今日は定置網で小振りのマトウダイが獲れる。水族館から注文がきているのでこの個体を確保する。これからの時期、500円玉~手のひらくらいの大きさのマトウダイが獲れる。定置網で獲れるマトウダイは水圧の関係で浮き袋内の空気が膨張してしまい、横になって水面に浮いてしまう。だが、小さい個体だとそのような事が無く、綺麗に泳いでくれる。マトウダイの浮き袋に針を刺し、エアーを抜いて生簀に蓄養し水族館に搬出する事もあるが、体に傷を付ける事も無いほか、水族館で餌付きやすい事や輸送を考えるとやはり小さい個体の方が好まれる。あと数個体確保してから沖縄の水族館に搬出する予定。
今日は定置網で小振りのマトウダイが獲れる。水族館から注文がきているのでこの個体を確保する。これからの時期、500円玉~手のひらくらいの大きさのマトウダイが獲れる。定置網で獲れるマトウダイは水圧の関係で浮き袋内の空気が膨張してしまい、横になって水面に浮いてしまう。だが、小さい個体だとそのような事が無く、綺麗に泳いでくれる。マトウダイの浮き袋に針を刺し、エアーを抜いて生簀に蓄養し水族館に搬出する事もあるが、体に傷を付ける事も無いほか、水族館で餌付きやすい事や輸送を考えるとやはり小さい個体の方が好まれる。あと数個体確保してから沖縄の水族館に搬出する予定。
今日は定置網で赤い幼魚が獲れる。形態を調べていないが、見た目にアカマツカサ属の幼魚と思われる。アカマツカサ属の魚はうちの定置網では極めて稀種。2~3年で1個体獲れるかどうかである。しかし、定置網で漁獲されないだけでたくさん生息しているものと思われる。昨年は釣りの外道で獲られた個体を標本用に頂いた。標本は大学に持ち込むまでの間、ビニール袋に海水と一緒に標本を入れ冷凍保存している。だが、このアカマツカサ類は鱗が大変に硬く、おまけに棘は非常に尖っている。そのためビニール袋に触れてしまうと破け海水が漏れてしまうので、非常に気を使う魚である。今ではそのような魚は一度プラ容器で海水と一緒に冷凍し、その後ビニール袋に移している。しかし、魚のサイズに合ったプラ容器が少なく、結局気を使いながら直接ビニール袋を使う方が多いかな?
昨日の日曜日、うちの定置網は日曜朝市のため仕事をしたので、今日は振替休日となった。朝、市場に行くと他の人達は仕事をしているので気分が良い。水揚げされている魚を見てから素潜り採集に行く。今回は前回採集したのに逃がしてしまったヘビギンポ類を主に狙う。大きな岩を主に探っていくとヘビギンポが見つかる。動きが素早く何度もチャレンジして確保する。個体が小さいので網目から抜けてしまう場合もあり悪戦苦闘。その後、風が強くなり断念するもなんとか4個体採集できた。そのほかギンポ類を数種にハゼ類、タナバタウオまで採集できた。全て生かして持ち帰り家の水槽に入れるが、今度参加できる魚ボラまでまだ日が長いので弱そうなヘビギンポ類は状態が良いうちに冷凍する。取り上げ見てみると4個体とも種が違うように見える。雌雄の違いもあるだろうがよく分からない。魚ボラのメンバーにヘビギンポ類を卒論のテーマにしている学生がいるので、今度の魚ボラで同定してもらおうかな。
今日は漁協の恒例の日曜朝市。うちの定置網が網を起こし、漁獲した魚を販売した。トビウオにイサキが多く獲れた。朝市の催しとしてマグロの解体実演販売を行なった。それに使ったマグロは地元笠沙産である。町内の野間池(池ではなく地名)で養殖されているクロマグロである。ここは全国でも珍しく個人でマグロの養殖を行なっていて、マグロの種苗も笠沙沖で採集され、まさに笠沙産の養殖クロマグロである。解体ショーでは大勢のお客さんに囲まれて行なわれたが、今回は朝市であった為か、お客さんは安い新鮮な魚を求めて来られていると思われ、単価の高いマグロはあまり売れなかった。
今日は定置網でハチが獲れた。ハチというと昆虫の蜂の方が有名であるが、こちらの海のハチも負けずと背鰭には毒針を備え、大きな胸鰭を広げ、海底と飛ぶ(這う)ように泳ぐ。だがブーンと音を立てて泳ぐことは無い。昼間は砂に潜り目立たない存在である。それだけでなく、危険な生物としても知名度が低い。うちにある「野外における危険な生物」という本には名前すら載っていない。ハチは危険な生物として皆さんに知って頂きたい魚ではある。ゴンズイは毒針を持ち、釣りの外道としてよく釣られ猛威を振るっている為、有名ではあるが嫌われ者となっている。だがハチの場合危険というだけではなく、胸鰭を広げて泳ぐ姿はダイバーを楽しませてくれる。知名度は低くてもゴンズイよりは可愛がられる存在ではないか。
船に積んでいるデジカメを今日持ち帰り、今まで撮った写真を見てみる。この魚はアカイサキの雌である。市場に水揚げされていたものを撮影した。実はアカイサキの雄は水揚げされていたものを見たことあるが雌は初めてであった。当然写真も無いので撮影。だがこの魚がアカイサキの雌である確証が無かったので写真を使って図鑑で同定する。すると分類学的付記があり、見てみると成熟体長と尾鰭の型の違いにより2つのタイプがあるらしい。この2つのタイプが成長差なのか別種なのか今後の検討を要するとなっている。自分の勉強不足が悔やまれる。アカイサキは片浦漁港では稀種であるので、また次があるかどうかは分からない。この日は雌雄共に何個体も揚がっていた。この写真を見る限りでは尾鰭は截形のように見えるが定かではない。体長の10センチの違いもよく覚えていない。次回見る機会があればよく観察し、分からなければ標本として確保し、魚ボラで調べなければ。でも高そ~~っ。
今日は火曜日であるが魚ボラをするとメールを頂いたので参加する。通常行なう明日は都合が悪かったので、丁度良かった。今日は指宿の定置網の魚が持ち込まれていた。その中でもひと際目に付く魚がいる。ハタタテガレイである。このブログに載せてと’はらぼうさん’にもリクエストされてしまった。私の定置網では獲れたことが無く初めて見る魚である。この目立つ糸状のものは背鰭の一部。調べてみると捕食者に対して威嚇に使うとか、何かに擬態しているという説があるが、真相は分かっていないらしい。しかし、ダイバーがこの魚に触れようとするとこの鰭を広げるそうなので、威嚇に使うという説が有力ではないだろうか?でもこの魚、身を隠す名人のカレイの仲間である。逆にこの鰭が目立ち捕食者に見つかってしまっては元も子もない。
今日は時化となり、定置網は出漁できなかった。夜になると強かった風も止んだので、久しぶりに夜間採集を行なう。港に着くと風は止んでいるもののウネリがある。魚の姿を探し、掬ってみるが定番のボラ・カゴカキダイ・メジナの幼魚ばかりである。岸壁際に小さなゴカイ?の仲間が群泳しており、見ているとそこにアジ子のような魚が度々突っ込んでくる。網を構えて待ち、掬ってみるとアジではなくムツの幼魚であった。ライトに照らされたムツの幼魚は背の斑紋が青く光り、綺麗である。ムツは幼魚期には沿岸に生息し、成長に伴い沖合へ移動する。これから定置網でも獲れる時期に入るのだが、水揚げできるサイズまで成長しないうちに深場に旅立ってしまう。ムツの幼魚は体が金色に輝き綺麗であるが、鱗が非常に剥げやすく、たくさん獲れるのだが綺麗な個体を確保するのが難しい。
今日は定置網でイシガキダイの幼魚が獲れる。モジャコ漁も終わり、流れ藻の時期も終わりに近づいていると思われる。流れ藻にはこのイシガキダイのほかイシダイ、ハナオコゼ、メダイ、メバル(未同定)、ウマヅラハギ、などさまざまな幼魚が着き、この流れ藻と一緒に定置網に入る。だが今年は流れ藻は網に入るものの、藻に着く幼魚達が獲れていない。特にメダイ、メバルなどは成魚が漁獲されないので貴重な存在となっていた。気付かなかったがこの2種に関しては昨年も獲れず、鹿大の標本用に確保していない。期待していただけに残念であるが、ただ残念というだけで済むものかと環境を考えると心配にもなる。時期が遅れることは良くあるのでもう少し待ってみたい。
今日、水揚げ後に釣りをしていた知り合いから昼のおかずにとみんなにアラカブ(カサゴの鹿児島での呼び名)を頂いた。まだみんな生きていたので氷を入れたクーラーに入れて〆る。するとその中に1尾様子の違うカサゴが混ざっていた。オニカサゴと思われる。その場では体色が白くオニカサゴなのか分からなかったので鹿大の標本用に確保する。持ち帰りよく見てみると普通のオニカサゴのような感じである。〆た時に背鰭を立てた状態で死んでくれたので、ホルマリンを使うことなく展鰭状態だったのでそのまま写真撮影。その後、冷凍保存する。魚ボラの先生がフサカサゴ科魚類の専門なのでいろいろと教えてもらい、昨年はここ笠沙でオニカサゴ属の魚を新しく2種見つける事が出来た。そのうち見つけたら紹介したい。
今日は以前から姉の子供を釣りに連れて行く約束をしていた。我が家族と姉家族とで近くの港に釣りに行く。この数日天気が良かったのだが昨晩は雨が降り、今日は風が強く時化。沖には出れない状況だが港内ではどうにか釣りができそうなので行なう。予想はしていたが、案の定ナガサキスズメダイが連釣。最初は喜んで釣っているが、子ども達でも「またこれ」と次第に飽きてくる。そんな中、クサフグが1尾釣れる。クサフグは釣り人には嫌われ者であり、この港でも釣り人が捨てたと思われるクサフグの残骸をよく目にする。しかし同じ魚ばかり釣れ、飽きてきた頃のこのクサフグの出現に子ども達は大喜び。しかし、釣針を飲み込まれていて、外す前にハリスを噛み切られてしまう。当然新しい針を付けるのは私の仕事。こちらの苦労をよそに子ども達はフグ狙いに没頭してしまう。子ども達の笑顔が見れるのであればそれくらいの苦労は良しとするか。このクサフグ、死んでしまったのだが持って帰ると言うので持ち帰るが、食べるわけにもいかないので写真だけ撮り、子供に内緒で捨てる。
今日は仕事が半日だったので、午後から素潜り採集を行なう。ここ数日、海は濁り条件は良くない。海に入るとやはり視界が悪い。大きな岩にたどり着き、そこでギンポの仲間を見つける。仕事中に良く目にするイソギンポとは明らかに違うので採集する。家に持ち帰り調べるとホシギンポのようである。この近くの定置網のロープや玉、また養殖生簀などに付いているのはイソギンポばかりで、そこでホシギンポを見たことは無い。また、今日の採集場所で見たのは全てこのホシギンポであり、普段見かけるイソギンポを見ることは無かった。目と鼻の先の場所であるが、この両者は住み分けているのだろうか?どちらかというと名前からしてイソギンポの方が岩などに生息していそうである。今日採集した個体は活かして持ち帰ったので、今度の魚ボラで活かした状態で持ち込む予定。
今日は定置網でテングダイが1個体獲れる。この個体は東京の水族館に搬出される予定。テングダイは毎年、今の時期(4~6月)の2ヶ月間くらいしか獲れない。しかもうちの定置網では年間10個体も獲れない。この魚、普通は水揚げされるのだが、うちで獲れるものはほとんどが水族館に搬出される為、もう10年以上水揚げしていない。テングダイは見ての通り、体は縞々で鰭が大きく、しかも鰭を常に広げて泳いでくれる。水族館で見ると優雅に泳いでいて、とても絵になる。しかし、水族館の人に言わせると、飼育が非常に難しいらしい。自然下ではクモヒトデという特殊?なヒトデを食べているらしく、餌付けが大変みたいで、しかも病気が出やすく、病気になると治らないそうだ。この魚、水揚げしても殆ど雑魚扱いで安値である。だが水族館は高値で買ってくれる。大きな声では言えないが、水族館で上手く飼育されてしまうと次の注文が来ない。テングダイのようにできれば一年で斃死してくれれば毎年注文が来て、こちらも助かる。しかし、水族館に行く度に必ず見たい魚でもある。
今日は魚ボラの日である。前日に頂いた魚を持ち込み、標本登録する。そんな中、ダイビングにより採集されたハダカイワシの仲間が持ち込まれていた。個体を見ると鱗が青光りし、とても綺麗な魚である。そういえば、鱗のあるハダカイワシの実物をいままでに見た頃が無かった。何かの漁での混獲された個体ばかりしか見たことが無く、自分の知るハダカイワシ類は発光器は分かるものの、体色は赤い(ピンク色)イメージである。鱗が剥げやすくそのため「ハダカ」という名になったのだろうが、本当はスパンコールの衣装を着た美川憲一のように綺麗な魚である(例えが悪い?)。できれば水族館で泳ぐ姿を見てみたいものだ。
話は変わるが、身近な人には内緒で行なってきたこのブログ、私のカミさんもまだ知らないと思う。だが、ついに魚ボラに見つかってしまった。公開しているのでいつかはバレるとは思っていたが・・・。身内が見ているかと思うと書き難い面もあるが、公開している以上、見てもらいたいと思うところがあるのだろう。しかし、地元には黙っておきたい。
今日、深海刺し網をしている漁師さんからシャチブリを頂いた。この方には鹿大の標本用として今までにもいろいろな魚を提供してもらっている。定置網では採集できない魚ばかりなのでとてもありがたい。以前にもシャチブリを頂いた事がある。その時は海水ごと冷凍されたものを貰ったのだが、それを見るとただの氷の塊のようであった。解凍すると魚の姿が現れた。シャチブリは全身がゼラチン質で水分なので、凍らすと氷と同化してしまうのである。最初は本当に騙されているのかと疑ったほど分からなかった。前回頂いた個体は尾部が欠落していたが、今回の個体は完全なものであった。今日はこのほかソコダラ科の魚(未同定)、カワビシャなどを頂いた。明日が魚ボラの日なので冷凍せず鮮魚の状態で持ち込み、標本登録する予定。