お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

忘れていたシロフチトビウオ

2024年08月10日 | 定置網
 今日は定置網漁で網を絞ると水面をアヤトビウオが水玉模様の胸鰭を広げて逃げ回っている。その中にサイズが少し小さく胸鰭の模様の違う個体を発見。直ぐに掬い取り確保する。家に持ち帰り検索図鑑などで調べるとシロフチトビウオとなる。シロフチトビウオはあまり聞き慣れない魚種名だなと思い、ここの海域では初記録ではないかと思う。ところが調べると7年前に当時の魚ボラの学生がうちの定置網で獲れた個体を鹿児島県本土初記録として報告しており、私も第二著者として名を連ねているではないか。完全に忘れてしまっており情けなく思う。確かにこの胸鰭の模様は特徴があり、以前に撮影したことを思い出して写真を探すと見つかる。本当に最近よく思うが歳を重ね物忘れが酷くなったことを痛感する。以前なら魚を見ればここで獲れたことがある、未確認というのは直ぐにわかり、更にどこで獲れたのかも覚えていたが、最近はここでの記録があるのか無いのかはまだわかるものの、何時どこで獲れたのかまでは思い出せなく、うちの定置網での初入網でさえその場ではわからず調べなければならなかったりする。なので新たな発見も見過ごしてしまわないか今後も本当に心配である。
シロフチトビウオ

シロフチトビウオの胸鰭


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ゴミかと思ったらカエルアンコウ科幼魚

2024年07月02日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え、帰港して市場でオキヒイラギの選別作業となる。ヒイラギ科の別種を探しつつ混ざっているヒメヒイラギやキタマクラなどの雑魚、ゴミなどを取り除いて行く。何気なく目に付いた小さな白いゴミを取り除こうと手に取る。するとゴミではなく魚ではないか。見た感じカエルアンコウ科の魚である事はわかるがとても小さく細かい所までは良く見えないのだがぱっと見普通のカエルアンコウではないと思う。だが、種まではわからない。カエルアンコウ科の魚は体色の変異が非常に多く、体色だけからでは種同定は出来ないのだが、体色が白いので一度地元で見てみたいクマドリカエルアンコウだったら嬉しいと思いながら魚ボラの標本用に確保する。家に帰り簡単に展鰭して写真を撮り、パソコンで拡大して見る。展鰭時にエスカは確認出来なかった。更に軟条数も数えらず、オオモンカエルアンコウかイロカエルアンコウとなりクマドリカエルアンコウではなくちょっと残念。両種とも標本は確保しているのでちょっと残念であるが初めて見るタイプであるので良しとする。
カエルアンコウ科幼魚


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ヨロイアジ雄個体

2024年06月24日 | 定置網
 今日は定置網漁で大きめのヨロイアジが入網。大きいからかいつもとどこか雰囲気が違う感じがする。よく見ると背鰭軟条・臀鰭軟条の中央部が糸状に伸びているではないか。リュウキュウヨロイアジでは大きめの雄個体で同じように軟条が糸状に伸びた個体(ブログ2014 10.28)は何度も見ているがヨロイアジでは今回が初めてである。一応、検索図鑑を見るとヨロイアジもリュウキュウヨロイアジの様に軟条が糸状に伸びている図が載っているのでそのうち見ることが出来るだろうと思っていた。実際に見ることが出来て感動してしまう。だが、魚ボラの標本用に確保したいところではあったのだが今回は会社の方で必要という事で確保するのは諦める。でも、ヨロイアジは毎年増えて来ており、またそのうち獲れると思われるので次回見つけた時に確保しようと思う。今回は写真にだけ収める。
ヨロイアジ雄個体




背鰭軟条中央部が糸状に伸びている

臀鰭軟条
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今度はコバンヒイラギ現る

2024年06月03日 | 定置網
 コロナ感染から何とか立ち直り、今日から仕事復帰。今日の定置網漁でまたキビレヒイラギが1個体入網。私が休んでいた数日間も獲れていたかもしれないが、ある程度標本は確保出来ているので意外と残念な気持ちでもない。するとお隣の定置網でもまたオキヒイラギの中から大きめの個体を2個体見つけたと教えてもらう。またホソウケグチヒイラギなのかなと思いながら貰いに冷蔵庫へ行くとやはりホソウケグチヒイラギである。だが、2個体共ではなくもう1個体はコバンヒイラギであった。やはり思った通り2個体共キビレヒイラギではない。お隣の定置網では今までにキビレヒイラギは獲れていないのだろうか。うちの定置網とお隣の定置網で入るオキヒイラギは一緒なのに混ざる魚種が別れているのが何とも面白い。今後もこの動向を見て行きたい。
うちの定置網ではキビレヒイラギ

お隣の定置網ではまたホソウケグチヒイラギ

お隣の定置網でコバンヒイラギ

写真:左上オキヒイラギ 右上ヒメヒイラギ
真ん中キビレヒイラギ
左下ホソウケグチヒイラギ 右下コバンヒイラギ
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まさかのホソウケグチヒイラギ

2024年05月29日 | 定置網
 今日は定置網操業中に風が吹いて来てうち以外の定置網は出漁を見合わせる。だが、お隣の定置網は風が治まってから出漁したみたいである。仕事も終わり家で昼ご飯を食べているとそのお隣の定置網の方から標本用の魚を確保したと連絡が来る。以前にうちの定置網でキビレヒイラギが獲れている話をしたらお隣の定置網でもオキヒイラギの選別中に大きな個体を見掛けるそうで今度見つけたら確保してくれると言われていた。昨日はうちの定置網でもキビレヒイラギが7個体獲れ、標本用に確保していた。昨日からちょっと体調が悪く飯を食ったら寝ようかと思っていたが港まで走る。港に着き、確保してくれた個体が置いてある冷蔵庫へ行き標本を確認。2個体置いてあり、手に取ると驚く。自分では当然うちの定置網と同じでキビレヒイラギだろうと思っていたのだが、その個体はホソウケグチヒイラギであった。ホソウケグチヒイラギは今までに何個体は見つかっているがここでは珍しい魚であり、滅多に出会うことが出来ない。こうなるとお隣の定置網に今まで入っていた大きな個体とはホソウケグチヒイラギだったのかキビレヒイラギだったのかが気になる。今後も続いてくれれば答えが出ると思われる。家に帰り体調が悪化し熱が出て来たので病院へ行くとまさかのコロナ感染。これからしばらくは魚と戯れない状況となる。
ホソウケグチヒイラギ

今回は2個体頂く

昨日確保したキビレヒイラギ
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この時期初 ヨロイアジ

2024年05月29日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え帰港して魚を選別しているとヨロイアジを発見。今の時期にヨロイアジと出会えるなんてと思い嬉しくなる。最終的に2個体の入網であった。ヨロイアジは毎年10月から12月頃の秋から冬に掛けて定置網に入網する。最近はマルヒラアジが毎日入網していたがヨロイアジが5月に獲れたのは初めてであり何の前触れもなく来たのでちょっと驚く。これが偶々だったのか今後も続くのか気になるところである。また、こうなって来るとヒラアジ系の別種を期待してしまう。これからはまた目が離せなくなり、今後も面白い魚を期待したい。
ヨロイアジ

今回は2個体入網

写真上:マルヒラアジ   写真下:ヨロイアジ
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トビウオ類の若魚は何処へ

2024年05月25日 | 定置網
 今日は定置網漁で網を絞って行くと小さなトビウオの幼魚が群れているのが目に付く。見るとその中に1個体だけ長い髭を持つ個体を発見。他の個体には目もくれず、その髭を持つ個体のみに焦点を合わせ採集。活かした状態で持ち帰る。入れた容器が小さかったからか帰港すると弱っておりあまり泳がない。鰭を広げて綺麗に泳いでいる写真を撮りたかったのだが残念。魚ボラの標本用に確保する。今回の個体は今までにも定置網漁で何度か見ており、採集したこともある(ブログ2020 7.2)。今回の個体の細部を確認すると前回採集した個体と合致しカラストビウオの幼魚と思われる。トビウオ類の幼魚は標本を集め、成長過程を確認したいと思っていたのだが、これからの時期に稚魚・幼魚は定置網に入るものの、その後少し成長した若魚などは全く獲れず、いきなり成長した成魚が獲れるのである。成長過程のわかる写真が撮れれば稚魚・幼魚がどの種になるのか納得がいくのだが、ネットで調べても稚魚幼魚の写真は見つかるものの若魚の写真は意外と見つからない。成長過程で間の若魚時期はいったいどこに行ってしまうのだろうか。
カラストビウオ幼魚

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戻って来たキビレヒイラギ

2024年05月22日 | 定置網
 今年の1月に定置網にオキヒイラギがたくさん入網し、その中からキビレヒイラギを10個体見つけたもののコバンヒイラギと勘違いして5個体を捨ててしまう(ブログ2024 1.26)。その後も獲れたものの2月2日(ブログ2024 2.2)を最後にオキヒイラギの入網はあるもののキビレヒイラギは姿を消してしまう。そして先月に再び姿を現したものの2個体のみで終わる。そして今日、再びオキヒイラギの中からキビレヒイラギを発見。2月まではオキヒイラギと同じくらいのサイズの為、よく探さないと見逃してしまいそうな感じであったが、今回はオキヒイラギよりもはるかに大きなサイズな為、探さなくても直ぐに目に付く。この3ヶ月でオキヒイラギのサイズは変わらなかったものの、キビレヒイラギは結構成長した感じとなる。今回は4個体見つけ標本用に確保する。オキヒイラギが入網した時に必ずいる訳でもなく、オキヒイラギと一緒に回遊しているのか、それとも別で回遊しているのか気になる。また、今年はキビレヒイラギの当たり年となっている感じであるが、その年その年でオキヒイラギ・ヒメヒイラギ以外のヒイラギ科の魚がコバンヒイラギやタイワンヒイラギ、ホソウケグチヒイラギだったりするので本当に面白い。このキビレヒイラギはいつまで続くのだろうか。
キビレヒイラギ


写真上:オキヒイラギ 写真下:キビレヒイラギ
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有難いクサアジ

2024年05月11日 | 定置網
 昨日は定置網の網替え作業が終わるのが遅くなる。網を入れてから時間があまり経っていないので今日は仕事が休みになる。朝から家でゆっくりしているとお隣の定置網の人から電話があり、珍しい魚が獲れて標本用に確保しているとの事。港まで標本を受け取りに行く。指定された冷蔵庫の中の場所を見るとクサアジが置いてある。クサアジは背鰭・臀鰭が非常に高く広いのだが鰭膜が弱く破れてしまいがちである。恐る恐るこの個体の鰭を広げると意外と破れは無く綺麗な状態であり、丁寧に確保して頂き感謝である。有難く魚ボラの標本用に確保する。クサアジはここでは定置網で稀に獲れることがあるだけで滅多にお目に掛かれない種であるのだが、以前に何度か市場に山の様に水揚げされていたこともあり、生態は非常に謎めいている。リュウグウノツカイなどと同じアカマンボウ目という事で謎めいているのも納得である。
クサアジ


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悩むことなく チゴダラ

2024年04月27日 | 定置網
 今日は定置網漁で網を起こしていくとチゴダラ発見。直ぐに掬い取り生きた状態で確保する。チゴダラは最近見なくなった魚であり、久し振りの対面となる。以前の写真の記録を見ると6年振りの入網みたいである。チゴダラと言えば以前はエゾイソアイナメの存在があり、眼径の大きさや体色、分布域や生息水深の違いなどで別種扱いされていた。獲れればいつもどちらだろうかと悩まされていた(ブログ2009 4.20)のだが、2019年にエゾイソアイナメはチゴダラの新参異名であると報告され、今後の悩む苦労がひとつ減った思いであった。ところがシノニムと報告されチゴダラに統一されたもののそれからは姿を見ておらず、今回は久し振りに獲れ、全く悩むことなくチゴダラと直ぐに判明し、その恩恵を初めて受けた感じとなる。一応、標本登録済みであるので来月初めの地元イベントで展示する為、船の中で活かしておくことにする。
チゴダラ


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探していたタイワンダイ

2024年03月22日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え市場で水揚げ作業を終えるとお隣の定置網船が帰港。水揚げ作業が始まるといろいろな魚が入ったカゴが運ばれて来る。何かいないか見ると大きめのチダイの様な魚が混ざっている。最近はチダイの中にヒレコダイが混ざっているのをよく見かける。今回もヒレコダイかなと思い、取り上げてみる。すると面長でヒレコダイではなくタイワンダイである。タイワンダイは昨年の11月にうちの定置網でも久し振りに獲れ、ブログでも紹介している(ブログ2023 11.11)。タイワンダイは探していた魚であり確かめたいことがある。実は昨年獲れた時にSNSに上げるとウオノエの研究者の方からタイワンダイからはまだウオノエが見つかっていないとの事。今度タイワンダイを見つけたらウオノエがいるかどうかを確認してほしいと言われていたのである。まだ見つかっていないとなると自分でもいつも以上に興味が湧きタイワンダイを探していたのである。早速タイワンダイの口を開き、口腔内を見てみるとウオノエの姿は確認出来ず。それならばと両方の鰓の中も隅々まで確認するが結局見つからず残念である。ウオノエが見つからなかったことを伝えるとマダイとタイノエの研究では、タイノエの寿命は6年くらいで、それより高齢のマダイには寄生が見られないことが報告されているとの事。だからマダイや他魚種でも大きな個体には寄生していないのかと納得。今までに小さなタイワンダイもここでは確認しているので今後に期待したいところである。
タイワンダイ



数日前に揚がっていたヒレコダイ
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探していたミナミホタテウミヘビ確保

2024年02月06日 | 定置網
 今日は港へ行くが時化模様。それでも出漁し定置網漁を操業。するとホタテウミヘビを発見。だが、いつも見るホタテウミヘビよりも体全体が黒っぽく見える。ウミヘビ科の魚はよく知らないので一応確保しておく。仕事が終わり改めて確保した魚を見るがやはりホタテウミヘビとは違う感じがする。そうなると探しているミナミホタテウミヘビだろうかと思い魚ボラの標本用に確保し持ち帰る。ネットで調べてみるが意外とミナミホタテウミヘビの情報がなくわからない。ウミヘビ科を検索図鑑で調べるのは自信がないが一応検索してみる。すると鋭い歯がなく顆粒状であり、この時点でホタテウミヘビの可能性はなくなる。そして背鰭起部の位置よりミナミホタテウミヘビとなる。ホタテウミヘビとミナミホタテウミヘビの違いが今まで自分ではよくわかっておらず、標本は確保しても同定は全て魚ボラに任せて来た。今までに確保して来たホタテウミヘビの標本の中にミナミホタテウミヘビも混ざっていたのではないかとも思っていたのだが、薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2.25)を作成するにあたりミナミホタテウミヘビの標本がない事がわかり、今まで見て来た個体は全てホタテウミヘビだったのだとわかった次第である。その為、ミナミホタテウミヘビはこの近辺にはいないのだろうとも思ったが、お隣の大隅半島では定置網から標本が得られているのでそれならこちらでも獲れるだろうとも思い探していたのである。今回ミナミホタテウミヘビを確保することが出来、これでまた薩摩半島沿岸の魚類図鑑の種数が1種増えたことになる。
大時化の中、定置網漁操業

ミナミホタテウミヘビ






歯は鈍く顆粒状で主上顎骨歯は歯帯をなす


背鰭起部は胸鰭中央上にある

後鼻孔の前後に肉質の小突起がある


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思う様にはいかない キビレヒイラギ

2024年02月02日 | 定置網
 1週間前に定置網漁でオキヒイラギが沢山入網し、そこから10個体のキビレヒイラギを見つけるもコバンヒイラギと勘違いして5個体を捨ててしまう。だが、1日で10個体も獲れたなら今後も続くだろうと思っていた。ところがオキヒイラギの入網は毎日あるもののその中からキビレヒイラギをなかなか見つける事が出来ずにいた。そして一昨日ようやく1個体見つけ、今日は2個体発見。だが、肝心のオキヒイラギの入網がガクンと減り、今後は厳しそうである。せめて捨ててしまい後悔している5個体分は確保したいと思っている。ヤンバルウケグチヒイラギや宮崎で見つかっているカドガワウケグチヒイラギなどまだ見ぬヒイラギ科の魚であれば後悔を補うには十分なのだが贅沢言っていられないので今後も地道にキビレヒイラギを探すしかない。あと2個体なのでどうにかならないものだろうか。
1月31日入網のキビレヒイラギ

今日は2個体入網

写真上キビレヒイラギ、写真中オキヒイラギ、写真下ヒメヒイラギ
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やってしまったキビレヒイラギ

2024年01月26日 | 定置網
 今週に入り大寒波到来。海は当然大時化となる。そうなると大時化明けの定置網漁に期待していた。そして3日振りに定置網漁出漁となる。ところが蓋を開ければ小さなオキヒイラギがメインの漁模様。帰港後に選別作業をするも面白い魚は見つからない。最後にこの小さなオキヒイラギを選別。混ざっている雑魚やヒメヒイラギを取り除く作業。せめてこのオキヒイラギの中にヒイラギ科の別種がいないだろうかと選別作業をしながら探す。すると下顎が太めの個体を発見。コバンヒイラギだろうと思い確保。その後も見つかり最終的に10個体見つける。更にネッタイヒイラギとミジンベニハゼも1個体ずつ見つかり、特にネッタイヒイラギは久し振りの対面となる。コバンヒイラギは今までに結構標本を確保して来たうえサイズが小さかったので大きめで綺麗な個体を残し、半分だけ標本用に確保する。大時化明けで期待していたが最後の最後でネッタイヒイラギと久し振りに対面出来たので良しとしていた。ところが仕事が終わり確保した標本を持ち帰ろうと再び見るとコバンヒイラギに何か違和感がある。コバンヒイラギは体型がもっと卵型な感じがする。なので口の中に指を入れてみる。するとコバンヒイラギの特徴である犬歯状の歯がないではないか。となるとキビレヒイラギとなる。家に帰り調べると以前にも自分で同じような事をしておりブログにも載せていた(ブログ2019 2.27)。キビレヒイラギはネット情報が少なく珍しい種と思われる。久し振りのネッタイヒイラギが嬉しく気を取られていたのかコバンヒイラギと思い込みキビレヒイラギを5個体も捨ててしまったではないか。ネッタイヒイラギの嬉しさを大きく上回り後悔する事となる。だが、今回10個体も入網しているのでまた獲れるだろうと今後に期待する。
漁獲されたオキヒイラギ

オキヒイラギの選別作業

最初はコバンヒイラギと思っていたがキビレヒイラギ

久し振りのネッタイヒイラギ

ミジンベニハゼ

選別作業でキビレヒイラギを10個体も見つけたのだが

キビレヒイラギ

両顎に犬歯状の歯がない
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ホッとしたカラスエイ

2024年01月20日 | 定置網
 今年も日頃の魚の事をアップして行きますのでお付き合いの程、よろしくお願い致します。先ずは年明け早々に起きた能登半島の震災により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。能登半島は我々定置網漁業者においてブリ漁の聖地であり、そこが壊滅的な被害に遭われとても驚いております。一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

 さて、年が明け、長い正月休み明けの定置網漁を期待していましたが面白い魚はなく、それからも普通種の漁模様が続く。何もブログネタのない状況が続きもう月の半分が過ぎてしまう。そして昨日やっと久し振りにカラスエイが入網。まだ日が昇る前の辺りが暗い時間帯であり水中も暗く体盤も黒く見難い状況であったがアカエイとは違う泳ぎ方に見覚えがあり、直ぐにカラスエイと認識。他の魚と混ざる前に確保する。帰港後、水揚げ作業が忙しいのでカラスエイを籠に入れたまま漁協の冷蔵庫に入れて置く。仕事を終えてから漁協の冷蔵庫へカラスエイを見に行く。籠から出して写真を撮ろうとすると体盤の腹側に籠の跡が付いてしまっている。長い時間籠に入れっぱなしだった為、跡が付いてしまい失敗したと後悔。この状態では魚ボラの標本には出来ないので前回モノノケトンガリサカタザメを持って行った(ブログ2023 12.13)水産学部の食べる先生の方へ持って行こうかと悩む。取り敢えず大きな袋に移し替え一日置くことにする。そして今日、仕事終わりでカラスエイを見に行くと体盤腹側に付いていた籠の跡が消えている。これなら魚ボラの標本になりそうである。ホッとしいつもの様に研究室へと走り標本登録してもらう。
カラスエイ

体盤腹側に籠の跡が付いてしまう

一日置き、籠の跡が消える


カラスエイの歯


鹿大郡元キャンパス




黒い板で標本への光の反射を抑える


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