お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

未採集のフエダイ属を求めて

2023年09月30日 | 採集
 今日は土曜日で夜間採集の日。大潮で干潮時間が丁度夜中であり、夜間採集には絶好のタイミング。という事で今月いつもの港でオキフエダイの幼魚を初採集(ブログ2023 9.16)してからこのタイミングを狙っていた。こちらでは見つかって当たり前だけどまだ見つけていないバラフエダイ、ナミフエダイを探す為、以前にイッテンフエダイの幼魚などを採集したことのある外海の港へ遠征する。港に着くといい感じで潮が引いている。早速採集に取り掛かる。魚を探すと直ぐにいつもの様にチチブモドキの姿を見つけるが標本用にはある程度採集しているのでスルー。目的のフエダイ属の幼魚がいないか散策。すると転石に寄り添いながら休んでいるフエダイ属の幼魚を発見。気付かれない様にそっとタモ網で掬う。魚を見るとクロホシフエダイの幼魚である。辺りを見回すとあちこちに背の後方に黒斑のあるクロホシフエダイの幼魚が確認され、一応イッテンフエダイの幼魚の可能性もあるので採集するもクロホシフエダイの幼魚ばかりである。その後も黒斑のない個体も見つけるが普通のフエダイの幼魚であった。結局まだ未採集のフエダイ属の幼魚は見つからず終了。今回はそのほか昔採集したことがあるオニボラの幼魚(ブログ2007 8.18)も16年振りに採集することが出来た。更に吻の短いヨウジウオ科の魚を採集し、その場では同定出来ず今回採集した魚の中で唯一楽しみにしながら帰ったが、家に帰り写真を撮り調べると採集したことのあるアマクサヨウジであった。
行きや帰りの山道でいつも遭遇する野ウサギ



いつものチチブモドキはスルー

クロホシフエダイ幼魚

フエダイ幼魚

クロオビエビス幼魚

ウミスズメ

ウミガメにも遭遇


オニボラ幼魚

オニボラ幼魚

タネハゼ

アマクサヨウジ
*魚ボラでカンムリヨウジと同定されました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

遂に標本確保と思ったら ネコザメ

2023年09月25日 | 市場
 今日は定置網漁を終え、市場で水揚げ作業をしているとお隣の定置網の人がネコザメが獲れたと教えてくれた。ネコザメは珍しい魚ではないがここでは珍しく、うちの定置網では20年以上前に1度だけ獲れたことがあるだけで、他の定置網でも何度か獲れたのを見たことがあるだけである。その為、魚ボラの標本はまだ確保した事がなく、薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2.25)には標本写真の掲載ではなく、他の定置網で獲れ、水族館用に活かしてきた時の写真が載っている。今回の個体は活かして来ており既に水族館に連絡済みで連絡待ちとの事。見ると1メートル位あり今まで見た中では最大級のサイズ。標本用にはちょっと大きいがここでは珍しいので標本として確保したいところである。水族館で必要ないと返事が来れば魚ボラの標本用に頂けるように頼み、あとは連絡待ちとなる。自分が以前に水族館へ行った時は水槽内で泳ぐネコザメを見ており、珍しいサメでもないし飼育し易く長生きしそうなので、予想としては水族館でも必要ないのではと思う。水揚げを終え、陸で網修理をしながら、自分としては50パーセント以上頂けるものと思いながら、今日は予定が無いので仕事が終わってから大学へ持ち込む段取りを考える。するとその定置網の方が来て結果発表。水族館が受け取りに来るとの事であり、標本確保はまた遠ざかる事となる。やはり自分の所の定置網で獲らないと今後も標本確保は難しそうである。
ネコザメ




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

遂に初採集 オキフエダイ幼魚

2023年09月16日 | 採集
 今日は土曜日で恒例の夜間採集の日。最近の夜間採集はあまり収穫がなく、今夜もあまり期待せずサーッと確認だけして済まそうと思っていた。港に着き、岸壁を覗くとどこを見てもアイゴの幼魚が群れており、予想通りで絶望感が出る。せめてアイゴ属の別種が混ざっていないか探すがそう甘くはない。そんな中、アイゴではない魚の姿を見つけタモ網で掬う。魚を見るとフエダイ属の幼魚である。見た感じ第一印象はよく見るクロホシフエダイかノーマルなフエダイで体色が夜仕様の為、体側に斑紋や縦線が現れていないだけかなと思う。一応種を確認する為に活かして確保する。その後もいつものメンバーで終了。そろそろ斑紋が現れていないかとフエダイ属の幼魚を見てみる。すると斑紋は確認出来ない。これはひょっとしてオキフエダイの幼魚ではないかと急に色めき立つ。家に帰り調べるとやはりオキフエダイの幼魚である。オキフエダイは探していた魚である。オキフエダイはこの近辺では見つかっていて当然な魚なのであるが、今までに定置網や市場、夜間採集に素潜り採集などでも一度も見た事がない。だが、うちの地区以外では標本が得られており薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2.25)には記載されている。なので珍しい魚ではないが自分としてはノルマ的な魚なので採集出来て嬉しい限りである。これであとはこちらで見つかって当たり前だけどまだ見つけていないバラフエダイ、ナミフエダイを探さなければならない。

オキフエダイ幼魚




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久し振りのニジョウサバ

2023年09月01日 | 定置網
 今日は定置網漁でここでは珍しいニジョウサバが入網。うちの定置網では久し振りの入網である。ニジョウサバは16年前に初めて定置網で獲れ、ブログでも紹介している(ブログ2007 8.27)。それからはポツポツと市場にも揚がり、翌年には若魚も獲れている(ブログ2008 10.18)。その後は徐々に増えて来るものと思っていたがパタッと姿を消し、5年間で1度市場に揚がるかどうかであった。ニジョウサバの側線は第一背鰭下方付近から分枝して背面方向と腹部方向へと分かれ、尾柄部付近でまた結合する。それがニジョウサバの特徴であり和名の由来になっている。水揚げも終わり、陸で網修理をしているとお隣の定置網にも入網したらしく、種名の問い合わせで携帯にニジョウサバの写真が送られて来た。また今後もポツポツと揚がり、また姿を消すのだろうか。
ニジョウサバ

側線が腹部の方へも分枝している


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする