お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

網替え作業で久し振りのコクチフサカサゴ採集

2022年02月28日 | 定置網
 今日も定置網漁の網替え作業。汚れた網を本船に取り込む時に普段網に潜んでいる小さな魚達も一緒に揚がって来る。今月の別な網の網替え作業ではヒメダラ幼魚とミジンベニハゼを確保している(ブログ2022 2.12)。今回の網替えではそのような魚は今までに見つけたことのない網なので期待していなかった。だが、網を揚げ終わった後、本船のデッキ上で黄色い小さな魚を発見。体色からミジンベニハゼかと思ったらオキゴンべの幼魚である。その周りを探すと更にもう1個体見つける。オキゴンべは昨年同じく網替え作業で発見しブログで報告している(ブログ2021 7.2)。更によく探すと小さなフサカサゴの仲間を発見。ぱっと見コクチフサカサゴのように見えるが両種とも確保する。帰港し確保したフサカサゴの仲間をよく見ようとするが、小さな容器に入れた為か口を大きく開けてしまい、何だかよくわからなくなってしまう。家に帰り展鰭するとやはりコクチフサカサゴの様である。コクチフサカサゴは普通種であるが、ここでは今までに数個体しか確認していない。魚ボラで綺麗な写真を撮ってもらう為、今回はホルマリンを使わずここで終了。



コクチフサカサゴ



オキゴンべ幼魚



コクチフサカサゴ



オキゴンべ幼魚



オキゴンべ幼魚



オキゴンべ幼魚
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夜間採集でヨウジウオ科採集

2022年02月26日 | 採集
 今日は夜間採集の日。昼間は晴れであったので天気は気にしていなかったのだが、夜間採集に行く時間の前に雨が降って来る。諦めようかと思ったが雨雲レーダーを見ると1時間待てば雨は止むみたいである。雨が止むのを待ち日付が変わってから港へ向かう。雨が止んだばかりで無風なうえ透明度が良く条件としては最高の状態で魚を探す。水面のゴミが潮で流れる中、動かない長いゴミを見つけタモ網で掬う。小さ過ぎるので現場では何だかわからないが、細長くくちばしが確認出来るのでヨウジウオの仲間とは分かったものの、種まではわからない。家に帰り調べる為確保する。その後、魚を見つけタモ網で掬うとタカノハダイの幼魚である。タカノハダイの幼魚は探していたのだが、この幼魚は求めているステージの先を行ってしまっており写真にだけ収め逃がす。その後雨が止んだ後の風が吹いて来てしまい終了。家に帰りヨウジウオを水槽に入れて行きた状態で撮影。写真を拡大するが種はわからない。標本写真を撮れば種まで同定出来るかもしれないが、そこまではせず魚ボラの標本用に冷凍保存する。







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薩摩半島沿岸の魚類図鑑刊行

2022年02月25日 | 魚ボラ
 3年前に大学でこの近辺の魚類図鑑の制作に着手していた。その後、図鑑制作は滞り、昨年の年末にかけ再び動き出し、ようやく刊行に漕ぎつける事が出来た。今日、鹿児島大学に納品と言う事で受け取りに行く。今回の薩摩半島沿岸の魚類図鑑は198科623属1294種を掲載。鹿大総合研究博物館に所蔵されている標本を基本とし、標本を確保出来なかった市場での写真やダイビングによる水中写真で構成されている。沿岸と言う事で深海エビ漁で得られた標本は残念ながら載っていない。大学へ行き、図鑑を見ると知らなかったのだがハードカバーで作られており高級感があり驚く。種数が多く更に1種につき写真を数枚使っている種もあるので分厚い図鑑を想像していたがA4で329ページとページ数を抑えた分、サイズ的にはお手頃サイズとなった感じである。その為、手に取り図鑑を見ると写真は小さくちょっと見難い感じがする。作成中はでPDF版をパソコンで見ていたのでそこまで気付かなかった。更に全ての写真のサイズが同じ構成の為、珍しい魚種や思い入れのあるサクヤヒメジなどが普通種に埋もれてしまっている感じがあり目立たず、思い描いていたものとはちょっと違った感じとなってしまった。また、図鑑を入稿後に私が著者を担当したアジ科は11種の属名が変更となってしまい、既に印刷中な為訂正出来ない状態で刊行となってしまう。時間がなく妥協せざるを得ない状況ではあったが、何はともあれ図鑑を刊行する事が出来た事でリストアップされ一旦区切りがつく。今後はこの図鑑を元に更なる魚種を求めて標本の収集をして行くことになる。
枕崎おさかなセンターのHPより図鑑を購入することが出来ます。また鹿大インフォメーションセンターでも販売されます。










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今度はハチ

2022年02月12日 | 採集
 今日は土曜日なので港へ夜間採集へ行く。今日の日中は久し振りに凪で一日中定置網の沖仕事が出来た。だが、夜になりまた風が吹いて来て、港に来ると結構風が強い。その為、岸壁を覗くと海藻やゴミが打ち寄せて覆い、海中を見ることが出来ない。何とかゴミの隙間からハナオコゼの稚魚を見つけるもののゴミの量が凄く、これではお手上げ状態である。岸壁採集は出来ないが幸い潮が下げているので港内に降りて散策する。すると干上がった砂の上にハチが横たわっているのを発見。先月の終わりには砂の上でヒメハゼを見つけ、今度はハチである。このハチも砂に潜っていたところ潮が引いて逃げ遅れたのだろうか。手に取ると鰓はまだ動いているが瀕死の状態である。バケツに入れ様子を見る。結局その後は何も収穫は無く終了。ハチはバケツの中でひっくり返ったままで蘇生する感じも無い。見れば鰭膜も破れておらず、体にはスレ傷すら無く綺麗な状態。という事で魚ボラの標本用に確保する。



岸壁はゴミや海藻で覆われている



ハナオコゼ稚魚



砂の上でハチを発見




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ヒメダラ幼魚

2022年02月12日 | 定置網
 今日は定置網の網替え作業。運動場という個所の網を本船に揚げる。その網揚げ時に運が良いとミジンベニハゼやイレズミミジンベニハゼなど珍しい魚が網と一緒に揚がって来て見つかることがある(ブログ2008 11.5)。この網替え時以外では採集出来ない魚なのでとても貴重である。今回も作業中ふと足元を見ると、今まで見たことのない小さな魚を発見し小さな容器に確保する。作業中でじっくり見ていないのだが、ぱっと見で網に隠れる魚で見た目に眼が大きく吻が丸かったのでアゴアマダイの仲間だろうかと思い、ワクワクする。そのほかミジンベニハゼも見つけるが、イレズミミジンベニハゼは今回見つけることが出来ず。作業を終え帰港中、確保した魚をじっくり見ると体型や鰭の形状からアゴアマダイの仲間ではなくチゴダラの仲間みたいである。鰭が乾かない様に容器に少し海水を入れるとまだ生きていたみたいで、大きく口を開けてしまい逆効果となり失敗。家に帰り調べてみる。サイズが小さいので写真は魚ボラで撮ってもらおうと思い、ホルマリンは使用せず軽く展鰭する。下顎に髭があり、腹鰭を確認すると糸状に延長している。その時点で該当する魚を見るとヒメダラが載っている。昨年、県本土で初確認のヒメダラが報告されていたので、その報告書を見ると一致し、ヒメダラの幼魚みたいである。ヒメダラは一昨年の年末に夜間採集で稚魚を採集しており、当初はチゴダラだろうと思っていたがヒメダラと教えて頂いた(ブログ2020 12.5)。折角なので携帯電話で簡単に撮影する。これでヒメダラは稚魚、幼魚と確保する事が出来たので、今度は更にサイズアップした個体を探したい。










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大きなタチウオ

2022年02月09日 | 定置網
 今日は定置網漁で大きなタチウオが大漁。漁獲量的には1トン程であるが、その殆どが2キロ前後の大きな個体である。昨年の今の時期もタチウオが非常に多かったが、サイズが200~300グラムくらいの小さな個体ばかりであった。今回獲れた大きなサイズのタチウオは今まででは獲れたとしても1日で10本程度であり、これだけまとまって獲れるとは非常に驚きであり、とても嬉しい限りである。今朝は海水温が更に下がり15度を切ってしまい、網を起こす前から今日の漁獲をあまり期待していなかった。これだから定置網漁は網を起こすまでは何がどれだけ獲れるかわからず本当に面白い。今回はサイズが皆大きな為、1尾1尾ハカリに乗せ選別し、鋭い歯で傷付けない様に丁寧に水揚げ作業を行った為、時間が掛かってしまう。しかも世間は未だにコロナ禍で鹿児島県もまん延防止措置中であり、魚価が低下してしまうだろうと思っていたが、あまり単価は下がらずまずまずであった。タチウオは今までに大きな個体は5キロを超える個体も獲れているが、今回は最大でも4キロを下回ったが、それでもこの漁獲量で今回は久し振りに興奮した1日となる。










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時化の夜間採集でダイナンウミヘビ

2022年02月05日 | 採集
 今年は時化の日が非常に多く、一度風が吹くと数日は時化となり、先月定置網漁に出漁出来たのは月の半分に満たない状況である。その為か定置網や市場でのブログネタは少なく、年明けからは夜間採集ネタばかりである。昨日、今日も時化となり出漁出来ず、今日の夜間採集となる。港に着くがこちらも風が強く、おまけに濁りがあり水中は覗けない感じである。プランクトンも見えないので稚魚も狙えないと思い、ザっとだけ見回る。すると細長いアナゴ系の魚が波に揉まれながら泳いでいるのを発見。細長かったのでダイナンウミヘビだろうと思うが確認の為一応タモ網で掬う。するとやはりダイナンウミヘビである。一応確保する。その後、粘っても時間の無駄だろうと思いあっさりと諦め終了。夜間採集まで時化の影響を受け、今後のブログネタに不安が過る。




ダイナンウミヘビ
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