お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

お手頃なシロシュモクザメ

2022年04月30日 | 定置網
 今日は定置網漁でシュモクザメが入網。アカシュモクザメだろうと思い、取り上げるとシロシュモクザメである。うちの海域では圧倒的にアカシュモクザメが多く、そこにシロシュモクザメが混ざる程度であり、更にサイズが大きい。今回のシロシュモクザメは珍しく小型のサイズであり、魚ボラの標本用に最適なサイズである。以前に大きなシロシュモクザメが獲れ、そのお腹から胎児が出て来て(ブログ2018 4.28)標本用に確保している。今回の個体も魚ボラの標本用に確保するのだが、昨日のカガミダイ幼魚と同様に来週のイベントでの展示用に使うという手もある。というか、お客さんに触ってもらう為の展示用の魚をまだ確保していない。でも、この標本用に適したサイズのシロシュモクザメはなかなか獲れないのでどちらにするか悩むところである。一応、まだイベントまで数日あるので、それまでに何か展示用の魚を確保出来ればこの個体は魚ボラ用にする事とする。

シロシュモクザメ







吻の前縁に凹みがない
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高級魚センネンダイ

2022年04月29日 | 市場
 今日はカガミダイの幼魚を活魚水槽に活かしに行くと、同じく活魚水槽に大きなセンネンダイが久し振りに揚がっている。センネンダイは今までに何度か定置網で獲れた事があるが(ブログ2012 9.12)、地元産の標本はまだ確保していない。標本に確保しようか悩むところではあるが、近年急にセンネンダイの市場での評価が上がり、高級魚と化している。更に今回の個体はサイズが大きく、このサイズで高値が付くととんでもない値段となりそうである。結局標本用として確保するのは諦める。仕事が終わり今日のセンネンダイの値段を聞くと思っていた以上の高値が付いたそうで手を出さなくて良かったとつくづく思う次第である。以前は標本サイズのセンネンダイも揚ったこともあり(ブログ2017 6.6)、その時はタイミングが悪かったものの、無理してでも確保しておけばよかったと後悔する。高級魚と化したセンネンダイを今後標本用として確保出来る時が来るのだろうか。


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カガミダイ幼魚の行方

2022年04月29日 | 定置網
 今日は定置網漁の操業中、網を絞ると私から離れた場所で船員がバケツで水ごと魚を掬う。水ごと魚を掬う場合はタモ網では体がスレてしまう体表がデリケートな魚である。先日、お隣の定置網でフリソデウオが獲れた(ブログ2022 4.23)ので、うちの定置網にも遂に来たかと思う。しかし、バケツの中を覗くとカガミダイの幼魚であった。カガミダイは深海魚であり、お世話になっている深海エビ漁で毎回大きな成魚が獲れている。深海魚であるが幼魚は定置網にも稀に入ることがあり(ブログ2008 4.21)(ブログ2017 5.4)、今までに水族館に搬出したこともある。今回もとても状態が良いので水族館に連絡しようと考えていた。だが、操業を終え、帰港中に別な提案を思い付く。来週のゴールデンウイークに港で大きなイベントがあり、私は更にその実行委員である。その中で鹿大水産学部の先生と学生さんに来て頂き、深海魚講座や展示などを行う予定である。そこでこのカガミダイ幼魚を生きた状態でお客さんに見てもらう事が出来ないだろうかと考える。という事でこのカガミダイ幼魚はイベントの展示用として生かしておくことにする。だが、弱そうな魚なので、それまで生きていてくれるだろうか。

カガミダイ幼魚


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ヤッコエイ確保

2022年04月26日 | 定置網
 今日は定置網漁の操業中、網の中でヤッコエイが泳いでいるのを発見。ヤッコエイは魚ボラの学生が研究対象としているので、先日、魚ボラの先生に確保依頼されたばかりである。また、薩摩半島沿岸の魚類図鑑の作製にあたり、ヤッコエイの標本をまだ確保していないことが発覚し、それから必死に探したら偶然うちの定置網に入網し、何とか図鑑に標本写真を載せることが出来た(ブログ2020 7.20)。今回も網を絞り、傷付く前に掬い取り、標本用に確保する。ヤッコエイはアカエイ科であるが大きくならない小型種な為、家の冷凍庫でも十分に冷凍保存できる。でも、今日は丁度、所用で鹿児島に行く予定なので序に大学にも寄ろうと考える。大学へ行く序と言う事で他に標本にする魚がいないか探すものの、結局この日はヤッコエイのみとなる。仕事が終わってから鹿児島へ行き、所用を済ませるとタイミングよく丁度夕方。大学へ行きヤッコエイを研究している学生に渡し、標本登録してもらう。その学生もナマのヤッコエイを見るのは初めてだと言う事で、冷凍せずに持ち込めて本当に良かったと思う。

ヤッコエイ















腹面を平らに撮る為、下に詰め物をする
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今年初のフリソデウオ

2022年04月23日 | 市場
 今日はもう1種。うちの定置網の水揚げが終わると遅れてお隣の定置網船が帰港。いつも標本を確保してくれる方が私を見るなり手招きしてくる。行くとフリソデウオを確保したとの事である。標本を受け取る。今回のフリソデウオは今年初である。昨年は3月に立て続けに定置網で捕獲された(ブログ2021 3.6など)。だが、その勢いも3月の1ヶ月のみで終わる。その後、珍しく季節外れな12月にも1個体入網(ブログ2021 12.16)し、昨年はフリソデウオの当たり年であった。今年は3月には全く姿を見る事が無く、今回の個体は今年初となったが、昨年がいつもとは違っただけで、例年だと4~5月に定置網に入網するので例年通りといったところである。これからポツポツと出現するのかどうかはわからないが、今では普通種となったものの、やはり気になる存在ではある。

フリソデウオ


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いつまで見られるだろうか ノミノクチ

2022年04月23日 | 市場
 今日は定置網漁を終え、市場で水揚げしていると目の前に刺網の漁師さんが漁獲物を水揚げに来る。その漁師さんと話ししながら何気に漁獲物を見ると小さなノミノクチがいるではないか。今までにここで水揚げされたノミノクチは何故か殆どがこの漁師さんが水揚げされたものである。何故この漁師さんしか獲れないのかが不思議である。以前に確保した標本もこの漁師さんが獲った個体である。標本用に確保済みではあるが小さかったので確保する。この漁師さんはここの地域では一二を争う高齢な現役漁師さんで、今でも一人で船を出し漁労しておられ、自分はその年齢まで現役を続ける自信は全くなく、とても尊敬している。この漁師さんがもしも引退したらこのノミノクチもここでは見られなくなってしまうのだろう。



ノミノクチ
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毒のお陰で確保 アオブダイ

2022年04月22日 | 定置網
 今日の定置網漁で大きなアオブダイが入網。幼魚はたまに入ることがあるが、こんなに大きなサイズは稀である。操業を終え、帰港。水揚げしようと市場へ運ぶとこの魚は水揚げ出来ないと言われる。アオブダイは肝臓や消化管にパリトキシンという有毒物質を含むことがあり、大きな中央市場などでは販売が禁止されている。でも、地方市場では扱っている所もあり、うちの市場でも以前は普通に水揚げされていた。だが、市場職員に聞くと既に数年前から扱い禁止となっているとの事である。と言う事で仲買などにも遠慮なく堂々と魚ボラの標本用に確保する。サイズが大きいので家の冷凍庫では冷凍出来ないので仕事が終わってから大学へ標本登録に行く事にする。一昨日、メジロザメの仲間も獲れたので確保したけど、同定すると先月も確保したカマストガリザメ(ブログ2022 3.24)だったので、大学へ行く事があればと漁協の冷蔵庫に入れていた。こちらも一緒に車に積み、大学へと走り、標本登録してもらう。アオブダイは定置網では滅多に獲れないが、素潜り採集時にはいつも幼魚を見ており、そちらが標本として登録してあり薩摩半島沿岸の魚類図鑑にも幼魚が載っているだろうと思っていた。だが、図鑑を見ると同じく頭部が突出した成魚の写真であり、更に図鑑の写真の個体の方が頬に黄緑色が入っていて綺麗であり、今回の個体は今後も使われることは無いなと実感することとなる。

アオブダイ





カマストガリザメ



背鰭間に背中線隆起がない













アオブダイの大きな鱗


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夜間採集でナベカ成魚初採集

2022年04月16日 | 採集
今日は夜間採集の日。このところ3週連続でヨウジウオ科を採集している。3週共一応は別種なのでいいのだが、そろそろ別な魚が採れないかとちょっと期待しながら港へ向かう。今朝は時化で定置網漁は出漁出来なかったが、風も収まり今は海中も良く見える。すると早くも水面でヨタヨタ泳ぐ魚を発見。ヤセオコゼである。採集すると背鰭などがフサフサしておりヒドロ虫が付いているみたいである。その後は透明な稚魚を採集。体型からニザダイの稚魚である。岸壁はひと通り散策したがこの2種では満足出来ずスロープの方も見に行く。だが、ここでもボラ類の稚魚やヘダイかクロダイ属の稚魚しか見つからない。そんな状況の中、海中に細い塩ビパイプが転がっているのを発見。ハゼか何か入っていないかと最後の望みで取り上げ、パイプの中身をタモ網内に落とす。すると網の中には泥が広がる。しかし、その泥の中に鮮やかな魚を発見。取り上げると何とナベカである。ナベカはうちの海域には生息していないのだが、昨年まだ浮遊期のナベカの稚魚が定置網に入網し、採集している(ブログ2021 6.17)。だが、成魚を見るのは初めてであり、うちの海域では成魚初採集となる。ナベカはタイドプールなどでよく見かける馴染みのある普通種であるが、その南限が鹿児島県の北部であり、うちの海域はギリギリ生息していないのである。昨年浮遊期の稚魚を発見したことである程度分散され、少しは定着し成長していないかと期待していた。この塩ビパイプが海中に落ちていなければ採集出来なかったと思うので、次回も何か入らないかと塩ビパイプを元の位置に戻す。家に帰りプラケースに入れ、写真を撮る。ヤセオコゼはヒドロ虫が付いた状態で標本写真が撮れないかと思い、今度大学へ行くまで生かしておくことにする。

ナベカ成魚初採集


ヤセオコゼ


ニザダイ稚魚


今回の成果


ナベカ


ヤセオコゼ(全身がヒドロ虫で覆われている)



ニザダイ稚魚
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3週続けてヨウジウオ科

2022年04月02日 | 採集
 今日は夜間採集の日。先月の半ばに仕事で腰を痛めてしまい、それからはなるべく安静にしており、夜間採集も自粛していた。ようやく腰の痛みは和らぎ、今日はリハビリを兼ねて3週間振りに夜間採集に行く。港に着くとほぼ無風状態。海の中を覗くと珍しくゴカイの仲間が沢山あちこちで泳ぎまわっている。そのゴカイを狙って魚がいないかと散策する。するとゴカイとは関係のないヨウジウオの仲間を発見し採集。その後も同じ種と思われるヨウジウオを発見し採集するもその後は全く収穫が無く本日は終了。前回の3月12日の夜間採集は収穫が無く、ブログにはアップしていない。その前はヨウジウオの仲間を2週続けて採集しており、これで3週続けて収穫がヨウジウオの仲間のみとなってしまう。この個体はサイズが大きく、現場は暗いものの見た感じでは普通のヨウジウオの様に思える。家に帰り、一応水槽に入れ写真を撮り、パソコンで写真を拡大して見るとやはり普通のヨウジウオである。3週続けてヨウジウオの仲間を採集したことになるが、一応3週共全て別種となり、ちょっとは報われた感じである。











ヨウジウオ


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