれる。見るとこれまた稀種マテアジである。マテアジも今月の初め、久し振りにうちの定置網に入網した(ブログ2021 10.1)ばかりである。勿論魚ボラの標本用に頂く。今日はまだ1ヶ月も経たないうちにまた稀種2種に出会えたなんて本当に興奮する日となった。まだ続くかもしれないのでこれからも見落とすことなく面白い魚を探して行かねばと思う次第である。

ヨスジヒメジ



マテアジ
 
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バショウカジキを魚ボラへ

2021年10月20日 | 魚ボラ
 今日は水曜日で鹿児島大学総合研究博物館の魚類ボランティア(魚ボラ)の日。最近はよく大学へ行くのだが、魚ボラの日にはタイミングが合わず長いこと行っていない。今日も予定があり行けないと思っていたが、急遽行ける事になる。今朝、市場を覗くと小さなバショウカジキが揚がっており、長い吻も折れておらず、大きな背鰭も破れていない。小さいとは言え、冷凍保存できるサイズではない。今日は大学へ行くので確保し持ち込むことにする。また、昨日素潜り採集で得た魚も生かしているので一緒に持ち込む。バショウカジキを運ぶ為に車に積んだ容器にも体全体が入らず、細い吻を出した状態となり、折らない様に慎重に大学へと走る。大学へ行くと既に沢山の標本の処理作業が始まっている。そこに急に面倒そうなバショウカジキや活魚を持ち込むのはちょっと心が引ける。でも、今日は魚ボラの日と言う事で参加人数も多かったので助かる。昨日の素潜り採集で得たエソはやはり全てヒトスジエソに同定される。ヒトスジエソは昔はなかなか見つからなかったのだが、採集したエソが皆そうだという事も驚くが、今後ミナミアカエソを探す困難さも痛感する。バショウカジキも背鰭の鰭膜を破ることなく展鰭され、標本撮影にホルマリン固定と無事に標本登録をしてもらう。やっぱり珍しい魚などが手に入り大学へ走ることがある時はなるべく水曜日であってもらいたいのだが、そのタイミングも日頃の行いが良くないと駄目なのだろうか。

今朝の市場に揚がっていたバショウカジキ(一番右はシロカジキ)



確保した小さなバショウカジキ







素潜り採集で得たヒトスジエソ





素潜り採集で得たアミアイゴ



アミアイゴ



バショウカジキを展鰭







バショウカジキを撮影



バショウカジキ



コシナガ



前に持ち込んだモノノケトンガリサカタザメの固定が終わり、ホルマリンを抜くため真水に浸けられる





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初ではないがアミアイゴ採集

2021年10月19日 | 採集
 今日は快晴で穏やかな天気である。でも、午後からは時化模様になるという予報である。仕事が終わってもこれから本当に時化て来るのかと思うような穏やかな海である。風が吹いて来たら止めればいいと思い、素潜り採集に行く。今回もまだ薩摩半島で記録の無いミナミアカエソ狙いである。とにかくエソをひたすら探す。すると、早くも大きなエソを発見。サイズ的にアカエソになるのかもと思うが採集に掛る。簡単に採集出来るだろうと思って気を抜いていたら手網に入ったものの大き過ぎて逃げられてしまう。その後、サンゴの下に潜られてしまい諦める。その後は小さなエソを見つけ採集。エソを探している途中でアミアイゴを見つけてしまう。アミアイゴは3年前に小さなアイゴの幼魚を採集していて、その個体が魚ボラでアミアイゴと同定されたのだが、まだ体側の模様がハッキリとしていない状態だったのでわかり易い個体を探していた。これは採集しなければと思い採集に取り掛かる。だが、とても臆病で直ぐに小さなサンゴの下に潜られ、なかなか出て来ない。しばらく待っても出て来ないのでいないのかと思い潜ってサンゴの中を隙間から覗くとおびえるように隠れている。サンゴの周りを網で囲い、出て来るのを待つが埒が明かないので棒を探し、それで突いてみる。何度かしてようやく出て来て網にかかり採集。これで1時間程使ってしまう。そんな事をしていると海上は既に時化模様となってしまう。だが、まだ魚を探せるのでエソを探す。最終的に4個体採集して波、うねりが高くなって来たので諦める。アミアイゴに出会わなければもう数個体採集できたかもしれないが、アミアイゴを確保できたので良しとする。そのほか久し振りにノドグロベラを見つけたので採集する。港横のエントリーポイントに戻ると行きには大勢で賑わっていた釣り人も皆時化でいなくなり、私の車がポツンと1台だけ取り残された感じで止まっていた。陸に上がり採集したエソを見ると4個体共同じ種に見え、またヒトスジエソかなと思う。



逃げられた大きなエソ(サイズからアカエソかな)



アカハチハゼ幼魚(今年はあちこちで確認出来る)



気付けば大きなうねりと波で時化模様



今回の採集成果



アミアイゴ(危なくて手で持てず)



ノドグロベラ



ハナキンチャクフグ
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マルコバンだろうけど

2021年10月18日 | 市場
 今日は悩ましいロウニンアジは標本用に確保出来なかったが、もう1種気になる魚が揚がっている。マルコバンである。こちらはサイズが小さいうえ、人気のない魚なので仲買人も気にかけていないみたいである。普通のマルコバンだと思うのだが、背鰭軟条部が黄色いのでひょっとしてヨコヅナマルコバンの可能性もあるのかなと思い一応魚ボラの標本用に確保する。以前に確保したヨコヅナマルコバン(ブログ2019 7.9)は当初コガネマルコバンと同定されたが、頭部を解剖し骨の形状でヨコヅナマルコバンと判明した次第である。この個体も外見だけでは同定出来ないと思うので確保したのだが、今後マルコバンを見つけたらヨコヅナマルコバンも疑わなければならなくなり、全て確保しないといけなくなるのだろうか。更に魚ボラで同定する時も頭部の骨を調べないといけなくなるのだろうか。DNA解析という手もあるのだが、標本を確保する側としてはどこかで見分けられなければ全てとなってしまう。だが、細かい違いを探すにもそれだけの個体を見る必要があるので、ヨコヅナマルコバンの標本がある程度集まるまでは全て確保しないといけないのだろうな。

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悩ましいロウニンアジ再び

2021年10月18日 | 市場
 昨日の日曜日は寒気が入り久し振りの大時化となる。時化明けと言う事で今日は期待して定置網漁に挑む。だが、漁模様はアカシュモクザメばかりで他の魚は少なく不漁に終わる。帰港すると市場内も魚があまり揚がっておらず、どこも不漁だった模様。そのような状況の中、4年前に見た悩ましいオニヒラアジ(ブログ2017 10.31)が水揚げされている。当時は沢山揚がっていたのだが、サイズが大きく高値なので確保する事が出来なかった。だが、今回は4年前の個体よりもサイズが小さく確保するチャンスである。だが、今日は水揚げ量が全体的に少なく、仲買人達にしてみればこの魚が目玉となり、みんなが目を付けている感じである。そのような状況では先取りして標本用に確保するのは難しい。4年前も台風明けに揚がっているので大時化明けに定置網に入網している。これからは時化の日が増えて来るので次回に期待し今回は諦める。今回は丁度1個体だけ普通のロウニンアジも揚がっており、並べてみると顔つきが違い全く別種のように見える。ロウニンアジではないとなるとイトウオニヒラアジかオニヒラアジとなるのだが、口が大きく主上顎骨が瞳孔の中央に達しているのでオニヒラアジではない。また、イトウオニヒラアジは成長した個体を見た事がないが、ネット上で海外産の成魚の画像を見ると尾鰭の上葉先端のみがクッキリと黒くなり下葉は鮮やかな黄色であるので違う感じである。となると日本未記録種も疑うが、黒潮に乗って流れて来そうな種が1種いてチェックしているのだが、それも違う感じである。一番可能性があるのがイトウオニヒラアジである。イトウオニヒラアジの海外産の個体は幼魚でも成魚の特徴がハッキリと現れている画像もネット上に載っている。こちらで確認している幼魚とは違うので、まだ見ぬ台湾以南に生息するイトウオニヒラアジの成魚はこのような色彩なのかもしれない。今はDNAで種が判明するので、この個体も確保してDNA解析により種を突き止めたい。でも、今度出会う時はまた更に成長して値段も高くなってしまうのだろうな。

デッキ上はアカシュモクザメだらけ



悩ましいロウニンアジを発見





上がロウニンアジ、下が悩ましいロウニンアジ



上がロウニンアジ、下が悩ましいロウニンアジ



悩ましいロウニンアジ
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標本登録へ

2021年10月14日 | 魚ボラ
 先日の素潜り採集で得たニシキカワハギだが、水中では綺麗な体色であったが取り上げると真っ黒になってしまう。綺麗な状態で写真を撮ってもらいたいので大学へ生きた状態で持ち込もうと考え、生かしておいた。魚類ボランティア(魚ボラ)は毎週水曜日に行われるのだが、なかなかタイミングが合わず、大学へ行く時は水曜日以外が多い。今回は魚ボラに合わせ持ち込もうと考えていた。だが、昨日の魚ボラの日は突然本船の修理が入り、夕方遅くまで掛かってしまい行くことが出来なかった。と言う事で今日、大学へ採集した魚を生きた状態で持ち込む。撮影する為ニシキカワハギに麻酔をかけると鮮やかな尾鰭の色が現れ安心する。そのほか頼まれていたアカエソなども標本登録してもらう。家に帰るとメールで今回の写真が送られてきた。見るとニシキカワハギは思っていた以上に綺麗な写真となり、生きた状態で持ち込んだ甲斐があった。魚ボラの撮影用のカメラも新しくなり、ニシキカワハギの写真を拡大して見ると、体側のサメ肌の様な微細な鱗も凹凸がハッキリと写し出されており、カメラの性能にも驚く。また、アカエソだと思っていた個体は2個体共ヒトスジエソと同定され、体側中央部の褐色縦帯で判断は出来ないのかとアカエソ属の同定の難しさを痛感する。探しているミナミアカエソは登録されている鹿児島県本土の標本は1個体のみで大隅半島産だというので、今度は薩摩半島産のミナミアカエソを採集するという目標も出来、鱗を数えないと同定出来ないという事なので自分では無理な為、見つけたアカエソ属は全て採集する意気込みで挑む思いである。今年中に見つけられるだろうか。







ヒトスジエソ



ニシキカワハギ



ミツボシキュウセン



チカメキントキ



コウライオヤニラミ(宮崎県産)



ニシキカワハギ



ヒトスジエソ
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遂にゲット ニシキカワハギ成魚

2021年10月11日 | 採集
 今日は天気が良いので仕事終了後、素潜り採集に行く。もう10月なので、採貝漁業のメインだったギンタカハマガイも禁漁となり、今回は魚の採集に集中出来るので有難い。だが、魚を探すも採ってはいけないとなるとやたらとギンタカハマガイが目に付く。今回は大学で頼まれてオハグロベラとアカエソをメインに探す。するといきなりニシキカワハギを発見。ニシキカワハギは幼魚は定置網や夜間採集で確保しているが(ブログ2007 3.17)(ブログ2010 6.14)、成魚はまだである。成魚は素潜り採集時に何度か見ているが、いつも見つけても直ぐに近辺には止まらずどこか遠くへ泳ぎ去ってしまい、採集の準備すら出来ずに採集出来ないでいる。今回も直ぐに諦めようかと思ったのだが、今日は時間があるのでどこまでも追いかけてみる事にする。思った通り止まらずグイグイと泳いで行くが、そのうち岩の下に潜り込むところを確認する。これはチャンスとばかり直ぐに岩の周りを網で囲む。これで遂に採集することが出来た。また、今度はフタスジタマガシラの幼魚を発見。これは今までに何度か採集したことがあり(ブログ2010 9.18)(ブログ2015 11.14)、簡単に採集できるだろうと思うものの、逃げられてしまう。また、頼まれていたアカエソは見つけ採集したものの、オハグロベラは見つける事すら出来ず終了。いつも貝採りをしている時は見ているのだが、いざ探すと見つからないものである。



ニシキカワハギを発見、追いかける(写真矢印)



フタスジタマガシラ幼魚(採集出来ず)





今回の採集成果



ニシキカワハギ(成魚初採集)水中では綺麗だったが上げると真っ黒



クギベラ



ミツボシキュウセン



アカエソ

*後日、魚ボラでヒトスジエソと同定されました


ブダイの仲間



ブダイの仲間



ブダイの仲間


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ハガツオかと思ったらスマ幼魚

2021年10月11日 | 定置網
 今日の定置網漁で見慣れない幼魚を見つけ取り上げる。見るとサバ科の幼魚で口が大きく、既に立派な歯も確認できる。口が大きく歯があるのでハガツオの幼魚だろうと思う。ハガツオは定置網で幼魚が獲れるが、このサイズは今までで一番最小である。よく見ると体側背面に横帯が出始めており、今までに確保した最小のハガツオ幼魚に繋がる感じなので喜ぶ。今、水産試験場からハガツオの幼魚を確保するように頼まれているのだが、このサイズは私も初めてなので自分用に確保する。帰港するとお隣の定置網でもサバ科幼魚が入っており、うちの個体が成長した感じでサイズが大きい。この個体もハガツオの幼魚だろうと思い、こちらは数あるので水産試験場用にも確保する。家に帰り撮影に取り掛かる。撮影用に展鰭すると背鰭の形状が違い、ここでおかしい事に気付く。ハガツオは背鰭が広いがこの個体は狭く、形状が違う。思ってはいたのだが、ハガツオの幼魚は定置網には毎年春先に入網するので今は時期的に違うのである。だが、ハガツオ幼魚と思い込んでいた為、時期はあまり気にしていなかった。種が不明となったので鰭立てを終えて同定する。ハガツオでなければ定置網によく入網するソウダガツオ属のどちらかだろうと思うも、検索図鑑で調べると第一背鰭と第二背鰭が接近しているのでスマの幼魚となる。今回確保した個体がハガツオではなく残念であるが、スマの幼魚もこのサイズは初めてなので撮影出来て満足する。だが、この個体を改めて見ればハガツオとは全く違い、そう思い込んでいた自分が本当に情けなく思う。更にこれで水産試験場用に確保した標本は魚ボラの標本へと変わる事になる。

スマ幼魚





うちの定置網に入網の個体



お隣の定置網より



上がうちの定置網の個体、下がお隣の定置網の個体








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イトマンクロユリハゼ確保

2021年10月04日 | 採集
 この前、素潜りで貝採りをしている時にまだ未採集のイトマンクロユリハゼを採集し易そうな場所で見つけたものの、採集道具を持っておらず採集出来なかった(ブログ2021 9.24)。イトマンクロユリハゼは採集しても冷凍保存すると解凍した時に腹部が割れてしまいそうなので、生きた状態で大学へ持ち込まなければならないだろうと思っていた。今日は昨日深海エビ船に乗船して確保した標本を大学へ持って行く予定である。神奈川県博の研究員となった元魚ボラの学生も丁度来鹿しており、仕事が終わり直ぐにでも大学へ走りたい思いであるが、イトマンクロユリハゼを持ち込むチャンスでもある。この前潜った時の状況を考えれば30分あれば採集出来るだろうと思い、時間がない中イトマンクロユリハゼの採集を試みる。海に入ると濁りがあり見つけられるだろうかと不安が過るが、意外と直ぐにイトマンクロユリハゼの群れを発見。思った通り簡単に採集。数個体採集するが、この前見た時、群れの個体はサイズが小さく、ペアで泳いでいる個体の方が大きかったのでペアを探す。こちらも直ぐに見つかり思う様に採集。これだけ順調に採集が進むとイトマンクロユリハゼ以外の魚も気になるが、この場所は前回採集道具を持参しなかったほど今までに採集したいと思う魚がいない場所であり、更に今日は濁りもあるので直ぐに諦め、切り上げることが出来た。思う通り採集は30分で終了。だが、今はウエットスーツを着て潜るので、採集は30分で終了したものの、準備や片付けで更に1時間ほど掛かってしまった。そして急いで大学へ走る。イトマンクロユリハゼは白いバケツに入れ運んだからか体色が白っぽかったが、撮影する為麻酔をかけると発色して綺麗な体色が現れ、綺麗な写真を撮ってもらえた。また、深海魚の方は初採集だったホウネンエソの仲間はホシホウネンエソに同定された。更に気になっていたスミクイアカカサゴであるが、著者である神奈川県博の研究員であり元魚ボラの学生に見てもらうと、残念だが全てアカカサゴと同定された。深海エビ漁乗船の目的だったスミクイアカカサゴは確保とはならず、再度のチャレンジに意欲が湧く。



イトマンクロユリハゼの群れを発見



今回の採集成果













イトマンクロユリハゼ



初採集のホシホウネンエソ


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今年初の深海エビ漁乗船

2021年10月03日 | 採集
 地元の深海エビ漁が7月から始まっている。今年もなんだかんだで深海エビ漁に乗船できず既に3ヶ月が経ってしまう。そして本日ようやく乗船。今回最大の目的は鹿大に標本はあるが標本写真の無いスミクイアカカサゴの確保である。スミクイアカカサゴは昔アカカサゴと別種と見なされていたが、学術的な根拠が乏しく、外見が似ていることから、その後は同種とされていた。それを当時の魚ボラの学生が世界の博物館に所蔵されている標本を調べ、アカカサゴとは別種であることが判明し論文で発表した(ブログ2021 3.5)。そのスミクイアカカサゴは論文著者の魚ボラの学生と一緒にエビ船に乗船し沢山確保したアカカサゴの中から後日見つかり、運が悪い事に生鮮時の標本撮影をしなかった中の1個体であったそうで、鹿大には生鮮時の写真が無く、論文には京都大学の写真が掲載されている。自分としてはまだアカカサゴとの判別が出来ないので今回はとにかくアカカサゴを全て確保する事である。辺りが明るくなって来てから漁が始まる。網が水面まで上がると網の口を開け、まずは浮いた魚を外に出し、後でエビを選別しやすいようにする。アカカサゴは全て浮くのでここで殆どが水面に放り出される。ここで掬い採らなければならず、必死にアカカサゴを掬い採る。4回操業して10個体程確保できた。確保したアカカサゴの口腔内を見ると1個体だけ黒い範囲が広い個体を発見。自分ではやはり判別出来ないのであとは著者の元魚ボラの学生に委ねる事にする。今、その元学生が鹿大に来ているので明日大学に持ち込み同定してもらう事にする。今回はそのほか今まで確保したホウネンエソの仲間とは別種と思われる個体も確保出来き、今回も沢山の深海魚の標本を頂いた。今年はあと何回乗船出来るだろうか。









アカカサゴ


右の個体の方が口腔内の黒い部分が広くスミクイアカカサゴだろうか

*後日スミクイアカカサゴの著者の元学生に同定してもらうと全てアカカサゴと同定され、スミクイアカカサゴはいませんでした


今回初確保のホウネンエソの仲間

*後日、魚ボラでホシホウネンエソと同定されました


トウヨウカマス



マルカワカジカ



ソコホウボウ



ギス



アンコウ



ミドリフサアンコウ



ヒレタカフジクジラ



まだヨークサックを付けているヒレタカフジクジラの幼魚



ボウズカジカ



ウロコガレイ



ヤリダラ?



ハダカイワシの仲間



ヨリトフグ



ボウズコンニャク



マルヒウチダイ



ニホンヤモリザメ



アオメエソ



フウリュウウオ



ソコマトウダイ



サンゴイワシ


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トビハタ若魚

2021年10月02日 | 定置網
 今日は市場で水揚げ作業をしているとお隣の定置網の方に珍しい魚が獲れたと教えてもらう。見に行くとトビハタの若魚である。魚ボラの標本用に有難く頂く。トビハタは稚魚・幼魚が今年の4月に相次いで別な定置網に入網し、標本用に頂き確保している(ブログ2021 4.3)(ブログ2021 4.7)。このサイズのトビハタはうちの定置網で7年も前に初めて獲れ(ブログ2014 10.29)、それ以来は見ていないので久し振りの若魚とのご対面である。その当時と同じく体には成魚や幼魚では確認できない斑紋が現れている。稚魚、幼魚、若魚と標本は揃ったものの成魚はまだ確保していない。たまに市場に揚がるのだがこの見た目でもハタの仲間である。成魚となると高値が付き、なかなか手が出ず、幼魚、若魚、成魚とコンプリートするにはハタ類独特の壁が立ちはだかる。


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2年振りのマテアジ

2021年10月01日 | 定置網
 今日は定置網にマテアジが1個体入網。前回獲れたのが2年前のクリスマスの日(ブログ2019 12.25)であった。ここ数年、南方系のアジ類が急激に減っている。そのような状況の中で今回マテアジと出会うことができてちょっと安心する。前回のマテアジは6年振りだったので、それに比べれば2年振りなのでこの状況でも嬉しい思いである。次回出会うのがまた2年後であれば寂しいが、これを機にまた南方系アジ類が沢山到来してくれればと切に願いたい。


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