今日は水揚げを終えて本船を繋ぐと、遠くの船から私を呼ぶ声が聞こえる。行ってみると、先日ホウセキカサゴを提供して下さった漁師さんであった。するとまた獲れたよ、とこの魚を見せてくれる。今回は見ると体側に小さな斑紋がたくさんあり、背鰭棘に切れ込みもある。また皮弁があちこち確認でき、下顎を見るとやはり皮弁がある。今度はボロカサゴと思われる。その漁師さんからホウセキカサゴを頂いた時にこの魚はよく獲れると教えてくれた。ホウセキカサゴではないにしろ、この仲間はそんなに個体数の多い魚では無いと思っていた。でも今回の個体でその漁師さんの言う事が本当であると証明された。今回も標本用に頂く。このまま行けばそのうちニセボロカサゴにナミダカサゴもゲットできるのではないかとワクワクしてくる。ボロカサゴは今までに数個体標本用に確保(ブログ2006 11.13)(ブログ2007 10.11)したが、今回の個体はまた体色や皮弁の数などが違うので自分用にも写真を撮る。展鰭時にホルマリンを使うと皮弁までも体に引っ付いた状態で固定されてしまうので、何も使わず水に浸け撮影。その後、魚ボラの標本用に冷凍保存する。
今日は水揚げを終えて本船を繋ぐと、遠くの船から私を呼ぶ声が聞こえる。行ってみると、先日ホウセキカサゴを提供して下さった漁師さんであった。するとまた獲れたよ、とこの魚を見せてくれる。今回は見ると体側に小さな斑紋がたくさんあり、背鰭棘に切れ込みもある。また皮弁があちこち確認でき、下顎を見るとやはり皮弁がある。今度はボロカサゴと思われる。その漁師さんからホウセキカサゴを頂いた時にこの魚はよく獲れると教えてくれた。ホウセキカサゴではないにしろ、この仲間はそんなに個体数の多い魚では無いと思っていた。でも今回の個体でその漁師さんの言う事が本当であると証明された。今回も標本用に頂く。このまま行けばそのうちニセボロカサゴにナミダカサゴもゲットできるのではないかとワクワクしてくる。ボロカサゴは今までに数個体標本用に確保(ブログ2006 11.13)(ブログ2007 10.11)したが、今回の個体はまた体色や皮弁の数などが違うので自分用にも写真を撮る。展鰭時にホルマリンを使うと皮弁までも体に引っ付いた状態で固定されてしまうので、何も使わず水に浸け撮影。その後、魚ボラの標本用に冷凍保存する。
今日は水揚げ終了後、他所の定置網の水揚げを見に行くと漁獲物の中に赤く目立つイットウダイ科の魚が目に付く。吻が尖っているのでイットウダイの仲間と思われる。イットウダイの仲間は今までにアヤメエビスしか標本に確保したことが無く、この魚は見た目で明らかにその魚ではないと分かった。イットウダイ科魚類は鱗が非常に硬いので、エビスダイ属の一部を除いて殆どが水揚げできない。という事で捨てられる魚だろうと思い、気軽に標本用に欲しいと申し出て頂く。この仲間はちょっと苦手でよく知らない。見た感じ、特徴として背鰭と臀鰭の軟条部基底と尾柄部に黒斑があるのが確認できる。この特徴を図鑑で照らし合わせるとスミツキカノコが一致する。スミツキカノコの形質を調べると一致し、検索図鑑でもスミツキカノコとなった。スミツキカノコはうちの定置網では獲れた事はなく、市場や他の定置網でも見た事が無い。ネットで検索するとたくさんヒットするので珍しい魚ではないようである。だが初収集なので大変貴重な標本となるので写真を撮り、冷凍保存する。イットウダイ科魚類は赤い魚が多く、黒バックで撮影するとよく映え、綺麗に見えるので撮影しがいのある魚である。
今日は港を歩いていると、よく標本を提供して頂いている刺し網漁の漁師さんに声を掛けられる。船に行くとクーラーからニセボロカサゴかなと思う魚が出てきて標本用に頂いた。魚ボラの先生はこの魚の研究中で以前にニセボロカサゴの中から新種がどうのと聞いたことがあったので喜んで持ち帰る。直ぐにでも先生の所へ持って行きたいが現在海外出張中。自分はこの類いを知らないので持ち帰り調べてみる。するとニセボロカサゴの類似種のナミダカサゴというのが見つかる。背鰭棘間の鰭膜が切れ込むのがニセボロカサゴとなっている。この個体はそれほどでもない。となればナミダカサゴだろうか。ネットで調べてみるとダイバーの撮った写真がたくさん出ているが、ニセもナミダも混ざっている感じで当てになりそうもない。ネットで調べていくとよく似た普通のボロカサゴが見つかった。ボロカサゴは今までは全てが全身マダラ模様と思っていた。模様のない個体もいる事を知り、再び同定すると胸鰭軟条数が16であった。さらに背鰭軟条部後半に明瞭な1黒班が確認できる。同定結果はボロカサゴとなった。だが、ネットを見ると上顎に大きな皮弁があるにがナミダカサゴとなっているページも見つけた。何が何だか分からなくなってきたので先生に見てもらうのが一番だと思い同定を諦め、先生の帰国を待つことにする。ひょっとしてという事も考えられるので、今回は展鰭にホルマリンを使わず、ピンで固定したまま撮影する。
*ホウセキカサゴRhinopias eschmeyeri(Conde, 1977)と同定されました。
今日は時化明けという事で定置網ではたくさんの魚種が混ざって獲れ、探せば何か面白い魚が見つかりそうであるが忙しくそれどころではない。そんな中、隣の定置網の漁師さんが変わった魚がいたと持ってきてくれる。この方は普段見掛けない魚を見つけるといつも持って来てくれる。その魚を見ると思わず鳥肌が立つ。ミヤカミヒラアジであった。ミヤカミヒラアジは今、特に探していた魚であった。昨年、お隣の宮崎で捕れたと情報を頂いていたので鹿児島でも捕れる可能性が高いと思っていた。うちの定置網ではなかったが標本を手に入れることができてとてもうれしい。恐らく、日本で4番目の記録と思われ、1番目・2番目の記録は写真のみで標本が無いそうなので、日本からの2番目の標本に基づく確かな記録となる。それにしても、今日はミヤカミヒラアジによく似るクロボシヒラアジがたくさん獲れていたにも関わらず、普通の漁師さんがその中からよくぞ見分け、見つけてくれたと驚くよりもむしろ感心してしまう。今度はうちの定置網でも捕ってみたい。昨年宮崎で捕られたのも12月だそうなので、今月はまだまだ目が離せない。
昨日、水揚げを終え市場内を覗いていると、活魚水槽に傷付いたマアジが泳いでいた。なんでこんな魚をわざわざ活かしているのだろうかと思い、よく見ると驚いた。傷付いているのではなく、そのような体色をしているだけで元気に泳いでいた。吻が黄色く、吻端から背鰭基部一帯も黄色。さらに背鰭、尾鰭、胸鰭も黄色。今、マアジがたくさん獲れているのだが明らかに体色が違う。これは今までに見てきたイサキ(ブログ、06’11.20)やヒラメ(ブログ、08’1.11)などと同じ、色彩異常個体ではないだろうか。これは魚ボラの標本用に確保しなければと思い漁協の職員に相談するが、その魚の持ち主が分からないとの事。どのような目的で活かしているのかが分からないので譲れないとの事であった。そして今日、その持ち主が判明した。うちの隣の定置網で獲れたそうで、珍しい色をしているので水族館用に活かしていたそうだ。だが、今日そのマアジを見るとかなり弱っていて今にも死にそうであった。こんな状態では水族館用には無理という事で標本用として貰う事ができた。元気に泳いでいれば水族館行きだったので貰う事ができてラッキーであった。またボロボロになって死んでしまっていても駄目だったので、傷付くことなく丁度良い具合に弱っていてくれて本当にラッキーであった。今日は魚ボラの日ではないが、鹿児島に用事があったのでついでに大学に寄り、この個体を持ち込み標本登録してもらう。同定結果もやはりマアジの色彩異常個体となった。
最近はミエハタンポが獲れているが、そこに少しではあるが混じっているのがツマグロハタンポである。ツマグロハタンポは毎年獲れていて珍しい魚ではないが、たまに数個体獲れる程度であった。ところが最近というよりミエハタンポが獲れるようになってからは毎日一緒に獲れている。だがミエハタンポに比べると圧倒的に数は少ない。今獲れていないミナミハタンポに混ざる時は毎回ではないのでどちらかと言うとミエハタンポとの相性がいいのだろうか?たしかにどちらに似ているかといえばミエハタンポの方である。ミエハタンポがいつまで獲れるか分からないので、今のうちに数が少ないツマグロハタンポも魚ボラの標本用として確保しておきたいところである。それにしてもあれだけいたミナミハタンポはどこへ行ってしまったのだろうか?よっぽどミエハタンポとの相性が悪いのだろうか?だが、どちらかというとツマグロハタンポとミエハタンポよりもミナミハタンポとミエハタンポの方がよく似ているような。やっぱり見た目ではないのだろう。真面目に話せば海流の違いなのか水温の違いなのか、それともほかの要因なのか知りたいところである。見た目には一番愛嬌のある顔つきのミナミハタンポの姿が見れないとちょっと寂しい。