お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

研究交流会

2023年05月24日 | 魚ボラ
 先日魚ボラの先生から講演会開催のメールを頂く。この前アオブダイを頼まれたアメリカからの研究者の方々が急遽講演をしてくれる事となり、今日は大学へと向かう。時間的に間に合うかどうかであったが、幸い仕事は早めに終わったので間に合った。今回はお二人の方が講話をしてくれるそうで、「進化的モザイク、および進化的革新と統合の間の相互作用」、「魚が教えてくれること~海洋生態系の基礎研究が社会にもたらす価値とは」とちょっと自分ではどのような内容かもわからないような演題であり、更にアメリカの方なので当然英語での講話となるのだが、今回は同時通訳の方を頼んでいるとの事でそこがちょっと楽しみであった。研究者の方と通訳の方が並んで講話が始まる。研究者の方が少し話すと直ぐに通訳の方の通訳が入り、英語がわからないうえ難しい演題だったにもかかわらず私でも非常にわかり易い講演となった。講演後、魚ボラの先生に聞いた話では専門用語の多い生物学の講演であるが通訳の方は普通の方らしく、この通訳の話を頂いてから物凄く勉強したそうである。この通訳の方の努力のおかげで大変素晴らしい講演となり、本当に感謝である。






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頼まれ物をお届けに アオブダイ

2023年05月20日 | 魚ボラ
 現在、研究に使うブダイ類の調査・採集にアメリカ人の研究者6名が鹿大に来ている。早速採集に行ったものの採集出来なかったらしい。という事で魚ボラの先生からアオブダイの採集依頼が来ていた。うちの定置網にはアオブダイは滅多に入らず、市場では内臓にパリトキシンという毒性が蓄積されている恐れのある関係で水揚げは出来ないので標本を確保するのは難しい。だが、町内の外海の小型定置網にはよくアオブダイが入り毎回逃がしているみたいである。そこでその方に標本用にアオブダイを確保依頼していた。そして今日アオブダイを確保して来て頂いた。早速魚ボラの先生に連絡して大学へと走る。しかし、今日はアメリカの研究者の方達は学生を連れて屋久島へ採集に行っており不在との事。更に他の学生も大学の調査船で採集に行っており不在。就活で一人だけ学生が残っているだけであった。でも、幸いこの個体は研究者にそのまま渡すので標本登録作業はせずに冷凍庫へ入れ終了。先生曰くアメリカの研究者はこのアオブダイの骨を調べるみたいである。その内容も気になるが英語はわからないのでアメリカの研究者が不在でも関係なかった。

アオブダイ


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やっぱり狂暴 イタチザメ

2023年05月12日 | 定置網
 今日は定置網漁でイタチザメが入網。今回もあまり暴れることなく船のデッキ上に揚げることが出来た。イタチザメは年に1・2個体しか入らないサメの仲間であるが、この個体で3ヶ月連続での入網となっており、先々月もブログで紹介(ブログ2022 3.14)したばかりである。イタチザメはどちらかというと南方系で、最近はこの周辺の海も南方化して来ている所があり、今後イタチザメが増えて行くのだろうか。この個体を取り上げた時に腹部が凄く膨らんでおり、お腹の中に子が入っているのではと思っていた。漁獲物の積み込み作業が終わり確かめようとイタチザメの元へ行く。まだ生きているので危ないが腹部を押して子が出て来ないか確かめる。すると腹鰭の脇にクラスパーを発見。腹部が大きいので雌個体と思い込んでいたが雄個体であるではないか。雄となれば腹部に何が入っているかが気になる。だが、そのまま腹部は開かずに水揚げとなる。今日の仕事が終わり、イタチザメの事を市場の方に聞くと、入札後腹部を開いたら鳥が6羽も出て来たそうである。鳥の種まではわからなかったが、恐らく定置網の中の魚をいつもダイブして狙っているカツオドリかカモメであろう。動きはいつもゆったりした感じにしか見えなかったイタチザメであるが、やはり狂暴なサメの仲間である事を改めて認識した次第である。
イタチザメ

網の中からナイフで切り刻んだような跡のあるマルソウダが出て来た。
恐らくこれもこのイタチザメの仕業ではないだろうか。






腹部が大きく膨らんでいる
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初入網 タイワンタマガシラ

2023年05月09日 | 定置網・魚ボラ
 ゴールデンウィークの連休も終わり昨日からまた定置網漁の操業であったが、昨日は時化で出漁出来ず。今日はいつもよりも早い時間に出漁し、まだ夜明け前の暗い中での操業となる。漁獲した魚を本船に積み込む時に選別台を通すのだが、船の明かりだけではまだ暗くよく見えない。そのような状況ではあったがオーラが出ているかのような魚が目に付く。取り上げると今までに見た事のない魚である。勿論種名はわからないが顔付きがアカタマガシラに似ている。取り敢えず確保する。操業が終わり携帯でアカタマガシラを調べてみる。するとタマガシラ属の中にこのような魚は見つからない。ひょっとして日本未記録種ではないかと疑い興奮する。次にタマガシラ属の上のイトヨリダイ科を調べる。すると直ぐにこの個体と同じような写真が見つかり種名も判明。帰港するまでの少しの時間で種名が分かってしまい、更に和歌山・高知・愛媛・沖縄と各地で見つかっている様で日本初記録種ではない事がわかり残念。でも定置網初入網であり初確保となる。薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2.25)にもまだ掲載していない種なのでまた種数が増え嬉しい。魚ボラの先生に連絡すると先生は不在であったが丁度ヨコシマタマガシラ属を研究している学生がいるというので大学へ走り標本登録してもらう。また、先日の夜間採集遠征(ブログ2023 5.5)で採集したハゼ類も生きた状態で持ち込むことが出来た。今日は夜に地元で会議があったのだが、朝が早かった分仕事も早く終わり、大学へ行っても余裕で帰宅して、会議にも間に合う。

タイワンタマガシラ







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気付かなかった初採集 ゴマハゼ

2023年05月05日 | 採集
 ゴールデンウィーク突入という事で今日は夜間採集も久し振りに遠征しようと考えていた。これまでに何度か行き、大きなサラサハゼやイッテンフエダイ幼魚(ブログ2018 11.10)、ハクテンハタ幼魚(ブログ2020 10.18)など実績のある採集が出来た場所である。丁度大潮の干潮時で条件も良い。万全の態勢で挑む。暗く細く長い山道を抜け、港に到着。思っていた程は潮が下げていない。潮が引かないと採集場所が限られてしまうが行う。水中を覗くが思ったほど魚の姿がない。そのような状況の中、ようやく石の前にハゼ類を発見し採集。いつもこの場所で採れるチチブモドキと思われる。その後、細長い魚を発見。カキ殻の影に隠れたのでカキ殻ごと掬い採集。見ると思った通りタネハゼである。タネハゼもこの場所で何度か採集した事のある魚である。そのカキ殻の中に小さな稚魚もいたらしくタモ網に入っていたのでこれも確保する。結局、チチブモドキとタネハゼといつもの顔ぶれで採集は終了。家に帰り採れた魚を撮影。稚魚かと思っていた魚を見るとまだ採集したことのないゴマハゼの様に見える。撮影し写真を拡大して確認する。するとやはりゴマハゼと思われる。ゴマハゼは薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2.25)にも載っており、この周辺にも生息しているだろうとは思っていたが、まだ採集どころか見たこともなかった。タネハゼの採集しようとして思わぬ収穫となる。ゴマハゼは以前は脊椎動物として世界最小とされていたが、調べると現在では海外産のカエルが見つかっているようで、更に魚に限っても別種のハゼの仲間も小さな種が見つかっており、結局現在はどの種が最小なのかわからないみたいで、ネット情報ではゴマハゼを最小のクラスとか最小の部類とされているみたいである。一応、今回採集した個体は全て生きているのでそのままにしておいて、大学へ走ることがあればその時に持ち込み、大学へ行く事がなければ冷凍保存しようと考える。出来れば生きた状態で大学へ持ち込めるように祈る思いである。



チチブモドキ

タネハゼ

今回の成果

ゴマハゼ


チチブモドキ

タネハゼ

タネハゼ
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今年も地元イベント

2023年05月03日 | 日記
 今日から市場は休みに入りゴールデンウィーク突入。でも、今年も今日は大きな地元イベントがあり、鮮魚販売等の為定置網漁に出漁。水揚げ後は今年も私の担当は地魚鑑賞プール。昨年は数日前からプールに泳がす魚を集め準備していたが、今年はピンチ。この為に活魚水槽に活かしておいたシロザメやテングダイなどが数日前に死んでしまう。更に触る為のサメ類も数日前から突然網に入らなくなり確保出来てなく、子供達が喜ぶ魚がいない。プールに泳がす魚も触るサメも今朝の定置網漁次第となってしまい焦る。だが、神様は見放さず、触る用のアカシュモクザメが沢山入り、展示用のシロザメや他の魚もトビウオを中心に数種生かして確保する。アカシュモクザメも生かしたのだが、水族館用に確保した時でも港に帰るまでに泳がなくなったりと生かして持ち帰ること自体難しい。ところが今回はプールに入れるまで何とか泳いでおり、プールに放すと元気よく泳いでくれてひと安心。アカシュモクザメはプールに泳がすのは危ない気もしたが、捕まえさえしなければ噛まれることも無いだろうと思い泳がす。案の定、子供の力では背鰭に触れるのが精一杯であった。シロザメは底でジッと動かないのに対してアカシュモクザメは常に泳いでいるので、見てくれているお客さんの前に登場するので写真を撮ったりして喜んでくれた。また触る用のアカシュモクザメも子供達が持ち上げ、お父さん・お母さん達が撮影して喜んでもらった。また、今年も地元の自治体も協賛している
「かごしま深海魚研究会」による深海魚の展示紹介やO先生による深海魚講座などが行われ、こちらも多くのお客さんで賑わっており、今回のイベントは大盛況となる。
地魚鑑賞プール


アカシュモクザメ



サメタッチ

鹿児島のうんまか深海魚コーナー


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