お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

カンムリダチ再び

2024年04月29日 | 市場
 今日は定置網漁を終え市場で水揚げ。水揚げ後は雨が降り仕事も終了となる。早めに仕事が終わりゆっくりと市場内を散策。他の定置網はまだ水揚げ作業中である。すると小さなタチウオやイスズミなど雑魚が入ったカゴの中に綺麗なキスジヒメジを発見。手に取り記録用に写真のみ撮る。撮影後、魚を元のカゴに戻そうとする。すると一緒の雑魚カゴに入っていた小さなタチウオの顔つきが違う事に気付く。手に取るとカンムリダチである。カンムリダチは以前に1個体だけこの市場で見つかっており、この個体で2個体目となる。その1個体目は私は気付かなかったのだが、丁度魚類相調査で来ていた宮崎大学の学生が見つけてくれて魚ボラの標本として確保している(ブログ2017 5.17)。今回も最初に雑魚カゴを見た時は小さなタチウオが入っているのは見ているがキスジヒメジに目が行ってしまいカンムリダチだとは気付かなかった。もしもキスジヒメジが入っていなかったらそのままスルーしていたと思う。更にそのキスジヒメジを撮影後戻す時に気付いたのでキスジヒメジをそのまま標本用に確保していたらカンムリダチだとは気付かなかっただろう。今回の事を考えると今までにも様々な魚を見ているが気付かずにスルーして来ているのではと思われる。今回の様に運もあるのかもしれないが、何もかも疑いながら見なければ巡り会えない魚もいるのだろう。
カンムリダチ


キスジヒメジ




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直ぐに終了の夜間採集

2024年04月27日 | 採集
 今日は土曜日なので夜間採集の日。夜になり雨が降って来ている。潮が満潮時で期待も出来ないのであまり乗る気ではない。だが、雨雲レーダーを見ると丁度1時間くらい雨が降らない時間帯がある。乗る気ではないがその時間を狙ってサッと夜間採集へと行く。港に着くと雨は止んでいる。だが、魚を探し始めると直ぐにポツリポツリと雨粒が落ちてくる。雨雲レーダーでは大丈夫だったので気にせず魚を探す。すると船の係留ロープにいかにもタツノオトシゴとわかるシルエットが尾を絡ませているのを発見。タモ網で掬い採るとやはりタツノオトシゴ属の魚である。一応確保する。その後、雨は次第に強くなり雨雲レーダーとは異なり本降り状態。これでは水中も見えず終了。たったの10分程の採集となる。帰宅後、採集したタツノオトシゴ属を調べるとタカクラタツとなる。タカクラタツはうちの定置網ではタツノオトシゴ属の中で一番よく獲れる種である。生きているので魚ボラ用の標本にするよりも来週の地元イベントでの展示用に使う事にする。

タカクラタツ


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悩むことなく チゴダラ

2024年04月27日 | 定置網
 今日は定置網漁で網を起こしていくとチゴダラ発見。直ぐに掬い取り生きた状態で確保する。チゴダラは最近見なくなった魚であり、久し振りの対面となる。以前の写真の記録を見ると6年振りの入網みたいである。チゴダラと言えば以前はエゾイソアイナメの存在があり、眼径の大きさや体色、分布域や生息水深の違いなどで別種扱いされていた。獲れればいつもどちらだろうかと悩まされていた(ブログ2009 4.20)のだが、2019年にエゾイソアイナメはチゴダラの新参異名であると報告され、今後の悩む苦労がひとつ減った思いであった。ところがシノニムと報告されチゴダラに統一されたもののそれからは姿を見ておらず、今回は久し振りに獲れ、全く悩むことなくチゴダラと直ぐに判明し、その恩恵を初めて受けた感じとなる。一応、標本登録済みであるので来月初めの地元イベントで展示する為、船の中で活かしておくことにする。
チゴダラ


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また逢えるだろうか ブチススキベラ

2024年04月05日 | 市場
 今日は定置網漁を終え市場での水揚げ作業も終了。再び沖へ作業に行く準備中に軽く市場内を散策。すると隅の方で小型定置網の人が出荷準備をしている。近くへ行き魚を見ると、こちらではあまり見る事のない鮮やかな青い魚が1個体目に付く。よく見るとベラの仲間である。ブチススキベラの雄個体の成魚かなと思うが、自分は図鑑でしか見た事がないので定かではない。時間がないが一応写真だけ撮らせてもらう。仕事が終わり家に帰り調べるとやはりブチススキベラの雄個体である。ブチススキベラは素潜り採集の時に毎回見ることが出来、ここでは普通種であるがその全てが幼魚や若魚であり、体側に白色や青色の斑点が散在する個体である。今回の個体は成魚であり、自分としては初めて見る。一応、薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2.25)を見ると同じく雄個体の成魚の標本写真が載っておりひと安心。だが、自分の海域ではまだ成魚の標本は未確保である。今回は直ぐに沖へ行かないといけなかったので時間が無く、写真を撮るだけで精一杯であったが、今後ブチススキベラの成魚を確保出来るかと言ったら非常に難しく、その方に頼んで確保して置いてもらえば良かったかなと後悔。購入してもベラの仲間だったので安値だったと考えるとチャンスを逃し悔しい思いである。
ブチススキベラ成魚雄個体



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