お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

オニハタタテダイ

2010年08月21日 | 採集

 今日は仕事も午前中で終わり、久しぶりに午後は予定が無い。という事で今季2回目となる素潜り採集に行く。先月ブログでも紹介したが、ミナミハタタテダイの幼魚を採集(ブログ 2010 7.26)しているので、今回はその成長した過程を写真に収めたかったのでミナミハタタテダイの若魚を探す。ミナミハタタテダイの幼魚は今年はたくさん確認できたので若魚も直ぐに見つかるだろうと思い海に入ると直ぐにハタタテダイの群れを見つける。その中に1個体だけ模様の違う種を見つける。他のハタタテダイには目もくれず一目散にその個体のみ採集。持ち帰り撮影し標本タグを付け冷凍保存する。幼魚から若魚へとどのように変ったか写真を見比べると黒色帯が合わない。図鑑で調べてみると今回採集した魚はオニハタタテダイであり、別種であった。まったく疑いもなくミナミハタタテダイだと思い込んでいた。今回は1個体しか採集しなかったが、何個体か確認していて自信はないが全て同じ種に見えた。でもあれだけ今年はミナミハタタテダイの幼魚がいたのに今回の個体が別種とは・・・。という事は逆にオニハタタテダイの幼魚は今までに確認していないがいたのだろうか。なんとも不可解であるがそこがまた面白い。
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簡単な採集 ナンヨウツバメウオ幼魚

2010年08月21日 | 採集

 今日は素潜り採集でもう1種。ちょっと珍しい採集。潮だまりに浮いて海中を物色していると、目の前を何かが通る。自分の体の周りを見回すとナンヨウツバメウオの幼魚が1個体泳いでいる。泳ぎが下手なので難なく採集する。この場所は潮だまりで今日は特に海藻やら木の枝などがたくさん浮いている。その中に私も浮いていたので、魚にしてみればゴミに見えたのだろうか。私の体に隠れようとしていたものと思われる。ナンヨウツバメウオの幼魚はこの場所では何度か見た事があるが、いつもなら数個体まとまって泳いでいる。今日はこの1個体のみしか確認できない。ナンヨウツバメウオは今までに幼魚しか見た事が無く、成魚は定置網や市場に揚がっているところも見た事が無い。という事は死滅回遊魚かもしれない。だが、現在ではその死滅回遊魚とされていた種が死なずに越冬し成長するパターンが増えている。このナンヨウツバメウオもいずれは成魚を目にする日が来るのではないだろうか。
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ギンカガミ

2010年08月17日 | 定置網

 今日は定置網の水揚げ作業をしていると、選別台上で小さな一円玉のような魚を見つける。取り上げるとギンカガミの幼魚である。ギンカガミの成魚は定置網で普通に獲れるのだが、幼魚が獲れたのはこの個体が初めてである。この個体を見ると何だかどこかがおかしい。成魚と比べると成魚では体高よりも体長の方が長いのだが、幼魚はこの個体を見る限りでは体長よりも体高の方が長く、何だかイビツに見える。ギンカガミは体長・体高の割りに体幅が狭く、体はペッタンコである。面白い形の魚なので水族館でも人気者になりそうなのであるが、この魚はとてもスレ傷が付き易く、扱いが非常に難しい。今までにも何度も活かそうとチャレンジしたのだが尽く失敗している。だがこのような幼魚であれば採集しやすく、綺麗な状態で確保できそうである。このサイズが今後たくさん獲れるのであればまたチャレンジしてみたい。
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普通に釣り

2010年08月12日 | 採集


 息子が夏休みに入ってからというものの、毎日のように釣りに連れて行けと言われ続けていた。そしてようやく今日の夕方時間が取れたので、普段は行かない少し遠い港まで釣りに出掛ける。急遽決まったので何の準備もできなく、ただ釣りができればいいという感じで行なった為、採集だとか標本という事は全く考えていない。港に着き堤防から海の中を覗くとネンブツダイやハタタテダイなどが目に付く。釣りを始めるとまず最初に釣れたのがマダイの幼魚。幼魚とはいえマダイという事で子供達は喜ぶ。その後もマダイの幼魚が続けて釣れる。せっかくだから魚ボラの標本用に確保しようかと考えた矢先、奇形が釣れてしまう。奇形個体が混ざっているとなると、恐らく種苗放流されたもののようである。これで標本確保というのは無くなる。その後、我々の隣に別の家族が釣りに来る。なんとサビキ釣りを始め、そのコマセに誘われこの辺りの魚達が全てそちらへ行ってしまい、それから全く釣れなくなってしまう。辺りが暗くなり最後に1尾釣って帰ろうという事になり、大物狙いでテトラの横を狙う。するとミナミハタンポが釣れる。ミナミハタンポは定置網で獲れるのだが鱗が剥げ易く、完全に鱗の残った個体はなかなか確保できない。今回は釣りの為、鱗は綺麗に残っていて標本用に持ってこいである。氷など冷蔵できるものはないものの迷わず確保する。持ち帰り綺麗な状態で撮影しようとしたのだが、撮影用の水槽に入れると腹腔内にエアーが入っていて浮いてしまう。そのエアーを取り除こうと魚をいじると鱗が少しずつ剥げてしまう。水槽に標本を沈めるまでにかなりの鱗が剥げてしまい、結局は定置網で確保した標本とかわらない写真となってしまう。やはりハタンポは難しい。
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久しぶりの獲物 インドカイワリ

2010年08月11日 | 定置網

 最近は漁獲が少ないうえ、魚種も少なく面白い魚がいない。毎日、ブログネタを探していて今日ようやく見つける。パッと見でインドカイワリの若魚のようであり、標本用に確保する。だが、インドカイワリの特徴ともいえる前鰓蓋骨の後縁が黒くない。持ち帰り調べると形質的には問題ないのだが、やはり前鰓蓋骨後縁が気になる。インドカイワリは以前にも獲れた事があり、ブログでも紹介している(ブログ、2008 1.4)。この写真を見ると薄っすらと現れている横帯が今回獲れた個体のよりも太く、本数も少ない。横帯の本数は必ずしも一致はしないかもしれないが太さも本数もかなり違う感じである。となるともうお手上げである。卵型の体形といい、下顎の感じといい、見た目では完全にインドカイワリだと思っているのだが・・・。いつものように魚ボラで判断して頂こう。それにしてもこの手の魚が獲れるようになれば、今年の秋も面白い魚を期待できそうである。
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