お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

またお隣で オキイワシ

2024年12月11日 | 定置網・市場
 今日は定置網漁を終え市場での水揚げも終わるとまたお隣の定置網の人が来て、珍しい魚が獲れて冷蔵庫に入れてあるとの事。ワクワクしながら冷蔵庫へ見に行くとオキイワシである。オキイワシはここでは4年前に初めて確認(ブログ2020 12.22)され、それからは毎年確認されていた。ところが遂に昨年は1個体も確認出来ずに終わってしまった。そして今回2年振りのご対面となる。このオキイワシはここではこの個体で5個体目となり、うちの定置網を挟んだ両隣の定置網で得られたものであり、有難いことに全て頂いたものである。ところがうちを挟んで両隣で共に2個体以上得られており、とても有難い事なのだが間に挟まれたうちの定置網ではまだ得られていないのでなんだが切なさも感じてしまう。先日のイトヒキヒイラギ属の様にうちの定置網での初入網を願うばかりである。
オキイワシ


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驚きに悔しい オオクチイケカツオ

2024年10月19日 | 定置網・市場
 最近は定置網に小さなイケカツオ、ミナミイケカツオの入網が増えて来ており、今年もアキイロイケカツオが来ないだろうかと期待している。そんな中、今日は定置網漁を終え市場で水揚げ作業をしていると漁場が近くの小型定置網の人が軽トラに魚を積んで水揚げに来る。何を水揚げに来たのかと魚を入れたカゴを運んでいるところを見ると、カゴから尾鰭が飛び出す程の大きなサイズの魚を入れており、更に遠目で見てもイケカツオの仲間である事がわかり気になる。見に行くとオオクチイケカツオである。しかも驚くことにカゴには3個体も入っているではないか。オオクチイケカツオは今までにここでは2個体見つかっており、最初に見つけた個体は5年前で日本における3個体目の記録ということで報告している(ブログ2019 3.9)。それからも報告はされていないが各地で見つかっているらしくネット上でその姿を見ている。でも、未だに国内では珍しい魚である。その珍しい魚が一度に3個体も揚がるなんて本当に驚きである。更に今までに個体は体色が銀白色であったが今回の個体は少し黄色味掛かっている。となるとアキイロイケカツオや国内未記録種も疑い興奮するが携帯で確認すると残念であるがやはり普通のオオクチイケカツオである。3個体共魚ボラの標本用に確保したいところではあるが、明日地元での大きなイベントがあり今日から準備をしなければならず時間がない。サイズ的に家に置くことは出来ず直ぐに大学へ持ち込まないといけないので今回標本用に確保するのを泣く泣く諦める。普通に入札され誰かに食べられてしまうなんて本当に悔しい限りである。でも、最近はイケカツオやマルコバンなどが市場では非常に人気が出て来ており、その人気に伴い単価も急上昇している。今回の個体はサイズも大きく、それが3個体となると金額的にも非常に恐ろしく確保出来なくて良かったのかもしれない。でも、やはり今後も悔しさが後を引きそうである。

オオクチイケカツオが一度に3個体も

普通に水揚げされてしまう

オオクチイケカツオ


オオクチイケカツオの鱗

写真上:イケカツオ、中オオクチイケカツオ、下ミナミイケカツオ
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標本初確保 イトベラ

2024年03月19日 | 定置網・市場
 今日は定置網漁を終え市場で水揚げ作業をしているとお隣の定置網船が帰港。すると直ぐにいつも標本提供してくれる方が来られて魚を頂く。見るとベラの仲間である。ベラの仲間はこの近辺には沢山いるのだが、定置網にはなかなか入らない。今回の個体はパッと見では種名が分からなく、以前に素潜り採集で1度だけ採った事のあるスジベラ(ブログ2017 8.23)かなと思う。家に帰り直ぐに以前採集したスジベラの写真を見てみる。すると似てはいるけどどこか違う感じがする。ネットでスジベラの画像を検索すると体の上半部が暗色でその所々に横帯があり、やはり似てはいるけど違う感じもする。ベラの仲間は性転換するのでその途中の可能性や成長に伴い容姿も変わる種が多く厄介である。一応、スジベラの近似種のカンムリベラ属を調べるが該当する種は見つからないのでやはりスジベラなのかと思う。でも尾鰭の上半部から先端に掛けて黒いのが気になりベラ科を全て見てみる。するとそっくりなイトベラを発見。この個体を検索図鑑で確認するとイトベラとなる。イトベラは今までに標本を確保しておらず、定置網や市場、素潜り採集でも見た事がない。薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2025)を確認すると生態写真は載っているものの標本写真は掲載されていない。普通種みたいであるが自分は知らない種であった。これで標本初確保となる。自分で標本写真を撮りたいがここの地域での魚ボラの初標本という事でホルマリンを使うのは遠慮し、鰭に穴をあけずに簡単に展鰭し簡易的に撮影するだけにする。珍しい種ではないみたいであるが釣るしか手に入れる手段のない種のようであるので定置網に入ってくれて更にそれを見つけてくれて本当にラッキーであった。この個体を見つけ確保して来てくれて、更にブログネタがなく困っていた時に本当に有難く感謝したい。
イトベラ


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どうした?アヤメエビス

2023年11月21日 | 定置網・市場
 今月に入り定置網漁でポツリポツリとアヤメエビスが入網。他の定置網でも獲れているらしく市場にも揚がっているのを確認している。アヤメエビスはここでは昔からイットウダイ属の中では唯一定置網漁で獲れる魚であり、珍しい魚ではない。だが、獲れたとしてもひと網で1~2個体くらいである。そのような状況なのだが今朝の定置網漁でアヤメエビスが一度に7個体も入網。一度にこれだけの個体数が獲れるのは初めてである。更に他の定置でも水揚げがあり、一番多い定置網では17個体も揚がり、この日は最終的に定置網3ヶ統合わせて全部で27個体の水揚げがあった。今までにこれだけの個体数がまとまって揚ったことはなく、この個体数は異常としか思えず非常に驚き、原因がとても気になる。回遊魚であればこのような事は起こり得ることであるが、アヤメエビスは岩場などに隠れて生息しており、動き回るイメージではない。集団で移動しなければならない様な原因が海中で発生したのだろうか。今後更に増えるのか一時的な事なのか今後もアヤメエビスの動向に目が離せない。
アヤメエビス(15日の水揚げ)

20日の水揚げ

今日の水揚げ分

お隣の定置網はこんなに水揚げ
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